藤沢村岡城址（村岡城址公園）

2008/09 - 2008/09

　藤沢市村岡にある村岡城址は、平安時代の豪族村岡氏や鎌倉氏の屋敷跡とも伝えられ、中世には玉縄城の砦跡であった。村岡城址周辺は住宅地となっており遺構はまったく残っていない。したがって、石碑がなければ城址であったとは誰も気付かないだろう。村岡城址公園は単なるスポーツ公園だ。しかし、水場はあるがトイレはない、少年野球場（グランド）がある公園としては問題だ。野球チームのメンバーは隣の長福寺で借りているようだ。長福寺側から見ると寺の庭園となっている崖の上が野球場なのだ。
　公園端には、昭和7年10月に鎌倉同人会が建てた東郷平八郎書の「村岡城址」石碑がある。鎌倉権五郎景政のゆかりの地ということで鎌倉同人会が藤沢の地にまでしゃしゃり出たのであろう。いきさつは「村岡史話」（廣田三郎著・発行、昭和60年2月1日発行、29〜34ページ）（非売品）に書かれているようだ。藤沢市総合市民図書館で借りられるそうだ。
　かつては片瀬・江ノ島、藤沢駅以東、横浜市栄区・戸塚区あたりまで鎌倉郡であり、同一の文化圏だったのだ。一部が横浜市に併合されたのは昭和14年（1939年）に過ぎない。所詮、鎌倉市、藤沢市、横浜市、逗子市などと現在の行政区分を持ち出しても歴史上は故なきことなのだ。
（表紙写真は「村岡城址」石碑（昭和7年10月、鎌倉同人会））

エリア 藤沢・江ノ島(神奈川)

石井政治郎氏の顕彰碑（平成20年3月吉日、村岡地区有志一同）。