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 わざわざ寒い時期にヨーロッパへ行く一番の理由は、夏にはオフになってしまうオペラやコンサートを一度聴いてみたいということにありました。夏でも音楽祭が各地でありますが、音楽祭は上流階級の避暑客や観光客が中心でお値段を含めて特別のものという感じがします。市民が日常生活の中で楽しむ音楽会を一緒に体験してみたかったのです。<br /> ベルリンでは州立歌劇場のオペラ「魔笛」を観ることにしました。<br /> 実はベルリン州立歌劇場という表記には、ずいぶん迷いました。「ベルリン国立歌劇場」という表記の方が多数派ですし、私自身そうとばかり思っていました。でも、連邦国家ドイツには国立歌劇場というものはないそうで、州が歌劇場の財政を支えているらしいのです。<br /> 原語の Staatsoper の Staat は、私のポケット辞典では「国」となっていますから、Staatsoper は国立歌劇場で間違いないと思ったのですが、よく考えてみると日本語の「くに」も郷里を指したり「信濃の国」だったりして、必ずしも日本国を意味するとは限りません。飛行機で隣り合わせたベルリン在住の方に伺ったところ、Staat は州を指すこともあるようにおっしゃっていました。<br /> 地域国家の歴史の長いドイツですから、あの歌劇場がつくられた18世紀にはドイツは国家として存在せず、プロイセンが Staat だったわけで、その後の歴史の中で国家は大きくなったり分断されたり統一されたりと変遷を重ねたけれど、それとはあまり関係なく劇場は Staatsoper であり続けて来て、今はベルリン州立と読むのが最も近くなっているのかな、と考えてそう呼ぶことにします。<br />

ドイツ冬の旅2 ベルリンでオペラ「魔笛」を観る

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2009/12/26 - 2009/12/26

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ひらしま

ひらしまさん

 わざわざ寒い時期にヨーロッパへ行く一番の理由は、夏にはオフになってしまうオペラやコンサートを一度聴いてみたいということにありました。夏でも音楽祭が各地でありますが、音楽祭は上流階級の避暑客や観光客が中心でお値段を含めて特別のものという感じがします。市民が日常生活の中で楽しむ音楽会を一緒に体験してみたかったのです。
 ベルリンでは州立歌劇場のオペラ「魔笛」を観ることにしました。
 実はベルリン州立歌劇場という表記には、ずいぶん迷いました。「ベルリン国立歌劇場」という表記の方が多数派ですし、私自身そうとばかり思っていました。でも、連邦国家ドイツには国立歌劇場というものはないそうで、州が歌劇場の財政を支えているらしいのです。
 原語の Staatsoper の Staat は、私のポケット辞典では「国」となっていますから、Staatsoper は国立歌劇場で間違いないと思ったのですが、よく考えてみると日本語の「くに」も郷里を指したり「信濃の国」だったりして、必ずしも日本国を意味するとは限りません。飛行機で隣り合わせたベルリン在住の方に伺ったところ、Staat は州を指すこともあるようにおっしゃっていました。
 地域国家の歴史の長いドイツですから、あの歌劇場がつくられた18世紀にはドイツは国家として存在せず、プロイセンが Staat だったわけで、その後の歴史の中で国家は大きくなったり分断されたり統一されたりと変遷を重ねたけれど、それとはあまり関係なく劇場は Staatsoper であり続けて来て、今はベルリン州立と読むのが最も近くなっているのかな、と考えてそう呼ぶことにします。

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  •  入場券は歌劇場のウェブサイトから購入しました。コンサートカレンダーで公演を選び、チケットマークから進んでいきます。座席表の画面が出るのに時間がかかることがありますが、じっくり待ちましょう。<br /> 座席表は価格別に色分けされ、残席が表示され選べます。希望の席をクリックして、こちらの情報を入力すると、パスワードが送られてきます。そのパスワードを入力すると入場券を印刷できます。これで完了。とても便利で驚きました。<br />

     入場券は歌劇場のウェブサイトから購入しました。コンサートカレンダーで公演を選び、チケットマークから進んでいきます。座席表の画面が出るのに時間がかかることがありますが、じっくり待ちましょう。
     座席表は価格別に色分けされ、残席が表示され選べます。希望の席をクリックして、こちらの情報を入力すると、パスワードが送られてきます。そのパスワードを入力すると入場券を印刷できます。これで完了。とても便利で驚きました。

  • 12月26日(土)<br /> 足の故障をおして旅につきあってくれた妻でしたが、前日のフランクフルトの乗り継ぎでたくさん歩かされたのが響き、痛みがひどくなってしまいました。そこでこの日は、夜のオペラ見物に備えて昼間はゆっくりすることにしました。<br /> 朝食にパンを買ってこようとホテルの回りを歩いてみましたが、パン屋が見つかりません。ベルボーイ君に聞くと「祝日だから開いていない」とのことで、仕方なくルームサービスを頼みました。アメリカンが35ユーロ、コンチネンタルでも25ユーロ!<br />

    12月26日(土)
     足の故障をおして旅につきあってくれた妻でしたが、前日のフランクフルトの乗り継ぎでたくさん歩かされたのが響き、痛みがひどくなってしまいました。そこでこの日は、夜のオペラ見物に備えて昼間はゆっくりすることにしました。
     朝食にパンを買ってこようとホテルの回りを歩いてみましたが、パン屋が見つかりません。ベルボーイ君に聞くと「祝日だから開いていない」とのことで、仕方なくルームサービスを頼みました。アメリカンが35ユーロ、コンチネンタルでも25ユーロ!

  •  年賀状を書いて過ごした後、夕方1階に下りて昼食兼夕食をとりました。妻の頼んだアフタヌーンティーは英国で食べたのよりも本格的と、食いしん坊が喜んでいました。<br />

     年賀状を書いて過ごした後、夕方1階に下りて昼食兼夕食をとりました。妻の頼んだアフタヌーンティーは英国で食べたのよりも本格的と、食いしん坊が喜んでいました。

  •  さていよいよ初の海外でのオペラ見物です。開演30分前に歌劇場に着き、セルフプリントの入場券を見せるとバーコードを読み取り通されます。<br /> 地階のクロークで、妻がパンプスに替えたブーツを袋に入れ、コートと一緒に預けました。そのとき隣の人がお金を渡しているように見えたのですが、チップなのか料金なのか分からず、でもカウンターの向こうの人にチップを渡すというのが不自然に思えて、いくらですかと尋ねると不要ですとの答でした。やはりチップだったのですね。<br />

     さていよいよ初の海外でのオペラ見物です。開演30分前に歌劇場に着き、セルフプリントの入場券を見せるとバーコードを読み取り通されます。
     地階のクロークで、妻がパンプスに替えたブーツを袋に入れ、コートと一緒に預けました。そのとき隣の人がお金を渡しているように見えたのですが、チップなのか料金なのか分からず、でもカウンターの向こうの人にチップを渡すというのが不自然に思えて、いくらですかと尋ねると不要ですとの答でした。やはりチップだったのですね。

  •  服装については結構悩みました。とくに女性ですが、一般的に言われているのは、①オペラはコンサートよりも華やか ②プレミエは特に ③でも安い席はそうでもない というところでしょうか。今回は2階中央 Mittelloge の2列目という席だったので、妻には目一杯華やかにしてもらいました。<br /> 実際には、まわりを見渡すときっちりキメている人あり、セーター姿の人あり、いろいろでした。ちなみに、男性はほとんどがダークスーツでした。<br />

     服装については結構悩みました。とくに女性ですが、一般的に言われているのは、①オペラはコンサートよりも華やか ②プレミエは特に ③でも安い席はそうでもない というところでしょうか。今回は2階中央 Mittelloge の2列目という席だったので、妻には目一杯華やかにしてもらいました。
     実際には、まわりを見渡すときっちりキメている人あり、セーター姿の人あり、いろいろでした。ちなみに、男性はほとんどがダークスーツでした。

  •  さて、「魔笛」が始まりました。<br /> この日の指揮者は Julien Salemkour。オーケストラは小編成で、少し物足りない感じがします。まあ、劇場自体が小振りだし、モーツァルトの時代はこうだったのでしょうからこれでいいのかな。<br /> タミーノは最初は今ひとつと思ったのですが、輝かしい声を聞かせてくれ、パパゲーノとの二重唱が魅力的でした。舞台の童話的美しさも印象的でした。<br /> ピットの手前が花道のようになっている構造も親密な空間をつくり出しています。小屋で歌芝居を楽しむといった風情でしょうか。<br /> ザラストロの時事ネタらしきせりふが大受けという場面もあり(ちょっと疎外感でしたが)、客席には笑いが絶えず、魔笛って喜劇だったのだと再認識しました。これが生活の楽しみとしてのオペラであり、劇場なのですね、きっと。

     さて、「魔笛」が始まりました。
     この日の指揮者は Julien Salemkour。オーケストラは小編成で、少し物足りない感じがします。まあ、劇場自体が小振りだし、モーツァルトの時代はこうだったのでしょうからこれでいいのかな。
     タミーノは最初は今ひとつと思ったのですが、輝かしい声を聞かせてくれ、パパゲーノとの二重唱が魅力的でした。舞台の童話的美しさも印象的でした。
     ピットの手前が花道のようになっている構造も親密な空間をつくり出しています。小屋で歌芝居を楽しむといった風情でしょうか。
     ザラストロの時事ネタらしきせりふが大受けという場面もあり(ちょっと疎外感でしたが)、客席には笑いが絶えず、魔笛って喜劇だったのだと再認識しました。これが生活の楽しみとしてのオペラであり、劇場なのですね、きっと。

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