2007/09 - 2007/09
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ドクターキムルさん
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山陰地方の団体ツアーで必ずと言って良いくらいに寄るのが足立美術館である。米国での日本の庭園としての評価も高く、何よりも横山大観の絵の収蔵が多い文化的な高い雰囲気が漂う美術館である。安木駅からバスで月山富田城を目指し、帰りに足立美術館に寄ることにした。バス停を降りると音が聞こえ、滝が目に入る。しかし、何やら変だ。滝壷からの流れが小川となって美術館横の川に流れ込んでいる。しかし、どう考えてもあの山の尾根に川の流れなどできようがない。
足立美術館の入館料は1,800円と驚くほど高かった。団体ツアーなら団体割引や割引もあり、7掛けぐらいにはなるのだろうが、それでも高めだ。館に入ると早速、疑問に思っていた滝について聞いてみた。美術館からの借景に滝が入るようにポンプで水を汲み上げて滝に流しており、閉館後は止まっている。なるほど思った通りだ。借景と言うよりは庭園の一部なのだ。これほどなのだから流石に庭園は綺麗で手入れが行き届いていた。
入場者は観光バスで訪れる団体ツアー客がほとんどであり、観光バスが居る間は大変な混雑振りであったが、観光バスが引けるとほんの数人になり、本来の美術館の静けさが戻ってくる。大観の大きな紅葉の屏風絵を近くで見たり、少し離れてみたり、室の入り口付近まで下がって見たりして鑑賞していた。紅葉の葉は青や緑の葉を背景に赤や黄色の葉が描かれているが、紅葉した感じが良くでている。流石大観だ。そうしていると親娘3人連れが入ってきた。京都からのお客で、母親の実家に「大観の富士の絵があり、足立美術館では6,000万円で買いたいと言ってきたが、オークションに賭けて、5,800万円で落札した。」と言っている。「あんな小さな白黒の絵が5,800万円だなんて。私の好きな絵ではなかったわ。」「(横浜市)中山の兄が売り払ったのよ。」「その絵はここに飾ってあるのか。」父親が尋ねる。「ないわね。」大観の絵の値段が垣間見れた気がした。この紅葉の絵ならさしずめ何億、何十億もするかも知れない。しかし、補色を使って紅葉を浮き立たせる大観の手法を知ったことがとても印象深く思えた。庭も見て美術館を出る頃には入館料の1,800円は決して高くはないと思えた。
(表紙写真はバス停から見た謎の滝)
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