1998/11/12 - 1998/11/28
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kojikojiさん
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3週間ほど休めることになったのでギリシャに行くことにしました。限られた時間とシーズンから島は次回にして内陸部を中心に廻る事にしました。
いつものようにアエロフロートでモスクワ1泊コースでアテネに入ります。トランジットホテルのノボテルの勝手も分かっているので夜食とお酒は成田空港で調達しておきました。この日は阪急交通の団体さん36人と二人連れの女性と学生らしい女の子と日本人が多かったです。何故覚えているかというと翌朝の食事の時に添乗員さんが「これからツアーの人に説明をしなければなりません。耳障りだと思いますが申し訳ありません。」と断ってくれたからです。今まで日本人の団体さんと出会って良い事があった例が無いので阪急交通という会社はしっかりしているなと思ったからです。
それと二人連れの女性はアテネまで一緒だったのと、国立博物館で偶然再会して俗に言う「エーゲ海1日クルーズ」を含め数日行動を共にしたからです。静岡から来た主婦お二人で10日程の海外旅行なんて気ままで良いなと思っていましたが、帰国してから実は離婚を決めての旅だったと知って驚いたのも印象に残っています。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
当時のアテネ空港は古い空港でしたので、着陸前は海水浴場で遊ぶ人達の上や小島やフェリーを掠めそうでした。タラップを降りて歩いてターミナルに入るまでの蒸し暑さを今でも思い出します。空港で静岡の女性二人とはお別れです。彼女たちは送迎付き、こちらは市内へのバスを待ちます。バスを待っているとウォッチタワーの説明を受けました。日本で聞いたことはあったのでその旨を伝えると旅の無事を祈ってくれました。大体のコースを話すと「モネンバシアは素晴らしいから必ず行ってね。」と言われました。この一言が無ければ行かなかったかもしれません。でも行って正解でした。
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市内に入ってビルの間にアクロポリスが見えたときは思わず「スゲェ~!」と声を出してしまいました。
シンタグマ広場でバスを降り、プラーカの手前のアトスホテルにチェックイン。屋上からのアクロポリスの眺めは最高でした。
まずはアクロポリスへ向かいます。入口はちょうど丘の反対側、どちらから行ってもかなり歩くことになりました。 -
入口からも延々と坂道を登っていきます。そして広場に出ると神殿が待っています。
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登り切るまで細かいレリーフなどが見えないのが良いですね。インパクトが強いです。柱の直径も2メートルくらいあります。
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往時は一体どんな姿をしていたのでしょうか?大英博物館のエルギン・マーブルも観に行かなければと思いました。ロンドンへ行くのはまだしばらく先のことです。
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巨大です。圧倒されます。今までにギリシャの衛星都市だったシチリアなどを旅していて、アグリジェントのギリシャ神殿などは見ていましたが本歌はやっぱり違います。石材も質の高さを感じます。
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パルテノン神殿の西側に残されている古代建築物は、「エレクティオン」と呼ばれているものです。エレクティオンは、紀元前5世紀末に完成して、柱頭に渦巻き装飾が施された優雅なイオニア式建築の代表作といわれています。かつては彩色されており、アテナの女神像が安置されていました。神話上では女神アテナと海神ポセイドンがアテネの守護神の座をかけて争った場所とされています。オリジナルの女神像は併設された博物館に安置されています。
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午後の日差しに輝いた海は綺麗でした。
翌年は真暗な午前4時にアテネ市内に到着し、予約したホテルに掛け合いましたがチェックインが出来ず、このモニュメントの下で夜明けのアクロポリスを眺めることになりました。 -
アクロポリスの博物館です。秀逸な発掘品が数多く展示されています。
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「巨人のぺディメントの彫像群」の大きなアテナ像は不思議なデザインです。教科書などで紹介されない物を沢山見ることが出来た気がします。
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数千年前の造形とは思えません。後日の考古学博物館でも思いましたが、この時代にすべてのデザインは完成されていたと感じます。
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このあと2003年に妻と再訪していますが、現在は新しい博物館が出来て移動されているそうです。そう聞くとまたアテネにも行ってみたくなります。
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大英博物館がパルテノン神殿のエルギン・マーブルを返還しないのはギリシャにふさわしい博物館の施設が無いからだと聞いたことがありましたが、新しい博物館が出来てそんな問題は再燃しないのでしょうか?
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ホテルの屋上からの夜景です。
この後プラーカを歩いていると「スペインのマドリッドから出張できたんだけど一緒に飲みに行かないか?妻と離れたので羽をのばしたいんだ。」と声を掛けられました。「まだ食事をしてないから。」と断ると「安くて美味しい店を教えるよ。」と案内してくれました。セルフでしたがとても美味しい店でした。呑みに行く件は「疲れているから行かない。」と断ると彼は残念そうに帰って行きました。スペイン人がマドリーをマドリッドと言わないし、金曜の夜に出張で来るのも怪しいと思いました。そしてホテルに戻って地球の歩き方を読んでいると全く同じ手口でボッタクリ店に案内されると書いてありました。翌日もプラーカの中ほどでカモを探している連中の中に彼を見つけました。こちらが先に気付きましたが、慌てて後ろを向いていました。 -
アクロポリスの近くの駐車場の先に小高い岩山があって、ライトアップしたアクロポリスがとても綺麗でした。翌日再会した静岡の二人連れを案内すると感激していました。帰国後に手紙をいただき、あの時に離婚を決めたので写真があったら送って欲しいと書かれてありました。大きく引き伸ばして額に入れて送ってあげました。
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ひと気はありませんが危険な感じはしませんでした。この時の夜景は心に残っています。
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翌日は近隣の遺跡の見学で、ファイストス神殿とアゴラに行きました。パルテノン神殿は混雑していますが、周辺の遺跡は信じられないほど閑散としています。
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こんなみごとな神殿が残されていますが訪ねる人はほとんどいません。
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アクロポリスより保存状態が良いです。シチリアの各地の都市でギリシャ神殿の遺跡を見ましたがここが一番往時を感じさせました。
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初めて見た正教の教会です。アゴラの中にひっそり建っていました。この後の旅では北部ギリシャのカストリアまで正教のモザイクやフレスコを求めて移動します。
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午後からは国立考古学博物館に移動です。
これはポセイドン。ナポリ近郊のイスキア島のテルメ(温泉プール)に複製の像が鎮座していました。 -
こんな物が数千年前に造られたと思うと不思議な気分になります。
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現在のデザインにも通じるような素晴らしい意匠です。
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ハルピュイアです。イアソンの「アルゴー号の冒険」に登場し、罪を犯したピーネウスを苦しめるエピソードが有名です。他にもアイネイアスの放浪譚に登場します。黄泉の国の王ハデスまたはゼウスの手下であり、老婆のような顔に禿鷲の羽根、鷲の爪を持つ姿で表わされます。
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諸星大二郎の世界ですね。何をどのように想像したらこんなものが考えつくのでしょうか?不思議な物がゴロゴロしています。
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彼は何を掴もうとしていたのでしょう。
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大抵の銅像は眼の部分が空洞になっていますが、この像は色石でできた眼球が残っているのでまるで生きているようでした。
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カノーバかベルニーニの彫刻のようです。この数千年でどれほど美術は進歩したのでしょうか?この時代で完成していたのではと思います。
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古代ギリシャの陶芸の技術の高さにも驚かされます。
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アガメムノン王の仮面と言われていた物です。
昔どこかの会社のCMに使われていたような気がします。 -
牡牛のリュトン。これではお酒が飲みにくいと思うのですが。ここでモスクワから一緒にアテネに着いた二人連れと再会しました。博物館のテラスでお茶をして一緒に観光することにしました。
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どこの国もおばあちゃんは孫にやさしいですね。
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無名戦士の碑の前で衛兵交代式を観ることが出来ました。
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民族衣装なのでしょうか?靴が不思議なデザインです。同じデザインのボンボリの着いたスリッパ売ってますよね。うちにもあります。
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色々な国で衛兵の交代式を観ましたが衣装の奇抜さではギリシャが一番です。一番ストイックだったのはお隣のトルコでした。瞬きもしてはいけないそうです。
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無名戦士の墓から裏の公園を向けてリカビドスの丘まで3人で散歩しました。
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先ほど考古学博物館で見た石像を思い出しました。
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リカビトスの麓のイタリアンレストランで遅い昼食。ギリシャで食べたクアトロフロマッジオ(4種のチーズピザ)はシンプルな味だけにオリーブオイルもチーズもイタリアのものと違った味でした。
ケーブルカーで昇った山頂からは素晴らしい眺めでした。 -
サロニコス湾の3島クルーズの翌日、3人でダフニ修道院まで行きました。エレヘテリアスのターミナルからバスに乗って運転手さんに行き先を告げます。バスが街道の途中で止まり、降りるように促されます。運転手さんは親切に降りてからの道筋を教えてくれました。そうでもしなければたどり着けなかったと思います。
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外見は地味ですが内部には素晴らしい世界が広がります。
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素晴らしい新約聖書の世界が描かれたモザイクです。
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世界遺産に認定されるのも頷けます。この後オシオス・ルーカス修道院に行く気持ちが更に高まりました。行き方は分からなかったけれど・・・。
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帰りのバスも行きと同じ運転手さんでした。バスターミナルに戻ると「もう一つ素晴らしい修道院があるよ。224番のバスに乗ってケサリファニ修道院へ行けるよ。絶対に素晴らしいよ。」と教えてくれました。もちろん次はそこに行くつもりでしたのでお礼を言って別れました。
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ダフニ修道院から戻って彼女たちとはお別れです。翌日から1泊2日でメテオラに行くとの事でした。こちらも一度ペロポネソス半島を南下してアテネに戻った後に北へ向かいます。ほんの数日でも一緒に旅をした仲間と別れるのは寂しいものです。
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二人と別れて市場を歩いていると地元のおじさんに日本語で話しかけられました。「日本には3回行ったよ。でも物価が高くて上野から銀座まで歩いたよ。北海道には行ったことある?帯広の近くの池田。あそこのワインは美味しい。」「たまに日本語を使わないと忘れちゃうよ。」とそれだけ言って去っていきました。地中海沿岸の港町ではそんな風に話しかけられることが多いです。
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一人バスに乗り、ケサリファニ修道院へ向かいます。バスを降りてから車道脇の道をしばらく歩き、山道を登った先にひっそりと佇んでいる修道院でした。
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ここにも素晴らしいフレスコが残っていました。
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ダフニのモザイクも素晴らしいですが、フレスコの素朴さも魅力があります。イスタンブールでその魅力に惹かれてギリシャに来た訳でもあります。
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古い彫刻も壁に埋め込まれながら残されています。
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他に訪ねる人も無く少し寂しい気分でした。ただ修道院を貸し切れている贅沢も少し感じます。
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こんな山道を抜けていくのです。
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まさか教会を見に行くのにギリシャのオリーブ畑と農家を見学するとは思いませんでした。
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帰りのバスはデモの影響で市内に入れませんでした。訳の分からない公園が終点になってしまいましたが、パルテノン神殿に向かって歩いて行けばよいので安心です。
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ピレウスまで食事に行ってみました。港で船を見ているとどこかの島に行ってみたくなります。ATMでお金をおろそうとすると日本語表記でビックリしました。道に迷いながらピレウス港の外側の美しい海岸のレストランに行きました。夜景を眺めながら暖房の効いたテラス席でいただいた料理は最高でした。
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ピレウスの港もギリシャ危機の後に中国に権利を持たれてしまっています。昔英国にされた香港やポルトガル領だったマカオのようなことを現代になって中国がしていると感じます。
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