2009年12月エジプト(13) ラムセス３世葬祭殿１／５

2009/12/12 - 2009/12/19

次はラムセス３世葬祭殿に向かいます。途中、ラムセウムを通りかかります。ラムセウムというのは、ラムセス２世の葬祭殿です。ラムセス２世といえば、エジプトを代表するファラオの１人で、現存するエジプトの遺跡にたくさんの建物を残した建築王です。でも今回のツアーでは（というより大抵のツアーでは）素通りしてしまいます。保存状態が悪く、建物があまり残っていないのです。ところで、今回訪れる葬祭殿のラムセス３世は、ラムセス２世の息子ではありません。血のつながりもありません。ラムセス２世の熱烈なファンで、自らこのように改名してしまいました。そこそこ強かったファラオですが、民衆のストライキを受けたり、暗殺されかかったりと苦労が多かったようです。ラムセス２世が第１９王朝のファラオなのに対し、ラムセス３世は第２０王朝のファラオですから、長いエジプトの歴史の中では、殆ど同じ時代の人です。そんな昔の人が建てたのに、色までついて、とてもよい状態で残っているというのが、ラムセス３世葬祭殿のよいところです。

エリア ルクソール(エジプト)

到着直前に添乗員さんがチケットを配ります。１１時５０分着。チケットには「Ｈａｂｕ　Ｔｅｍｐｌｅ」とあります。この辺りにはハブ族という人たちが住んでいたことがあるので、この葬祭殿は「メディネト・ハブ」とも呼ばれるのです。

ここが入口です。西アジア風の城門（ミクドル）があります。シリアの門を真似たものだそうです。

門の中央には、窓がいくつかあります。

門の左側はこのようになっていて、

右側はこのようになっています。どちらも何かのレリーフが描かれています。

側面にも何かが描かれています。

門を奥に入ったところの左右にセクメト女神の像があります。セクメトは太陽神ラーの娘とされるライオンの神様で、力強く、戦争を司ります。病気や災いから身を守る魔よけとして、このように神殿の入口などに像が置かれました。左側のセクメト女神の像はよく保存されています。

右側は少しかけています。セクメト女神が手に持っているのは、

アンク（生命の象徴）です。この「♀」のような形は、古代エジプトの遺跡のあちこちで見かけます。