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2008年末〜2009年初の世界一周旅行。ジンバブエ編は早くもラスト。<br />まずは表紙の写真。<br /><br /><br />2008/12/30、ビクトリア・フォールズの短期滞在を終えて出国する前、空港で両替したジンバブエドルである。<br /><br />私が訪れた中でいちばん小さな(=カンボジアのシェムリアップをもしのぐ!・・・分かるヒトにはわかる?)「国際空港」の両替所で、10ドル札をジンバブエドルに交換してもらった。<br /><br />両替所のおねえさん、<br /><br />「両替?あんたね、市中では米ドルの方が実際にものは安く買えるのよ・・・え、コレクション?じゃしょうがないわね・・・」<br /><br />と。<br />数えたら、<br /><br />10米ドル=16億5021万3700ジンバブエ・ドル<br /><br />ほどあった。<br />この中での最高は10億ジンバブエ・ドル紙幣。話題の(?)1000億ジンバブエ・ドル札はさすがに入手できなかった・・<br /><br /><br /><br />上の写真左上がそれ。<br /><br />1000000000ジンバブエ・ドル札が、たかだか7ドルの価値しかない!<br />だが、これは事実である。<br />どれもキレイではあるが、ほとんど使い物にならない紙くず同然。<br /><br />町というには小さすぎるビクトリア・フォールズは、観光名所だけあってホテルや宿泊施設が整っている。それらはすべて、柵と高圧線で囲まれ、警備員によって守られ、支払はすべてドル建て。<br />しかし、ホテルから一歩外に出れば、仕事もない、いや正確には観光客相手にドル稼ぎを仕事とするしかない若者?や、学校にも行ってなさそうな子供たちが寄ってきて、「この木彫りを買ってくれ。5ドルだ、いや3ドルでいい。食べ物が必要なんだ」<br />と取り囲まれる。<br />それどころか、<br />「おまえはいいTシャツを来ているな(あるいは、良い靴を履いているな)・・・オレのと交換してくれ」としつこく絡まれる。<br /><br />※女性が一人で歩くには、ここは結構大変というか、ヤバいような気がします。。。<br /><br />悪いが、木彫りや石の細工に興味はない。彼らに1ドルも払わないオレは、鬼か・・・!?<br /><br />この「町」には、観光客向けに1日50ドルも100ドルもとるツアー会社はあっても、ごくフツーの商店には本当に商品が少ない。<br />あの「北朝鮮」の国営商店や、旧ソビエト連邦の「商品のほとんど置いていない商店」を想像してもらえれば遠からずだろう。<br /><br />これが貧困の帰結なのか、ハイパーインフレはその原因なのか結果なのか、2泊3日いただけの私がいえるわけもない。<br />だから、この国はこうだと決めつけるつもりはないが、見たことは上に書いた通りである。<br /><br />データでは、ジンバブエの年間インフレ率は200万パーセント(←私は2万パーセントと思っていたら違った!)、国民の5人に1人とも4人に1人ともいう HIV感染者で医療制度が崩壊し、平均寿命は1990年時点での60歳台から、なんと30代前半にまで下がってしまった。<br />そしてビクトリア・フォールズでは無縁かもしれないが、国のあちこちでコレラが大流行し、さらにすさまじい数の死者を出し続けている。<br /><br />唯一の救いは、私が見たジンバブエ人は、そうはいってもフレンドリーで明るく、特に子供は元気があることだった。<br />繰り返すが、私が見たのはほんの2日間、町の中心部と観光地だけである。<br />タウンシップ(もともとの「黒人居住区」)などではないから、すべてを語るつもりはさらさらない。<br />しかし、観光地でこれなのだ。<br />それにしても、これだけドル(=ドルを落としてくれる外国人観光客)に依存している観光地でも、ドル暴落が現実化したら、いったい何が起きるのか・・・と思ったのであった。<br /><br />遠くの国の出来事かもしれません。<br />しかし、かつてこの国は、南アフリカと並んで、南部アフリカの中では「先進国」で「アフリカの穀物庫」とまで言われていた、それがこの惨状。<br />経済、金融、医療、農業、教育、それに政治的自由。<br />政策を誤れば、日本で起こらないなどとは、誰にも断言できないはず。<br /><br />そう思うにつけ、日本の政治家は兎にも角にも危機感に乏しい、そう考えています。<br /><br />行きと同じく南アフリカ航空でまずはジョーバーグ(ヨハネスブルク)へ。<br />チェックインカウンターは、なんと「手書き」で航空券を発券する。「なんじゃこれ?」だ。<br /><br /><br /><br />ジョーバーグから次の香港行きのチケットはジョーバーグで発券してくれと。<br />預けた荷物も手書きのタグがつけられ、搭乗機の前に無造作に並べられたものを改めて本人確認して積んでもらうので・・なんだか不安になった。<br /><br /><br />2010-01-16<br />(Original 2009-01-01)<br /><この記事は、以前au oneブログに掲載していたものを、JustBlogにて加筆・修正・写真追加など再編集したものです>

【旅行記復刻版】2008世界一周(16)ジンバブエの現実。。

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2008/12 - 2009/01

322位(同エリア443件中)

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okura

okuraさん

2008年末〜2009年初の世界一周旅行。ジンバブエ編は早くもラスト。
まずは表紙の写真。


2008/12/30、ビクトリア・フォールズの短期滞在を終えて出国する前、空港で両替したジンバブエドルである。

私が訪れた中でいちばん小さな(=カンボジアのシェムリアップをもしのぐ!・・・分かるヒトにはわかる?)「国際空港」の両替所で、10ドル札をジンバブエドルに交換してもらった。

両替所のおねえさん、

「両替?あんたね、市中では米ドルの方が実際にものは安く買えるのよ・・・え、コレクション?じゃしょうがないわね・・・」

と。
数えたら、

10米ドル=16億5021万3700ジンバブエ・ドル

ほどあった。
この中での最高は10億ジンバブエ・ドル紙幣。話題の(?)1000億ジンバブエ・ドル札はさすがに入手できなかった・・



上の写真左上がそれ。

1000000000ジンバブエ・ドル札が、たかだか7ドルの価値しかない!
だが、これは事実である。
どれもキレイではあるが、ほとんど使い物にならない紙くず同然。

町というには小さすぎるビクトリア・フォールズは、観光名所だけあってホテルや宿泊施設が整っている。それらはすべて、柵と高圧線で囲まれ、警備員によって守られ、支払はすべてドル建て。
しかし、ホテルから一歩外に出れば、仕事もない、いや正確には観光客相手にドル稼ぎを仕事とするしかない若者?や、学校にも行ってなさそうな子供たちが寄ってきて、「この木彫りを買ってくれ。5ドルだ、いや3ドルでいい。食べ物が必要なんだ」
と取り囲まれる。
それどころか、
「おまえはいいTシャツを来ているな(あるいは、良い靴を履いているな)・・・オレのと交換してくれ」としつこく絡まれる。

※女性が一人で歩くには、ここは結構大変というか、ヤバいような気がします。。。

悪いが、木彫りや石の細工に興味はない。彼らに1ドルも払わないオレは、鬼か・・・!?

この「町」には、観光客向けに1日50ドルも100ドルもとるツアー会社はあっても、ごくフツーの商店には本当に商品が少ない。
あの「北朝鮮」の国営商店や、旧ソビエト連邦の「商品のほとんど置いていない商店」を想像してもらえれば遠からずだろう。

これが貧困の帰結なのか、ハイパーインフレはその原因なのか結果なのか、2泊3日いただけの私がいえるわけもない。
だから、この国はこうだと決めつけるつもりはないが、見たことは上に書いた通りである。

データでは、ジンバブエの年間インフレ率は200万パーセント(←私は2万パーセントと思っていたら違った!)、国民の5人に1人とも4人に1人ともいう HIV感染者で医療制度が崩壊し、平均寿命は1990年時点での60歳台から、なんと30代前半にまで下がってしまった。
そしてビクトリア・フォールズでは無縁かもしれないが、国のあちこちでコレラが大流行し、さらにすさまじい数の死者を出し続けている。

唯一の救いは、私が見たジンバブエ人は、そうはいってもフレンドリーで明るく、特に子供は元気があることだった。
繰り返すが、私が見たのはほんの2日間、町の中心部と観光地だけである。
タウンシップ(もともとの「黒人居住区」)などではないから、すべてを語るつもりはさらさらない。
しかし、観光地でこれなのだ。
それにしても、これだけドル(=ドルを落としてくれる外国人観光客)に依存している観光地でも、ドル暴落が現実化したら、いったい何が起きるのか・・・と思ったのであった。

遠くの国の出来事かもしれません。
しかし、かつてこの国は、南アフリカと並んで、南部アフリカの中では「先進国」で「アフリカの穀物庫」とまで言われていた、それがこの惨状。
経済、金融、医療、農業、教育、それに政治的自由。
政策を誤れば、日本で起こらないなどとは、誰にも断言できないはず。

そう思うにつけ、日本の政治家は兎にも角にも危機感に乏しい、そう考えています。

行きと同じく南アフリカ航空でまずはジョーバーグ(ヨハネスブルク)へ。
チェックインカウンターは、なんと「手書き」で航空券を発券する。「なんじゃこれ?」だ。



ジョーバーグから次の香港行きのチケットはジョーバーグで発券してくれと。
預けた荷物も手書きのタグがつけられ、搭乗機の前に無造作に並べられたものを改めて本人確認して積んでもらうので・・なんだか不安になった。


2010-01-16
(Original 2009-01-01)
<この記事は、以前au oneブログに掲載していたものを、JustBlogにて加筆・修正・写真追加など再編集したものです>

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  • 1000000000ジンバブエ・ドル札が、たかだか7ドルの価値しかない!<br />だが、これは事実である。

    1000000000ジンバブエ・ドル札が、たかだか7ドルの価値しかない!
    だが、これは事実である。

  • チェックインカウンターは、なんと「手書き」で航空券を発券する。「なんじゃこれ?」だ。<br /><br />ジョーバーグから次の香港行きのチケットはジョーバーグで発券してくれと。

    チェックインカウンターは、なんと「手書き」で航空券を発券する。「なんじゃこれ?」だ。

    ジョーバーグから次の香港行きのチケットはジョーバーグで発券してくれと。

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