2009/10/25 - 2009/10/25
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funasanさん
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10月25日、日曜日の早朝、暗いうちにホテルをチェックアウトしてウイーン西駅に行く。この日はウィーンからヴェネツィアまで8時間の列車の旅である。
写真:EC(ユーロシティ)の食堂車
私のホームページ『第二の人生を豊かに―ライター舟橋栄二のホームページ―』に旅行記多数あり。
http://www.e-funahashi.jp/
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ホテルからウィーン西駅まではタクシーで15分くらい、取り合えず、駅で熱いコーヒーとドーナツを買ってEC31号(ユーロシティ:写真)に乗り込む。
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今日お世話になる食堂車(写真)はライトアップされ準備完了。ウィーン出発と同時に食堂車はオープンする。よって、「朝日を見ながら食堂車で朝食をとる」ことも可能である。
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ドイツのICEは予約不要であるが、イタリア発着の国際特急列車は全席指定。よって、ユーロパスを持っていても指定券を購入しなければならない。写真:1等車の車内
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我々はウィーン滞在中にヴェネチィアまでの指定券(1人9ユーロ、1188円)を買った。ウィーン西駅はベルヴェデーレ宮殿の近くだったので宮殿見学の後、西駅に行き指定券を購入したわけである。同時に売店やホームの確認もした。写真:1等車の座席
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ウィーン発ヴェネチィア行きの直通列車は1日1本しかない。この早朝の列車に乗り遅れると旅行全体が大きく崩れてしまう。よって、事前にウィーン西駅に行きトラブルなく乗車できるよう準備したのである。個人旅行は結構手間がかかる。写真:1等車の座席
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ヨーロッパの1等車の座席配置は2−1の横3席。このECにもオープンサロンタイプとコンパートメント(写真)タイプがある。
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何と1等車のコンパートメントの座席は横2列のみ。扉に「ビジネス」と書いてある。まさに、列車版ビジネスクラス!ただし、座席のリクライニングは他の1等車と同じであまり傾かない。
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6時23分、列車は音もなく動き出し、すぐにウィーンの郊外に出る。しばらく走ると西の地平線から太陽(写真)が昇ってきた。まるで、今日一日の好天を約束してくれるよう‥‥。ラッキー!
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ウィーン郊外の住宅(写真)が朝日に輝いている。背後に雪を被った山が見えてきた。この後、列車は山間部に入り「セメリンク峠」を登っていく。最初の景勝地!
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朝の食堂車(写真)に行ってみると既に大勢の乗客が朝食をとっている。ウィーンを出て1時間くらいでセメリンク峠にさしかかるので、美しい車窓を眺めながらの絶好の朝食タイムである。
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我々は自分の座席で朝食をとることにする。時々回ってくるウエイターに注文をすれば食堂車と同じメニューが自分の席で楽しめる。写真:e-express Breakfast
(7.5ユーロ、990円)ロールパン2個、クロワッサン1個、ジャム、バター付、ハム、チーズ、そしてコーヒー。 -
パンが暖かくてうまい。列車はセメリンク峠にさしかかるとスピードを落としゆっくり登っていく。車窓には紅葉したカラマツや緑の針葉樹が走り去っていく。それらを見ながらパンを食べ、熱々のコーヒーを飲む。今までにない優雅な朝食である。
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峠を過ぎると列車は再びスピードを上げオーストリアの丘陵地帯を走っていく。
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参考までに、セメリンク峠周辺には石造りの鉄道橋が沢山あり、周囲の風景に溶け込んだ「石橋などの鉄道施設」が世界遺産に登録されている。残念ながら列車の中からは石橋のごく一部しか見えない。
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スイスアルプスはオーストリアアルプスに続いている。時折、車窓には雪を頂いた山々が見える。実に美しい風景(写真)
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ウィーンからヴェネチィアまで8時間もあるので、読書と仮眠でもしてのんびり過ごそうと思ったが、誤算だった。天気が良く綺麗な風景(写真)が次々に現れるので、その都度、カメラを構える。
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特急列車はスピードアップして平原(写真)を走り抜ける。よって、ピンボケしないようにシャッターを押すのは難しい。失敗写真の山ができ、即、消去する。それにもめげずに撮る。撮る。撮る。
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妻が座席で居眠りをはじめたので、気分転換に食堂車(写真)へ1人で行く。食堂車は朝食タイムの込み合いはなく、のんびりムード。
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コーヒーの「メランジ」(写真:2.5ユーロ、330円)を注文する。メニューを見てみると値段はそれ程高くないようである。
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1人がけ椅子の最後尾の席に座り、食堂車全体の雰囲気(写真)を楽しみながらコーヒーを味わう。時間はたっぷりある。むしろ、ここで時間をつぶす必要がある。
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飛行機を使えば1〜2時間のところを8時間もの時間をかけて列車の旅をする。急ぎすぎた人生にブレーキをかけて時間を無駄に過ごす。そして、「今」をゆっくり楽しむ。長距離列車の醍醐味の1つ。
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相変わらず車窓からは美しい風景(写真)が見える。8時13分Bruck a.d.Mur着、9時13分Unzmarkt着、10時07分St.Veit a.d.Glan着。
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私も自分の座席に帰り、うとうとしていたら、再び雪に覆われた山脈(写真)が目の前に現れてきた。これからオーストリア・イタリア国境の山岳地帯に入る。
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10時23分、列車はクラーゲンフルト(写真)に到着。ウィーンを出発して約4時間、ヴェネチィアまでの中間点である。
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ホームに下りて写真を写す。しかし、すぐ列車に飛び乗る。発車ベルが鳴らないのでドアが閉められたら終わりである。
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2等車のコンパートメント(写真)を見学して席にもどる。
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10時47分、オーストリア側最後の駅「フィラッハ」着。
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いよいよ国境越え、富士山に似た高い山(写真)が見えてくる。トリグラフ山(2864m)か?絶景のアルプス越えを期待していたが、トンネルが多い。
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朝食が早かったのでそろそろお腹が減ってきた。国境越えの途中、11時過ぎに妻と食堂車(写真)に行く。ランチ前の時間のためか食堂車は空席が多く、好きな場所に座る。
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写真入りのメニュー(写真)は実にありがたい。ドイツ語の下に英語表記もある。写真と英語メニューを照らし合わせ、本日のランチメニューを選ぶ。
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しかしながら、グルメ派ではなく健康志向の我々夫婦の選ぶメニューはいつも陳腐である。カボチャのスープ(3.6ユーロ)、レタス・トマトサラダ(3.0ユーロ)スパゲッティ・トマト風味(8.5ユーロ)ロールパン2個(1.6ユーロ)。どれもおいしく、全部食べた。
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食事をする時、我々は2人で1人分の注文をする。欧米では1皿の量が多いことが多く、2人分を頼むと食べきれない。また、どんな料理が出てくるか、うまいかどうか、実際に食べてみないと分からない。写真:食堂車にて
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食べて見て、少なければ追加注文したり、事前にフルーツ(バナナ、リンゴ)やパンを買っておいて、後で食べればいい。デザート(写真)も特大サイズの場合が多い。2人でシェアして食べれば意欲も湧き、よりおいしく感じる。写真:アップルパイ(3.6ユーロ)、メランジ(2.5ユーロ)以上、合計25.3ユーロ(3340円)
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11時21分、イタリア側の最初の駅「Tarvisio Boscoverde」に到着。国境を越えた。
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食事中、隣の席の中年男性(南アフリカ出身)2人組みと話しはじめた。オーストリアの小さな村をまわってイタリアに入る途中だという。写真:日差しが強くなったイタリア側の村の風景
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オーストリアの小さな村の美しさを盛んに主張している。南アフリカでは広大な農場を所有し、自宅の近くには「ぞう、キリン、ライオン」が普通にいるという。(動物園ではない)写真:アルプスの雪解け水の流れ
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アルプスを越えると、列車は北イタリアのジュリア州の平野(写真)に入る。
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12時14分「ウディネ」着、12時52分「ポルデノーネ」着、13時22分「コネリアーノ」着。ここまでアルプス山脈に沿って列車は走るので眺め(写真)がいい。この山並みを西にたどれば、アルピニストの血が踊る「ドロミテ山脈」に至る。
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コネリアーノから列車は南下し、一路、ヴェネチィアに向かう。長距離列車の旅も終盤に近い。写真:メストレ近郊の住宅
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14時09分、ヴェネチィア・メストレ着。ここで大勢の客が乗ってくる。今日は日曜日、メストレ在住の人や他の場所からヴェネチィアに遊びに来る。
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メストレを出ると、列車はいきなりラグーナ(潟)に架かる長い橋の上を走る。一気に気分が盛り上がってくる。
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見上げれば快晴!海も光り輝いている。ヴェネチィア訪問の最高のプレゼントである。
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そして、14時20分、列車はヴェネチィア・サンタ・ルチア駅(写真)に到着。8時間にわたる列車の旅が終了した。
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私は今回のヨーロッパ(4カ国)国際特急列車の旅で、5回鉄道を利用したが、ウイーン→ヴェネチィアが一番良かった。写真:ヴェネチィア・サンタ・ルチア駅にて
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1等車の座席、食堂車の雰囲気、車窓の風景、サービス全般、いずれも良く、8時間にわたる長時間の旅を退屈することなく過ごすことができた。Very Good.写真:ヴェネチィア・サンタ・ルチア駅にて
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重いスーツケースを引っ張りながらヴェネチィア・サンタ・ルチア駅(写真)を出る。
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駅を出ると、目の前は大運河!バスも車もない。運河を行き交うゴンドラやヴァポレットの世界に入る。写真:ヴェネチィア・サンタ・ルチア駅前の風景
‥‥ヴェネツィア滞在記に続く‥‥
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この旅行記へのコメント (3)
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- とにーさん 2010/04/26 21:02:39
- ウィーン〜ヴェネツィア移動の列車について
- funasanさま、こんばんわ
今度ヨーロッパに渡航予定のものですが、ちょっと教えてください
よその掲示板でウィーン〜ヴェネツィアの列車について質問したところ
日中移動の列車は直行のものが無いと言われたのですが、
funasanさまの旅行記を読んだところ直行のようにお見受けしました
もしそうならば詳しい列車の名前やどのHPで検索すれば詳細が分かるか、
教えていただけないでしょうか???
よろしくお願いいたします★★★
- funasanさん からの返信 2010/04/26 22:08:17
- RE: ウィーン〜ヴェネツィア移動の列車について
- とに〜さん、こんばんわ。
ドイツ鉄道のホームページ(以下)で早速検索してみたら、
確かに直通はありませんでした。
http://www.bahn.com/i/view/GBR/en/index.shtml
オーストリア最南端の町「Villach(フィラッハ)」で電車を降りて、
バスでイタリアに入国するルートになっています。
昨年の秋に私が行った時には、1日1本の直通電車があったのですが、
今年の6月、7月の適当な日程を入れて検索してみたのですが、いずれも
バス移動でした。理由は知りません。
取り急ぎ、ご報告まで。
funasan より
- とにーさん からの返信 2010/04/26 22:32:29
- RE: RE: ウィーン〜ヴェネツィア移動の列車について
- funasanさま、こんばんわ
すばやいご返答ありがとうございました
funasanさまの旅行記を見て、一日列車に揺られて景勝路線を移動するのも良いな〜と思ったのですが
還暦越えの母と二人、スーツケースを持っての旅なので
夜行が直行のようなので夜行で行こうかと思ってます
わざわざお調べ頂いてありがとうございました★★★
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