2009/09/22 - 2009/09/29
781位(同エリア1078件中)
えすてるさん
日程の3日目。アウシュビッツ訪問。
いろいろと考えさせられることが多く、貴重な1日。
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- フィンランド航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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朝、カトヴィツェを発ち、1時間15分かけてアウシュヴィッツへ向かう。
オシフィエンチムというのが、アウシュヴィッツ強制収容所跡がある町の名前。この看板の向こうには線路があり、この線路は、収容所につながっている。
つまり、この線路は、収容所に運ばれてきた人々の嘆きを聞いていた線路ということになる。 -
入口の建物は、この混雑。入場を待つのに列が出来ていて、その間にガイドさんは日本人らしいという情報があった。
今回の訪問に当たっての参考書は「ホロコーストを次世代に伝える」という岩波ブックレットの1冊。著者は、ただ1人のアウシュヴィッツ日本人ガイドの中谷剛さんだ。
繁忙期に中谷さんに当たるのはむずかしいと聞いていたので、期待がふくらむ。 -
荷物検査を受け、ガイドレシーバーの受け取り、建物の外に出ると、そこはもう強制収容所の敷地。
待っていたのは、やっぱり中谷さんだった。ありがたい。著書の中に詳しい地図があるので、参考にしながら歩いた。
今いた建物も、実は収容所の管理棟だったと聞かされる。襟元が引き締まる。 -
遠くてよく見えないけど、入口の門に「労働は諸君を自由にする」の文字。実際に彼らを待っていたものを考えつつ、門をくぐる。
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敷地内のあちこちに、こうした絵が掲げられている。生きて収容所を出ることができた人々が、思い出して描いたという収容所の出来事の絵だ。
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実際に使われていた建物と、鉄条網が大切に残されている。大切に残すのは、次世代に伝えるためだという。
人間は、見ていないと忘れてしまう。忘れたことは、必ず繰り返される。同じことが決して繰り返されないために、ここは、どうしても残さなくてはならない場所なのです、というメッセージがそこここに残されている。 -
ここは、沢山の方々が亡くなった場所。
子どもの頃から、なぜか、どうしても訪れてみたい場所のひとつだったけれど、実際に来て見ると、とても重いものがある。
「皆さんは、アウシュヴィッツを実際に目撃した証人になりました。ここで起こった出来事をどうとらえるか、証人として何をするか、は、皆さん一人一人がどう考えるかにかかっています。」
「ここを見ながら、いろいろなことを考えていただきたい。ガイドという仕事は、それをお手伝いすることだと思っています。」
自分の考えや、特定の見識を押し付けることなく、中谷さんは、いろいろなことを考えさせてくれた。 -
これは、収容された人々が住んでいた建物。男性と女性の居住区は分かれていて、行き来することはできなかった。
建物や樹木、人々が没収された持ち物も、大切に保存されている。物ばかりでなく、樹木も多くが寿命を迎え、目撃者も高齢者が多くなり、もうすぐ途絶えてしまうという。この記憶を次世代にどう伝えていくかが大きな課題であるとのことだった。 -
ここは、一番重い場所のひとつ、ガス室と焼却炉があった建物。
このようなことが二度と起こらないように、きちんと目を開いて見て帰ろうと、祈るような気持ちで、一歩一歩中を歩いて来た。
本当は、聞いてきたことや、考えたことがもっと沢山あるのだけれど、簡単には口にできないほど、私にとっては重くて貴重な体験だった。 -
これは、この旅行記の表紙写真からつながる引込み線。実際は、この両側に建物が並んでいた。
列車で着いた人々は、ここで列車から降ろされる。降りた人々は、すぐに医者によって二つのグループに分けられた。健康で働ける人と、そうでない人に。
見学者は、線路の上を歩いたり、線路に座って考えたり。 -
かなり広い敷地に、当時の建物がいくつかのみ残っている。時間があれば、遠くまで歩いて見られるとのことだったが、私たちの時間は2時間弱で、この辺りを見て終わった。
この線路の辺りは、「シンドラーのリスト」など映画やドキュメンタリーでも、よく見る場所。 -
これが収容棟の内部。蚕棚のようなベッドは修復されたものだろう。
その他に、トイレに使われていた場所も残っていて、映画の悲しい場面を思い出した。 -
人々が解放されたあとで撮影されたという、収容棟の記録写真。
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最後に、初めに通った線路の上を、もう一度バスが渡った。
アウシュヴィッツで見聞きして考えたことは、消化するのに大分時間がかかりそうだ。 -
午後は、世界遺産である南部小ポーランドの木造教会群の一つがある、リプニツァ・ムロバナに向かう。
途中で昼ごはん。毎回おいしいスープが出てくる。これは赤かぶのスープで、一見梅干みたいに見えるラビオリが入っている。かぶの赤い色がすごいので、白いラビオリが染まっている。
味は酸味があって、おいしい。 -
メニューは、赤かぶやキャベツの酢漬けの付け合せと、カツレツにマッシュポテトが添えられたもの。
実は、私は写真を撮るのを忘れて食べ始めていて、思い出して食べかけのを撮ろうとした。すると、仲良くなったお友達が、「これを撮りなさい」と、まだ手をつけていない自分のお皿を私の前に置いてくれた。
もう半分も残っていない黒いジュースは、ブラックカラントのジュース。とてもおいしかったので、アルコールを飲まない私は、旅の間中ずっとこれを飲み続けた。 -
食事が他の人より早く終わると、レストランを出て回りを見回す。レストランの外で、道行く人を見ているだけでも面白い。
レストランの数件先に、地元の人が不用品を持ち寄るリサイクルショップらしき店があった。そこのお店の女性と、お子さん。かわいい笑顔に心をつかまれた!
小さいクマのぬいぐるみを、旅の相棒に選んで連れて行くことにした。新品で、700円くらいだったと思う。 -
これがそのクマ。毎日かばんに入れて持ち歩いて、バスから一緒に車窓を眺めた・・・。
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リプニツァ・ムロバナまでは片道2時間半。途中渋滞にかかったり、トイレ休憩に時間がかかったりで、結局3時間近くかかった。こんな田園風景の中を、延々とのどかに走り続ける。
高速道路は整備されていて快適だが、団体客がバスで移動することは計算にないらしく、パーキングエリアがない。トイレ休憩にはガソリンスタンドを利用することになっており、たいていトイレは1箇所だ。
中には、バスで外国人が着いたのを見たとたん、トイレに鍵をかけて去ってゆく店員もいた。どこも必ず1ズウォティ払うのに、使われるのがいやだということは、汚されて掃除するのがいやだということなのかな。 -
途中の交差点の近くに、イチョウの木が色づいていた。ポーランドには、赤く色づく木はないので、「紅葉」ではなく「黄葉」と言うそうだ。
旅行のパンフレットでは、今回の日程は「黄葉」が見られるとのことだったが、まだ黄色くなり始め、ってとこかな。 -
さあ、やっと教会のある街に着きました。
とてもかわいい小ぢんまりした教会で、駐車場から5分程歩いて着いたら、教会の管理者の女性が、小学生のグループを相手にレクチャー中だった。
「いいかなー」と思いつつ入っていったら、あと8分程外で待っていてください、と英語で言われたので、他の人にも知らせて外で待つ。
これは教会の墓地。諸聖人の聖日が近く、多くの花や灯明が供えられているのだという。真新しい墓や、17世紀当時からかな?という古いのもある。 -
教会の外観。小さいが天井が高く、不思議な感じ。
小さな木片を一つ一つ組み合わせて建てられている。
外で待っているうちに、8分以上経っても声がかからないので、中を伺いつつ入ることにした。
さっきの女性が「どうぞ!」と言ってくれる。 -
17世紀に建てられて以来、建物の内側の壁に、直接描かれた絵によって、人々は字が読めなくても、聖書を学ぶことができた。
これは祭壇。手が入れられているらしく、鮮やかな色彩だ。全部木で出来ている。 -
これは、十字架にかかった3日後に復活され、天に昇って行かれるキリストの図だ。左は洗礼者ヨハネ、右は聖母マリア。
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最後の晩餐。十字架にかかる朝の前夜、キリストは12人の近しい弟子たちと最後の夕食を摂る。その席で、弟子の一人が自分を裏切り敵に売る、という衝撃の告白がなされた場面。
それがユダで、晩餐のテーブルの手前に一人で描かれている。 -
これも、祭壇の色鮮やかな絵だ。
描かれているのは、多分、この教会の歴史に関係する、資金提供者の富豪か、聖職者だ。キリストは彼らよりも小さく下の段に描かれた。 -
紀元1689年の建設であることを示す文字も、手書きで直接壁の板に書かれている。
私はクリスチャンなので興味があったけど、さして興味もなさそうな人々にとっては、どんな旅なんだろう。
今回の日程でも、めったに組み込まれない世界遺産、という触れ込みで、片道3時間かけてこの教会だけを見に来るんだけど、少々無理があったかな。
私たちが見終わって外に出ると、先ほどの女性はさっさと鍵をかけて、夕食の支度か、去っていった。
3時間かけて来ても、管理者不在で、外側しか見られないということもあるという。 -
教会から駐車場までの道からの眺め。
あの丘の上の家には、どんな家族が住んでいるんだろう。私のすぐ前を歩いて行く親子を見ながら、そう思った。 -
今夜のスープは、ポーランドの伝統的な素朴なスープ。毎回どれもおいしい。
今日は長い一日だった。忘れられない一日だった。 -
サーモングリルのメイン。豪快な味です。
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今日はカトヴィツェ泊。
本日の戦利品。向こうに3つ並んでいるガラスの不思議なものは、お墓に供える灯明。
あまりきれいで、30円くらいと安く、思わず買ってきた。持って帰ってくるのがなかなかめんどうだったけど。 -
街を走っていた市電。乗っている人も少なくて、なんだかちょっと物悲しい感じ。旅情たっぷり。
明日はポーランドのスイス、ザコパネと、とっても楽しみにしていたヴィエリチカの岩塩坑です。
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