2009/09/23 - 2009/09/24
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shimonさん
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JR東日本の企画きっぷを活用して、岩手県の花巻と遠野へと旅行に行ってきました。会社の拠点は東日本エリアに少ないこともあり、東北地方に出かけるのは青森の谷地温泉以来、本当に久しぶりでした。天気にも恵まれ遠野ではサイクリングも満喫でき、良いリフレッシュ休暇を過ごすことができました。
- 交通手段
- 新幹線 JRローカル
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久しぶりの東北新幹線
列車で東北に旅に出るのは、社会人1年目の夏休み以来なので6年ぶり、東北新幹線ともなると10年ぶりくらいです。東京19:08発のやまびこ65号で北上に向かいました。北上までは3時間の旅です。 -
車内にて夕食
東京駅の大丸にはいろいろなお弁当があって迷ったのですが(笑)、彩りのよい野菜に惹かれ、RF1でおつまみセットを調達しました。ご飯も無料で付けてもらえます。 -
北上駅とホテルメッツ北上
今回利用したのは、びゅうの「スーパー驚値!」という往復新幹線(指定席)とホテルのパッケージです。東京を夜に出て、帰りは遅い時間帯の新幹線に限定されますが、総額\12,700でした!岩手まで片道\3,000弱の計算なので破格です。宿泊したホテルメッツ北上は駅に隣接しているので非常に便利です。 -
東北本線ローカル
復路は北上20時台の新幹線なので、朝からまる1日岩手エリアで観光できます。平泉、温泉・秘湯巡り、盛岡散策、秋田横手散策などの選択肢もありましたが、花巻と遠野を訪れることに決めました。まずは北上8:24発の盛岡行きローカル電車で花巻まで向かいます。2駅10分なのであっという間でした。 -
風の鳴る林
花巻駅前にある21本のステンレスポールからなるモニュメントです。花巻を訪れた目的は、宮沢賢治記念館。これは“賢治の作品から聞こえる風の音”をイメージして造られたそうです。 -
宮沢賢治イーハトーブ館
花巻駅前8:59発の市内循環100円バスで賢治記念館へと向かいました。駅から20分前後で到着し、バス停からは歩いて5分弱です。
イーハトーブとは宮沢賢治による造語で、宮沢賢治が、現実の岩手の風土に立脚しながら心の中に思い描いていた夢の世界(ドリームランド)のことです。 -
宮沢賢治イーハトーブ館
宮沢賢治とその作品をこよなく愛する方々により発表された、賢治に関する研究論文や芸術作品を多く収集している文学館です。図書室や講義室のほか、企画展示スペースも備っています。 -
イーハトーブ館 企画展
高村光太郎と宮沢賢治のかかわりをテーマとした企画展が1階の展示スペースで開かれていました。イーハトーブ館は無料で見学できます。 -
賢治の森
イーハトーブ館と賢治記念館はこの「賢治の森」によって結ばれています。記念館のほうが標高が高いので、坂道と階段を10分くらい上っていきます。ところどころ、ユニークなオブジェもありました。 -
日時計花壇
賢治の森の中腹にはポラン広場と名付けられた広場があり、日時計にもなっている花壇がありました。 -
宮沢賢治記念館
賢治の没後50年目にあたる1982年9月21日にオープンした記念館です。「時代・地域・生家」「信仰」「科学」「芸術」などのテーマごとに、宮沢賢治の功績が分かりやすく視覚的に展示されていました。 -
賢治記念館 よだかの星彫刻碑
記念館の入口付近には石造りのオブジェがありました。「よだかの星」は大正10年頃に執筆されたとされる童話で、子どもの頃に読んだ記憶があります。 -
賢治記念館のテラスより
花巻市街を一望することができました。中央付近に北上川に架かる水色の“銀河大橋”が見えます。バス停からは結構急な坂道が続くので、やはり車が便利でしょうね。 -
注文の多い料理店
賢治記念館の駐車場の脇に「注文の多い料理店 山猫軒」という名の可愛らしいレストランがありました。手作りすいとんと特製味噌の焼きおにぎりのセットや、プラチナポークの料理が看板のようです。 -
注文の多い料理店 山猫軒
木でできた看板も味がありますね。猫のメッセージボードには「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません。」と原作を引用して書かれています。 -
徒歩で新花巻駅へ
賢治記念館入口のバス停から新花巻駅まで、バスに乗れば5分弱ですが本数があるわけでもないので、徒歩で向かいました。歩いて20分ちょっとだったでしょうか…。 -
釜石線で遠野へ
新花巻は新幹線と釜石線がクロスする駅ですが、乗り換えにはいったん改札を出て向かうようです。珍しいですね。新花巻11:12発の釜石経由宮古行き列車で、遠野を目指しました。 -
車窓風景
列車は北上川の支流猿ヶ石川に沿って走ります。柏木平駅に着く手前あたりだったでしょうか、トンネルを抜けると川が大きく蛇行して流れていました。 -
遠野駅に到着
山間部を抜けると遠野盆地が開けてきます。遠野駅へ到着したのが12:06でしたから、1時間弱の心地よい汽車旅でした。 -
遠野駅
1950年にドイツの駅を参考に建設されたという駅舎は、外壁がブロック造りですが、どことなく和テイストで街並みにも充分に溶け込んでいました。2階部分は宿泊施設「フォルクローロ遠野」となっています。 -
遠野駅前 カッパ像
駅前広場にある池の岩の上にはカッパ像がありました。楽しく語り合っているかのように見えますが、それにしても随分スリムですね(笑) -
遠野駅前交番
遠野はカッパでも有名で、「カッパ捕獲許可証」なるものも観光協会で発行しています。駅前にある観光協会に隣接した交番も、カッパの顔になっていて驚きました! -
さすらい地蔵
遠野では駅から徒歩圏内の観光名所は限られ、多くは盆地のなかに散在しるため、観光協会でレンタサイクルを借りると良いです。カッパ淵へと向かう途中にあったこの女性の地蔵は、夜毎台座から姿を消し、若い男と遊びまわるのが好きだったことから、この名が付いたそうです。 -
実りの秋
伝承園やカッパ淵のある常堅寺までは、駅から5〜6kmの距離があります。自転車で20分あまり要しますが、途中には美しい田園風景が広がっていました。 -
伝承園にて昼食
ここまでの道中、ところどころ歩道がない区間があり、わりと頻繁に大型車両が往来するのでサイクリングの方は注意が必要です。13時前に伝承園に無事到着し、まずは腹ごしらえをすることに。 -
名物はひっつみ
ひっつみ(すいとん)、冷やしなめこ蕎麦、舞茸天ぷら、山菜3点にご飯までセットになった天ぷら定食が\1,100と良心的です。セットもののバリエーションが豊富でした。あと、ここにはありませんが、遠野ではジンギスカンも有名です。 -
伝承園
遠野地方の農家のかつての暮らしぶりを再現した観光施設です。園内には国の重要文化財に指定されている曲り家「菊池家住宅」などがあります。 -
伝承園内 佐々木喜善記念館
遠野物語の話者である佐々木喜善氏に関する資料が記念館に展示されていました。 -
菊池家住宅
遠野地方には今でも曲り家がいくつか残されていますが、伝承園内に移築・復元された菊池家は国の重要文化財にも登録されています。 -
曲り家 馬屋
曲り家建築の特徴は、住居の部分と馬屋がL字形に連結されているところです。屋内から馬の様子を観察できるので便利だったのでしょうね。 -
曲り家 居間
囲炉裏が備え付けられているのが東北らしいですね。「じょい」と書かれていますが、この地方では「居間」のことを「常居(じょい)」と言うためだそうです。 -
曲り家 土間
室内には農家の調度品や民具などが展示されていました。写真に写っている糸車のようなものは、取っ手を回すとカイコから繭糸をつむぐことができ、貴重な体験をすることができました。 -
曲り家の軒先
手前が馬屋側で、L字型に折れた向こうが住居部分です。曲っているのがよく分かると思います。 -
御蚕神堂
とかいて「オシラ堂」と読みます。土蔵を移築した建物内にはオシラサマが1,000体も展示されていました。
オシラサマとは、桑の木で作った棒の先に男女の顔や馬の顔を書いたり彫ったりしたものに、布きれで作った衣を多数重ねて着せたものです。 -
オシラサマ
オシラサマには言い伝えがあるそうです。
「ある農家に娘がおり、家の飼い馬と仲が良く、ついには夫婦になってしまった。娘の父親は怒り、馬を殺して木に吊り下げた。娘は馬の死を知り、すがりついて泣いた。すると父はさらに怒り、馬の首をはねた。すかさず娘が馬の首に飛び乗ると、そのまま空へ昇り、オシラサマとなった…」ということです。 -
水車小屋
伝承園には水車小屋もありました。昔は、集落共同で水車を設置し、交代で利用、当番日には材料を持っていき、脱穀や粉ハタキ、ワラ打ちなどを行ったそうです。 -
伝承園 板倉
板倉とは、壁がすべて板で造られている納屋のことで、かつては農作業を行う場として用いられていたそうです。 -
常堅寺
伝承園から歩いて5分弱のところにある、室町時代1490年に創建されたとされるお寺です。裏手を流れる小川が「カッパ淵」としてよく知られています。 -
常堅寺 カッパの狛犬
常堅寺には全国でも珍しい“カッパの狛犬”がありました。かつてこの寺で火災が起きた際、火を消したカッパがそのまま狛犬になった、という伝説が残されているそうです。 -
カッパ淵
常堅寺の裏を流れる小川の淵にはカッパが多く住んでいて、人々を驚かし、いたずらをしたと伝えられています。うっそうとした茂みに覆われ、今にもカッパが現れそうな気配がしました。 -
カッパ淵の祠
岸辺にはカッパ神を祀った小さな祠があり、子持ちの女性がお乳が出るようにと願ををかけるとかなうといわれているそうです。 -
林檎の木
常堅寺から自転車を停めていた伝承園に戻る際、道の脇に林檎畑を発見しました。赤く色づき始めていて、秋が到来したことを感じました。 -
交通安全カッパ
伝承園の前で交通安全を祈っているカッパ「安全太郎」さんです。樹齢380年の楢の木を彫って造られているようです。 -
早瀬川 上早瀬橋より
伝承園・カッパ淵を見学し終えて、再び遠野駅方面へと戻りました。涼しい風が吹いていたので、橋の上で自転車を停めてしばし休憩。長閑な田園風景を眺めていました…。 -
至るところにカッパ
自転車を返却後、帰りの列車まで1時間半ほど時間があったので、昔話村や資料館を見学することにしました。市街地の電柱や道案内など、至るところにカッパのマスコットが居ました! -
とおの昔話村 柳翁宿
昔話村では、柳田國男が調査・執筆のために宿泊した、旧高善旅館を移築保存した「柳翁宿(りゅうおうじゅく)」が公開されています。手前にあるのは柳田國男の銅像です。 -
とおの昔話村
遠野を代表する旅籠屋、柳翁宿の内部です。1階は主人や家族の居住部分や女中部屋、2階が客室になっていたとのことです。 -
とおの昔話村
柳田國男が滞在していたという2階の客室で、この場所が民俗学調査の拠点になりました。
このほか、昔話村には、酒蔵を利用し遠野の昔話を紹介している「物語蔵や、遠野のみならず日本の昔話研究も網羅している「遠野昔話資料館」などがありました。 -
とおの昔話村 語り部館
柳翁宿から通りを隔てて向かいにある建物は「語り部館」となっていて、入村料プラス100円で語り部による昔話を聞くことができるそうです。 -
遠野 高善旅館跡
先ほど紹介した高善旅館(柳翁宿)の跡地が、昔話村の近くにありました。 -
遠野城下町資料館
遠野は盛岡藩の要衝の地で、遠野南部氏12,000石の城下町として発展してきました。この資料館では、江戸時代の城下町遠野の姿が様々な展示品によって紹介されています。 -
遠野城下町資料館
展示室は、城下町の暮らしや遠野南部氏にゆかりのある品々でいっぱいでした。 -
蔵の道ギャラリー
市民ギャラリーや創作活動室などからなる、蔵を活用してつくられたギャラリーです。蔵の屋根裏部屋には、昭和の懐かしいおもちゃやキャラクターグッズ骨董なども多数展示されているようです。 -
公園の水車
とおの昔話村の裏手に流れる川には親水公園があり、水車が回っていました。コスモスの花がたくさん咲いていたのも印象的でした。 -
遠野駅
花巻から遠野を経由して三陸海岸・釜石方面へと向かうJR釜石線には、「銀河ドリームライン」という別称があるそうです。そして全ての駅にはエスペラントの愛称がついていました。遠野駅はFolkloro(フォルクローロ)で、「民話」を意味するのだとか…。 -
遠野を出発
遠野駅17:01発の釜石線ローカル列車で、花巻へと向かいました。列車の最後尾からは、夕暮れ時の田園風景が流れていきました。 -
花巻に到着
花巻に着いたのは18時過ぎでしたが、この時間ともなると真っ暗になっていました。帰りの新幹線は北上駅から乗車するので、東北線のローカル電車で北上に戻りました。 -
北上市内にて
北上での乗り換え時間が1時間半あまりあったので、駅前から市街地に向かって歩いていきました。こちらは諏訪町アーケードです。人通りはあまり見られませんでした。 -
レストラン大安楼
夕食はアーケードにも近い大安楼にて、お刺身定食をいただきました。割烹とレストランに分かれているようです。 -
やまびこ68号にて帰京
北上20:04発のやまびこ号で東京へと帰りました。ほぼ各駅停車で(通過はたしか那須塩原と小山)東京まで約3時間の汽車旅です。 -
やまびこ車内
平日の遅い時間帯の上り新幹線でしたので、乗車率はそれほど高くもなく…。だからこそ格安チケットを販売しているのでしょうけどね。
短い時間でしたが、遠野の秋を満喫することもでき、充実した旅になりました。
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この旅行記へのコメント (6)
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- moonさん 2012/10/16 23:33:30
- お久しぶりです
- shimonさんへ
時間がゆっくり流れてるみたいで、岩手も素敵な所ですね。
東北は少しずつ行きたい所なので、岩手もいずれ行くぞ!と思ってます。
そうそう、先日拝見したベルギーの旅行記とても参考になりました。
4月に1人ベルギーを予定しているので、興味深く読ませてもらいました。
たぶん同じ旅行記を何度も見に来ちゃうかもしれませんが、許してくださいね。
これからも旅行記楽しみにしております。
moonより
- shimonさん からの返信 2012/10/28 20:37:28
- RE: お久しぶりです
- moonさん、お久しぶりです。
ご返事が遅くなりましたが、メッセージ有難うございました。
岩手の花巻も遠野もどこか懐かしい気分に浸ることができる街で
美味しいものもたくさんありました。岩手は各地に温泉もあり、
今度機会があれば秘湯めぐりの旅もしてみたいと思ってます。
ベルギーは街並みも素敵ですし、アールヌーヴォーの建築を観る
のも面白かったです。充実した旅行になるといいですね♪
shimon
-
- かとぽんさん 2011/02/11 23:16:55
- 永遠の日本のふるさとですね。
- カッパ淵画像を見て思わずこちらにも書き込みしてしまいましたw
実は私も昨年所用で(自家用車ですが)遠野・花巻を訪れました。
shimonさんの旅行記を拝見しながら
「あ〜、ここ行ったなぁ」とか懐かしく思い出しました。
でも団体行動で時間が制限されてたこともあり、
大事な場所に行ってなかったんだなぁ〜と気づいたり。
遠野はこれといった産業もなく
人口減少により税収減など問題山積み、
その対策として「永遠の日本のふるさと」として
全国にアピールしようと頑張っておられます。
shimonさんの旅日記を見た4トラユーザーさんたちが
1人でも多く遠野を訪れてくれたらいいなぁと思います。
そうそう、「カッパ捕獲許可証」購入してきました。
もうすぐ期限が切れちゃうんですけどw
- shimonさん からの返信 2011/02/12 13:16:25
- RE: 永遠の日本のふるさとですね。
- かとぽんさん、こんにちは。
度々旅行記にお立ち寄りいただきありがとうございます。
遠野はかれこれ十数年前から知っていたのですが、ようやく
訪れる機会に恵まれたものです。期待値は高かったのですが、
それを裏切らない長閑な里山の風景にたっぷり癒されました。
「カッパ捕獲許可証」もユニークなアイディアですよね。
この時期は冷え込みも厳しそうですが、また暖かくなったら
綺麗な空気を味わいに、訪れてみたくなる、そんな街です。
shimon
-
- ココアさん 2009/11/03 01:30:10
- こんばんは
- わたくしめの、旅行へのご訪問有難うございます。
国内はいろいろ回っていたつもりでしたが、遠野は未踏でしたので、わたしにはとっても新鮮で、堪能させて頂きました。
カッパが面白いので、追って、子供にも、貴ご旅行記をみさせますね。
東京駅で大丸のお弁当、さすが旅行「通」でいらっしゃいますね。わたしは新幹線出張の際は、駅改札で頼んで一旦出させてもらった、大丸で買ってまた入らさせて貰っています。同じ千円弱位払うなら、駅内で買うよりも、何倍もおいしいですよね。
ココア
- shimonさん からの返信 2009/11/15 12:33:47
- RE: こんばんは
- ココアさん、こんにちは。
遠野旅行記へのご訪問、どうも有難うございました。
また、お返事が遅くなり、大変失礼いたしました…。
遠野は街をあげてカッパをPRしていて、交番までもが
カッパのデザインであることに非常に驚きました。
駅弁も風情があっていいのですが、関東人にとって
東京駅のお弁当はあまり目新しさがないものですから
デパートの食品コーナーを歩き回って調達しました。
ココアさんの旅行記も楽しく拝見いたしております。
ストラスブールは、私が以前訪れたのは真冬でしたが、
やはり春だと風景の印象もだいぶ異なりますね。
また足を運ばせていただきます。
shimon
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