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<br />バンコク中央駅(ファランボン駅)からのチェンマイ行き特急は定刻8時30分であるが、大体が出発時間から遅れ、9時に近くになってようやく出発する。バンコク市内の慢性的交通渋滞の為、遅刻する乗客への救済措置かも知れないが、最初からこれだけ大きく狂ってくると、この遅れがこの国の常識になってしまう。昨日の内にピサヌローク行き特急券を買っておいたので、渋滞を見込んでも1時間あれば充分だろうと、今朝はホテルを7時過ぎに出たが、矢張り途中で渋滞に巻き込まれ、一時ははらはらしたが、運転手は慣れたもの、わき道を通ったりして定刻30分前の8時には駅に到着する。しかしこの慢性的交通渋滞は何年も前からのバンコクの名物になっていて、困ったものだ。<br /><br /><br />ピサヌロークはバンコクーチェンマイ間のほぼ中間に位置する駅で、特急券は450バーツ、時刻表では1時20分着だから約5時間の乗車である。昨日切符を買う為にホテルから駅までツクツクで往復したが、合計運賃300バーツ、今朝予約したホテルからの自家用車代200バーツを考えると、タイ国鉄の運賃が如何に安いのか、或いは街のタクシー、ツクツクが如何にぼっているのか、同じ交通機関でも値段のアンバランスに多少の戸惑いを感じる。ちなみにチェンマイまでは約1000キロ弱、凡そ12時間の乗車で610バーツである。<br /><br />夕方バンコクを出て、翌朝チェンマイ駅に到着する寝台車も何本か出ていて、バックパッカーなどはホテル代が浮くので良く利用しているようだ。<br /><br />特急とは言っても車両は古く、日本の昔の急行みたいな感じであるが、車内のサービスは抜群である。出発すると間もなく、お絞り代わりの濡れテイッシュが配布され、続いてコーヒー、紅茶、清涼飲料などのワゴン車がやってくる。一段落すると朝食用にサンドイッチとデニッシュの配布。衛生的にパックされ、何やらタイ語で製造年月日、消費年月日も記載されているようだ。日本のコンビニで買うサンドイッチと変わらない。当方朝ホテルでバイキングをかなりたらふく食べたので、とても食べる気になれず、そのままにしておくと、今度はお昼近くに昼食お弁当の配布が始まる。チキンとか煮物とか、機内食に引けを取らない味と豪華さで、ついて来ないのはビール等のアルコール類だけ。タイ国鉄がこんなにサービスが良いとは想像だに出来なかった。乗車賃といいこのサービスと言い、タイ国鉄が赤字にならない筈はないものだ。しかしこれが国有サービスと言うものだろう。古き良き時代の形骸がこんな処にも残っていた。<br /><br />日本では札幌行きのカシオペアを別にして、他の新幹線特急から食堂車が全て無くなって久しいが、こうして車窓を流れる光景を眺めながらの車内食は久し振りの経験だ。新幹線から食堂車が取り外された最後の年、もうかれこれ10年近く前になるが、服部先生と神戸地裁に行った際、食堂車で1200円のカレーライスを食べたのが最後の機会で、時の流れをつい思い出したものだった。<br /><br />しかしタイは広い。いつまで走っても見渡す限りの平原で、山の影すら見えない。先年大連から瀋陽までの満州鉄道に乗車したが、その満州よりも広大だ。尤も満州の大平原と言っても、瀋陽から南の地方は山が意外に近くまで迫っていて、期待に反してややがっかりしたが、タイの平野がこれ程広いとは想像していなかった。車窓は田園風景で、主に稲作が多いが、刈入れの終わった休墾地、田植えが済んだばかりの田んぼ、今将にこれから刈入れを迎えるたわわに稔った稲穂の波。タイは三毛作と聞いていたが、これでは三毛作どころか1年中の毛作。季節感などはないのだろう。お米が無くなったら又稲作をし、余っている時は休んでいる。タイ人の楽天的な性格はこの様な身近な自然の恵みの中で育まれてきたのかも知れない。<br /><br />河川も平野を流れているのだから急流というものは無く、ゆったりとおおらかに蛇行している。河川と湖沼との区別もつき難く、当然そこには堤防とか護岸などはなく、大きな沼がいつの間にか流れに変わっていたり、河のような流れが大きな沼の中に消えてしまっている。どこまでが沼で、どこからが河かの区分けのつかない、本当におおらかな田園風景である。こんなところからもタイ人ののんびりした性格が生まれてきているのかも知れない。<br /><br />列車は時刻表に載っていないような小さな駅までも臨時停車するように停車し、一人二人の乗客を下ろしたり、また単線につき対抗の列車を待つため、無人駅のようなところで随分の時間停車していたりして、漸く時刻表より1時間以上の遅れの後、目的のピサヌローク駅に到着する。<br /><br />時間は使う者の使い方次第によって伸び縮みする。忙しく使えば、時は早く流れ、ゆっくり使えば、ゆったり流れる。人は何かをしようと目的を定めた場合、それが一日の単位で計画された場合には、その日の内に成就できれば目的を達したものであり、半日で達する必要はないのだ。列車が来ないのならまだしも、1時間2時間遅れでも、待っていれば必ずやってきて、目的の場所まで運んでくれる。1時間遅れを非難すべきでは無く、目的の場所にまで運んでくれることに感謝すべきなのだ。タイ人の我慢強さ、こだわりの無さ、時間への観念。僅か半日の鉄道乗車であったが、何かタイ人の感じ方の一端を垣間見たような感じであった。<br /><br />       <br />   < 灼熱や 稲穂も焦がす タイの国 ><br />

タイ・ラオス3000キロの旅(9)スコータイへ。

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2007/04/24 - 2007/05/08

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ちゃお

ちゃおさん


バンコク中央駅(ファランボン駅)からのチェンマイ行き特急は定刻8時30分であるが、大体が出発時間から遅れ、9時に近くになってようやく出発する。バンコク市内の慢性的交通渋滞の為、遅刻する乗客への救済措置かも知れないが、最初からこれだけ大きく狂ってくると、この遅れがこの国の常識になってしまう。昨日の内にピサヌローク行き特急券を買っておいたので、渋滞を見込んでも1時間あれば充分だろうと、今朝はホテルを7時過ぎに出たが、矢張り途中で渋滞に巻き込まれ、一時ははらはらしたが、運転手は慣れたもの、わき道を通ったりして定刻30分前の8時には駅に到着する。しかしこの慢性的交通渋滞は何年も前からのバンコクの名物になっていて、困ったものだ。


ピサヌロークはバンコクーチェンマイ間のほぼ中間に位置する駅で、特急券は450バーツ、時刻表では1時20分着だから約5時間の乗車である。昨日切符を買う為にホテルから駅までツクツクで往復したが、合計運賃300バーツ、今朝予約したホテルからの自家用車代200バーツを考えると、タイ国鉄の運賃が如何に安いのか、或いは街のタクシー、ツクツクが如何にぼっているのか、同じ交通機関でも値段のアンバランスに多少の戸惑いを感じる。ちなみにチェンマイまでは約1000キロ弱、凡そ12時間の乗車で610バーツである。

夕方バンコクを出て、翌朝チェンマイ駅に到着する寝台車も何本か出ていて、バックパッカーなどはホテル代が浮くので良く利用しているようだ。

特急とは言っても車両は古く、日本の昔の急行みたいな感じであるが、車内のサービスは抜群である。出発すると間もなく、お絞り代わりの濡れテイッシュが配布され、続いてコーヒー、紅茶、清涼飲料などのワゴン車がやってくる。一段落すると朝食用にサンドイッチとデニッシュの配布。衛生的にパックされ、何やらタイ語で製造年月日、消費年月日も記載されているようだ。日本のコンビニで買うサンドイッチと変わらない。当方朝ホテルでバイキングをかなりたらふく食べたので、とても食べる気になれず、そのままにしておくと、今度はお昼近くに昼食お弁当の配布が始まる。チキンとか煮物とか、機内食に引けを取らない味と豪華さで、ついて来ないのはビール等のアルコール類だけ。タイ国鉄がこんなにサービスが良いとは想像だに出来なかった。乗車賃といいこのサービスと言い、タイ国鉄が赤字にならない筈はないものだ。しかしこれが国有サービスと言うものだろう。古き良き時代の形骸がこんな処にも残っていた。

日本では札幌行きのカシオペアを別にして、他の新幹線特急から食堂車が全て無くなって久しいが、こうして車窓を流れる光景を眺めながらの車内食は久し振りの経験だ。新幹線から食堂車が取り外された最後の年、もうかれこれ10年近く前になるが、服部先生と神戸地裁に行った際、食堂車で1200円のカレーライスを食べたのが最後の機会で、時の流れをつい思い出したものだった。

しかしタイは広い。いつまで走っても見渡す限りの平原で、山の影すら見えない。先年大連から瀋陽までの満州鉄道に乗車したが、その満州よりも広大だ。尤も満州の大平原と言っても、瀋陽から南の地方は山が意外に近くまで迫っていて、期待に反してややがっかりしたが、タイの平野がこれ程広いとは想像していなかった。車窓は田園風景で、主に稲作が多いが、刈入れの終わった休墾地、田植えが済んだばかりの田んぼ、今将にこれから刈入れを迎えるたわわに稔った稲穂の波。タイは三毛作と聞いていたが、これでは三毛作どころか1年中の毛作。季節感などはないのだろう。お米が無くなったら又稲作をし、余っている時は休んでいる。タイ人の楽天的な性格はこの様な身近な自然の恵みの中で育まれてきたのかも知れない。

河川も平野を流れているのだから急流というものは無く、ゆったりとおおらかに蛇行している。河川と湖沼との区別もつき難く、当然そこには堤防とか護岸などはなく、大きな沼がいつの間にか流れに変わっていたり、河のような流れが大きな沼の中に消えてしまっている。どこまでが沼で、どこからが河かの区分けのつかない、本当におおらかな田園風景である。こんなところからもタイ人ののんびりした性格が生まれてきているのかも知れない。

列車は時刻表に載っていないような小さな駅までも臨時停車するように停車し、一人二人の乗客を下ろしたり、また単線につき対抗の列車を待つため、無人駅のようなところで随分の時間停車していたりして、漸く時刻表より1時間以上の遅れの後、目的のピサヌローク駅に到着する。

時間は使う者の使い方次第によって伸び縮みする。忙しく使えば、時は早く流れ、ゆっくり使えば、ゆったり流れる。人は何かをしようと目的を定めた場合、それが一日の単位で計画された場合には、その日の内に成就できれば目的を達したものであり、半日で達する必要はないのだ。列車が来ないのならまだしも、1時間2時間遅れでも、待っていれば必ずやってきて、目的の場所まで運んでくれる。1時間遅れを非難すべきでは無く、目的の場所にまで運んでくれることに感謝すべきなのだ。タイ人の我慢強さ、こだわりの無さ、時間への観念。僅か半日の鉄道乗車であったが、何かタイ人の感じ方の一端を垣間見たような感じであった。

       
   < 灼熱や 稲穂も焦がす タイの国 >

  • バンコク中央駅、ファランポン駅のプラットフォーム。タイ国鉄は日本ほど時間に正確ではないが、サービスは抜群。

    バンコク中央駅、ファランポン駅のプラットフォーム。タイ国鉄は日本ほど時間に正確ではないが、サービスは抜群。

  • 出発すると早速お絞り、コーヒー、朝食などのサービスが始まる。

    出発すると早速お絞り、コーヒー、朝食などのサービスが始まる。

  • 今晩宿泊のスコータイリゾートホテル。Agodaで予約したホテルであるが、バスターミナルからも遺跡からもかなり離れていて、ロケーションは不便な場所にあったが、静かな環境で、本当にリゾート気分に浸れた。<br />

    今晩宿泊のスコータイリゾートホテル。Agodaで予約したホテルであるが、バスターミナルからも遺跡からもかなり離れていて、ロケーションは不便な場所にあったが、静かな環境で、本当にリゾート気分に浸れた。

  • 夜日が沈んでからも、又、朝の早い時間から野鳥の鳴き声が静かなしじまに木霊し、タイの高級リゾートの雰囲気があった。

    夜日が沈んでからも、又、朝の早い時間から野鳥の鳴き声が静かなしじまに木霊し、タイの高級リゾートの雰囲気があった。

  • プールもあり、リッチな気分に浸ることができた。コテージ風の部屋も広く静かで旅行の贅沢感を味わえるホテルではあった。このホテルからタイ語サークルの皆さんに絵葉書を送る。

    プールもあり、リッチな気分に浸ることができた。コテージ風の部屋も広く静かで旅行の贅沢感を味わえるホテルではあった。このホテルからタイ語サークルの皆さんに絵葉書を送る。

  • 明日訪問するスコータイ遺跡公園。遺跡全体が綺麗な歴史公園になっている。

    明日訪問するスコータイ遺跡公園。遺跡全体が綺麗な歴史公園になっている。

  • 1000年の夢の跡。

    1000年の夢の跡。

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