2008/12/23 - 2009/01/07
7630位(同エリア8626件中)
ちゃおさん
昨日はカメラの電池切れで、カメラを持たない「アンコール・ワット」訪問などは考えようもなく、そのまま早い時間にホテルに引き上げたが、今日は又、シェリムアップから100キロ以上も離れた聖地、「プノーン・クレーン山」の観光を終え、「トンレサップ湖」まで行く途上の僅かな時間を割いて、本当の意味での駆け足での観光となった。
それでも良い。外から眺めるだけでなく、バイクを降りて、この足で、このワットの境内を駆けぬける。大勢の外人客を押しのけるようにして、約1時間、駆け足で回るのも良いだろう。
西面する正門。西日がくすんだ色合いの石門に映えている。幅広の参道は一面に敷石で覆われ、毎日数千、数万人が訪れる世界中からの観光客の靴底で磨り減っている。いや、ひょっとしてこの磨耗は、今始まったことではなく、今から800年前の創建当時の人々により刻まれた痕かも知れない。
参道は350mの長さにわたって真っ直ぐ正面の石門へと向っている。人々は何かを回顧するかのように、ゆっくりと歩を進めている。過去の歴史、芸術性、構造美、今彼らがここにいることの感動。両側は波々と水を湛えた濠、聖池。
第一回廊石門の硬い床石は磨耗して黒光りし、その数段の石段を上り潜った先が広い中庭となっていて、見よ、その先の更なる回廊の真正面にくすんだ色の三連の巨大な石の塔が見えるではないか!
そう、ここが9世紀から15世紀にかけての約600年間、このインドシナ半島(大陸)の地に於いて栄耀栄華を誇ったアンコール王朝の中心地、アンコールワットの巨大な聖堂(中央祠堂)なのだ。
急ぐ足も自然に萎え、その巨大な石堂に向って無我の境地で歩を進める。当時の奏音、人々のざわめき、王侯貴族の行列、物売り、乞食。この聖堂の前、広大な中庭で繰り広げられたであろう当時の絵巻物が脳裏に浮かぶ。
第二回廊を抜けると、目の前に聳え立つ高さ60m余りの巨大な石のモニュメント。三連の塔は中央が一際高く中空に屹立していた。その塔にはびっしりと彫刻が施され、これでもか、これでもか、と言わんばかりに圧倒してくる。阿修羅のごとき壮観。果てしない石の芸術の連なり。茫然自失。須弥山と言われる塔の最頂に登る気力も失せ、ただ下から見上げるだけだった。
予定の1時間はあっという間に過ぎ去り、帰路、第一回廊の壁面いっぱいに彫刻されているマハーバーラタの戦争絵巻、庶民の生活、天上天下にそっと触れ、古の王国の香りも少しは嗅げた気もしたのだった。
「三連のワット炎天夢のあと」
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