1962/01/18 - 1962/01/18
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ソフィさん
1962年1月18日(木)
そろそろ滞在予定期間12カ月の半分が過ぎた今、これからの行動パターンについて反省をなすべきタイミングが来ている。
私は、ヨーロッパ滞在での関心の対象を、ここに暮らす普通の人の、日常の生活姿勢・感覚に向けようとしていた。
とくに傑出したものに対する関心と同時に、普通の当たり前のものに、彼らの文化の本質が見えるだろうと考えていたのだった。
今まで我が国は、「和魂洋才」を目指して、西洋の技術を学ぼうとしていた。
しかしそれでは西洋に追いつくことができても、追い抜くことはできない。
彼らの技術を生み育てた背景にある魂を、生きた姿で捕えてみたい。
それが、私の欧州滞在の目的だった。
余力があれば、19区、20区など、あまり知られていないパリの庶民の街もゆっくり味わいながら歩いてみたい。
とは言っても、ルーブルやヴェルサイユ宮殿など、パリに暮らしながらゆっくり見ていないところが多過ぎる。
百年前に日本からやって来た文久2年の欧州視察団は、実にたくさんのものを見ている。
好奇心に燃え上がり、見るもの全てが面白くてたまらなかったのだろう。
今と比べれば、ヨーロッパは驚くほど遠い存在だったに違いない。
当時は外輪の蒸気船と帆船とを合わせた船で、スエズ運河の開通前だから船を乗り換えながら、日本から欧州まで二ヶ月半を要している。
交通手段だけでなく通信手段も未発達だから、日本にいる間の西洋に対する情報は、非常に乏しかっただろう。
だから見るもの聞くもの、恐ろしく新鮮な感動に満ちていたに違いない。
咳が止まらないので、一日部屋に閉じこもる。
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