2008/09/20 - 2008/09/25
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azianokazeさん
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北京初日は車をチャーターして郊外の川底下村に出かけました。
北京から2時間10分、古い民家が今も残る村ですが、観光ブームで民家を旅館や食堂などに使い、村は大変活気づいています。
帰路に日中戦争勃発の地、盧溝橋に立ち寄り、夜は京劇も楽しみました。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 航空会社
- 大韓航空
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写真は展望台から眺める川底下村。
車は宿泊しているゲストハウス「北京の家“白塔園”」で出してもらいました。
料金は800元 約13500円。
特にひとり旅の場合、全額自分の負担になりますので決して安い料金ではありませんが、せっかく北京まで来たのですから、悔いを残すとかえってもったいないことにもなります。
他の旅行社の日本語サイトでみても、大体車を1日チャーターして郊外をまわると800から1000元といったところが多いようです。
「北京の家“白塔園”」の場合、日本で7年間生活していたオーナーのキンさんが運転してくれましたので実質日本語ガイドつきでした。
更に、キンさんの分の入村料20元 約350円を負担して村の中も一緒に案内してもらいました。
それらを考えると、随分格安料金ではないかと思います。
また、?でもふれたように、天候などにあわせて可能な範囲でスケジュール調整もしてもらえます。 -
昨夜の予報では雨が心配されたのですが、なんとか持ちこたえています。
2時間あまりのドライブで川底村に到着。
中島 亜希子さんのサイトから川底下村の紹介を引用します。
「川底下村は、北京市内から、約90キロ離れた門頭溝区にある自然村です。明・清時代のほぼ完全な四合院建築が約70戸余り建てられています。明時代の初期に、北方異民族の侵攻から、都を防衛するために、現在の山西省から移住させられた人々が住み着いた村で、以来、村人は全て、「韓」という姓を名乗っています。」
(http://www.aiainet.jp/~mz/nakajima/2004_09_29.htm)
どうして「韓」なのかは、6枚ほど後の写真のところで、再度中島さんのサイトから説明を引用してあります。 -
中国は今や観光ブームですから、この山奥の寒村にも北京から大型バスで大勢の観光客が押し寄せています。
この傾向は今後ますます強まると予想されます。
雲南の麗江でもそうでしたが、“古い街並み”といったキャッチコピーを信じて出かけると、街に溢れる中国人観光客の多さに驚きます。 -
自分自身がその観光客のひとり、しかもご丁寧に国外から押しかけた観光客ですから、その賑わいをとやかく言うのは筋違いでしょう。蜘蛛の糸のカンダタです。
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そのことは観光地だけの話ではなく、遅れて成長を始めた中国などの国に対するいろんな問題にも共通した観点でもあるでしょう。
それはともかく、通りには物売りが大勢出ていますが、山奥の村ですから、胡桃などの木の実が多いようです。
蜂蜜なども売っていました。 -
特に通りに面した民家は、旅館などに改装されていることが多いようです。
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本来“川”の字は昔はかまどを意味するこのような難しい字だったとか。
この字の由来については、井上@打浦橋@上海さん のアルバム「川底下村は爨(かまど)の底の下なのか・・・」
(http://4travel.jp/traveler/dapuqiao/album/10159226/)に詳しく紹介されていますのでご覧ください。
村の写真もそちらに掲載されていますので・・・と言うと、私のこのアルバムの意味がなくなりますので、こちらもあわせてご覧ください。 -
前を行くキンさん。
前出の中島さんのサイトから更に引用します。
「川底下村は、中国語では、爨底下村と書きます。この爨という字は、一見、繁体字だと思うかもしれませんが、簡体字です。読み方はcuan(2声)です。この爨には、『飯を炊く、炊事をする、かまど』(小学館 中日辞典)という意味があります。明の時代には、危険な渓谷に阻まれた土地柄から爨底下と呼ばれていたそうです。
この村は、火、焼、熱、旺とずっと関係があったそうで、陰陽五行のつりあいを取るために、この村の人はみな、「韓」と名乗り、同じ読み方の「寒」とかけているそうです。」 -
団体観光客の一行が通り過ぎると静けさが戻ります。
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裏山に上ると甍の波が風情があります。
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四合院づくりの中庭を食堂みたいにして利用している家がたくさんあります。
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ところどころで何か煮炊きをしています。
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写真右側の石塀の路地などはいい感じです。
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古い家が残っているということで、映画の撮影にも使われるそうです。
食事した民家に飾ってあったそんな映画の写真。
雪景色ですが、実際雪が降るとここまでやってくるが大変そう。 -
周囲は山ばかりです。昔は不便な暮らしだったと思われます。
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四合院の中庭を外から隠すように白壁があり、そこに詩などが書かれています。
この家では杜甫の詩です。
春夜雨を喜ぶ 杜甫
好雨 時節を知り
春に当たりて すなわち発生す
風に随いて 潜かに夜に入り
物を潤して 細かに声なし
野径 雲 倶に黒く
江船 火 独り明らかなり
暁に紅の湿れる処をみれば
花は錦官城に重からん
午後からは雨かもしれませんが、それもまたよしとしましょう。
もちろん杜甫の詩は帰国後調べたものですが、少なくとも現場で「ああ、杜甫の詩だ・・・」とわかるということ、つまり文化を共有しているということは、世界に多くの国々があるなかで、とても大事な凄いことではないか・・・とも思います。 -
路地に吊るされたとうもろこし。
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粉にひく石の道具。
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焼きとうもろこしがおいしそうです。
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胡桃
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瓢箪にヒマワリ
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爨の字を細工した瓢箪。
お土産にいいかも。 -
いろんな木の実が。ほかにキノコなどもあります。
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村から歩いて15分か20分近く山に入ったところに“一線天”というポイントがあります。
車も入ってきます。(車を村に乗り入れるには別途料金が必要なのかは知りません)
両側から迫る岩の裂け目から空が一本の線のように見えるところから名づけられた場所です。
昔は水が流れていたとか。
岩肌に鍾乳石のように見えるものもありましたので、石灰岩が水で侵食されてできた裂け目かも。 -
大型観光バスで通り抜けて行く一行もありますが、感心しません。
こういう場所はやはり歩くべきでしょう。 -
ここも映画の撮影に使われます。
光が写りこんで見づらいですが、騎馬の兵士が岩の間を駆け抜けるシーンです。 -
岩肌に残る水の浸食を窺わせる痕跡
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民家の一軒で昼食を頼みます。
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中国の料理は一皿がひとりには多すぎて困ります。
今日はキンさんも一緒ですので安心。メニュー選びも任せます。 -
写真左上はとうもろこしの粉で焼いたパンのようなもの。
噛んでいると味がしますが、芋のように口の中でもそもそするタイプはちょっと苦手です。
左下の赤飯のようなご飯が雑穀ごはん。 -
卵料理、豆腐料理に野菜料理
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昼食を終えて最後に向かいの丘に登って村の全景を見渡します。
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チケットにも使われている一番の撮影ポイントです。
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この辺りでポツリポツリ雨が落ちてきましたが、もう川底村見物も終わりですから問題ありません。
問題はこの丘に登るだけで足が悲鳴をあげることです。
万里の長城を金山嶺から司馬台まで10kmほど歩く予定にしていますが、こんなことで歩けるでしょうか。 -
帰りの車の中で眠っている間に雨が本降りになっていました。
帰り道に盧溝橋があるとのことでしたので寄ってもらいました。
国民党政府軍と対峙していた日本軍は、1937年(昭和12年)7月7日深夜から8日未明にかけて発砲があったことをきっかけに攻撃を開始、日中戦争(支那事変)の発端となった場所です。 -
もともと盧溝橋はマルコ・ポーロが東方見聞録のなかで世界中で一番美しい橋と絶賛した橋であり、また、月を眺める名所としても知られた場所でした。
橋のたもとには乾隆帝が建てた「盧溝暁月」の碑文が残っています。 -
かなり雨が強く降っていましたが、盧溝橋そのものを観光するというより、日中戦争勃発の地に立ってみたいとの思いでしたので、雨はさほど気になりませんでした。
盧溝橋には、そういった日中戦争をあえて想起させるようなものは何も設置されていません。 -
永定河にかかる橋は結構長いものです。
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橋の両側には獅子の像が並んでいます。
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約500体ほどあるらしいこの獅子は一体ごとに異なるつくりになっています。
兵馬俑もそうですが、こういうあたりの中国人のこだわりは相当なものがあります。 -
通りをはさんで向かい側が宛平城。
日本軍によって最初に占領された城だそうで、この中には中国人民抗日戦争記念館があるそうです。
今回は予定していませんでしたのでパス。 -
ゲストハウスに戻りひとやすみした後、京劇を観に雨の中でかけました。
京劇の劇場としては湖広会館が有名ですが、観光客向けにアレンジされており料金も高いとか。
むしろゲスハウスから歩いていける車公荘駅付近に最近できた梅蘭芳大劇院が国家運営でレベルも格段に高く、しかも料金も安いそうです。(ただし、数万円するような個室もあるみたいですが。きっと政府の偉い方などが使うのでしょう。)
ただ、観光客向けではないので、湖広会館のように日本語ヘッドフォンサービスとかの類はありません。
まあ、雰囲気を味わえればいいか・・・ということで梅蘭芳大劇院へ行ってみました。
雨の中たどりついた劇場は最新のものですから、さすがにりっぱです。 -
予約なしでも席がとれました。(演目にもよるでしょうが。)
チケット売り場で勧められるまま1階の奥の席、180元。(3階席なら50元からあります。)
写真はロビーの様子。
やはり年配の方が多いようです。 -
場内は撮影禁止だったのですが、知らずに2,3枚撮ってしまいました。(途中で係員に注意されました。)
演目は「玉堂春」。当然言葉がわかりませんし、話の大筋もわかりません。
帰国後ネットで調べて「なるほど、そういう話だったのか・・・」というところです。
言葉もわからないのであまり期待しておらず、「最初の1時間ぐらいみたら出ようか・・・」なんても思っていました。
しかし、話はわからなくても、生身の人間の演じる芸の魅力はそんな素人を2時間半ものあいだひきつけるものでした。(さすがに2時間を越えるあたりから“いつ終わるのだろうか?”と気になりだしましたが。)
なお、日本の能や歌舞伎もそうですが、こうした伝統芸能での言葉は中国人にとっても聞き取りが難しいそうで、舞台の両脇に中国語の字幕が電光表示されます。(本当かどうかは知りません。単に聴覚障害の方のためかも)
それを見ていると、(日本人でも読める箇所もあるので)若干ではありますが、話が見える部分もあります。 -
京劇というと、派手な立ち回りとか衣装とかが注目されたりしますが、この演目では立ち回りも一切なく、舞台装置もほとんどなく、ひたすら主演の女優さんが語るように歌い、歌うように語る、それだけです。
最初の1時間などは、彼女が何もない舞台でひとり歌い続けます。
歌には“聴かせどころ”があります。そういったところでは、客席から拍手と掛け声がかかります。
歌舞伎なら「成田屋!」「音羽屋!」といった感じでしょうか。
観客も相当に見慣れた方が多いようです。
ゲストハウスに湖広会館と両方行かれた日本人客がいましたが、全くレベルが違うと話されていました。
キンさんの話では、梅蘭芳大劇院の舞台に立てるのは一流の役者さんだけだそうです。 -
終了後の挨拶。
ここは係員の許可をもらって撮影しました。
京劇は、昔は梅蘭芳のような女形が演じていましたが、現在は女性が演じているそうです。 -
観客のアンコールの要望に応えて最後に1曲。
会場は2階席、3階席みんな総立ちで、ものすごい熱狂ぶりでした。
わからないなりにも、期待以上に堪能して劇場を出ましたが、夕食の機会をなくし、帰りがけにカップめんを買うことに。
北京初日の晩御飯はカップめん・・・。
翌日は故宮など市内を散策の予定です。
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この旅行記へのコメント (2)
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- SUR SHANGHAIさん 2008/10/01 13:17:47
- おお、北京にお越しでしたか。
- お久しぶりで〜す。
ここのところ出先にいて、自分の旅行記アップはおろか、トラベラーさん巡りも怠っているSUR SHANGHAIで申し訳ありません。
azianokazeさんは、アップがいつもすばやいですねえ。
つい最近のこの北京、川底下村の旅行記ももうアップ済み。
しかも丁寧な説明や感想付き、と言うのに感心します。
中国もレジャーブームになったものですねえ。一部の人たちとはいえ元々の人口が多いので、楽しみのために旅行に出かける人が一気に増えた感じです。
川底下村も観光バスが行く観光地になったんですね。
訪れる人が増える前に行きたかったのは麗江。
九寨溝はまだ行ってませんが、もう半分行く気が無くなってます…。 う〜ん、行く時期を逃して残念…。
- azianokazeさん からの返信 2008/10/02 00:48:01
- RE: おお、北京にお越しでしたか。
- 資料をまとめたり、文章にしたり・・・というようなことが好きだということもありますが、旅行記をまとめないと旅行が終わった感じがせず中途半端に思えるようなこともあって、帰国するとせっせと作業にとりかかります。
自分が行きたい、見たいところは、他人も行きたい、見たいわけで、観光地に大勢の人が集まるのはやむを得ないことですね。
まあ、現地の人も観光できるような生活の余裕ができたことを喜ぶしかないですね。
そういう意味では、大方の東南アジアの観光地に外国人観光客が多く、国内の観光客があまりいない・・・という光景が異常なのかも。
そうは言っても、おそろいの帽子、ジャケットで旗を押し立てたかしましい一行にであうと閉口することもあります。
人間身勝手なものですから。
賑わいを楽しむ心の余裕を持たないといけないですね。
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