2008/07/16 - 2008/07/29
25位(同エリア32件中)
tomoさん
みんなとお別れしてケープコーストで感慨にひたる
- 同行者
- 一人旅
- 航空会社
- エミレーツ航空
-
お別れの朝が来た。
モモがしょっちゅうCa va?と聞いてくれるのも今日でおしまいか。
さみしいなあ。
ラシッド、なんとか移動できるまで元気になった。熱を計ると36度6分。これならまず大丈夫だろう。よかった!
2人で悪名高きロッジのレストランで朝食をとる。みなの失敗を昨日見たので、同じ轍は踏むまいと、最も無難そうなシリアルをオーダー。ラシッドはプレーンオムレツ。
私のシリアル、なぜか熱いんですけど…「熱いシリアルなんて私初めてだよ」とジェドゥネに言ってみる。一口食べて愕然とする。ホットミルクじゃないよ、これお湯だよ!!!もうシリアルというより離乳食状態。「私の国では、一般的に、シリアルは冷たい牛乳をかけて食べるものとされているが、あなたの国ではどうなの?」とジェドゥネとモモに確認してみる。やっぱり冷たい牛乳で食べるものだと言う。交換してもらうが、今度は冷たい牛乳の代わりに紅茶用のクリーム状のミルクをかけろという。やってみたけど、やっぱり駄目だった。断念。
一方でラシッドは笑っちゃうような質問をしている。「これ、僕が頼んだオムレツ?」−彼のプレーンオムレツは見事なまでの灰色だった。食欲なくなるなあ。
恐るべし、アラスカホテル! -
男子部屋での生活にもお別れ。
まだ体調の万全でないラシッドの荷物を運んでいると、ラシッドに「女性は男性のために働いてはいけない」と叱られる。そして「女性を働かせるとは何事だ」と今度はジェドゥネが叱られ、私の代わりにラシッドの荷物を運ぶ。これがフェミニストというものね。是非ともこれを見習ってほしい人たちの顔が浮かぶ。
タコラディまで送ってもらい、そこからラシッドとトロトロに乗る。モモ、ムイーズ、ジェドゥネが見送りに来てくれる。他のみんなとはここでお別れ。ラシッドは「じゃあ、2週間後に!」って言ってるけど、私は次いつ会えるか分からない。みんなに良くしてもらった分、後からたまたま入れてもらっただけなのに、グループの一員として受け入れてもらえた分、泣くまいと思っても涙が出てしまう。ああ、やっぱり別れは辛い。
タコラディまで時間がかかればいいと思ったのに、メアド交換をしている間に、あっという間についてしまった。
すぐにアクラ行きのトロトロの座席をゲット。私は途中のケープコーストで下りる予定。 -
トロトロが出発するまで、みんなと最後のファンタを飲む。一番仲のよかったジェドゥネは、それはもうがっかりして、どんより暗くちっともしゃべらない。でもそれだけ仲良くなれた証拠。いつかまた、みんなに会えますように。
最後にみんなで写真を撮る。トロトロドライバーのおじさんにお願いしたら、なかなかうまくとれない。4枚目にようやく全員が枠におさまっている写真が撮れたので良しとする。
ラシッドと2人仲良くベストシートである助手席に座る。またね〜!最後は笑ってお別れできてよかった。
ラシッドと写真を見せあいながら話しているうちに、ラシッドが眠った。ラシッドの体調が良くなったことにホッとした瞬間、3時間しか寝てない私も、ついつい寝てしまった。
ラシッドに起こされる。「危ないからドライバーに寄りかかって寝てはいけない」…どうやら爆睡していたようだ。そしてケープコーストについてしまったようだ。
ここでラシッドともお別れ。彼が無事に夜中の2時までにロメまでたどり着けますように。体調が持ちますように。
ああ、また一人になってしまった…そして私の旅も終焉が近づいている -
ケープコーストのバスターミナルで明日のアクラまでの帰りのバスを聞いてみる。明日は17時発の飛行機に乗るので、13時頃までに何としてもアクラに戻らなければならない。そう考えるとバスは無理。あたりにいる人に聞くと、トロトロが15分おきに出ているから心配しなくて大丈夫だという。逆算すると、10時にトロトロに乗ればいいかな?そうすると、早朝にカクム国立公園に行けばぎりぎり間に合いそう。
明日、なんとかカクムに行けそうなので、前から泊まりたいと思っていたハンスコテージボーテルに泊まる。ガーナ最終泊なので、豪勢に25ドルのホットシャワー付き個室♪
ハンスコテージボーテルは不便な場所にある。すでに時刻は2時を回っているので、ここは仕方なくタクシーをチャーターして、ホテルに荷物を置いたあと、エルミナまで送ってもらう。翌朝も分刻みのスケジュールで行動しなければ飛行機に乗れないので、明日の朝も迎えに来てもらう。お金はかかるが、ここは仕方ない。だってどれも必ず見ようと思ってた場所だから、ここはお金で時間を買う作戦。
遠くにエルミナ城が見えてきた。今日は快晴。外見は美しく見える暗い過去を背負った場所。 -
何も知らなければ、楽しい場所だと思ってしまいそうなほど、今日の快晴に映える白。
ここは城という名が付いているものの、奴隷貿易の拠点となった場所。ここから数えきれないほどの人が、奴隷として船に詰め込まれ、遥かアフリカ大陸まで“輸出”されていたというのだ。 -
外国人は7ドル。ガーナの物価を考えるとかなり高い。説明ツアーに参加する。
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ツアーはまず、女子房から始まる。
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奴隷たちが働く様子を、歴代のここの支配者は2階から眺めていたそうだ。
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そして2階からの監視されている時に気に入られた女性奴隷は、この特別階段を上って、支配者の寝室へと行かなければならなかった。
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電気もなかった当時、この部屋は暗く暑かった。200人余りの女性が互いにつながれ、最低限の食事のみを与えられた。横たわって眠ることもできないほどぎゅうぎゅうに詰め込まれ、固い石畳の上で座ったまま眠るしかなかった。このような過酷な状況でも生き残ることのできた体の強い者だけど奴隷として出荷した。お金をかけず良い“商品”を選択する悪魔のような方法。
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出荷に値すると判断された奴隷は、特別の扉から連れ出される。逃走できないよう、背が低く、1人しか通れないような入口になっている。みな、係員の説明を真剣に聞いている。
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最後の狭い扉の向こうは外界。ここから船に詰め込まれる。そして二度とアフリカの地を踏むことはないのだ。
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反乱者の独房。光が一切届かないこの場所に、反乱を指導した者は、食事や水など一切与えられず、餓死するまで放置されたという。
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過去に悲しいことがあったとは思えないほど、今はのんびりした景色が広がっている。
ケープコーストまでは自力で行くって言ったのに、チャーターしたタクシードライバーが待っている。約束した以上のお金はもうありませんから。振り切って街を観光する。皆顔が同じに見えるから、話しかけられても誰なのか判明するまで時間がかかってしょうがない。 -
ここは港町。カラフルな船が各国の国旗をつけて、岸を埋めている。すごい賑わい。
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買い出しに来る人、威勢良く売る人、港は活気に溢れる。
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一体何隻あるのか想像もできないほど、岸には所狭しと係留されている。
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こっちへおいでよと船の上からみんなが声をかけてくれる。
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乗合タクシーに乗って、閉園間近の世界遺産ケープコースト城に滑り込む。こちらも外国人は7セディ。
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エルミナより広い女子房。ツアーガイドの説明中、ドアを閉めてこの部屋に閉じ込められるということがどういうことかを体験する。
外界とのドアを閉めると、そこは完全なる闇だった。視覚が遮断されると一段と蒸し暑く感じる。隣にいるのが誰だかまるでわからない。それがまた恐怖感を掻き立てる。奴隷候補の人々は、餓死するか出荷されるまでこの状況下で過ごすのだ。人間の本能が感じる恐怖と絶望。わずか1分余りであったが、ここから出してほしいと叫びだしそうだった。
人が人を売るという残酷さを学ぶという点で、1枚のドアを閉めるというそれだけのイベントであるが、どんな教科書よりも雄弁であった。ここで行われていたことがどれほど残酷で悲しいものであったか、身をもって実感した。
二度と同じ過ちを繰り返さないために、私たちは歴史から学ばなければならない。 -
Door of No Return
ここからひとたび外に出ると、二度とアフリカへは戻ってこられないのだ -
ドアのすぐ前は海だ。簡単に船に乗せて“出荷”する仕組み。
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この悲惨な仕組みが教会によって運営されていたことがわかる。
ちなみに、今ではこのドアから元の部屋に戻ることができるので、平和を祈ってDoor of Returnと書いてある。 -
ヨーロッパからの観光客も地元の人も、みな、真剣にガイドの話を聞いている。特に地元の子供たちは一生懸命メモを取りながら説明を聞いており、先生の問いかけにも手を上げてこたえている。
ここでは私も白人として分類されている。現地の人は白人のことをどう思っているんだろうと、少し怖くなった。現地の子供が一緒に写真を撮りたいと言ってくれたので少しほっとした。 -
スウェーデン、オランダ、イギリスと占有者は変遷した。海の守りを固めること、それがこの悪魔のビジネスの拠点に重要なことであった。
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たくさんの砲台は海を向き、海からの侵入者に備える。
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統治者の住居。曇り空と外壁の禿げた建物が相まって恐ろしい雰囲気を醸し出している。
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修学旅行の生徒が一生懸命勉強していた。
日本で立てたプランでは、ケープコーストで2泊する予定だった。1泊目はオアシスビーチリゾート、2泊目は今日泊まるハンスコテージボーテルに泊まる予定だった。オアシスビーチリゾートではガーナの音楽やダンスが楽しめるとガイドブックに書いてあったのでそれは楽しみにしていた。
しかしラシッドのマラリア事件でオアシスビーチリゾートをあきらめるしかなかった。だから帰りのボーテルまでのタクシーの運転手にオアシスビーチリゾートで音楽やダンスを楽しもうと誘われた時、心動かされた。この人と行くのはいやだったが。夜遅くなってからボーテルまでタクシーで戻るのも危ないしお金もかかるし、明日は早起きしなければならないので、泣く泣く断念した。
ボーテルでガーナ最後のネットをした。ボーテル内のネットカフェのお兄さんが親切だった。レストランは生演奏があったが、客も少なく、皆あまり聞いてないので、ちょっとかわいそうだった。
久しぶりのホットシャワーに感激した。
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