2008/08/29 - 2008/08/30
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ちゃおさん
奥の細道の途次、芭蕉と曾良の二人が塩釜から小船に揺られ、この松島へやってきたのは、元禄2年5月のことだから今から320年前のことである。
芭蕉にとっては、杭州西湖に比すべしと謳われたここ松島へ来ることは、今回の旅行の最大の眼目でもあった。
仙台を出た二人は、先ず多賀政庁址にある碑、「壺の石」を見てから、塩釜に回り、塩釜神社に奉納されている泉三郎銘の鉄の灯篭を愛でてから、塩釜の浜辺に出て小船に乗ったのである。
泉三郎。奥州藤原氏最後の盟主、4代忠衡に特別の想いを寄せていた芭蕉は、この渡船の中で何を思っていただろうか。
その320年前の情景と変わらない景色が目の前にある。大小様々な小島が海中に浮かび、そのどれにも見事な松が繁っている。
安芸の宮島、天の橋立、と並び称せられる日本三大景勝地の一つであることは間違いない。
約30分の遊覧船に乗って、この島々を巡る。出航して直ぐにもカモメがやってきて、エビセンをねだってくる。慣れたものだ。指先に摘んだエビセンをサッと奪い取っていく。
遠くから見ると「白いカモメ」、「カモメの水兵さん」のように純白清純なイメージがあるが、真近に見ると案外獰猛な顔つきをしている。一瞬ヒッチコックの「鳥」をイメージした。
しかしカモメは何と言ってもRichard Bachの「カゴメのジョナサン」。「Seagull Jonathan Livingstone」。
そのジョナサンが飽くなき上昇志向の末、天空に散っていった様は、プロメテウスの火をも想起させるが、そのカモメ、シーガルが目の前を舞っている。
50年前のヒッチコックの「鳥」、40年前の「Jonathan Livingstone」。10年前に訪れたここ「松島」。One decade,半世紀はあっと言う間に過ぎ去っていた。
島巡りから戻った一行は、各自それぞれの思いの場所へ行く。伊達家菩提寺の「瑞巌寺」へは時間も無く、境内の国宝・本院を見ることは出来なかったが、円仁さんゆかりの「五大堂」が霧雨にけぶる中、再び箱庭のような松島の海を眺め、次に来るのはいつになるだろうか、いや、ここも又一期一会の場所になるのだろうか、等々思い巡らし、帰りのバスに乗り込み、今回の旅を終了した。
郡山から乗車した新幹線。十数年振りの駅前は綺麗に整備され、その広場では今売り出し中の伊吹唯が、数人のフアンを集めていた。カモメではないが、唯さんの「White Wing=白き翼」を耳朶に残し、新幹線に乗車する。
駅前で買った冷酒を傾けつつ、塩釜人神社の「浦霞」とは比ぶべくもないが、この二日間を反芻し、帰途についた。二日間、見ごたえもあり、印象にも残る旅だった。人生万歳、有難う。
< 鴎舞ふ 雨の松島 五大堂 >
< 松島や 歳降る光陰 こぬか雨 >
< 生きることの 楽しくもあり 手前酌 >
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