松島・奥松島旅行記(ブログ) 一覧に戻る
奥の細道の途次、芭蕉と曾良の二人が塩釜から小船に揺られ、この松島へやってきたのは、元禄2年5月のことだから今から320年前のことである。<br /><br />芭蕉にとっては、杭州西湖に比すべしと謳われたここ松島へ来ることは、今回の旅行の最大の眼目でもあった。<br /><br />仙台を出た二人は、先ず多賀政庁址にある碑、「壺の石」を見てから、塩釜に回り、塩釜神社に奉納されている泉三郎銘の鉄の灯篭を愛でてから、塩釜の浜辺に出て小船に乗ったのである。<br /><br />泉三郎。奥州藤原氏最後の盟主、4代忠衡に特別の想いを寄せていた芭蕉は、この渡船の中で何を思っていただろうか。<br /><br /> <br /><br />その320年前の情景と変わらない景色が目の前にある。大小様々な小島が海中に浮かび、そのどれにも見事な松が繁っている。<br /><br />安芸の宮島、天の橋立、と並び称せられる日本三大景勝地の一つであることは間違いない。<br /><br />約30分の遊覧船に乗って、この島々を巡る。出航して直ぐにもカモメがやってきて、エビセンをねだってくる。慣れたものだ。指先に摘んだエビセンをサッと奪い取っていく。<br /><br />遠くから見ると「白いカモメ」、「カモメの水兵さん」のように純白清純なイメージがあるが、真近に見ると案外獰猛な顔つきをしている。一瞬ヒッチコックの「鳥」をイメージした。<br /><br />しかしカモメは何と言ってもRichard Bachの「カゴメのジョナサン」。「Seagull Jonathan Livingstone」。<br /><br />そのジョナサンが飽くなき上昇志向の末、天空に散っていった様は、プロメテウスの火をも想起させるが、そのカモメ、シーガルが目の前を舞っている。<br /><br />50年前のヒッチコックの「鳥」、40年前の「Jonathan Livingstone」。10年前に訪れたここ「松島」。One decade,半世紀はあっと言う間に過ぎ去っていた。<br /><br />島巡りから戻った一行は、各自それぞれの思いの場所へ行く。伊達家菩提寺の「瑞巌寺」へは時間も無く、境内の国宝・本院を見ることは出来なかったが、円仁さんゆかりの「五大堂」が霧雨にけぶる中、再び箱庭のような松島の海を眺め、次に来るのはいつになるだろうか、いや、ここも又一期一会の場所になるのだろうか、等々思い巡らし、帰りのバスに乗り込み、今回の旅を終了した。<br /><br /> <br /><br />郡山から乗車した新幹線。十数年振りの駅前は綺麗に整備され、その広場では今売り出し中の伊吹唯が、数人のフアンを集めていた。カモメではないが、唯さんの「White Wing=白き翼」を耳朶に残し、新幹線に乗車する。<br /><br />駅前で買った冷酒を傾けつつ、塩釜人神社の「浦霞」とは比ぶべくもないが、この二日間を反芻し、帰途についた。二日間、見ごたえもあり、印象にも残る旅だった。人生万歳、有難う。<br /><br /> <br /><br /> <br />< 鴎舞ふ 雨の松島 五大堂 ><br /><br /> <br /><br />< 松島や 歳降る光陰 こぬか雨 ><br /><br /> <br /><br />< 生きることの 楽しくもあり 手前酌 ><br /><br /> <br />

奥の細道を歩く。宮城・山形の旅?<松島>

3いいね!

2008/08/29 - 2008/08/30

961位(同エリア1328件中)

2

14

ちゃお

ちゃおさん

奥の細道の途次、芭蕉と曾良の二人が塩釜から小船に揺られ、この松島へやってきたのは、元禄2年5月のことだから今から320年前のことである。

芭蕉にとっては、杭州西湖に比すべしと謳われたここ松島へ来ることは、今回の旅行の最大の眼目でもあった。

仙台を出た二人は、先ず多賀政庁址にある碑、「壺の石」を見てから、塩釜に回り、塩釜神社に奉納されている泉三郎銘の鉄の灯篭を愛でてから、塩釜の浜辺に出て小船に乗ったのである。

泉三郎。奥州藤原氏最後の盟主、4代忠衡に特別の想いを寄せていた芭蕉は、この渡船の中で何を思っていただろうか。



その320年前の情景と変わらない景色が目の前にある。大小様々な小島が海中に浮かび、そのどれにも見事な松が繁っている。

安芸の宮島、天の橋立、と並び称せられる日本三大景勝地の一つであることは間違いない。

約30分の遊覧船に乗って、この島々を巡る。出航して直ぐにもカモメがやってきて、エビセンをねだってくる。慣れたものだ。指先に摘んだエビセンをサッと奪い取っていく。

遠くから見ると「白いカモメ」、「カモメの水兵さん」のように純白清純なイメージがあるが、真近に見ると案外獰猛な顔つきをしている。一瞬ヒッチコックの「鳥」をイメージした。

しかしカモメは何と言ってもRichard Bachの「カゴメのジョナサン」。「Seagull Jonathan Livingstone」。

そのジョナサンが飽くなき上昇志向の末、天空に散っていった様は、プロメテウスの火をも想起させるが、そのカモメ、シーガルが目の前を舞っている。

50年前のヒッチコックの「鳥」、40年前の「Jonathan Livingstone」。10年前に訪れたここ「松島」。One decade,半世紀はあっと言う間に過ぎ去っていた。

島巡りから戻った一行は、各自それぞれの思いの場所へ行く。伊達家菩提寺の「瑞巌寺」へは時間も無く、境内の国宝・本院を見ることは出来なかったが、円仁さんゆかりの「五大堂」が霧雨にけぶる中、再び箱庭のような松島の海を眺め、次に来るのはいつになるだろうか、いや、ここも又一期一会の場所になるのだろうか、等々思い巡らし、帰りのバスに乗り込み、今回の旅を終了した。



郡山から乗車した新幹線。十数年振りの駅前は綺麗に整備され、その広場では今売り出し中の伊吹唯が、数人のフアンを集めていた。カモメではないが、唯さんの「White Wing=白き翼」を耳朶に残し、新幹線に乗車する。

駅前で買った冷酒を傾けつつ、塩釜人神社の「浦霞」とは比ぶべくもないが、この二日間を反芻し、帰途についた。二日間、見ごたえもあり、印象にも残る旅だった。人生万歳、有難う。




< 鴎舞ふ 雨の松島 五大堂 >



< 松島や 歳降る光陰 こぬか雨 >



< 生きることの 楽しくもあり 手前酌 >


  • 松島の海中に点在する大小様々な小島。

    松島の海中に点在する大小様々な小島。

  • 遊覧船に乗り、島巡り。

    遊覧船に乗り、島巡り。

  • 真近に見る、松の枝ぶりも国宝もの。

    真近に見る、松の枝ぶりも国宝もの。

  • 遠くに塩釜港も見える。

    遠くに塩釜港も見える。

  • 行き交う遊覧船。

    行き交う遊覧船。

  • 船溜まりに係留されているヨットも。

    船溜まりに係留されているヨットも。

  • 海上を乱舞するカモメ。

    海上を乱舞するカモメ。

  • 餌を求めて近づいてくる。

    餌を求めて近づいてくる。

  • 良く見ると、かなり獰猛な顔付。生存競争はどんな社会にもあるのだろう。

    良く見ると、かなり獰猛な顔付。生存競争はどんな社会にもあるのだろう。

  • 手すりに止まって餌を求めている。

    手すりに止まって餌を求めている。

  • 松島「瑞巌寺」の入り口。

    松島「瑞巌寺」の入り口。

  • 「瑞巌寺」山門に続く松並木。

    「瑞巌寺」山門に続く松並木。

  • 松島「五大堂」

    松島「五大堂」

  • 郡山駅まで熱唱する伊吹唯。「白き翼」。

    郡山駅まで熱唱する伊吹唯。「白き翼」。

この旅行記のタグ

3いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

この旅行記へのコメント (2)

開く

閉じる

  • yotchanさん 2008/09/09 18:07:30
    松島の鴎
    松氏の遊覧船から取った鴎良く撮れているじゃ無いですか。
    <ああ松島や 松島や>

    ちゃお

    ちゃおさん からの返信 2008/09/09 20:46:56
    RE: 松島の鴎

    よっちゃん、写真はセミプロですから、当然と言えば、当然ですね。

    < 松島や 松の島なり 島の松 >

ちゃおさんのトラベラーページ

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP