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往く夏を惜しむかのごとく鳴き乱れる蝉時雨の中、1015段の石段を登るのは、高齢の身には厳しい。バスのツアー客、40余名の内、たった一人を除いて、誰もこの石段を登り詰めようとする人はおらず、麓の山門の所で引き返してしまった。<br /><br />その一人も中腹の仁王門に到達する以前から既に<上がった>状態で、折角ここまで来たのに五大堂にすら行けずに引き返してした。当方、普段大した運動もせず、日々の怠惰に身を任せていたが、今の若い人を含め、多くの日本人はこんな老いぼれの自分よりも更に老いぼれてしまっているのだろうか。<br /><br />兎も角、50分の間に最頂の奥の院との往復をしなければならない。渡された案内書には、奥の院への標準所用時間として、40−60分と記載されている。兎も角先を急がなければならない。<br /><br />殆ど休む間もなく、石段を駆けるがごとく駆け上がり、予定の半分程の20分で奥の院、大仏殿に到着する。流石にここまで上がってくる観光客も少なく、この山寺の一番の高見から眼下の塔頭、町、向いの山々などを見下ろす。吹き上げる汗。円仁さん、芭蕉翁への想いを馳せる。<br /><br /><br />さてこの「奥の院」。ここには円仁さんが中国での修行中持ち歩いたとされる釈迦如来、多宝如来の二体をご本尊として祀られているとのことであるが、外からは窺えない。<br /><br />その左には「大仏殿」。ここには丈六(約5m)の阿弥陀如来が座していて、外からでもお参りできる。平安から鎌倉にかけ、丈六仏が全国の寺に奉納されるようになったが、先年芭蕉が鹿島への帰途、成田山で丈六不動尊を見た時の句、「丈六に かげろう高し 石の上」を何故か急に思い出した。<br /><br />奥の院の下の茶店で、ワンカップ程の小さな容器に入っているポカリを買い、息せき切って登ってきた喉を潤し、次に重文の「三重小塔」を眺め、「開山堂」にお参りし、その上の「五大堂」より、眼下の地平を眺め、下山する。<br /><br />もう来ることもないかも知れない「山寺」。深くこの眼底に刻み付けておこう。<br /><br /> <br /><br />< 祖師想ふ 心も速に 蝉の声 ><br /><br />  <br /><br />< 山寺の 下に広がる 秋の里 ><br /><br /> <br /><br />< 千年の 時越えて尚 蝉の寺 ><br /><br /> <br />

奥の細道を歩く。宮城・山形の旅?「山寺」−2

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2008/08/29 - 2008/08/30

6793位(同エリア7463件中)

2

12

ちゃお

ちゃおさん

往く夏を惜しむかのごとく鳴き乱れる蝉時雨の中、1015段の石段を登るのは、高齢の身には厳しい。バスのツアー客、40余名の内、たった一人を除いて、誰もこの石段を登り詰めようとする人はおらず、麓の山門の所で引き返してしまった。

その一人も中腹の仁王門に到達する以前から既に<上がった>状態で、折角ここまで来たのに五大堂にすら行けずに引き返してした。当方、普段大した運動もせず、日々の怠惰に身を任せていたが、今の若い人を含め、多くの日本人はこんな老いぼれの自分よりも更に老いぼれてしまっているのだろうか。

兎も角、50分の間に最頂の奥の院との往復をしなければならない。渡された案内書には、奥の院への標準所用時間として、40−60分と記載されている。兎も角先を急がなければならない。

殆ど休む間もなく、石段を駆けるがごとく駆け上がり、予定の半分程の20分で奥の院、大仏殿に到着する。流石にここまで上がってくる観光客も少なく、この山寺の一番の高見から眼下の塔頭、町、向いの山々などを見下ろす。吹き上げる汗。円仁さん、芭蕉翁への想いを馳せる。


さてこの「奥の院」。ここには円仁さんが中国での修行中持ち歩いたとされる釈迦如来、多宝如来の二体をご本尊として祀られているとのことであるが、外からは窺えない。

その左には「大仏殿」。ここには丈六(約5m)の阿弥陀如来が座していて、外からでもお参りできる。平安から鎌倉にかけ、丈六仏が全国の寺に奉納されるようになったが、先年芭蕉が鹿島への帰途、成田山で丈六不動尊を見た時の句、「丈六に かげろう高し 石の上」を何故か急に思い出した。

奥の院の下の茶店で、ワンカップ程の小さな容器に入っているポカリを買い、息せき切って登ってきた喉を潤し、次に重文の「三重小塔」を眺め、「開山堂」にお参りし、その上の「五大堂」より、眼下の地平を眺め、下山する。

もう来ることもないかも知れない「山寺」。深くこの眼底に刻み付けておこう。



< 祖師想ふ 心も速に 蝉の声 >

 

< 山寺の 下に広がる 秋の里 >



< 千年の 時越えて尚 蝉の寺 >


  • 下から見上げる「山寺」の「仁王門」

    下から見上げる「山寺」の「仁王門」

  • 自覚大師「円仁」が開山と伝えられる「開山堂」。

    自覚大師「円仁」が開山と伝えられる「開山堂」。

  • 「山寺」最頂にある右が「奥の院」、左が「大仏殿」。

    「山寺」最頂にある右が「奥の院」、左が「大仏殿」。

  • 「奥の院」、「大仏殿」の由来書。

    「奥の院」、「大仏殿」の由来書。

  • 「大仏殿」に安置されている丈六の阿弥陀如来佛。

    「大仏殿」に安置されている丈六の阿弥陀如来佛。

  • 山内に幾つかある塔頭の一つ、「華厳院」。

    山内に幾つかある塔頭の一つ、「華厳院」。

  • 華厳院の手前にある重文の「三重小塔」。

    華厳院の手前にある重文の「三重小塔」。

  • 「開山堂」横の「納経堂」。

    「開山堂」横の「納経堂」。

  • 「五大堂」の展望台。

    「五大堂」の展望台。

  • 「五大堂」から眺める山寺の町並み。

    「五大堂」から眺める山寺の町並み。

  • 塔頭の一つ「金乗院」とその後ろの「胎内くぐいり」。

    塔頭の一つ「金乗院」とその後ろの「胎内くぐいり」。

  • 立石寺・本坊とその庭にある「神楽岩」。

    立石寺・本坊とその庭にある「神楽岩」。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • yotchanさん 2008/09/09 09:15:04
    健脚
    健脚とは正にチャオさんの事を呼ぶに相応しのであって、伊達に日本百名山六十座以上(六十三座?)登って居る人には勝てませんね。私も足の鍛錬のためまた神田川散歩を復活しましょう。

    ちゃお

    ちゃおさん からの返信 2008/09/09 20:42:44
    RE: 健脚


    日々の鍛錬が大事ですから、頑張って下さい。歩くことは良いことですよ。

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