2008/08/29 - 2008/08/30
6793位(同エリア7463件中)
ちゃおさん
往く夏を惜しむかのごとく鳴き乱れる蝉時雨の中、1015段の石段を登るのは、高齢の身には厳しい。バスのツアー客、40余名の内、たった一人を除いて、誰もこの石段を登り詰めようとする人はおらず、麓の山門の所で引き返してしまった。
その一人も中腹の仁王門に到達する以前から既に<上がった>状態で、折角ここまで来たのに五大堂にすら行けずに引き返してした。当方、普段大した運動もせず、日々の怠惰に身を任せていたが、今の若い人を含め、多くの日本人はこんな老いぼれの自分よりも更に老いぼれてしまっているのだろうか。
兎も角、50分の間に最頂の奥の院との往復をしなければならない。渡された案内書には、奥の院への標準所用時間として、40−60分と記載されている。兎も角先を急がなければならない。
殆ど休む間もなく、石段を駆けるがごとく駆け上がり、予定の半分程の20分で奥の院、大仏殿に到着する。流石にここまで上がってくる観光客も少なく、この山寺の一番の高見から眼下の塔頭、町、向いの山々などを見下ろす。吹き上げる汗。円仁さん、芭蕉翁への想いを馳せる。
さてこの「奥の院」。ここには円仁さんが中国での修行中持ち歩いたとされる釈迦如来、多宝如来の二体をご本尊として祀られているとのことであるが、外からは窺えない。
その左には「大仏殿」。ここには丈六(約5m)の阿弥陀如来が座していて、外からでもお参りできる。平安から鎌倉にかけ、丈六仏が全国の寺に奉納されるようになったが、先年芭蕉が鹿島への帰途、成田山で丈六不動尊を見た時の句、「丈六に かげろう高し 石の上」を何故か急に思い出した。
奥の院の下の茶店で、ワンカップ程の小さな容器に入っているポカリを買い、息せき切って登ってきた喉を潤し、次に重文の「三重小塔」を眺め、「開山堂」にお参りし、その上の「五大堂」より、眼下の地平を眺め、下山する。
もう来ることもないかも知れない「山寺」。深くこの眼底に刻み付けておこう。
< 祖師想ふ 心も速に 蝉の声 >
< 山寺の 下に広がる 秋の里 >
< 千年の 時越えて尚 蝉の寺 >
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ちゃおさんの関連旅行記
山形 の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
12