2007/12/31 - 2008/01/02
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harihariさん
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昨年の龍神温泉・上御殿に引き続き、文化財の温泉宿でお正月を過ごしました。
長野県・青木村の田沢温泉「ますや旅館」です。
明治期から大正期にかけて建築された、木造三階建てが三棟もある規模の大きな温泉旅館。島崎藤村もここで逗留し、作品「千曲川スケッチ」にも登場する宿です。
1日目 上田~別所温泉~田沢温泉(一泊目)の旅行記です。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄
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12月30日20:30頃、なんばバスターミナル発。夜行バス乗車。
12月31日6:00頃、上田駅着。
初めての夜行バスなので、どうなることやら...と心配しましたが、酔い止めを飲んでウトウトしたり目を覚ましたりすること数時間、バスは無事に夜明け前の上田駅に到着しました。 -
早朝、静まり返った駅の構内。売店もまだ閉まっていて、待合室には始発電車を待つ旅行客の姿が。
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6:30、朝食。
開店したばかりのマクドナルドで朝マック。 -
上田電鉄別所線で、上田〜別所温泉まで。
改札に向かうと、2分ほど前に電車が行ったばかりでした。次の電車の時間まで30分。 -
待つこと30分、2両編成の電車がやってきました。乗り込む客は、自分たちを含めて5人程度。大晦日とはいえ、これでやっていけるのか!?上田電鉄...。
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レトロな雰囲気の丸窓の向こうには千曲川。さらにその向こうには、田園風景と信州の山々が見えます。
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途中で停車した木造の駅舎。八木沢駅かな?
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何人かの乗客が降りて、何人かの乗客が乗り込んで・・・。ローカル線独特の長閑さがいいですね。
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車窓を眺めながら乗ること30分、終点、別所温泉駅に到着。
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駅舎、待合室、扉などが時代を感じさせます。
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駅舎の中のコインロッカーに荷物を預けて、温泉街に向かいます。
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温泉街に向けて歩き出す頃には、朝の9時過ぎになっていました。まだ温泉旅館の宿泊客も動き出す前なのか、通りは静かです。すれ違う人もほどんどいません。
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ぶらぶら歩くこと10分。別所温泉随一の名所・北向観音の参道。新年を迎える準備もすでに整っていました。
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まずは左に行って安楽寺へ。
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杉木立の向こうに、山門が見えてきました。
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正面が本堂。右の鐘楼は江戸時代の建立。当時の鐘は、太平洋戦争で供出したために、現在の鐘は2代目とのこと。こじんまりとした庭は、春や秋には違う表情を見せてくれそうです。
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本堂の脇の階段を上ると、左側に古い8体のお地蔵さんが。
この右側には、重要文化財の安楽寺開山・樵谷惟仙和尚像と二世・幼牛恵仁和尚像の2体があります。
寒い寒いと思っていたら、このあたりから雪がちらほら舞いだしてきました。 -
国宝・八角三重塔。鎌倉時代の建立。日本で現存する唯一の八角塔。これを見に別所温泉に来たと言ってもいいくらい見たかった建物です。
屋根が四重に見えますが、一番下のものは屋根ではなく裳階(もこし)といって、いわゆる庇(ひさし)みたいなもの。 -
下から見上げた八角塔。屋根の裏面に、扇型に施されている扇垂木(おたるぎ)が、中国から伝わった唐様の特徴。
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安楽寺を出て、次にやってきたのが常楽寺。この二つに長楽寺を加えたものが「別所三楽寺」と言われています。平安時代のはじめ、慈覚大師によって開かれたお寺。
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境内の仏像群。きっと数百年前に作成されたものだと思われます。
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この寺の長い歴史を見続けてきた多宝塔群。苔むした様に、時の流れを感じます。
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石造多宝塔。
真ん中のものが、国の重要文化財。石造で重要文化財のものは、この塔の外には滋賀県にある塔だけだとか。非常に珍しい一基。銘文から1262年建立とのことです。 -
北向観音。
通常、寺院は南に向いているのですが、ここは北に向いていることからこの名称で呼ばれています。創建は平安初期。
向いている北側の方角には、ちょうど善光寺が位置しています。善光寺が来世の利益、北向観音が現世の利益をもたらすと言われています。両方参拝するのがいいそうですよ。 -
北向観音境内の手水。なんと、暖かかったのです!別所温泉だけに、手水までも温泉だったのでしょうか?
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午前中、雪もちらつく中で安楽寺、常楽寺、北向観音と見て回ったので、身体が冷え切ってしまいました。そこで、暖まるために別所温泉立ち寄り湯の大師湯へ。
まだ昼前だったせいか、観光客の姿はほとんどなく、地元の方に紛れて入らせてもらいました。入浴料は、一人150円。二人で300円。驚異の値段。 -
温泉を出た後、少しお腹も空いたので、「甘味処かしわや」さんで、抹茶とおやきをいただきました。おやきは、キノコ味。さらに、宿で食べられるように和菓子も購入しました。
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別所温泉からタクシーに乗って青木村に。田沢温泉ますや旅館に到着しました。遠くからでもはっきりと目にすることのできる木造3階建ての壮大な楼閣。
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これだけの立派な建造物、いつまで眺めてても飽きないのですが、この頃から雪の勢いが強くなり出したので、ひとまずチェックインすることにしました。
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予定の時間よりも早く到着したのですが、快く部屋に通してくれました。
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部屋の様子。部屋は3階の角部屋。
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大正時代に建築されたこの建物は、細かい所まで細工が施されています。
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付書院の飾り欄間。たわわに実って頭を垂れる稲穂と、雀のような小鳥。部屋によって異なるようで、隣の部屋は、朝日の覗く冨士山に鶴が飛ぶという、非常にめでたいもののようです。
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お茶うけは、「りんどうの里」というお菓子。
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荷物を降ろし、お茶を飲んで一息ついたので、早速宿の中を見て回ることに。木造の急な階段は、このような名建築にはつきもの。2泊3日の間、何十回と上り下りしました。
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黒光りする手すりや階段に、この旅館の過ごした年月を感じます。
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2階の窓から撮った写真。左の建物は、我々のいるますや旅館。右側は隣の旅館、和泉屋旅館。
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登録有形文化財のプレート。明治期築で、旅館入り口やロビーのある旧館部分、大正期築で我々の宿泊する新館部分、そのほか旅館部や蔵など6棟が登録の対象。
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お風呂の準備ができたということで、早速温泉に入ります。これは、二つある家族風呂の一つ。家族風呂といっても、別料金などはないので、入りたいときに何度でも入れます。お湯はぬるめなので、真冬は少し寒く感じるかもしれません。
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続いて、大浴場。まだ他の宿泊客はチェックイン前のようで、独占状態で堪能できました。
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お風呂のあと、日暮れの近づく中、少し外を散歩します。
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旅館が全部で5つぐらいの小さな温泉街ですが、こんなに風情のあるいい雰囲気。
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夕食。
食前酒の濁り酒は、濃厚な風味で美味しかったです。 -
鯉こく、鱒塩焼きの酒粕だれ、とろろ蕎麦。山の旅館だけあって、山の食材が豊富に並びます。鯉こくは初めてでしたが、美味しかったです。
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鯉のお造り、馬刺し。馬刺しも初体験。
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信州牛の朴葉鍋。写真撮るの忘れてて、気付いたらお肉は食べてしまってました。
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天ぷら。油きりの紙まで、「ますや旅館」仕様でした。
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お味噌汁とご飯。お味噌汁って、土地柄によって全然味が違うんですね。とても美味しかったです。
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夜になると、飾り欄間のシルエットがいい雰囲気を際立たせます。
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部屋の明かりと窓の向こうに広がる闇夜の間に挟まれて、ゆっくりとくつろげるスペースではあるんですが...この場所、寒いんです。外気がまともに漏れてくるので、気温は0度に近くなってます。
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食後、もう一度温泉に。浴場は別棟にあるので、長い渡り廊下を歩いて行きます。ギシギシと木の廊下を踏む感触も、木造旅館の楽しみの一つ。
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浴場へと続く渡り廊下から、宿泊している棟を振り返ります。3階右の角部屋が、私たちの宿泊した部屋です。
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温泉の後、「卓球温泉」のロケ地にもなった1階の卓球場へ。何十年ぶりかの卓球です。寒いです。長居はできませんでした。
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部屋に戻って、ドリップコーヒーを持ってきてもらいました。コーヒーのあてには、昼間に別所温泉で買っておいた和菓子をいただきました。美味しいものを食べで、温泉に入って、持ってきた本などを読みながら、のんびり部屋でくつろいで飲むコーヒーは格別です。
外の温度は氷点下。しんしんと雪が降っていました。大晦日から年が明けて間もなく、午前1:00頃就寝。
2泊3日 田沢温泉ますや旅館で迎える正月 その?へつづく。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 風遊さん 2008/03/27 07:54:27
- おはようございます!風遊です!。
- 始めまして風遊です。
別所温泉の旅行記、懐かしく拝見しました。
数年前、信州の温泉巡りの途中別所温泉に立ち寄りました。掲載の安楽寺、
八角堂思いだしました。四重塔とばかり思っていましたが三重の塔でしたか、宿泊された旅館なかなか趣がありますね!外湯めぐりはされなかったのですか?
- harihariさん からの返信 2008/03/27 21:57:03
- 風遊さん RE: おはようございます!風遊です!。
- こちらこそ、はじめまして。
作成中にもかかわらず、早速のメッセージありがとうございます。
今回、別所温泉には宿泊予定がなかったのですが、大師湯という温泉に立ち寄り湯をしてきましたよ。午前中という時間帯のせいか、地元の方たちの中に観光客が一人・・・って感じでしたが、それはそれで楽しかったです。
宿泊は別所温泉から山を一つ越えた田沢温泉という所の「ますや旅館」といって、十年ほど前に「卓球温泉」という映画の舞台にもなった登録有形文化財の温泉宿です。広く、古く、そして・・・めちゃめちゃ寒かったです!でも、何より変えがたい歴史と趣きのある宿でした。
今回の旅行記の完成まで、もう少し時間がかかりそうですが、是非最後まで見てもらえれば嬉しいです。
風遊さんのブログも、ゆっくりと堪能させていただきますね。
では。
harihari
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