2007/12/28 - 2008/01/04
165位(同エリア232件中)
きっちーさん
思いがけない、重慶爆撃の資料に触れることのできた、三峡博物館。
まだまだ続きます。
旅行記『都市空襲の記憶』の旅程は、以下の通り。
亀の歩みで、お送りしております。
重慶→成都(三星堆博物館・青羊宮・杜甫草堂・武侯祠・成都動物園・昭覚寺・文殊院・永陵博物館)
→黄龍渓(古鎮)→成都
→大足(宝頂山石刻・北山石刻)
→重慶(三峡博物館・桂園・曾家岩50号・紅岩村・徳意大(?)炸遺跡・十八梯・磁器口古鎮・文化宮・重慶動物園)
この回も、ひたすら重慶(三峡博物館)!
おも~い気分で戦争展示を堪能したあと、さらに下の階へと降りてみます。
手近な部屋から入ってみると・・すげ。
ありとあらゆる民族衣装を着た、マネキンが林立しています。
商店街のマネキンチックな雰囲気が、良い感じ?
ひとり、こっち向いてる・・。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 航空会社
- 中国国際航空
PR
-
中国西南少数民族分布図?
すっごいな。
広いだけあって、ほぼ全域に渡って少数民族の方たちがいます。
日本だと、アイヌ・ウィルタ・ニヴフ・琉球・小笠原諸島の欧米系島民なんかが、少数民族もしくは先住民として知られていますが。
アイヌ史以外は、ちゃんと勉強したことないので、そのうちやってみよう。 -
集合写真?
服がカラフルで、綺麗です! -
雲南地域に少数民族の多くが暮らすと、以前『世界ふしぎ発見!!』でやってましたが、見覚えのある衣装もちらほら。
-
少数民族の工芸はどれも繊細。
パリの『ケ・ブランリ美術館』で、アフリカ・アジア・オセアニア・アメリカ大陸の展示をみましたが、そのときのアフリカンアートを彷彿とさせます。 -
それぞれの少数民族が住んでいる地域や、風習・工芸品など、日本ではなかなか見られない展示です。
くう〜っ!
日本語訳が欲しいなあ〜。
簡単な文章なら、基本的な中国漢字の理解と、フツーに漢字の素養があれば理解できますが、やっぱもっと詳しく知りたいもん。 -
小物だけじゃなくて、ジオラマがあったり。
特徴的な建築物もあわせて紹介されているので、かなり楽しめます。 -
さて、耳慣れた『民族』という単語ですが、最近、その定義自体が議論をよぶものなのだと、感じてしまいます。
こないだから、『<日本人>の境界――沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮:植民地支配から復帰運動まで』(小熊英二著・新曜社)という、「辞書かッ」って怒鳴りたくなる本をダラダラ読んでいます。
長いもんで、まだ全部は読みきれていないんですけど、タイトルのまんま、各地域・「民族」を日本政府がどう飲み込んでいったか、また排除していったか、という過程を丁寧に追った本です。
読んでいて「植民地っておっかないなー」と思うのは、『防衛』または『繁栄』をお題目に、その地域に住む人を力ずくで「同化」していきますが、決して同じ権利は与えません。
「ここは、日本の領土だ。あんた達は同じ日本人」としながらも、権力構造の中枢には近寄れず、周辺に同化させたごく少数の地元エリートを配置し、しかし、周辺からのイニシアチブが発動できないシステムになっています。
フツー『同じ日本人』なら、同じ法律・同じ権利が適用され保障されるのがあたりまえの感覚ですが、そうはなりません。
地域で使用されていた、言語・習慣などを使用不可能にしていく過程は、読んでいて寒気がしてきます。
習慣やそれに連なる価値観を否定され、言語の変更を迫られ、自身を改造し尽くしても、中央と同じ権利は得られない。 -
そうなると、このシステムに対抗する方法は、ふた通り。
?「同じ○○人」として、同等の権利を獲得しようと、内側からシステムに働きかける
?我々はあなた方とは違う、別の習慣や言語を持つ「他民族」なのだと自己決定し、システムの外側にあらたな自分たちの活動空間を構築する
?は、沖縄(琉球)やアイヌに通じると思うし、?は朝鮮半島・台湾のレジスタンスに通じると思います。
もちろん明確な線があるわけじゃなくて、どちらともいえる場合があると思いますが。
そんなことに、つらつら思いをはせながらも、手にして歩くのにはしんどい重さなので、読み終わるまえにいつの間にかちがう本が通勤電車のお供になぞなっておりますが(笑)。
しかし、読んでいて不思議になのは、「民族」って、ハッキリしているようでいて、ひどく曖昧な「境界線」だということ。
たとえば、A族という民族がいたとして、その民族になろうとした場合。
じゃあ、どうしたらその民族になれるのか?
言葉ができて、習慣をおぼえ、そこに定住すれば、それでA族なのか?
それとも、まちがいなく「A族」とされる相手と結婚したら、その日からA族か?
A族との間に生まれた子どもはA族だけど、自分は死ぬまで部外者か?
なにかしらの通過儀礼を受ければ、言葉も習慣もわからなくても、A族になりえるのか?
幼児期にA族の村を出て、残りの人生死ぬまでB族の村、もしくは都市Cで暮らした場合、言葉も習慣もB族、または何でもごったの都会Cの生活スタイルであったなら、そのひとはA族なのかB族なのか?
A族の村を田舎とする、都会Cの住民なのか?
どこからが、「民族」なのか、そうでないのかは、絶対的な基準があるわけでなく、その地域に住む人たちそれぞれにルールがあります。
そういう意味で、民族の境界がどこにあるのか、自分にはわかりません。
けれど、日本や中国に限らず、いろんな国にいろんな「民族」の人たちがいます。
彼/彼女たちの権利や習慣を尊重したうえでの、「民族」は、やはり重要だと思います。
そこには確固たる「民族」が存在しているのではないけれども、なにか不条理な条件に晒されたとき、重要な自己肯定のひとつになり得るんじゃないか、と思うのです。
「民族」は時に不当な差別を正当化する、根拠とされることがありますが、逆に対立する多数意見にむかいあうとき、その力強いスタンダードに、「われわれは違う」と言い切れる拠り所です。
むしろ逆に、彼/彼女たちを「民族」とみなす側の境界こそ、あやしいと思ったりするわけです。
『美しい日本語・美しい日本人』という表現がありますが、「美しい日本語ってなにサ?定義を教えてよ」と尋ねたら答えられるものでしょうか。
沖縄弁は?関西弁は?栃木弁は?群馬弁は?北海道弁は?
列島各地、ありとあらゆる方言は、美しくない日本語?
少数の人だけが使う、「日本語の例外」?彼/彼女たちの言葉は、「美しい日本語」ではない?
それらも間違いなく「美しい日本語」と認めるなら、「正統」で「美しい」日本語など何処にあるのでしょうか?
『美しい日本人』の中に、ブラジルや朝鮮半島や東南アジアから帰化して日本国籍を所得し、たどたどしい日本語をあやつる人々や、日本国籍を持って日本以外の国で育ち、ネイティブ・ランゲージを「日本語」としない人々は、含まれるのでしょうか?
なにげなく「われわれ日本人」と言ったとき、気づかないうちに自分と異なる生い立ちをしている誰かを排除してはいないかと、不安になることがあります。
A族もB族も都市Cも同じ国にあっていい。
それぞれの地元に生きる人たち。その地域を跨いだ人たちが、その生まれた場所とのかかわりだけで、その先の人生が確定されるようなのじゃなければ、「民族」もアリかなーと感じたのでした。 -
まあ、こういう普段、意識の端にものぼらないようなことをくどくど考えるのが、旅の楽しみ?
マッキー系・・。
もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対系?←しつこいから
ざっとひと気のない展示室をうろつきます。
南京博物院の古代王朝展示や、西安の始皇帝兵馬庸もすばらしかったけど、こういう庶民文化を紹介した展示もナイス!
んん?
これって? -
これも『世界ふしぎ発見!!』でみた。
トンパ文字だ!
すっご〜い。
ホントに『絵文字』ですね。
読めねー(笑)。 -
あ。
こっちは読める☆ -
あれはチベットの経典でしょうか?
どれどれ。 -
お坊さんが描くのかな?
印刷じゃないよね。
キレーだなあ。 -
不思議な面の展示。
角がありますが、鬼ではなくカラス天狗みたい。 -
仏教美術は、色あせて埃っぽいイメージがあるのですが(笑)。
この彩色を見ていると、そのイメージが壊れます。 -
ガラス越しなのでボケちゃうなあ〜。
-
大きい展示はないんですけど、量はかなりあります。
-
チベット仏教にもいろいろ宗派があるみたいです。
-
暗くてすみません。
ノーフラッシュはマナーなので、そのまま撮るとこうなっちゃいます。
ナマでみると、丁寧に色づけされているんですよ〜。 -
そういえば上野でも、『チベット展』っていうのはきいたことないです。
-
やればいいのになー。
そこはかとなく、インドテイストも入ってて、物珍しいのに。 -
鬼瓦!
・・・ではないか。
猿瓦? -
よく知りもしないくせに、面白いからたくさん撮ってきました。
「入ったからには、もとがとりたい・・」という乙女心です。←どんなもと? -
多民族パネル!
中国政府が公式に認めている民族数(?)は、56なんだそうです。
そうすると、この写真以外にも非公式の人たちがいるのかしら?
こうしてみると、すごいなー。 -
コスパみたい・・。
私もどれか着てみたいなあ〜。 -
うわっ。
チャングムだ!
韓流だ!
中国と朝鮮半島の国境付近には、朝鮮族の人がいるもんな。
おかしくはないんですが。
この衣装で真ん中にきてると、韓流な気がしてしまいます(笑)。 -
おっと〜。
逆からまわってたみたいです。 -
さらに、2階をまわると・・。
こんどは、重慶の古い地図が掲げられています。
1階とかぶってない? -
『老重慶』といったところでしょうか。
古いセピアの写真。
高い建物ないですねー。
いいなあ〜。こーゆう写真。 -
階段は、変わんないんだな・・。
行った経験のある、トラベラーさんから聞いてはいましたが、重慶は本当にアップダウンが激しい。
中心部はまだ良いのですが、少し移動すると、鬼のように階段があります。足が棒です。
お年寄りや、車椅子なんかだとツライかな。 -
これも古地図。
むかしは城壁があったんですね!
『門』の地名がつく地域は、その名残なんでしょうか。 -
やっぱ、1階とかぶる。
-
まあ、これはこれで・・。
え?
これに乗るの?
せまくない? -
説明文。
う〜ん・・読めない。
『清末民初富貴人家使用的〜』
とありますから、『清朝末期にお金持ちで身分の高い家で使われていた』といった中身でしょうか。 -
時代はさらに遡って、原始時代の展示へ。
-
お猿さんから人間へ。
-
教科書で見たような・・。
『人類の祖先は、アフリカ大陸で生まれ、そっから世界中に移動して行った(アフリカ単一起源説)』って習いました。
ミトコンドリアDNAを調べると、母系でアフリカまでさかのぼれる!
アフリカで生まれた祖先から、一回も途絶えることなく、誰かが命をつないでくれたんだなあ、となんだか不思議な気持ちになります。
いろんな事があったろうけど、生き抜いてくれて、ありがとう!先祖とその人生に力を貸してくれた皆さん。
あとほかに、ジャワ原人や北京原人など、あっちゃこっちゃで生まれ、現在のヒトに進化していったという説(多地域進化説)とふた通りあるそうですが、いまは分子系統解析の進展で、アフリカ単一起源説が有力だとか。
特に変更はないんだ。 -
新石器時代の年表。
科学や研究っていうのは、『誰の目にも明らかになるよう、立証していく』という姿勢に共感がもてます。
神様が先祖なんだとか、特定の集団によって地域が栄えていく、なんていうのは酔いやすいロジックではありますが、かならず見下すべき『外部』を作り出します。
自惚れにまかせて思考停止になるんじゃなくて、丁寧に検証していくスタイルは、どこへ行っても重要なんじゃないかと感じます。
面白い研究って、へたなフィクションよか、刺激的です。 -
さらに進むと・・・。
ガイコツだ!
説明文では、夫婦らしき男女と血族?
重慶で発見された、お墓でしょうか? -
足元に、再現されたお墓とガイコツが、ガラスケースに収まっています。
こわ〜い(喜)。←お化け屋敷とちがいます。 -
副葬品が残されたお墓。
-
『人群内部的貧富化現象也巳経出現』
・・う〜ん。
人々のくらしが、富める者と貧しい者とに、わかれはじめた・・っていうコトかな。
副葬品として、熊の牙(?)とか玉装飾品が納められている墓と、何にも入っていないお墓がある、という。
素人訳ですので、わかる方は教えてください〜。 -
どうやらこれが、副葬品のようです。
-
これが熊の牙か!?
すごーい!
熊がいたのかな?
昔の人はワイルドですね。 -
照明器具?
○|○|なんかで、フツーに売ってそう。 -
かなり充実した展示の、三峡博物館です!
全部はとても写真に撮ってこれなかったし。←撮れるだけスゴイ?
書とか水墨画とか興味の無いところは、かっ飛ばしているので物足りない方もいるかもしれません。
そんな方は、ぜひ足を伸ばしていただけると良いかも。
残念ながら日本語表記はありませんが、行く人が増えればそのうちできるかも?
よし!
つぎ行くぞ!
あ、その前におみや。
出口のわきに、小さなギフトショップがあります。
街なかの店にくらべれば、料金設定がお高めのようですが、書籍もそろっているので(中国語オンリー)、本屋さんまわるよりはここで買っちゃったほうが早いかも。
おみやに、レトロチャイナのポストカードセットを買い込んで、三峡博物館をあとにします!
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