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1961年12月23日(土)<br /><br />サン・セバスチャンで、ふたたび乗り換える。<br /><br />本日の目的地ビルバオ行きに乗るには、500メートルほど歩いて、別の駅まで歩かなければならない。<br />なぜこんな不便が残っているのか分からないが、よほど複雑な事情があるのだろう。<br /><br />複雑な事情といえば、国境を越える前のフランスから、ビルバオにいたる一帯は、バスク文化の土地である。<br /><br />バスクは、血統的にも文化的にも独自の存在であり、ベレー帽の発生地として知られる。<br />キリスト教布教のために日本にやって来たフランシスコ・ザビエルや、フランスの作曲家ラヴェルなどを生んでいる。<br /><br />この辺りは、スペインの内戦に、大荒れしたところだ。<br /><br />アメリカのノーベル賞受賞作家ヘミングウェーは、この内戦に参加し「誰がために鐘は鳴る」(1940年)を書いた。<br /><br />この小説には、この付近のことが生々しく書かれていた。<br />歩いている間に、その場面がふと眼前をかすめる。<br /><br />古く汚れた白壁のバーらしき建物から、早朝なのに賑やかな歌声が洩れてくる。<br />誰かが集まって、一杯やっているのだろうか。<br /><br />「ピレネーを越えたら、ヨーロッパではない」の言葉を、思い出す。<br />

1961年のパリ便り【683】バスク地方を横断する

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1961/12/23 - 1961/12/23

429位(同エリア443件中)

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ソフィ

ソフィさん

1961年12月23日(土)

サン・セバスチャンで、ふたたび乗り換える。

本日の目的地ビルバオ行きに乗るには、500メートルほど歩いて、別の駅まで歩かなければならない。
なぜこんな不便が残っているのか分からないが、よほど複雑な事情があるのだろう。

複雑な事情といえば、国境を越える前のフランスから、ビルバオにいたる一帯は、バスク文化の土地である。

バスクは、血統的にも文化的にも独自の存在であり、ベレー帽の発生地として知られる。
キリスト教布教のために日本にやって来たフランシスコ・ザビエルや、フランスの作曲家ラヴェルなどを生んでいる。

この辺りは、スペインの内戦に、大荒れしたところだ。

アメリカのノーベル賞受賞作家ヘミングウェーは、この内戦に参加し「誰がために鐘は鳴る」(1940年)を書いた。

この小説には、この付近のことが生々しく書かれていた。
歩いている間に、その場面がふと眼前をかすめる。

古く汚れた白壁のバーらしき建物から、早朝なのに賑やかな歌声が洩れてくる。
誰かが集まって、一杯やっているのだろうか。

「ピレネーを越えたら、ヨーロッパではない」の言葉を、思い出す。

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