2007/07/31 - 2007/07/31
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kodeyanさん
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苔寺(西芳寺)の写経参拝の予約が午前10時だ。
苔寺からスタートして1日でまわれるだけまわろう。
そう思ったものの京都の炎天下には闊歩もままならず。
・西山 西芳寺
・洛西 天龍寺
・右京 仁和寺
・右京 竜安寺
以上四つの遺産見学でタイムアップ。
参考ルート
京都駅前?京都バス?苔寺?京都バス?嵐山
嵐山天龍寺前?市バス?山越中町乗り換え 御室仁和寺?市バス?竜安寺?市バス?京都駅前
京都観光1日乗車券1200円使用
写真は「苔寺」西芳寺の庭
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
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-
西方の山の麓に位置しているということから古くは西方寺といわれた西芳寺。
京都駅からバスで来ると、西の端にやっと辿り着いたという感じだ。 -
西から東へ流れる西芳寺川
この川を南限に北の洪隠山との間約五千坪の境内が西芳寺庭園となる。
夏は苔が枯れないのだろうか?
石垣にも苔がむし心配なさそうだ。 -
衆妙門前にある看板
苔寺は大佛次郎著『帰郷』の映画化で恭吾と伴子が出会った場所のロケ地になってから観光客が急増した。
また大阪万博で外国人観光客も増え観光公害がひどくなり近隣に迷惑がかかったようだ。
昭和52年から往復はがきによる事前申込制になっている。 -
本堂(西来堂)
観自在菩薩。行深般若波羅蜜多時・・
本堂(西来堂)で般若心経を三度唱えた後、心経の写経となる。
写経といってもお札のような白木の板に墨で願いごとを書けばいい。
私は旅先での健康と安全をお願いする。
そしていよいよ
「雪舟の絵、夢窓の庭」
と称された庭の見学となる。 -
黄金池北部にある金剛池に浮かぶ16個の岩島は夜泊石。
蓬莱島へ向かう舟が闇夜に月明かりの下並んで停泊しているように見える。 -
奥に見えるのは七本竹だろう。
夢窓国師が作庭に従事した七人の労をねぎらって植えたと伝えられる。
曇天なら・・
夏の木漏れ日はきつく苔を刺すようだ。 -
金剛池を背にして本池泉の黄金池を廻遊する。
西芳寺庭園は池泉のまわりを散策しながらまわる廻遊式庭園。
苑路の美しさも特色である。 -
苑路脇の苔
苔の種類は100種類以上だとか。 -
黄金池の西側
松尾明神の影向石(ようごうせき)
しめ縄の張られた石のところは松尾明神が君臨したという伝説があるところだ。
伏流とした泉を導き、岩の間から水が流れ出ていたという。 -
亀島
苑路を曲がり、のぼり下る、それぞれの場面で景趣が変わり美しく見えるように工夫がしてある。 -
黄金池北東部の舟石
右側の石が舟に見える舟石
舟石のとなりは鶴島
舟と鶴はなにを思いどこへ行こうとしているのか。
心を無にして思い描いてみるのも禅の思想に基づく庭園の面白さかもしれない。 -
神仙思想の世界を表現する鶴島
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鶴島を尾から見たところ
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霞形(かけい)中島の三尊石組
金閣、銀閣などの石組に大きな影響を与えた -
黄金池南部 霞形中島北東部石組
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霞形中島(中央)
本来は白洲の島だった
緑と白のコントラストは絶景だったことだろ -
方丈跡の石垣
方丈は住持や長老の居所だ。 -
池泉東側にある譚北亭の腰掛に座り円窓から撮ったもの。また違う趣がある。
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下段と呼ばれる黄金池を中心とした庭園から向上関の門をくぐる。
あまりにも有名な枯山水があるのは上段と呼ばれる庭園。西芳寺は二部構成なのだ。
つづら折りの石段を上り西へ山路を進む。 -
亀島の石組み
かつて禅僧梵僊の「西芳寺記」の石碑を覆う亭があったところに亀の形をした石組がある。 -
亀石組から北へ山路をのぼると指東庵の建物が見えてくる。
指東庵は夢窓国師が神聖な座禅の場としていたところでもある。
その指東庵の東にあるのが日本最古の枯山水といわれる貴重な枯滝だ。 -
上中下の三段構成である。
スケールと迫力がすごい。
滝の轟音が響いてきそうだ。
雨上がりに石の一つひとつが輝くところも見てみたい。
ゆっくり鑑賞したかったが、おばさま三人組が息子の嫁の悪口をいいあってやかましい。
まいっちゃうんだな、下段の休憩所で「有名な枯山水ってどこにあったの?」だって(笑) -
指東庵から西に進むとあるのが、こちらの龍淵水の泉。
右の天が平らな巨石は夢窓が座禅修行したという座禅石。
この石上で枯山水の作庭を指揮したという話しもあるようだ。
この石組は金閣寺の銀河泉、銀閣寺の相君泉に写されている。
この龍淵水石組で賞覧は終わる。 -
衆妙門前の風景
嫁の悪口をいっていたおばさまは日本一高い参拝料だ、
3000円は高い、といっていた。
確かに高いが。
庭園には何時間いてもいいようだ。
私は二時間滞在したがフランス人カップルは下段の賞覧だけで二時間かけていた。
梅雨の時期、雨上がりの苔は最高に美しいと思う。
機会があれば再訪したいところだ。 -
苔寺に別れを告げる。
西嵯峨野の景勝地「天龍寺」へ。
写真は天龍寺 庫裏
庫裏(くり)は台所兼寺務所で、天龍寺の庫裏には屋根に煙り出しを上げている。 -
夢窓疎石のすすめで足利尊氏が1339年に建立に着手した。
室町時代の京都五山の第一位。
大方丈西側にある約4000?の天龍寺庭園。 -
特色は遠方の嵐山や亀山が庭の一部であるかのように見える借景の庭園で借景庭園の原型といわれる。
写真は書院と曹源池。
池の前、洲浜形の白砂が美しい汀。
出島の石組と岩島が中景となり庭園に躍動感がある。 -
方丈から臨む曹源池
方丈からの観賞を意識した最初の庭といわれている -
方丈から臨む曹源池
「山水に得失なし。得失は人の心にあり」
あくまでも見る人の心次第 -
龍門瀑と石橋、鶴島を望む
この庭園のポイントは曹源池の西岸中ほどにある龍門瀑で、鯉が激流を飛び上がり龍と化す登竜門伝説を中央の滝石組で表現している -
龍門瀑の石組
滝の前の石橋は薄板の石が三枚連なる。
三橋は三教に通じ儒教、仏教、道教を意味するそうである。三教を超越したところに解脱がある、という。 -
禅宗寺院の庭園に続いて次は、
「花(鼻)は低いが器量好し」の御室桜で有名な仁和寺へ。
写真は入母屋造り、本瓦葺きの二王門
左右に金剛力士像が安置されている -
二王門脇の軒丸瓦
こういう発見もおもしろい -
白書院
仁和寺は皇族や公家が住職をつとめる門跡の最初の例。
宇多天皇が退位後にみずから入寺したお寺だ。
まず御所から移築した建築物がならぶ仁和寺御殿を見学する。 -
黒書院
-
宸殿と黒書院を結ぶ廊下の坪庭
シンプルな小竹の坪庭 -
宸殿北東庭
寝殿造りの庭園 -
宸殿北東庭と五重の塔
-
金堂
現存する最古の紫宸殿建築
金堂は御所清涼殿の古材を使用している
蔀戸(しとみど)や長押の金具に清涼殿時代の名残がある
四周の組高欄は宮殿風 -
金堂
紫宸殿の意匠を受け継ぎ、垂木、木鼻、手挟(たばさみ)などの小口に透かし彫りの金具が打ってある。
美しく気品を感じる建築だ。 -
鐘楼
袴のような裾広がりの外観から袴腰式といわれる -
観音堂
現在は修行道場、密教儀式の場として使われている -
御影堂
弘法大使、宇多法皇らを祀る
デザイン性に優れ、宝形造の檜皮葺屋根が美しい -
五重の塔
逓減率が小さく各層の屋根の大きさがほぼ同じ
江戸初期、和様の塔建築の代表である -
五重の塔
垂木が直線になっているのが和様建築だ
垂木が放射状になっているものは唐様という
日光東照宮 五重の塔は、1から4層が和様、5層が唐様になっている。
下から見上げてみるのもおもしろい。 -
ラストは竜安寺
屋根が西に行くほど低くなる遠近法を用いているので写真より実物のほうが狭く感じる
菜種油を入れて練った土でできた油土塀は、大き目の杮葺き屋根が載り石庭を引き締める -
目の不自由な方のためのミニ石庭
一番右端、または左端の石がどこから見ても隠れて見えない。
東洋では「15」は「完全」を意味し、人間は完全ではないという教えがあるようだ。 -
竜安寺には水戸黄門さまが『大日本史』の編纂にあたり重要文化財の『太平記』を借りたお礼に寄進したといわれる手水鉢がある。
方丈の北側軒下にあり見学できるものはレプリカだが見て損はない。
中央の「口」を四方に共用して
「吾唯足知」と、お釈迦様の仏遺教経に示されたことばが蹲に彫られている。
途上国や後進国を旅すると、真の豊かさとは何だろう、と考えさせられることがある。
知足のものは貧しといえども富めり
不知足のものは富めりといえども貧し
以上、奥深き夏の京都でした。
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