2007/08/01 - 2007/08/02
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kodeyanさん
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時は、大航海時代。
全世界の三分の一、年間38t(最盛期)もの銀を産出した石見銀山。
ICOMOSの待ったが入り、一時はどうなるかと思った。
が、ともかく
世界遺産に逆転登録されたのだから見上げたものだ。(チャングムの誓い チェゴ尚宮風)
ICOMOS:推薦された文化遺産の現地調査をして評価報告書を作成する世界規模のNGO
なお、石見銀山訪問に際しCS旅チャンネルが参考になったので旅チャン情報は、コメントの最後に(旅)としてあります。
写真は、石見銀山 龍源寺間歩 ひ押し坑道(鉱脈に沿って掘り進んだ横穴)
ライトアップで神秘的
参考ルート
京都駅前7:30〜西日本JRバス出雲エクスプレス京都号〜JR出雲市駅前13:15
出雲市駅14:25〜温泉津駅15:29(泊)
温泉津駅9:09〜大田市駅9:28
大田市駅前9:52〜石見交通バス〜大森代官所跡10:18
大森代官所跡16:22〜石見交通 石見銀山号〜広島新幹線口18:54 3000円
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京都から西日本JRバス出雲エクスプレス京都号に乗車して出雲へ行くルートを選択。
18きっぷでは、かなり不便なのだ。
この高速バスはけっこう人気らしく、希望便のネット予約は残座席ゼロになっていて焦る。
どうやら西日本JRバスの取り分と一畑バスの取り分があり、相手先に席が余っていても手出しはできないルールがあるようだ。 -
結局一畑バス予約センターで電話予約し、京都駅前バス乗り場にある京都チケットセンターでバスチケットを前々日に購入する。
(前々日までに購入して下さいといわれた)
中国自動車道安富下り売店で、広島菜おにぎりと写真の牛すじコロッケを購入。
この路線は車窓がダイナミックで良かった。 -
出雲駅でローカル線に乗り換えて温泉津へ。
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温泉津駅到着〜
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温泉津駅前 左の建物が駅
予約した駅近くの高見屋旅館に直行する。
(風呂なしトイレ洗面共用 古いから安い)
どうしても行きたいところがあり女将さんに行き方を相談するとご主人が車で送ってくれた(感激) -
街道を行き交う人々が喉を潤した450年前と変わらぬ姿の泉があると聞き、ぜひ見たい!と楽しみにしていた。
山陰高野山 瀧光寺の近くにある金柄杓の泉。
銀山柵内南部から日本海へ向かう温泉津沖泊道の脇にある。
石見銀山の代官が水の美味しさに感激して金の柄杓を贈ったことから名がついた。
この付近の山には山姥がいて泉で顔を洗ったら若返ったという伝説があるそうだ。
(わたしも顔を洗ったけど・・?!) -
ここは温泉津町湯里の清水地区にあり世界遺産の一部である。
温泉津温泉から歩いたら1時間はかかっただろう。
炎天下、汗だくで歩かずにすみ感謝、感謝。
小さなほこらに祭られた水神さま。
苔むした屋根が渋い。
銀を運んだ人もここで水を飲んだのか?
妄想していると旅館のご主人が、ついでだから沖泊まで送ってあげる、といってくれた。
助かります。 -
沖泊(おきどまり)は、銀の積み出しや石見銀山への物資補給で利用された戦国時代からある港で温泉津港の北に位置する。
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奥に見えるのは沖泊の集落。
右手の建物は恵比寿神社である。
手前の入り江は、以前砂だったところだ。
高齢者が昆布干しをするのに砂だと足腰がきついとコンクリートに変えたそうだ。
すると世界遺産になって、このコンクリートが問題になってしまった。
高齢者の体の負担はどうなるのか、後々また砂に戻すことになるかもしれないという話だ。 -
沖泊集落には、このような廃墟が数軒あった。
高齢化が進み、漁師の後継者不足もあり集落で生活しているのは数軒だという。
地方に行くと、高齢化をひしひし感じる。 -
切妻屋根の拝殿と一間社流造りの本殿は1526年の建立という恵比寿神社。
中世の建築遺構で県指定有形文化財だ。
沖泊の浦へ入港する船の目印にもなっていた。
手前に共同井戸の遺構もある。 -
入り江に自然の岩盤をくり抜いた「鼻ぐり岩」が数多く残っている。
船を係留するためのもので、往日の賑わいが伝わってくる。
沖泊の海はエメラルドグリーン、晴天ならもっと綺麗だろう。 -
沖泊のトンネルを抜けると温泉津港灯台が見えてくる。
地図をみるとこのあたりが鵜丸城址か。 -
温泉津港へ向かう道で、さらさらしてきめの細かい砂山を見た。
聞いたところ、某なんとかドライのビール瓶の材料だそうだ。 -
温泉津港でトロッコらしきものがあり、なにかと思ったら瓶の材料の砂を船に積むために使われているようだ。現役選手だそうな。
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温泉津の町並みをぶらり
内藤家の建物は廻船問屋だった梅田屋の遺宅。
いぶし瓦の屋根、中二階の虫籠(むしこ)窓
江戸時代の遺構の一つである。 -
多田家(豊後家)は、温泉津を代表する町屋のひとつで明治以降は呉服商を営む。
雨戸に「呉服太物商」の文字が渋く残る。
絹に比べ綿や麻は繊維が太いから太物というわけか。 -
温泉津でみかけた看板
カープ坊やが、温泉津温泉へ鯉、来い!!
旗を持ったクマのとぼけた感じがいい。 -
温泉津温泉といえば、「元湯泉薬湯」と「薬師湯」が有名だが、混んでいて肩身も狭く私には合わなかった。
けれど写真の「小浜温泉 才市の湯」は超ローカルの共同湯で居心地がよかったんだな。
ここは、温泉、島旅通のWさん(4トラ非会員)に教えてもらった穴場なのである。
諸事情があるようで温泉津のHPにも載っていないのだが、ゆっくりつかりローカル色を満喫したいならおすすめ。
駅から温泉旅館街までU字形を描くように1本道で その中間のちょっと手前ぐらいの左手に小浜温泉あり。 -
夜の温泉津
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世界遺産には「銀山」「大森」「周辺」の三つの地区が登録されている。
温泉津、沖泊の「周辺地区」を見学したので翌日は「銀山」「大森」地区へでかける。
大田市駅前から大森代官所跡までバスに乗る。
(本数は少ない) -
大森代官所跡で下車するとレンタル自転車があった。
石見銀山バス1日乗車券500円と迷ったが借りることにする。
レンタサイクルは大森代官所跡バス停斜め向かいの河村石油店で借りられる。
ママチャリ1回300円
電動自転車2時間500円
ただし電動は6台しかないので、あったらラッキー状態。(2007/8/2)
大森代官所跡バス停から龍源寺間歩まで西に向かって約2.3キロ。
上りの道が延々つづく。
歩くと約1時間、自転車で25分くらい。 -
ぐるり山に囲まれているとはいえ盆地なので蒸し暑い。
サウナのごとき汗を噴き噴きチャリを漕ぐ。
田んぼとのり面の間に銀山遊歩道がある。
トレッキングが好きなひとならこちらの自然道をのんびり歩くのもいいかもしれない。
手すりのある石段を上ると大久保長安の墓が見えてくる。 -
国の史跡、大久保長安の墓は逆修墓といって生前に自らの冥福を祈って立てた墓なのだそうだ。
石見銀山の重要性に注目した徳川家康が銀山奉行(長官)として派遣したのが石見銀山初代奉行、大久保石見守長安。
シルバーラッシュをもたらした奉行さまの墓前にまずご挨拶。 -
下河原吹屋跡は2007年6月の世界遺産検定で出題された「灰吹法」を使用していた銀精錬所(吹屋)跡の遺跡。
(問題は、灰吹法をもたらしたのは、どこの国の技術者か?)
灰吹法は1533年に博多の商人、神屋寿禎が朝鮮半島から招いた慶寿と宗舟により石見銀山に伝えられた画期的な精錬法だ。
石見の銀とは切っても切れないものなので試験に出たのかもしれない。 -
下河原吹屋跡の斜向かいに見えるのは山吹城城門(西本寺)。
大森町内に現存する最古級の木造建築だ。
山吹城は、周防の戦国武将大内氏が戦国後期に建立した。
大田市 指定文化財 -
豊栄神社
安芸国の戦国武将、毛利元就が祀られている。 -
龍源寺間歩まであと少し。
疲れたら自転車を押して進む。
帰りは下りで爽快な道だったところ。
平日なのにバスはスシヅメだったから自転車で正解だったかな。 -
到着?
龍源寺間歩ほか5つの施設に入場できる「石見銀山散策チケット」1500円を購入する。
販売場所・ 石見銀山資料館 ・大森観光センター(特産品販売所) ・五百羅漢(羅漢寺) ・龍源寺間歩
九州博多の豪商、神谷寿禎が日本海沖から「山が光った」のを見て石見銀山を発見した。
その光った山である仙の山の西側700メートルの範囲にあるのが龍源寺間歩だ。 -
龍源寺間歩入口
間歩は銀の採掘のために掘った坑道のことで龍源寺間歩は全長900メートルのうち270メートルまで公開されている。
入口頭上に抗夫が無事の生還を祈り、手を合わせた神棚が置かれている。
採掘は1日30cm、工夫の寿命は30から35歳だった。
30歳を迎えると鯛で祝ったという(旅) -
龍源寺間歩内部は冷蔵庫のように肌寒い。
この間歩は、横相(よこあい)という方法により南北方向から写真の坑道を掘削している。 -
そして坑道の左右に延びた横穴がこちら。
ひ押し掘の跡でここから鉱石を採掘した。 -
ひ押し掘の跡
-
龍源寺間歩の出口から少し歩くと左毘売山神社の鳥居と参道が右手に見えてくる。
抗夫が積み立てたお金も建築に使われている。
鉱山に入る前、無事を祈り、仕事が終わったあと、無事の報告に抗夫が寄って手を合わせた神社だ(旅) -
左毘売山神社 社殿
巨岩の上に建てられている。
周防の戦国武将大内氏が戦国後期に建立した。
銀山の守護神 金山彦命をまつる。
全国一規模の山神社。 -
自転車で散策中に見つけた銀山街道鞆ケ浦道。
銀山開発の初期に銀の積み出しをしていたといわれる鞆ケ浦港と銀山地区を結ぶ街道だ。 -
清水谷製錬所跡
谷の斜面に8段の石垣が築かれている。
石垣の上に建物を設け上から下へ鉱石を降ろしながら精錬が行われた明治期の遺産。
手前の樹木は梅の木で、梅は風塵を防ぐのに使われたのだそうだ。
ミルク、柿渋を塗った布の間に梅肉を挟み口に当てると風塵を防ぎ何時間でも作業ができたという。
また喉の渇きも防いでくれた(旅) -
当時の清水谷製錬所風景
-
石見とは島根県西部の旧国名のことだが、石見地方には優れた鏝絵(こてえ)が数多く残っているので見逃せない。
これは自転車で散策中に見つけた鏝絵だ。
確か清水寺の経堂だったかと思う。 -
鏝一本で、まさに職人技。すごい。
-
清水寺からの景色だが、地図を見ると中央の山は大田市大森町と仁摩町大国にまたがる要害山のようだ。
山頂には大内、尼子、毛利ら戦国武将が石見銀をめぐる争奪戦の拠点だった山吹城跡がある。
山頂からは石見銀山地区の様子が監視できて戦などおきようものなら異変が即座にキャッチできる立地なのだとか。 -
羅漢寺五百羅漢には石窟内に銀山で亡くなったかたの供養として約500体の石像が納められている。
旅チャン情報では、石像は働いた人々をかたどっているという。
喜怒哀楽の表情豊かな羅漢像には見入ってしまう。
写真撮影はNGだ。 -
石窟の前に三つの反り橋が架かっている。
石を組み合わせたもので歴史を感じる。
国指定文化財 -
夢中で自転車を漕いでいたら遅い昼食になってしまった。
地元の人に教えてもらったお店「cafe住留」
店内の様子。 -
cafe住留にて牛すじうどんをいただく。
ご飯品切れで終了していたが牛すじトロトロはやしが自慢らしい。
ちら見したデザートもこじゃれて美味しそうだったよ。 -
銀山川にかけられているのは羅漢町橋。
歴史を感じるアーチ型の石積み橋と石州瓦の赤が印象的だ。 -
大森地区で一番シビレタ定岡家
地役人のいたく痛んだ遺宅
内部非公開 -
大森の町並みは、右に武士の家、左に民家が向かい合う。
赤い石州瓦が印象的な街道は「美しい日本の歩きたくなる道500選」に選ばれている。
(城上神社〜龍源寺間歩) -
大森地区でよく見かける民家の親子格子
-
銀山川の擁壁も世界遺産になってコンクリートブロックから石積みに変えなきゃならないのね。
ご苦労様です。 -
この観世音寺の階段を上ると、大森の町並みを俯瞰できるが、汗だくで疲れてパスした。
博多の商人神屋寿貞が銀山を発見したのは、このお寺の観世音菩薩のお告げと伝えられている。 -
石見銀山大森郵便局は、集配業務のある郵便局のなかで日本一長い名前の郵便局。
地元の小学生が植えた古代米の稲がすくすく育っている(旅) -
西性寺 経堂には、左官の神様 松浦栄吉の最高傑作といわれる鏝絵が経堂の四面を飾る。
鏝絵は左官が漆喰に鏝をつかって絵柄を浮き彫りに描くもので石見地方は技術の高さで有名なのだ。 -
西性寺の鏝絵(こてえ)
松浦栄吉作 鏝絵
「鳳凰」 -
松浦栄吉作 鏝絵
「牡丹」 -
松浦栄吉作 鏝絵
「菊の花」 -
方杖の鏝絵といい、虹コウリョウの彫刻といい芸術的。すごい。
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代官御用達商家・熊谷家 住宅玄関土間は、太い4本の梁に圧倒される。
熊谷家住宅は写真撮影不可だそうで注意されてしまった。 -
大森代官所跡表門と門長屋は創建時(1815年)のまま残っている。
敷地に入ると旧邇摩郡役所を利用した資料館がある。 -
最後に温泉津で見た「浜の観音堂」のお地蔵さま。
とっても穏やかなお顔・・
温泉津でも大森でも、向こうから「こんにちは」とお辞儀をしてくれて感激した。
島根県のひとは素敵だった。
石見銀山は、産業の発展と直結した日本で最初の産業遺産登録となった。
産業遺跡と自然環境が一体となった文化的景観は世界でも例がないといわれている。
以上、探せばいろいろ見所いっぱいの石見銀山遺跡とその文化的景観でした。
・・オマケ・・
世界遺産に登録されている産業遺産は、
イギリス プレナヴォン産業用地
ポーランド ヴィエリチカ塩鉱
鉱山遺跡はほかに、
ボリビア ポトシ市街
メキシコ サカテカス歴史地区
メキシコ 古都グアナファトと銀鉱群
ドイツ ランメスブルク鉱山と古都ゴスラー
ノルウェー レーロース
スロバキア バンスカー・シュティヴニツァ
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この旅行記へのコメント (2)
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- ジロさん 2007/10/17 05:22:50
- おじゃま犬なのだ☆
- kodeyanさん、おはようでござるのだ☆
おじゃまさせてもらている犬のジロなのだ
いっぱい旅行記があるけどとりあえず石見銀山を見学なのだ
とっても詳細な情報にジロはビックリしちゃったのだ☆
ジロも石見銀山に行ったことあるが世界遺産になるとは。。。
でもこうして見るとなかなかでその価値はあるようなのだ
ジロもまた行ってみようかなぁ〜♪
とりあえずマーキング書き込みなのだ☆
ではでは☆彡なのだ
ジロ
- kodeyanさん からの返信 2007/10/17 07:47:50
- RE: おじゃま犬なのだ☆
- ジロさん こんにちワン U。・ェ・。U
マーキングありがとう♪
石見銀山は、見知らぬおばさんが「こんにちは」と向こうから挨拶してくれて好印象でしたよ。
九州の話しですが、
根っこの熱い、暖かい、濃いひとが多いので一人旅でも寂しくないという話しを聞いて不安もだいぶやわらいできています。
そうそうコロッケならぬ「馬ロッケ」なんてのが阿蘇にあるんですね。
それとジロさんのいうように猪鍋と鹿肉、鴨肉鉄板焼きの肉食獣系夕食がでる宿とか。
なんかワイルドだわぁ〜
ではでは☆彡なのだ。
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