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1795年、イタリア方面担当フランス軍総司令官に、<br />若い青年士官が就任した。<br />着任後すぐの戦いでトリノを陥し、その後ミラノも占領。<br />就任からまだわずか一か月だった。<br />更にオーストリア軍を追撃する為に、ベネチア領の通過を要求。<br />のらりくらりかわそうとするベネチア共和国に対し、<br />フランス軍は共和国本土属州の首都ともいうべきヴェローナを包囲。<br />城門を開け、フランス軍の為に食糧と銃をそろえ、<br />陣地設営作業の為農民を供出すること、<br />総司令官の出した条件は占領地に対するものだった。<br /><br />その名はナポレオン・ボナパルト。<br /><br />17世紀ころまでは交易によって生きてきたベネチア共和国も、<br />18世紀になると本土における農業が経済基盤になりつつあった。<br />以前なら本土を捨て、ベネチア本島のみの防衛に専念すべきとの決断もできたであろうが、<br />既にこのころのベネチアには不可能であった。<br />従順を装いながら、再軍備を進めるベネチア共和国に激怒したナポレオンは<br />「48時間以内に軍備を解け、さもないと我が軍への宣戦布告と見做す」と宣言。<br />あくまで自衛のみを目的としたものと言い張るベネチア・・・。<br />その後オーストリア軍との戦闘に勝利したフランス軍は、<br />「平和か戦争か」<br />いよいよベネチアにその選択を迫ってきた。<br />平和には「共和制の放棄」が条件付けられ、<br />それは事実上の降服を意味した。<br /><br />1797年5月12日、最後の共和国国会。<br />投票の結果、賛成512、反対20。<br />ベネチアは共和制を廃し、民主制の政体に変えると宣言した。<br />その四日後、4000のフランス兵がベネチアに進駐。<br />ベネチア共和国は、滅亡した。<br /><br /><br /><br />・・・ベネチアの最後の日の旅行記です。

「海の都の物語」ベネチアその3

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2007/08/08 - 2007/08/10

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でいめくと

でいめくと さん

1795年、イタリア方面担当フランス軍総司令官に、
若い青年士官が就任した。
着任後すぐの戦いでトリノを陥し、その後ミラノも占領。
就任からまだわずか一か月だった。
更にオーストリア軍を追撃する為に、ベネチア領の通過を要求。
のらりくらりかわそうとするベネチア共和国に対し、
フランス軍は共和国本土属州の首都ともいうべきヴェローナを包囲。
城門を開け、フランス軍の為に食糧と銃をそろえ、
陣地設営作業の為農民を供出すること、
総司令官の出した条件は占領地に対するものだった。

その名はナポレオン・ボナパルト。

17世紀ころまでは交易によって生きてきたベネチア共和国も、
18世紀になると本土における農業が経済基盤になりつつあった。
以前なら本土を捨て、ベネチア本島のみの防衛に専念すべきとの決断もできたであろうが、
既にこのころのベネチアには不可能であった。
従順を装いながら、再軍備を進めるベネチア共和国に激怒したナポレオンは
「48時間以内に軍備を解け、さもないと我が軍への宣戦布告と見做す」と宣言。
あくまで自衛のみを目的としたものと言い張るベネチア・・・。
その後オーストリア軍との戦闘に勝利したフランス軍は、
「平和か戦争か」
いよいよベネチアにその選択を迫ってきた。
平和には「共和制の放棄」が条件付けられ、
それは事実上の降服を意味した。

1797年5月12日、最後の共和国国会。
投票の結果、賛成512、反対20。
ベネチアは共和制を廃し、民主制の政体に変えると宣言した。
その四日後、4000のフランス兵がベネチアに進駐。
ベネチア共和国は、滅亡した。



・・・ベネチアの最後の日の旅行記です。

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  • ホテル・オリンピアのフロントデスク。<br />朝食開始時刻の7時には食堂は全員日本人。<br />(ツアーの皆さんでした)<br />昨日とは打って変わって異なる風景が異様に感じました。

    ホテル・オリンピアのフロントデスク。
    朝食開始時刻の7時には食堂は全員日本人。
    (ツアーの皆さんでした)
    昨日とは打って変わって異なる風景が異様に感じました。

  • オリンピアの朝の風景

    オリンピアの朝の風景

  • 3日目にして初めてヴァポレットに乗船。<br />ローマ広場駅より、リアルトを目指します。

    3日目にして初めてヴァポレットに乗船。
    ローマ広場駅より、リアルトを目指します。

  • サン・ジェレミア教会

    サン・ジェレミア教会

  • ドイツ商館

    ドイツ商館

  • あっという間にリアルトに到着

    あっという間にリアルトに到着

  • サンタマリア・デイ・ミラーコリ教会

    サンタマリア・デイ・ミラーコリ教会

  • ベルガモ出身の傭兵隊長コッレオーニの像、ベネチアに21年仕え常任司令官まで昇り詰めた。

    ベルガモ出身の傭兵隊長コッレオーニの像、ベネチアに21年仕え常任司令官まで昇り詰めた。

  • サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会とコッレオーニの騎馬像

    サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会とコッレオーニの騎馬像

  • 同じく教会内部

    同じく教会内部

  • 南方向へ向かいます。

    南方向へ向かいます。

  • サンタ・マリア・フォルモーサ教会。<br />観光客は少ないが魅力的な教会と広場、とても得した気分になります。

    サンタ・マリア・フォルモーサ教会。
    観光客は少ないが魅力的な教会と広場、とても得した気分になります。

  • 同じく教会の鐘楼

    同じく教会の鐘楼

  • 更に南方向へ

    更に南方向へ

  • サン・ザッカリア教会

    サン・ザッカリア教会

  • サン・ザッカリア広場

    サン・ザッカリア広場

  • ソットポルテゴを抜けると・・・

    ソットポルテゴを抜けると・・・

  • スキアヴォーニ河岸(何度目?)

    スキアヴォーニ河岸(何度目?)

  • お目当ては海洋史博物館

    お目当ては海洋史博物館

  • コルフ島要塞の模型。<br />1386年、この島をナポリの王位継承者から購入。<br />アドリア海の出口を抑える、戦略上重要な拠点を手に入れた。<br />ベネチアは島の要塞化を徹底する。<br />要塞は今日でもギリシア海軍が使用している。

    コルフ島要塞の模型。
    1386年、この島をナポリの王位継承者から購入。
    アドリア海の出口を抑える、戦略上重要な拠点を手に入れた。
    ベネチアは島の要塞化を徹底する。
    要塞は今日でもギリシア海軍が使用している。

  • 漕ぎ手が動力のガレー船。<br />風がなくても進めるが多くの荷が運べない等の欠点あり。軍船としても活躍した。

    漕ぎ手が動力のガレー船。
    風がなくても進めるが多くの荷が運べない等の欠点あり。軍船としても活躍した。

  • これもガレー船

    これもガレー船

  • 元首が儀式に使ったプチントーロ(御座船)の模型

    元首が儀式に使ったプチントーロ(御座船)の模型

  • アルセナーレ(造船所)の見取り図。<br />造船所の門は左端の中央部。

    アルセナーレ(造船所)の見取り図。
    造船所の門は左端の中央部。

  • 政府役人の官服

    政府役人の官服

  • 再びヴァポレットでサン・ザッカリア駅よりサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会を目指します。<br />

    再びヴァポレットでサン・ザッカリア駅よりサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会を目指します。

  • しばらく待ちます・・・

    しばらく待ちます・・・

  • サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が近づいて来ました。

    サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が近づいて来ました。

  • サン・ジョルジョ駅に到着

    サン・ジョルジョ駅に到着

  • 教会に入る前、大鐘楼方向

    教会に入る前、大鐘楼方向

  • サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会に入ります。

    サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会に入ります。

  • 教会の中

    教会の中

  • EVで鐘楼の上へ。<br />料金は座りながらEVを操作しているお兄さんに渡します。<br />大鐘楼方向の見事な景色。

    EVで鐘楼の上へ。
    料金は座りながらEVを操作しているお兄さんに渡します。
    大鐘楼方向の見事な景色。

  • 中央の大きな建物は、先程のコッレオーニの騎馬像の横でそびえていたサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会。<br />左端の白い鐘楼はサンタ・マリア・フォルモーザ教会。<br />その手前のオレンジ色の建物はホテル・ダニエリ。<br />右側のドームはサン・ザッカリア教会。

    中央の大きな建物は、先程のコッレオーニの騎馬像の横でそびえていたサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会。
    左端の白い鐘楼はサンタ・マリア・フォルモーザ教会。
    その手前のオレンジ色の建物はホテル・ダニエリ。
    右側のドームはサン・ザッカリア教会。

  • ジューデッカ運河

    ジューデッカ運河

  • 長い間、眺めていました。

    長い間、眺めていました。

  • 本島に戻ってきました。<br />サン・マルコ広場にて。

    本島に戻ってきました。
    サン・マルコ広場にて。

  • カフェ・フローリアン

    カフェ・フローリアン

  • カフェ・フローリアン

    カフェ・フローリアン

  • お土産物屋さん

    お土産物屋さん

  • ゴンドラも見納め

    ゴンドラも見納め

  • そろそろ出発の時刻に。<br />ヴァポレット42番でジューデッカ運河経由、<br />ローマ広場へ向かいます。<br />最後に名残を惜しんで、大鐘楼を。

    そろそろ出発の時刻に。
    ヴァポレット42番でジューデッカ運河経由、
    ローマ広場へ向かいます。
    最後に名残を惜しんで、大鐘楼を。

  • マルコポーロ空港、出発ゲート。<br /><br />他の島にも行かず、ひたすら本島中心の観光でした。<br />次回は島巡りにも行きたいと思います。<br />

    マルコポーロ空港、出発ゲート。

    他の島にも行かず、ひたすら本島中心の観光でした。
    次回は島巡りにも行きたいと思います。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • waterlilyさん 2008/01/28 19:04:47
    素晴らしいですね!
    匿名で・・さん、はじめまして。
    hiromiさんから、匿名で・・・さんのベネチア旅行記をご紹介頂き、お邪魔致しました。
    hiromiさんがお薦めしてくださった通り、本当に素晴らしい旅行記ですね!
    素晴らしいベネチア3部作、3つとも堪能させて頂きました。
    ベネチアの隅々まで歩かれた、どのお写真も本当に美しく、旅情をかきたてられます。
    私はずいぶん昔に行ったきりなのですが、いつも夕刻からは疲れて夜は外を観光することがありませんでしたので、夜のベネチアや早朝のまだ薄明るくなりつつあるベネチアの光の移り変わりの美しさを、匿名で・・さんの美しいお写真で楽しませて頂きました。
    大きな広場ももちろん素敵なのですが、ベネチアは人もあまり通らないような細い小道の散策が実に味わいがありますよね。
    素晴らしい旅行記を拝見させて頂き、ありがとうございました。

    でいめくと

    でいめくと さん からの返信 2008/01/29 23:08:27
    RE: 素晴らしいですね!
    waterlilyさん

    こんばんは、はじめまして。
    メッセージありがとうございました。
    早朝のベネチアは観光客がほとんどいなくて、昼間とは別の表情でした。
    明るくなると人手が多くなり、溜息橋の見学ポイントなんかは
    大渋滞することもしばしばです。

    ご指摘頂いたとおり、ベネチアは路地の隅にまで
    歴史の積み重ねが感じられる不思議な魅力の街でした。
    共和国時代にアドリア海の女王として君臨していたころから
    何も足されず何も引かれず、そのままの姿でいてくれていることに
    世界中の多くの人達が魅了され続けるのでしょうね。

    誰もいない早朝にひとり歩いていると、
    そんなベネチアの街と、アドリアの海と、
    共和国を築き守り続けてきたベネチアの先人達と、
    ゆっくり対話ができた感じがして、豊かな気持ちになりました。
    行きたくなってから10年近く熟成させてからの訪問でしたので
    自分のなかで蓄積した思いが一気に出た感じがします。

    ・・・hiromiさんにも感謝!です。可愛らしい方ですよね。
    waterlilyさんの旅行記にもまたお邪魔しますので
    今後ともよろしくお願いします。

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