『フウテンのトラ太郎』旅に出る　　2007年８月　チベット　苦行編 　8/11

2007/08/09 - 2007/08/19

拉薩の街

標高3600ｍを超える　ラサはチベット語で「神の土地」という意味。
ラサで思い浮かべる風景といえば、観音菩薩の化身とされるダライラマ法王の宮殿「ポタラ宮」
そうしてジョカン寺を中心に様々な寺で祈りを捧げ五体投地をする人々。
そうしてエベレストを代表に神々しいまでの大自然と、
過酷な環境と向合い質素ながらも逞しく生きる遊牧民。

深い信仰に包まれ、穏やかな人々と街並みを想像していたのですが・・・
（紹介もチベットらしいさだけを切抜くので）


「ラサは意外と都会だった！」

そう、すっかり中国化がされていたのでした。
海岸地区と内地との経済格差を抑えるため、
内地の要所要所の街が再開発で変化していっているようで、
ここチベットも他と変わらない中国らしい？？巨大で無機質な建築物にどんどん替わっていってるようです。
（昔行ったウィグルのウルムチも同じでしたが）

そうして漢民族がどんどん西部に流れ出し、
今では人口の半分（いやそれ以上）が漢民族らしいです。
街では高層ビルも建ち・夜はネオンもキラキラ眩く・・・
交通網も整備され、大量輸送で我々のような観光客も
気軽に訪れるようになりました。

チベットらしい街並みが残るのはジョカン寺を中心にした旧市街の一角だけのようです。
そこも、今はどんどん縮小しているようですが・・・

変り行くチベットですが、
中国の街並みの中でも、
誇り高きチベット人が自分達の文化を守り、
信仰深く、中国に同化されず強かに生きていってほしいです。

エリア 中国

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 鉄道 観光バス
• 航空会社: 中国国際航空

朝５時半・・・恐る恐る起きてみる。
昨日より７割ほど頭痛が多少は治まっている。　ホッ
薬が効いたのかしら？？
しかし、顔は泣きはらしたほど目がパンパンだわ。　
全体的に身体が浮腫んでいる様子。
関節痛い。
とりあえず、急いでシャワー（殆ど水！　太陽温水らしく２４時間ＨＯＴでは無い様子）浴びて、ポタラ宮へ。
まだ暗いのに、ポタラ宮の前では五体投地をする熱心な信者たちが数名いる。

しかし、こんな早い時間から予約券の配布するの？？

ポタラ宮の左側へまわりこむと、
既にゲートから１００ｍ近くの列が出来ている！
「これは・・・非常にマズイ状況では？？」
７時ジャストに来てしまった事を後悔するが、いったいこの人達は何時から並んでいたのであろうか？？

並びだしてしばらくすると、
チベタンの子供達がやってきて、
「ここに並んでいると疲れるだろう？　代理で並んでやろうか？」と言う。
無視していると、
チ：「４００元でどうだ？」
私：「高けーよ！」
チ：「じゃあいくら出す？」
私：「100元」
チ：「・・・」苦笑いして去っていく。
私としては破格値なんだが・・・

また、しばらくして先ほどのチベタンが戻ってきて、「もっと前に並ばしてあげるから　おいで〜」との事。
さっきから１歩も動かない列と頭痛に
つい甘い誘惑に列を離れてしまう。
門まで２０ｍぐらい前でチベタン子供が列の人達にお願いして、私を横は入りさせてくれようとするのだが・・・
列に並ぶチベタンのほうは誰一人私を列に入れてくれない。

私のところだけ不自然な２列のまま２０分ほど経過した頃、
公安が横に来て私に中国語で何か言っている。
その次に　ロープを持ち上げて「出ろ！」ってジェスチャーが・・・
「あぁ〜　世の中甘くは無いのね〜」
いそいそ列から出て最後尾に戻る。
クソ！前より更に１０ｍ後退じゃねーかよ！

しばらくすると、さきほどのチベタンがまた同じ事を言う。
日本語で「あっちいけ！　ほっておいてくれ！！！」って怒ると去っていった。

ポタラ宮の横に有る仏塔。

日が昇り始めて日が差し込む瞬間、
気温が一段と下がったようでジャンパーを着ていても寒いっ！
頭も痛く、足も疲れてきたので、しゃがむと後ろの台湾人に心配される。　
倒れたんじゃねーよ！
しかし・・・９時までは列は全く動くことも無く過ぎていく。
９時過ぎあたりから少しずつ前に動き出した。
１０時半頃には門より３０ｍ先ほどまで進んできた。
この調子だと1時間ほどでＧＥＴ出来るかしら？？

＊写真はポタラ横でコルラする人　
　並びながら様子を見ていた

と・・・思っていると、前から列が崩れていく。
・・・はぁ？？
公安が蹴散らしだしているではないか！

その瞬間、私の数人前の欧米人のお兄さんが、
前に勢いよく突進しだしたではないか！
私も瞬時に「これは、この人に付いて行かなければ！」って思い、後ろをダダダぁと近づいていく。
なんとか半分閉じられた門の中に入れたぞ！　
しかしどーなってるんだ？？
門の中も小屋までを列が３０ｍほど蛇行して出来ているではないか！

昨日の藤達也似のオッサンの周りを欧米人１０名ほどが囲んでいる。
どうも今日の予約人数が達したようで予約券の配布は終わりとの事。

「なんだって！！！　今日の半日はどーしてくれるんだよ！！！」と叫びそうなのを堪えて、
心の代弁を欧米人たちに託して聞いてみる。
欧米人達も同じで、オッサン相手に怒りをぶちまけている。
そーして横で私も「そーだ・そーだ！」って
心の中でパチパチ拍手しながら頷いている。

※このシステムでいけばポタラに入るには最低２日必要。
短期旅行者には時間の遣り繰りが厳しい。
ただでさえ厳しいのに、入場予定者数をオーバーしたら終了なので、ヘタしたら次の日も並ばなければならない。
（それでもダメなら、そのまた次の日・・・）
旅行者には有難くなく面倒なシステムだけに
もう少しなんとかならないんでしょうか？？

そーすると、オッサンは「少し待ってくれ」という言葉と共に去っていく。
５分後、オッサンが戻ってきて、
「列の最後尾に並べ」とお言葉が・・・
心の中で大きくガッツポーズ！
さすが欧米人、こーいう時の自己主張の凄さに感謝。
お陰で私までなんとか明日の観光が出来ることになったわ。
（一人だったら絶対にスゴスゴ帰っていたと思うし）

※写真の真ん中が仕切っているオッサンです。

結局はチケットを手にするのは１１時半近く。
ホントに半日掛の大仕事で足も疲れましたわ。
ただ、その入場予約券の入場時間がＰＭ4：20になっているのが気がかりなのですが・・・
（ガイドブックにはＰＭ４時までになっているのに、これって遅くない？？　ホントに入場できるの？？）

※写真はポタラ宮横の肉屋さん　

ちなみに、列で一緒になった日本人の女の子もチベタンに声を掛けれれたらしいです。
彼女は友人と２人でいたので、
友人だけチベタンの誘導で前に横入りさせてもらったらしく、
彼女自身は私のように成功しなかった場合の保険で列に残っていたらしいです。
そうして友人がチケットをＧＥＴした１１時過ぎに列を去っていきました。
彼女達は朝の５時半から並んでいたそうですが・・・

後日、電車で一緒だった中国人の医大生の男の子曰く、
夜中の３時から並んで１１時近くに入場券を手に入れたらしいです。
（殆どプラチナチケット状態です）

※写真は上の肉屋の店頭です。

あまり長時間立ちすぎて足がパンパンだし、
頭も相変わらずズキーンとしてくるし、
ポタラ宮の前にある茶店で休憩。

洞窟茶店が有名らしいけど、
中が薄暗いので根性の無い私は躊躇してしまい、
その近くのノーマル茶店で休憩する。

初めてのバター茶。
好き嫌いがハッキリするぐらいクセの有る味だと聞いていたけど・・・
ここのバター茶はロイヤルミルクティーのように飲みやすく、ポット1本全部飲み干してしまった。
これで１元は超安い！

ちなみに、後日飲んだバター茶は
クセのキツイ味にコップ１杯飲むのが精一杯。
牛乳とは違う乳臭いというか野生臭い水っぽいなかに塩味があって、飲んでいて鳥肌が出てきた。

地域により茶葉の種類やミルク有る無しなど、
飲み方も色々らしいので飲み比べも良いかもしれませんね。
でも、私は鳥肌から以降は怖くて飲めませんでしたが・・・（苦笑）

ついでに近くで食べているおっちゃんの椀汁みたいなものも指差しで頼む。
（しかし、あんなに昨晩は激しい嘔吐をしたのに、少し体調が戻るとすぐ食欲が出るのが嬉しいような悲しい性の様な・・・複雑）

ピリリとした味で結構ウマイ！　
これで３元も感動の値段。

こうやって地元の人達の和やかなバター茶タイム風景を見ているだけで、こちらもホッとしてくる。
平和って良いね〜

お父さんも子供もニコニコ。

空き席を探している人。
少しの時間もマニ車を回す事を忘れません。

さて、のんびりしている余裕が私には無いんだ！
次の任務？？を疲れからすっかり忘れていたわ。

今回の旅の最大の目的である「青蔵鉄道」のチケットをＧＥＴとしなければならない。
ホントは成都の旅行社で購入お願いしていたんだけど、
『乗車１０日前の発売日に即日完売』したらしく・・・（半分疑っているんだけど）
昨日到着した際に行った旅行社で聞いても、
一言「ムリ」って言われたんです。
（これはＳ絵さんも同じ事言われちゃたらしいです）
それでも諦めきれないＳ絵さん達は昨日ダメもとでラサ駅まで行ったらしく、
硬座しかなかったけど、
ラサ→西安で購入できたそうです。
（噂では、並ぶ割に僅かな手数料で儲けにならない、
電車のチケットは旅行社では嫌がられるようですが・・・実際は分かりませんよ）

その話を昨晩聞いた私も買いに行くことに！

ポタラ宮付近から８９番バスに乗りラサ駅まで。
途中、降車場所が分からず、
更にバスターミナルと間違えてしまいバスを１往復半するはめに・・・
（ただし、運賃はご好意により１乗車分の１元のみ）
中国語が喋れないとバスで目的地に行くのも至難の業。
（チベット人は結構漢字が読めない人が多いので）

と言う私も、「汽車」と「火車」の違いが理解できず、
バスターミナルで降車しちゃったんですが・・・（^^;

デカイ駅が殺風景な場所にポツンと有る。

発券所は客が少ないのでホッとした。
（昨日は購入まで１時間近くかかったらしい）
右側のスペシャルコーナーに並んでみる。
皆整然と２列に並んでいるので、
横入りされる心配も無く静かに窓口まで進んだ。

実は後で聞いたんだけど、
この日は１１日だったんですね。　
これが重要！
オリンピックに備えてのマナー向上ＣＭが流れているらしく、
１１日は数字の形から「２列に並びましょう！」キャンペーンの日だったんです！！！
なので、この日だけは皆、マナーをある程度守っていたらしく、
反対にその日以外はいつも通りの無秩序な状態だったようです（苦笑）

ほかにも、電車の中や公共場では大声で喋らない・シャツをめくってお腹を出さない・週に１度はにんにくを食べない・痰を吐かない・・・ｅｔｃ
私的には今まで散々遣りたい放題の中国人が
付け焼刃で１年やそこらでマナーの守れる静かな人種になれるはずがない！と思われるのですが・・・如何でしょうか？？

肝心の電車のほうは
希望に沿うものは第３候補まで完売。

第四候補の
「１６日発　ラサ→上海　硬座」になりました。
（当初の希望は　１６日ラサ→成都　もしくは重慶。
でバスで成都まで戻るつもりでした）

お陰で「成都→上海」　手持ちの航空券を捨てる事になりましたが・・・
それでも念願の天空列車に乗れる事に満足！

今日は２つも良い仕事を達成でき鼻歌混じりの大満足です！

★乗車券４０６元