2007　ヨルダン・エジプト旅記　0518-06

2007/05/15 - 2007/05/24

這いずるようにその売店の日陰の椅子に倒れ掛かり休息をとった。
身動きが取れるのに３０分近くはかかったろうか。
冗談でノブラに家に電話したら？と言ったら持ってきた携帯電話でホントに家に電話を始めた。

す、すげー、電波来てるよ。

ぼーっとエドディルを眺めていると、頂上付近に動くものを発見する。

うはっ！人がおる！

ちなみにエドティルの一番高いところが高さ４０メートル。
その頂上のかんむり付近に人が命綱もなしで立っている。
いや、軽業師のようにあちこち跳び移ったりしているのである。

あちき以外の観光客もどよめき始めた。
ノブラも異変に気がついて電話を止めてエドティルを見る。

「あれってやばくねーか？」
「絶対落ちますよね」

同じようなことを周りの観光客もささやいていると、売店の主人がいきなり何か騒ぐと手拍子を打ち始める。
「うそでしょ？」

その軽業師はパフォーマーなのか、あちこち飛び移ってから地上に降りてきた。
そしてあちきらの横にやってきて腰掛けた。

どうやら現地の人らしい。
こちらの奇異な視線を感じて笑顔で挨拶をしてきた。
あちきにタバコをくれないか？と言ってくる。
あちきはタバコを吸わないがノブラに頼んで一本あげさせた。

彼の名前を聞いたので忘れないように旅ノートに控えようとカバンを探る。

ない！

旅ノートがなくなってしまった。
冷静に考えると昼食をとったレストランで日記を書いたのは覚えている。
どうやら忘れてきたようだ。
そんなわけで彼の名前は失念してしまった。

彼はベドウィン人でこのペトラ遺跡に住み着いている。
１２歳からあのエドティルに登っているそうだ。
そりゃありえんわ！
そしてタバコもその歳でデビュー。
それはノーコメント。
ノブラは、彼となにやら話して込んでいる。

ノブラも身振り手振りで頑張ってコミュニケーションをとっている。
この気持ちが大切なんだよね。
臆せずに通じなくても笑顔で話しかけると人って気持ちが伝わるんたでよね。
現地の人とコミュニケーションとるのに言葉は関係ない。
お互い理解しようとする気持ちが大切なんだろうね。

ノブラと話していた彼は、エドディルも素晴らしいが、この売店の裏にある景色もぜひ見てくれと言う。
何があるんだ？と尋ねると、一言。

「ビューポイント」
彼はそう言った。

あちきとノブラは顔を向き合わせて怪訝な表情を浮かべる。

彼と握手をして別れると、そのビューポイントに行くことにした。

エリア ペトラ(ヨルダン)

見えますか？
写真の彼がいます。

どなたか彼の名前がわかれば教えてください。

さきっちょで立っております。

ペトラ遺跡のねこ。

携帯電話の圏内です。