2006/10 - 2006/10
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shikiさん
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事の発端は、突然の休暇指令。
立山黒部は以前から訪れたいと思っていたのだが、GWや盆休みなどのホリデーシーズンになるとロープウェイ等の移動手段が90分待ちはザラ、なんて噂を聞いてずっと尻込みしていた。しかし連休のない平日なら大丈夫だろうと10月頭に休暇を取得、ようやく訪れる運びとなった。この時期はまた、一年のうちで晴れる確率が最も高いとも聞いていた。
相変わらずの一人旅であり、山上のお高いホテルに独りで宿泊するのも虚しいので、前日のうちに当該ルート一方の起点である信濃大町の安宿に入り、翌日をフルに使ってアルペンルートを通貫した。
感想は……もし「あと一ヶ月で死ぬ」と今言われたら、一日はここの再訪に費やすであらふ、というような場所。
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信濃大町側の起点となる駅前。この時点で鼻息が荒くなっているのを自覚する。
ここから先、トロリーバスやらケーブルカーやらロープウェーやらを乗り継いでいくことになる。乗り物好きの子供たちにとっては天国のような場所。重度の高所恐怖症である自分にとってはロープウェーが不安。 -
黒部ダムを抜けたところにある全路線の看板。この看板を見ているだけで、どんな風景が広がっているのかと色々想像が膨らむ。
しかしすぐに、己の想像力の貧困さを思い知ることになる。 -
黒部平にて、これから乗るロープウェーの行き先方面を撮る。
こんなに優しい稜線が日本にあったとは。 -
自分が高所恐怖症である原因は、例えばロープウェーに乗った際、「絶対にワイヤーがほつれている。そして今この瞬間に千切れる」なんて悲観的な想像をすぐにしてしまうからである。
しかし全ては杞憂に過ぎなかった。眼下も思い切り凝視した。下にこんなに柔らかそうな絨毯が敷かれているのに、何を恐れることがあろうか。 -
ハイキングのメインスポットであり、多くの山荘やホテルが集まる室堂入口。駅はたいへんに賑やかで、とても二千数百メートルの高地とは思えない。でも二千数百メートルの高地であることは揺るぎない事実であり、そのギャップが独特の雰囲気を醸し出している。
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個人的に無視することのできない、名水。
あまりに高所なので雨水にしては十分に濾過されていないだろうし、湧水にしては湧き上がりすぎだし、仕組みがよくわからないのだがすこぶる美味なので細かいことはどうでもよい。 -
暫し言葉を忘れる。
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…………。
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普通にレストランも土産物屋もあるけどこういう所なんだよねえ、と実感する光景。
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10月初旬、紅葉にはちと早い季節だったが高所なら進んでいるだろうからもしかして燃えるような赤が……と淡い期待を抱いていた。
結果、万全ではないけれどほどよくカラフルでこれもまたよし。 -
硫黄臭好きには堪らない光景。
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調子に乗ってはしゃぎ過ぎたのか、突如、後頭部を銃で撃たれたような激痛が走る。いやもちろん銃で撃たれたことなどないが、要するに弾丸大の局部的な痛みが後頭部に走り、それが脳天を突き抜けた。
これしきの登り坂で休憩をとらないと体が動かない。休んでいる間にも徐々にだるくなって吐き気も催してきた。もしかしてこれが高山病なのか。 -
高山病を高山で癒すには温泉しかない! との思い込みで、最後の体力を振り絞って日本一高所にあるという「みくりが池温泉」に駆け込む。
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温泉でゆっくり休んで心なしか体調も少しはよくなった気がする。
風呂上りに、ここみくりが池温泉の名物であるらしい「みくり丼」とビールを注文。
出てきた「みくり丼980円」はええええええええ〜
いやでもヘリ輸送だから仕方ない。これなら三杯は食いたいけどカネがない。ビールは一気飲み、みくり丼も43秒くらいで平らげ、おいしい冷水を5,6杯飲んでから外へ。 -
黒部平で、ここアルペンルートでしか販売していないという触れ込みの「越中懐古」という日本酒を購入していた。この夜宿泊予定の富山の宿でゆっくり飲ろうと思っていたのだが、予定変更で風呂上りに外で飲むことに。
こんな景色を眺めながら日本酒を飲むなんて、人生でそう何度も経験できることではない。気力体力共に回復。さすがは命の水・日本酒である。 -
結局、そのまま一気に立山駅まで下山した。当初の計画ルートに組み入れていた弥陀ヶ原は、体調がさらなる長時間ハイキングに耐えるまでには戻らなかったため諦めることにした。
しかし、迷うことも悔やむこともなく弥陀ヶ原をスルーすることができた。なぜなら、ここへは必ず戻ってくると決めたから。
待っておれ高山病。次は克つ。
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