1995/05/18 - 1995/05/20
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旅人のくまさんさん
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<1995年5月19日>
<洛山寺(ナクサンサ)>
束草から南に8km程度の海岸に面したところに、関東八景の一つ、洛山寺はありました。新羅時代に義湘大師によって建立されたという古刹です。
洛山寺の少し南は、洛山海水浴場になっています。海岸線はほとんど鉄条網で防御されていますが、一定範囲では海水浴場も造られているようです。少し記憶が薄れましたが、要所、要所の突堤などに見張台が設えてあり、厳しい監視がされているようでした。
この洛山寺の近くには、大きな観音像があります。戸外に建っていますので、遠くからでもよくその位置が確認できました。海水観音菩薩(ヘルカヌムポサツ)と呼ぶようです。ガイドブックで調べましたら、1978年の製作で、台座が2.8m、本体が16mあると記されていました。迫力満点の像です。
<束草からソウルへは飛行機で>
Otさん念願の束草の手漕ぎの渡し、ケッペにも乗船することが出来ました。こちらは泊まったホテルから10分以内で歩いて行ける距離でした。
昨日のことがありましたので、少し気を揉みましたが、束草からソウルへ向けての飛行機は、無事に飛び立つことが出来ました。束草の街から飛行場までは、車で30分とはかかりません。
この飛行場は、少しもやった時に、飛び立つことは易しいですが、降り立つことが難しい地形なのかも知れません。飛び立った後は、一旦、東海(日本海)の海上へ出て、右に旋回して金浦空港へ向かいました。
左旋回しないのは、誤って北朝鮮の領空に入らないための用心のようです。それほど束草は北に近い街です。それと、一旦海上に出るのは、飛び立って直ぐに、高い山脈を越えるのを避けるためであるのかも知れません。
韓半島の東側は雪嶽山を含め、高峰が連なっています。ソウルまではこの山脈を越えて、ほとんどまっすぐに西進しました。山脈を越えた後は余り高度を上げませんので、曲がりくねった山道や、民家など、地上の様子がよく見えました。昨日5時間もかけて苦労した道のりを、わずか30分程で金浦空港に到着しました。
<ガイドさんから聞いた韓国住宅事情>
ガイドさんからは、現在の韓国事情や、彼女の家庭のことなど、色んな役に立つ話しをお聞きしました。例えば、韓国の住宅事情ですが、ソウル市内の南部一帯が高級住宅地になっていると言います。しかし、あまりに都市化が進んだので、戸建に住むのは難しく、みんなマンションになったようです。
このマンションは3億から4億ウォンもすると言います。日本円で3千万から4千万円に相当します。韓国の平均収入が日本の2分の1であることを考慮しますと、日本円では6千万から、8千万円にも相当します。いわゆる日本の億ションに近い値段です。
この高級マンション群があるソウル市南部に住むのが、一つのあこがれになっているとお聞きしました。この地域以外では、少し値段が安くなるといいますが、それでもソウルの住宅事情は、日本並か、それ以上に厳しいようです。
市内観光のマイクロバスの中から、それらの高層マンションを教えてくれましたが、造りそのものは、高級と言った感じはしません。極めて実用的な外観をしていました。
<ガイドさんから聞いた韓国の受験戦争>
ガイドさんは日本の受験戦争のことは知っていると言われました。しかし、
「韓国での受験戦争は、日本よりもっと凄いです」
と断言されました。
「自分の弟も、今大学の受験勉強中です」
とも教えてくれました。なぜ大変かと聞きますと、
「韓国では男子の兵役義務があるから、何としても大学に入学させたい」
と、親が頑張らせるそうです。ガイドさんの家庭も同じだと言われました。もし、大学入学できないと、直ぐに兵役義務が待っていて、入学できれば、免除ではなく、兵役義務が延期されるようです。ガイドさんは、
「自分も大学に行かせてもらえたので、今は弟を精一杯支援している」
と熱を込めて話してくれました。
「一流の大学を出た後は、国家公務員が一つのコースです」
とガイドさんが教えてくれました。これも日本と同じ事情のようです。もっとも、この回想記を書いている1999年では、日本も、韓国も国家公務員に対する見方は大分事情が変わってきたようです。
事情が変わった原因は、経済危機、腐敗・汚職、行政改革と言ったキーワードが、どうやら共通しているためのようです。経済危機も浄化作用を伴うものであれば、歓迎できる点もあります。
洛山寺を回想して
古寺や東海(トンヘ)を望む遠霞
夏近し岩を伝いて寺参り
潮騒が歴史を語る寺の春
韓の国司馬遼偲ぶ松若葉
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