九寨溝旅行記(ブログ) 一覧に戻る
<2003年10月8日(水)><br /><br /><ホテルでの朝食><br /> 新しいホテルなので、設備は申し分ありませんでしたが、さすがにサービスまでは行き届かない点がありました。それは既に伝統がある一流ホテルを基準にしてのことであり、出来たばかりのホテルにしては合格点を与えてもよいとも思いました。<br /> まして、つい最近までは、ホテルでかなり不便な思いをしたことが、インターネットの旅行記に書き込まれていましたので、尚更ありがたいことでした。<br /> 朝食は、中国料理と洋食が自由に選択できるバイキング方式でした。朝食以外はすべて中華料理なので、つい洋食の方を選択しました。パンなども各種焼かれていて、コーヒーと紅茶の選択も出来ました。<br /> トマトジュースを飲みたかったものの、甘いオレンジジュース系と牛乳、豆乳が主で、やむなくオレンジにしました。洋食主体でも、折角の中国旅行なので、少しだけ中華料理にも手を出しました。<br /> 普段は果物類には手を出しませんが、旅行の時は別です。よく熟した果物類がある時は、量は少しづつ、種類はたくさんの果物をデザートに食べることにしています。スイカだけは水ぽかったですが、それ以外の果物は美味でした。<br /> <br /><九寨溝へ><br /> 全員が食事を終えた後、専用バスで九寨溝見学に出かけました。昨晩乗り換えた、天然ガスの39人乗りのバスです。15、6名の乗車なので、それぞれに窓際に席に座ることが出来ました。ここで、少数民族の現地ガイドさんも加わりました。<br /> 「少数民族」の呼び方は、少し差別的なニュアンスがありますので好きではありませんが、「先住民族」や「原住民」でもぴったりしませんので、この表現でお許しください。<br /> やはりインターネットで検索したことですが、『九寨溝見学の道は狭く、バスのすれ違いなどで渋滞する事が多い』と読んでいましたので、ある程度、渋滞は覚悟していました。<br /> ところが、既に道路の拡幅工事が済んで、全く渋滞はありませんでした。国慶節の大型連休の後であることも幸いしたようです。しかし、拡幅工事によって法面(のりめん)はかなり削り取られていて、落石防止、土砂崩れ防止や、緑化工事が人海戦術で進められていました。九寨溝空港建設よりも、こちらの方が広範囲に環境に影響を与えている心配がありました。<br /> その拡幅した道路が濡れていますので、最初は『夜の内に雨が降ったのでは?』と思っていました。ところが、散水車と出遭ってその訳がよく分かりました。観光開発で車の往来が多くなり、埃防止に散水をしているようでした。<br /> 折角の観光地が、埃だらけでは残念ですし、幸い水には事欠かない地理条件に恵まれています。あちこちで水たまりが出来るほどの散水量でした。<br /> 昨晩、重慶を飛び立って九寨溝空港が近くなった時、暗闇の中で白い帯のようなものが見えましたが、その時は正体が全く分かりませんでした。この場所に来てみて、その正体がやっと分かりました。法面の緑化工事で、白布が延々と使ってあったからです。<br /> その粗い織り方をした布は、法面に種子を吹き付けた後の養生に使われているもののようです。日本で一時期、新聞や週刊誌を賑わせた、さる宗教団体でも、ビックリしたと思わせるほどの規模でした。ともかく、大変な規模で観光開発が進められていました。<br /><br /><九寨溝見学><br /> 写真のページで順を追って紹介しますので、ここではできるだけ簡単に記しておきます。何はともあれ、『百聞(ひゃくぶん)は一見に如(し)かず』です。<br /> 川筋を登りながら見学しましたので、最初は『盆景灘』でバスを降りて、九寨溝を見学しました。この地は、文字通り流れの中で盆栽のような潅木が生えている奇観です。普通、絶えない流れの中にある潅木は、呼吸が出来ずに成長しないか、枯れてしまうものですが、この地では川幅一杯に生い茂っていました。<br /> 流れに含まれる石灰分が影響している為のようです。その理由をガイドさんの説明で再現してみます。<br /> 『石灰の消毒作用で木が腐ってしまうことが防がれ、しかも、水中部分に毛根を出して呼吸と栄養を吸収している』<br /> と言ったことのようです。長年月での環境適応、進化も生じたのかも知れません。これは私の推測です。熱帯地方の汽水域に根を下ろすマングローブの樹を連想してみました。<br /> 次の見所は、葦原の中を蛇行する景観でした。これはバスの中から見学しました。すこし茶色がかった葦原の中で、濃紺の流れが見応えがありました。残念ながら、私のカメラには収まっていません。<br /> 更に上流に『火花海』がありました。ここでは車を降りて写真をたくさん撮りました。『海』は本当の海を見たことが無いチベット族の人が、大きな湖に付けた呼び方だそうです。この後も何箇所かで、この呼び方をされている名勝地を見学しました。<br /> 『火花』の由来は、夕日で燃えるような色に変わることに因んでいるようです。残念ながら、朝の早い時間では、お目にかかることは無理でした。<br /> この『火花海』は、木製の遊歩道が整備されていました。木々の間を縫って湖の奥まで楽々と見学できました。この時の水色の変化は、大変な驚きでした。写真でも、少しはその雰囲気が伝わっているとは思いますが、眺める角度で、見事にその色を変えていました。<br /> この九寨溝一帯で、唯一の魚である『裸魚』の稚魚を見ることが出来ました。成長しても、25センチ程にしかならないそうです。名前は鱗が無いことに因むとお聞きしました。この小さな魚は、写真に収めることが出来ました。とにかく、かつて経験をしたことが無い水のマジックショーでした。<br /> 次の停車地は『樹正寨』でした。川幅全体に樹列が出来て堰き止められていて、一段と濃い青色の水面が広がっていました。丘の上には、幟をたくさんはためかせた、チベット族の集落がありました。観光用の路線バスが走っているらしく、バスストップの標識を見掛けました。主な名勝地の名前がずらりと並んでいました。<br /> すぐ近くの『樹正瀑布』も見ものでした。下流から眺めた滝は、水中に木々が生い茂っていることもあって、まるで林の中を水が奔流するような奇景でした。<br /> 『磨房』の名前の場所では崖を下って見学しました。『磨房』意味は、『粉引き小屋』のことです。水車を使って、麦などを挽いていました。水車は粉引きだけでなく、お経にも使われていました。水力を使って、お経を書いたドラムが1回転すれば、1回のお経を上げた功徳があるそうです。先ほどの幟も、お経が書いてあり、風ではためくごとに同じ効果があるとお聞きしました。随分と都合のいい、自動お経上げ機ではあります。<br /> そのお経ドラムを、3回回るとご利益があるともお聞きしました。お賽銭を出して試してみました。ついでに、ジャンボサイズのお線香も上げて旅の無事を祈りました。<br /> 更に上流に進むと、かなり大きな湖がありました。『箭竹海』と『熊猫海』です。『箭』は矢のことですから、このあたりに密生する竹を材料に使ったことが由来かと、推測しました。『熊猫』はよく知られたパンダのことです。名前の由来は聞き漏らしました。「熊猫海」では例の『裸魚』が群れをなして泳いでいました。漁獲禁止だし、天敵もいないので、のんびりと泳いでいる風でした。<br /> 『孔雀海』は水中に茂った藻が微妙な色合いの変化を見せる美観でした。形が孔雀に例えられたここと合わせ、この色合いの変化も孔雀の尾の煌びやかさに例えられているようです。<br /> 孔雀の海辺りからは下りで、別の川筋に入ったのかも知れません。ドウダンツツジらしい紅葉を眺めて、川を下りますと、これまた絶景に息を飲みました。見事な瀧が目前に現れました。<br /> この後、更に『鏡海』と『長海』、最後に『五採池』を回って、今日の見学を終えました。最後のところは説明を端折りましたが、写真の頁をご覧ください。<br /> 余りの景色に、説明する言葉や、感嘆の言葉が次第に品切れになってきました。芭蕉がこの地を見たらなんと感嘆するか、松島の比ではないかも知れません。『九寨や ああ九寨や 九寨や』と嘆息する姿を想像しました。<br /><br /><小数民族の村へ&amp;gt;<br /> 徐さんの計画では、お寺かどこか別のところを見学する予定だったようですが、皆さんに諮って、少数民族の村の一つを見学することになりました。九寨溝見学のはじめの頃に、丘の上に見えた村の1つです。たくさん立った幟が遠くからでも良く見えていました。1回はためくと、1回のお経に相当すると言う、実に便利な幟です。<br /> 案内されたのは、チベット族の応接間と言った場所でした。赤色を基調とした彩色が部屋一杯に施してありました。飾り戸棚には色んな民芸品が飾ってありました。この部屋で、チベットのお茶の有料サービスがありました。<br /> もし、お酒類なら頼もうと思いましたが、お茶では仕方がありませんので、皆さんがお茶を飲んでいる間、庭先を散歩しました。その庭には、コスモスが満開で、葡萄棚には紫の房がたわわに実っていました。しかし、粒が不揃いで、なんとなくすっぱそうな感じがしました。<br /> 部屋に戻ってみますと、まだ皆さんお茶を戴いている最中でした。中々飲み干すことが出来ずに、持て余している風でした。エンちゃんに勧められて一口飲んでみましたが、持て余されている理由がよく分かりました。 <br /> その飲み物は、牛乳やチーズのようなものが入った、凡そお茶と言った品とは程遠いものでした。しかし、チベット族の人にとっては、恐らく大切な飲み物であろうことが想像できました。厳しい寒さが続く冬には、体を温めるのには、もってこいの飲み物ではないかと思ってみました。<br /> 元々私は、食べられない食物や、飲み物はないものと信じている方なので、機会があれば、冷え込んだ冬にこのお茶を楽しんでみたい気持ちにもなりました。たまたま、今日は天候も良く、必要を感じなかったものと割り切りました。<br /><br /><少数民族舞踊><br /> 夜はホテルの敷地内にある劇場で少数民族の舞踊を楽しみました。バスの中で、徐さんが皆さんのご意見を聞いて、全員が見学することで予約がとってありました。暗くなったら、周りには何にも無いところですから、この観劇を見逃しては、時間を持て余して仕方がありません。<br /> 恐らく宿に泊まったほとんどの方が、この観劇を申し込まれたのではないのでしょうか?昨晩は遅い到着でしたから、夜は何もすることが出来ませんでしたが、今晩は十分すぎる時間がありました。<br /> 少数民族の方は、チベット族とチャン族でした。それぞれに司会役の人がいて、総合司会の人もいました。舞台照明や大道具が揃っていて、背景には岷山山脈の主峰、標高5588mの雪宝山らしき雪山が描かれていました。チベット族の故郷、チョモランマではないかと想像をたくましくしたが、そうではないようでした。九寨溝の歴史を物語にしているようでした。雪山は、いつの間にか、見覚えがある一面の瀧の場面へと変わっていました。<br /> 残念だったのは、音響装置でした。目一杯にボリュームを上げているらしく、高音が割れて、非常に聴き辛い思いをしました。耳を押さえていなければ、苦痛に感じる程でした。<br /> 歌手の人の独唱もありましたが、非常にレベルの高いものだっただけに、実に残念でした。婚姻風習に歌が使われることがあるらしく、そのことがレベルの高い歌唱力となっているのではないかと想像しました。<br /> 獅子舞に似た踊りもありましたし、客も舞台に上がっての盆踊り風の余興タイムもありました。フィナーレには、民族衣装を着けた踊り子さんが、総出で客席の間を回ってのサービスがありました。<br /> 踊り子さんたちを近くで見ますと、煌びやかな民族衣装の見事さと、美人揃いである事が良く分かりました。民族舞踊は十分に堪能できました。しかし、繰り返しになりますが、音響装置だけが本当に残念でした。<br /> 夜は、私の部屋に有志の方が集まり、持ち寄ったつまみで一日の締めくくりの宴会を催しました。ウィスキーだけでボトル三本が集まり、今回の旅行での飲み物不足はまず生じない見通しになりました。<br /> 私の定番はスコッチのオールドパーですが、なんと林さんも同じ銘柄でした。小合さんのウィスキーを含めて、飲み物には不自由しないものの、水には要注意なので、ペットボトルの方が貴重品に思えてきました。<br /> 明日は、もう一つの世界自然遺産の黄龍観光です。5時頃の早起きです。飲み始める前に、11時半終了を予め確認しあって、ほぼその時間にお開きとなりました。<br /><br /><br />  九塞溝で<br /> 葦原の中を流るる紺碧の川筋緩く弧を描きたり<br /><br /> 黄葉の厳き岩を登りかね麓を染し山のまた奥<br /><br /> 尾根過ぎる風の運びし雲なるか今は動かじ白き塊<br /><br /> 鱗無き姿を裸魚と呼ぶらしきゆるりと泳ぐ大熊猫の湖に<br /><br /> 西蔵の子孫の棲みし九塞の秘境拓かれ人は溢るる

2003秋、中国旅行記4(3):10月8日:九寨溝

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2003/10/07 - 2003/10/12

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旅行記グループ 2003秋、中国旅行記4

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旅人のくまさん

旅人のくまさんさん

<2003年10月8日(水)>

<ホテルでの朝食>
 新しいホテルなので、設備は申し分ありませんでしたが、さすがにサービスまでは行き届かない点がありました。それは既に伝統がある一流ホテルを基準にしてのことであり、出来たばかりのホテルにしては合格点を与えてもよいとも思いました。
 まして、つい最近までは、ホテルでかなり不便な思いをしたことが、インターネットの旅行記に書き込まれていましたので、尚更ありがたいことでした。
 朝食は、中国料理と洋食が自由に選択できるバイキング方式でした。朝食以外はすべて中華料理なので、つい洋食の方を選択しました。パンなども各種焼かれていて、コーヒーと紅茶の選択も出来ました。
 トマトジュースを飲みたかったものの、甘いオレンジジュース系と牛乳、豆乳が主で、やむなくオレンジにしました。洋食主体でも、折角の中国旅行なので、少しだけ中華料理にも手を出しました。
 普段は果物類には手を出しませんが、旅行の時は別です。よく熟した果物類がある時は、量は少しづつ、種類はたくさんの果物をデザートに食べることにしています。スイカだけは水ぽかったですが、それ以外の果物は美味でした。
 
<九寨溝へ>
 全員が食事を終えた後、専用バスで九寨溝見学に出かけました。昨晩乗り換えた、天然ガスの39人乗りのバスです。15、6名の乗車なので、それぞれに窓際に席に座ることが出来ました。ここで、少数民族の現地ガイドさんも加わりました。
 「少数民族」の呼び方は、少し差別的なニュアンスがありますので好きではありませんが、「先住民族」や「原住民」でもぴったりしませんので、この表現でお許しください。
 やはりインターネットで検索したことですが、『九寨溝見学の道は狭く、バスのすれ違いなどで渋滞する事が多い』と読んでいましたので、ある程度、渋滞は覚悟していました。
 ところが、既に道路の拡幅工事が済んで、全く渋滞はありませんでした。国慶節の大型連休の後であることも幸いしたようです。しかし、拡幅工事によって法面(のりめん)はかなり削り取られていて、落石防止、土砂崩れ防止や、緑化工事が人海戦術で進められていました。九寨溝空港建設よりも、こちらの方が広範囲に環境に影響を与えている心配がありました。
 その拡幅した道路が濡れていますので、最初は『夜の内に雨が降ったのでは?』と思っていました。ところが、散水車と出遭ってその訳がよく分かりました。観光開発で車の往来が多くなり、埃防止に散水をしているようでした。
 折角の観光地が、埃だらけでは残念ですし、幸い水には事欠かない地理条件に恵まれています。あちこちで水たまりが出来るほどの散水量でした。
 昨晩、重慶を飛び立って九寨溝空港が近くなった時、暗闇の中で白い帯のようなものが見えましたが、その時は正体が全く分かりませんでした。この場所に来てみて、その正体がやっと分かりました。法面の緑化工事で、白布が延々と使ってあったからです。
 その粗い織り方をした布は、法面に種子を吹き付けた後の養生に使われているもののようです。日本で一時期、新聞や週刊誌を賑わせた、さる宗教団体でも、ビックリしたと思わせるほどの規模でした。ともかく、大変な規模で観光開発が進められていました。

<九寨溝見学>
 写真のページで順を追って紹介しますので、ここではできるだけ簡単に記しておきます。何はともあれ、『百聞(ひゃくぶん)は一見に如(し)かず』です。
 川筋を登りながら見学しましたので、最初は『盆景灘』でバスを降りて、九寨溝を見学しました。この地は、文字通り流れの中で盆栽のような潅木が生えている奇観です。普通、絶えない流れの中にある潅木は、呼吸が出来ずに成長しないか、枯れてしまうものですが、この地では川幅一杯に生い茂っていました。
 流れに含まれる石灰分が影響している為のようです。その理由をガイドさんの説明で再現してみます。
 『石灰の消毒作用で木が腐ってしまうことが防がれ、しかも、水中部分に毛根を出して呼吸と栄養を吸収している』
 と言ったことのようです。長年月での環境適応、進化も生じたのかも知れません。これは私の推測です。熱帯地方の汽水域に根を下ろすマングローブの樹を連想してみました。
 次の見所は、葦原の中を蛇行する景観でした。これはバスの中から見学しました。すこし茶色がかった葦原の中で、濃紺の流れが見応えがありました。残念ながら、私のカメラには収まっていません。
 更に上流に『火花海』がありました。ここでは車を降りて写真をたくさん撮りました。『海』は本当の海を見たことが無いチベット族の人が、大きな湖に付けた呼び方だそうです。この後も何箇所かで、この呼び方をされている名勝地を見学しました。
 『火花』の由来は、夕日で燃えるような色に変わることに因んでいるようです。残念ながら、朝の早い時間では、お目にかかることは無理でした。
 この『火花海』は、木製の遊歩道が整備されていました。木々の間を縫って湖の奥まで楽々と見学できました。この時の水色の変化は、大変な驚きでした。写真でも、少しはその雰囲気が伝わっているとは思いますが、眺める角度で、見事にその色を変えていました。
 この九寨溝一帯で、唯一の魚である『裸魚』の稚魚を見ることが出来ました。成長しても、25センチ程にしかならないそうです。名前は鱗が無いことに因むとお聞きしました。この小さな魚は、写真に収めることが出来ました。とにかく、かつて経験をしたことが無い水のマジックショーでした。
 次の停車地は『樹正寨』でした。川幅全体に樹列が出来て堰き止められていて、一段と濃い青色の水面が広がっていました。丘の上には、幟をたくさんはためかせた、チベット族の集落がありました。観光用の路線バスが走っているらしく、バスストップの標識を見掛けました。主な名勝地の名前がずらりと並んでいました。
 すぐ近くの『樹正瀑布』も見ものでした。下流から眺めた滝は、水中に木々が生い茂っていることもあって、まるで林の中を水が奔流するような奇景でした。
 『磨房』の名前の場所では崖を下って見学しました。『磨房』意味は、『粉引き小屋』のことです。水車を使って、麦などを挽いていました。水車は粉引きだけでなく、お経にも使われていました。水力を使って、お経を書いたドラムが1回転すれば、1回のお経を上げた功徳があるそうです。先ほどの幟も、お経が書いてあり、風ではためくごとに同じ効果があるとお聞きしました。随分と都合のいい、自動お経上げ機ではあります。
 そのお経ドラムを、3回回るとご利益があるともお聞きしました。お賽銭を出して試してみました。ついでに、ジャンボサイズのお線香も上げて旅の無事を祈りました。
 更に上流に進むと、かなり大きな湖がありました。『箭竹海』と『熊猫海』です。『箭』は矢のことですから、このあたりに密生する竹を材料に使ったことが由来かと、推測しました。『熊猫』はよく知られたパンダのことです。名前の由来は聞き漏らしました。「熊猫海」では例の『裸魚』が群れをなして泳いでいました。漁獲禁止だし、天敵もいないので、のんびりと泳いでいる風でした。
 『孔雀海』は水中に茂った藻が微妙な色合いの変化を見せる美観でした。形が孔雀に例えられたここと合わせ、この色合いの変化も孔雀の尾の煌びやかさに例えられているようです。
 孔雀の海辺りからは下りで、別の川筋に入ったのかも知れません。ドウダンツツジらしい紅葉を眺めて、川を下りますと、これまた絶景に息を飲みました。見事な瀧が目前に現れました。
 この後、更に『鏡海』と『長海』、最後に『五採池』を回って、今日の見学を終えました。最後のところは説明を端折りましたが、写真の頁をご覧ください。
 余りの景色に、説明する言葉や、感嘆の言葉が次第に品切れになってきました。芭蕉がこの地を見たらなんと感嘆するか、松島の比ではないかも知れません。『九寨や ああ九寨や 九寨や』と嘆息する姿を想像しました。

<小数民族の村へ&gt;
 徐さんの計画では、お寺かどこか別のところを見学する予定だったようですが、皆さんに諮って、少数民族の村の一つを見学することになりました。九寨溝見学のはじめの頃に、丘の上に見えた村の1つです。たくさん立った幟が遠くからでも良く見えていました。1回はためくと、1回のお経に相当すると言う、実に便利な幟です。
 案内されたのは、チベット族の応接間と言った場所でした。赤色を基調とした彩色が部屋一杯に施してありました。飾り戸棚には色んな民芸品が飾ってありました。この部屋で、チベットのお茶の有料サービスがありました。
 もし、お酒類なら頼もうと思いましたが、お茶では仕方がありませんので、皆さんがお茶を飲んでいる間、庭先を散歩しました。その庭には、コスモスが満開で、葡萄棚には紫の房がたわわに実っていました。しかし、粒が不揃いで、なんとなくすっぱそうな感じがしました。
 部屋に戻ってみますと、まだ皆さんお茶を戴いている最中でした。中々飲み干すことが出来ずに、持て余している風でした。エンちゃんに勧められて一口飲んでみましたが、持て余されている理由がよく分かりました。 
 その飲み物は、牛乳やチーズのようなものが入った、凡そお茶と言った品とは程遠いものでした。しかし、チベット族の人にとっては、恐らく大切な飲み物であろうことが想像できました。厳しい寒さが続く冬には、体を温めるのには、もってこいの飲み物ではないかと思ってみました。
 元々私は、食べられない食物や、飲み物はないものと信じている方なので、機会があれば、冷え込んだ冬にこのお茶を楽しんでみたい気持ちにもなりました。たまたま、今日は天候も良く、必要を感じなかったものと割り切りました。

<少数民族舞踊>
 夜はホテルの敷地内にある劇場で少数民族の舞踊を楽しみました。バスの中で、徐さんが皆さんのご意見を聞いて、全員が見学することで予約がとってありました。暗くなったら、周りには何にも無いところですから、この観劇を見逃しては、時間を持て余して仕方がありません。
 恐らく宿に泊まったほとんどの方が、この観劇を申し込まれたのではないのでしょうか?昨晩は遅い到着でしたから、夜は何もすることが出来ませんでしたが、今晩は十分すぎる時間がありました。
 少数民族の方は、チベット族とチャン族でした。それぞれに司会役の人がいて、総合司会の人もいました。舞台照明や大道具が揃っていて、背景には岷山山脈の主峰、標高5588mの雪宝山らしき雪山が描かれていました。チベット族の故郷、チョモランマではないかと想像をたくましくしたが、そうではないようでした。九寨溝の歴史を物語にしているようでした。雪山は、いつの間にか、見覚えがある一面の瀧の場面へと変わっていました。
 残念だったのは、音響装置でした。目一杯にボリュームを上げているらしく、高音が割れて、非常に聴き辛い思いをしました。耳を押さえていなければ、苦痛に感じる程でした。
 歌手の人の独唱もありましたが、非常にレベルの高いものだっただけに、実に残念でした。婚姻風習に歌が使われることがあるらしく、そのことがレベルの高い歌唱力となっているのではないかと想像しました。
 獅子舞に似た踊りもありましたし、客も舞台に上がっての盆踊り風の余興タイムもありました。フィナーレには、民族衣装を着けた踊り子さんが、総出で客席の間を回ってのサービスがありました。
 踊り子さんたちを近くで見ますと、煌びやかな民族衣装の見事さと、美人揃いである事が良く分かりました。民族舞踊は十分に堪能できました。しかし、繰り返しになりますが、音響装置だけが本当に残念でした。
 夜は、私の部屋に有志の方が集まり、持ち寄ったつまみで一日の締めくくりの宴会を催しました。ウィスキーだけでボトル三本が集まり、今回の旅行での飲み物不足はまず生じない見通しになりました。
 私の定番はスコッチのオールドパーですが、なんと林さんも同じ銘柄でした。小合さんのウィスキーを含めて、飲み物には不自由しないものの、水には要注意なので、ペットボトルの方が貴重品に思えてきました。
 明日は、もう一つの世界自然遺産の黄龍観光です。5時頃の早起きです。飲み始める前に、11時半終了を予め確認しあって、ほぼその時間にお開きとなりました。


  九塞溝で
 葦原の中を流るる紺碧の川筋緩く弧を描きたり

 黄葉の厳き岩を登りかね麓を染し山のまた奥

 尾根過ぎる風の運びし雲なるか今は動かじ白き塊

 鱗無き姿を裸魚と呼ぶらしきゆるりと泳ぐ大熊猫の湖に

 西蔵の子孫の棲みし九塞の秘境拓かれ人は溢るる

同行者
友人
交通手段
観光バス
航空会社
中国国際航空
  • 泊まった宿の窓を開けて下を覗いたら、直ぐその下には川が流れていました。険しい地形に建った施設であることが実感できました。

    泊まった宿の窓を開けて下を覗いたら、直ぐその下には川が流れていました。険しい地形に建った施設であることが実感できました。

  • 遠くの山の頂には、すでに朝日が射していました。その頂には少しだけ雲がかかっていましたが、『快晴間違い無し』の予感がしました。

    遠くの山の頂には、すでに朝日が射していました。その頂には少しだけ雲がかかっていましたが、『快晴間違い無し』の予感がしました。

  • 添乗員の徐さんは、『つい最近出来たばかりです。こんな狭い地域に、よくこれだけの場所を探したものだ』と感心されていました。

    添乗員の徐さんは、『つい最近出来たばかりです。こんな狭い地域に、よくこれだけの場所を探したものだ』と感心されていました。

  • 「寨」の文字は普段見かけない文字です。「とりで」の意味ですが、チベット族の9つの部落があったことが地名の由来のようです。

    「寨」の文字は普段見かけない文字です。「とりで」の意味ですが、チベット族の9つの部落があったことが地名の由来のようです。

  • 先程の川を渡って広場のような所にきました。いよいよ九寨溝観光の始まりです。横断幕は「九寨溝へようこそ」と勝手に読みました。

    先程の川を渡って広場のような所にきました。いよいよ九寨溝観光の始まりです。横断幕は「九寨溝へようこそ」と勝手に読みました。

  • 前方の建物群は小規模の宿泊施設のようです。国内観光のスポットして脚光を浴びて、設備が急拵えされているようです。

    前方の建物群は小規模の宿泊施設のようです。国内観光のスポットして脚光を浴びて、設備が急拵えされているようです。

  • 日本でも良く見かけるマリーゴールドです。しかし、その花の大きさが倍以上もある大輪でした。ひょっとして,バイオでの新品種?

    日本でも良く見かけるマリーゴールドです。しかし、その花の大きさが倍以上もある大輪でした。ひょっとして,バイオでの新品種?

  • 九寨溝での最初の見学地は『盆景灘』でした。名前が付いたスポットには、漢字と英字等が掘り込まれた案内表示がありました。

    九寨溝での最初の見学地は『盆景灘』でした。名前が付いたスポットには、漢字と英字等が掘り込まれた案内表示がありました。

  • 『盆景』とは、日本で言う盆栽と同じ意味のようです。流れの中に育ったあまり大きくない木々が、盆栽のイメージをしていました。

    『盆景』とは、日本で言う盆栽と同じ意味のようです。流れの中に育ったあまり大きくない木々が、盆栽のイメージをしていました。

  • 白く泡立ちながらの流れは、かなり早いものでした。こんな中で根付いた木々が、独特の風景を作り出していました。

    白く泡立ちながらの流れは、かなり早いものでした。こんな中で根付いた木々が、独特の風景を作り出していました。

  • 川上から川下方向へ向かっての一枚です。観光のために拵えた板敷きの遊歩道以外は何もない自然そのものが残った場所でした。

    川上から川下方向へ向かっての一枚です。観光のために拵えた板敷きの遊歩道以外は何もない自然そのものが残った場所でした。

  • 少し上流に登った『火花海』の案内表示です。『海』とは、海を知らないチベット族の人が付けた大きな湖に対する呼称だそうです。

    少し上流に登った『火花海』の案内表示です。『海』とは、海を知らないチベット族の人が付けた大きな湖に対する呼称だそうです。

  • 朝の時間の見学でしたが、『夕陽に染まる頃には、火花と見紛う光景が出現します』と、ガイドさんが説明してくれました。

    朝の時間の見学でしたが、『夕陽に染まる頃には、火花と見紛う光景が出現します』と、ガイドさんが説明してくれました。

  • とにかく清冽な水の色です。光の具合や深さによって、その色が劇的に変化します。

    とにかく清冽な水の色です。光の具合や深さによって、その色が劇的に変化します。

  • この『火花海』では、板敷きの回廊を歩いて見学しました。良く整備された見学コースでした。

    この『火花海』では、板敷きの回廊を歩いて見学しました。良く整備された見学コースでした。

  • 最初は綺麗な水の色と言う感じでしたが、この場所ではそれを通り越して、不思議な水の色と言う思いが強くなってきました。

    最初は綺麗な水の色と言う感じでしたが、この場所ではそれを通り越して、不思議な水の色と言う思いが強くなってきました。

  • Haさんご夫妻とYaさんです。予想した通り、カメラの目線の向くところYaさんありでした。

    Haさんご夫妻とYaさんです。予想した通り、カメラの目線の向くところYaさんありでした。

  • 不思議な水の色の例です。1m程の落差を流れ落ちる水を横から見ると、まるでプリズムを通ったように水に色が変わりました。

    不思議な水の色の例です。1m程の落差を流れ落ちる水を横から見ると、まるでプリズムを通ったように水に色が変わりました。

  • 水面は穏やかでしたが、水深の違いにより、微妙に色を変えていました。ここでは、湖面に映った木々も少し色付き始めていました。

    水面は穏やかでしたが、水深の違いにより、微妙に色を変えていました。ここでは、湖面に映った木々も少し色付き始めていました。

  • 岸に近いところを二匹の小魚が泳いでいました。この水域に住む、ただ1種類の鱗のない魚です。裸魚と呼ばれていました。

    岸に近いところを二匹の小魚が泳いでいました。この水域に住む、ただ1種類の鱗のない魚です。裸魚と呼ばれていました。

  • 幾段にも川がせき止められて出来た景観です。水の色が一際濃い青色をしていました。『樹正寨』の呼称がある名勝地です。

    幾段にも川がせき止められて出来た景観です。水の色が一際濃い青色をしていました。『樹正寨』の呼称がある名勝地です。

  • 丘の上にはチベット族の集落がありました。行く筋もの幟(のぼり)がはためいていて、日本の懐かしい風景を連想しました。

    丘の上にはチベット族の集落がありました。行く筋もの幟(のぼり)がはためいていて、日本の懐かしい風景を連想しました。

  • 朝予想したとおり、最高の天気に恵まれました。雲一つ無い快晴でした。チベット族の家は、こんな山裾にありました。

    朝予想したとおり、最高の天気に恵まれました。雲一つ無い快晴でした。チベット族の家は、こんな山裾にありました。

  • 先程見学してきた『盆景灘』「火花海」などの文字も見えるバスストップ表示です。このバス停は『樹正寨』のようです。葦原を流れる細い川筋はバスの中から見学してきました。

    先程見学してきた『盆景灘』「火花海」などの文字も見えるバスストップ表示です。このバス停は『樹正寨』のようです。葦原を流れる細い川筋はバスの中から見学してきました。

  • この一帯はバスを降りてから、少し川筋を下りながら見学してきました。一番いいロケーションを徐さんが教えてくれました。

    この一帯はバスを降りてから、少し川筋を下りながら見学してきました。一番いいロケーションを徐さんが教えてくれました。

  • 九寨溝がヨーロッパに知られるようになったのは、1970年代のことです。そのためか、まだ海外の観光客を見かけることはまれです。

    九寨溝がヨーロッパに知られるようになったのは、1970年代のことです。そのためか、まだ海外の観光客を見かけることはまれです。

  • 広い川幅の部分でも堰が出来て、しっかりと木々が連なっています。水中の石灰成分などが旨く働いた結果のようです。

    広い川幅の部分でも堰が出来て、しっかりと木々が連なっています。水中の石灰成分などが旨く働いた結果のようです。

  • 先頭を歩かれるYa先生たちを振り返って撮った一枚です。強い日差しに、Ya先生はいつの間にかサングラスをかけてみえました。

    先頭を歩かれるYa先生たちを振り返って撮った一枚です。強い日差しに、Ya先生はいつの間にかサングラスをかけてみえました。

  • 葉裏から眺めた清流です。この辺りは少し流れが速くなっていました。それにしても綺麗な水の色です。

    葉裏から眺めた清流です。この辺りは少し流れが速くなっていました。それにしても綺麗な水の色です。

  • この滝の横を通る時にはしっかりと飛沫がかかりました。見学コースが滝の直ぐ横を通っていたからです。

    この滝の横を通る時にはしっかりと飛沫がかかりました。見学コースが滝の直ぐ横を通っていたからです。

  • 遠くからは、山の上の林から流れ落ちる、かつて見たことがない滝の風景でした。この一帯でも、川の中に木々が育っていたためです。

    遠くからは、山の上の林から流れ落ちる、かつて見たことがない滝の風景でした。この一帯でも、川の中に木々が育っていたためです。

  • 橋の袂での記念撮影です。笑顔が揃ったようです。

    橋の袂での記念撮影です。笑顔が揃ったようです。

  • 「磨房」の案内看板があった付近での撮影です。金色のドラムにはお経が記されています。

    「磨房」の案内看板があった付近での撮影です。金色のドラムにはお経が記されています。

  • 川の上に張り出して造ってあった家です。水流を利用して脱穀などに使っているようです。

    川の上に張り出して造ってあった家です。水流を利用して脱穀などに使っているようです。

  • 『箭竹海』の案内看板です。竹が多く茂った一帯にある湖です。矢の材料に使ったのでしょうか、『Arrow―bamboo』の文字があります。

    『箭竹海』の案内看板です。竹が多く茂った一帯にある湖です。矢の材料に使ったのでしょうか、『Arrow―bamboo』の文字があります。

  • 水の中にうっすらと見える樹は、地上のものの映り込みではありません。水中に没した樹が、透明度が高いために透けて見えているものです。

    水の中にうっすらと見える樹は、地上のものの映り込みではありません。水中に没した樹が、透明度が高いために透けて見えているものです。

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