2007/02/26 - 2007/03/02
6437位(同エリア11698件中)
イスカンダル亜力山大さん
- イスカンダル亜力山大さんTOP
- 旅行記21冊
- クチコミ2件
- Q&A回答287件
- 122,022アクセス
- フォロワー5人
上海ぼらぼら<フランス租界の前編>
ゲットー〜日本租界編のつづき。
2月28日、今日も「建国東路重慶南路」バス停から出発。
フランス租界を縦断&横断のお散歩に出掛ける。
1849年、フランスはイギリスから5年遅れてイギリス租界のThe Bund=バンド(外灘)南側、Quai de Francaiseケ・ド・フランセズ法外灘(中山東二路)を足がかりに上海へ進出し、租界を形成した。
quaiケはフランス語で川岸、Francaiseフランセズはフランス。
意味は英語のThe Bundと全く同じだ。
フランス租界とイギリス租界の境界は、東西に延びる洋浜というクリークだった。
北側がイギリス租界で南側がフランス租界。
フランス租界はここから西へ西へと伸びていった。
洋浜は1914年に埋め立てられ大通りとなったが、依然イギリス租界とフランス租界を分ける境界線だった。
この通り、東の方はイギリスの国王Edward ? Avenueエドワード7世アベニュー愛多亜細路(延安東路〜延安中路)、西の方はフランスの将軍Avenue Fochアベニュー・フォッシュ福熙路(延安中路)と名前がつけられていた。
さて、本日は国王ではなく、将軍方面へ出かける^^
この写真は1930年代のAvenue Joffreアベニュー・ジョッフル霞飛路(淮海中路)
フランス租界一の繁華街だった。
現在の淮海中路も上海の原宿六本木と言われる繁華街。
- 同行者
- その他
- 航空会社
- 中国東方航空
- 旅行の手配内容
- その他
PR
-
ロシア正教会
1938年竣工 スラブ様式教会建築
現在はレストラン圓頂
146路外圏(外回り)のバスに乗って、先ずは「淮海中路」へ。
降りた所はパークソン=百盛というシンガポール系のデパートの真横。
さっそく偽ブランド時計売りのにいちゃんたちが寄ってくる。
ったくうっとうしい。
昨年6月(だっけ)まで、この近くに襄陽服飾礼品市場って偽ブランド売りのでっかい露店群があった。
市場そのものは撤去されたが、客引きのニーチャンたちは健在。
この手の輩は徹底無視に限る。
襄陽公園を北に回り込んだ所にネギ坊主がある。 -
ほれが、このロシア正教会。
上海にはロシア革命から逃れた白系ロシア人がたくさんいた。
彼らの信仰の為に建てられたのが、この教会。
現在はレストランになっているので、教会としての機能は無い。
ロシア正教は、Rue Colneilleリュ・コルニーユ高乃依路(皋蘭路)にも分教会があったが、これまた今はレストランになっている。
上海のロシア正教は全滅したのか?
ほういえば、ハルピンの聖ソフィスカヤ教会も、今は美術館やし。。。。
上海市優秀近代建築
新楽路55号
Route Paul Henryルートゥ・ポール・アンリ享利路(新楽路)×Route Lortonルートゥ・ローロン労爾東路(襄陽北路)の南西角 -
Route Lortonルートゥ・ローロン労爾東路(襄陽北路)界隈
北側からロシア正教会(圓頂)、Avenue Joffreアベニュー・ジョッフル霞飛路(淮海中路)方向を見る。
この近くの「襄陽北路新楽路」バス停から94路の始発で「万航渡路静安寺」まで行く。
静安寺でバスを降りたら、今日はひたすら歩き! -
パラマウント・ダンスホール
1932年竣工 アールデコ様式建築
現在も百楽門舞庁
Jessfield Roadジェスフィールド・ロード極司非而路(万航渡路)の南端にできたオールド上海最大規模を誇るダンスホール。
ワンフロアに千人を収容する。
3階建てで2階から上はホテルを併設していた。
解放後は映画館として使われ、紅都影劇場と改称。
近年大改装を経て、再びネオン煌びやかなダンスホールとして再開した。
連行されれば生きて出る者はないと言われた日本の特工総部(通称76号=ジェスフィールド路76号)は、パラマウントの北の方。
愚園路218号
万航渡路との交差点北西角 -
カドーリー邸(絵葉書から)
1924年竣工 18世紀ヨーロッパ王室様式建築
現在は上海市少年宮
本日2月28日のメインイベントと言っても過言でないのが、カドーリー邸。
じつは、見せてもらえるかどうか分からなかった。
正々堂々と正面切って入っていったんだワ。
とたんに守衛に止められた。
守:待ったれ待ったれ、どこさ行くダ!
イ:ちょっと見てみたいなり。
守:連絡貰うとったなりか?
イ:ナもんが要るなりか?
守:要るなりヨ。
イ:連絡やしとらんけど、見たいなり。
守:ほな有料なりヨ。
しめた!!!!
お金で買えるものは○ス△ーカード、じゃあないけど、ラッキー也ぃ〜。
守衛が何やらトランシーバーで遣り取りした後、通してくれた。
裏口から入って、入場料を払え、ってことになった。
実際は裏ではなく、東側の入口から入ったのら。
上海市優秀近代建築
延安西路64号
入口はGreat Western Roadグレート・ウェスタン・ロード大西路(延安西路)側 -
東側の横玄関ホール
カドーリー邸は、バグダッド生まれのユダヤ系イギリス人サー・エリー・カドーリー(Sir Elly Kadoorie:1867〜1944年)が、5年の歳月をかけて作った超豪華邸宅。 -
東側の玄関ホールの暖炉
上海は温暖湿潤気候区に属する。
雪はめったに降らないが、冬は0℃ぐらいまで気温が下がるときもある。 -
東の間の暖炉
ここは会議室だったのかも。
ヨーロッパの王宮を模して作った建物だけあって、豪華絢爛な暖炉があった。
カドーリーは、香港のサッスーン商会を経て上海へ渡り、貿易で巨万の富を築いた。 -
暖炉の紋章
金貼り!
ほれも凄いが、この宮殿、総大理石で出来ている。
しかも、全石材をイタリアから輸入した。
ほの財力、果てしなしかあ〜〜〜 -
シャンデリアはそれほど豪華には見えなかったが、天井の模様は、やはりGOLD! -
中央大ホール
建物は、左右対称のシンメトリーを基調に、正面にはイオニア式列柱が並ぶ。
ここは中央大ホール。
夜な夜な舞踏会が開かれていたのかも。
カドーリー邸は、総てイタリアから輸入した大理石を使って建てられたことから、通称大理石大厦(大厦はビルの意味)とも、大理石宮殿とも言われる。 -
中央大ホールの北西隅
鏡に天井が映っている。
ヴォールト天井(かまぼこ型)だ。
隅々まで微細な彫刻が施されている。 -
シャンデリア
重厚なシャンデリア。
いったい何kgあるンだろう?
当然、水晶を使うとンだろうな。 -
西の間のアップライトピアノ
MOUTRIE製。
MOUTRIE?
老舗のピアノ屋さんらしい。
特注かなあ。
だったら、鍵盤は象牙?
にしては、色が白すぎるし、外来者に触らせる、ってことは?
ワカランなあ。 -
西の間の梁(ノーストロボ)
イスラム様式がみてとれる。
カドーリーが生まれ育ったころのバグダッドは、エエ時代だったんやろなあ。
葡萄を配した紋様は、アラベスクと共に、純イスラム様式。
葡萄の絵柄は、昔の中国商人の間でも愛された。
ユダヤの商人と相通ずるものがあるのかも。 -
もう一つの西の間
東の間と対になったシャンデリアだが、電球の形がちょっと違う。
竣工当時は、全く同じだったのかも。
部屋の雰囲気は全然違う。
こちらはあくまでもイスラミック。
現在は、バレエのレッスン室として使われていた。
反対側の壁は、一面鏡張り。
床はトゥシューズで傷めないように、床材を張ってある。
上海のぼんぼん&お嬢は、こんな環境で課外活動がでけるンや。 -
カドーリー晩年に一族が香港へ引き揚げて後、屋敷は長らく空き家になっていたが、1953年に宋慶齢が少年の育成の為に使うことを提唱。
遺志がそのまま引き継がれ、今日も少年の課外活動の場として使われている。
2階には園児のお遊戯場みたいなのがあったが、いやはやもったいない使い方やなあ。
や思うたらアカンのやろねえ。 -
階段ホール
これも大理石張り。
風と共に去りぬのスカーレット・オハラがタンタンタンと降りてきそう^^ -
階段ホールの天井
ドーム型天井にシャンデリア。
綺麗なあ〜〜。 -
ダイニングルーム
こんな部屋でいただく、一流のフランス料理を想像。
夢のような世界やね。 -
南側の廊下
建物の端から端まで、一直線に伸びた廊下。
突き当たりに、でっかい子どもの絵が飾られていたけど、う〜mmm、場違いじゃって! -
前世紀初頭の水洗トイレ
当然大理石か。
っとよく見たら、ひび割れが.....。
こりゃあ、陶器とチャうやろか? -
前世紀初頭の水洗トイレ
SHANKA & Co.Ltd.って、やっぱし由緒正しい便器メーカーなんかいなあ。 -
前庭からカドーリー邸を眺める
ファインダーに納まりきらないし、後ろのビルが邪魔!
やっぱし景観条例要るンとチャう? 上海!
カドーリー一族は香港へ引き揚げて後、世界最高のおもてなしで有名な、ペニンシュラホテルのオーナーになる。
今、The Bund=バンド(外灘)の超一等地に、上海ペニンシュラホテル(仮称)が建設中だ。
半世紀以上を経て、カドーリー財閥が上海へ返り咲く日も近い。
前編はこれにて終了、だが・・・・
じつは前編は厳密に言えばフランス租界ではない。
バス乗り換えのために通過したロシア正教教会だけがフランス租界で、パラマウント・ダンスホールは共同租界西区の西の外れだし、カドーリー邸は、わずかにフランス租界から西部越築路区に出た辺りだ。
まあ、堅いことは言いっこ無しねσ(^_^;)
上海ぼらぼら<フランス租界の後編>へ つづく
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (5)
-
- 真@tokyoさん 2007/04/13 09:14:11
- 大理石大厦入場の件
- こんにちは
隅から隅まで撮影されましたね。
小生、4月26日井上さんと上海放浪の予定です。
大理石大厦は私の計画の重点ポイントです。
入場料で見学可能となると実現容易ですね。
ただし子供達がいるとは入れない他の制約があるかもしれません。
入場された曜日と時間帯を教えてください。
よろしく
真@tokyo
- イスカンダル亜力山大さん からの返信 2007/04/13 10:14:32
- RE: 大理石大厦入場の件
- 真@tokyoさん、まいど!
私らが入場したのは2月28日(水)です。
時間は午前10時頃だったと思います。
当然ながらこの時間帯は子どもたちは一人もいませんでした。
参観者も私らグループのみ。
カドーリー邸正面(延安西路側)から入り、門衛に止められました。
見たいと言ったら、本館裏口へ行くように指示されました。
裏口は実際は北口でしたが。
北口の守衛に入場料20元を払い、そのままその守衛が館内を案内してくれました。
案内と言いましても、無言で先を歩くだけですが。。。。
私らはぞろぞろついて行くのみ。
けど、その守衛さんは、私らのペースに合わせてくれました。
大邸宅ですが、博物館のように順路があるわけではありません。
説明板もありません。
たぶん最近一般開放したのだと思います。
大々的に公表して観光客をバカスカ入場させる様子はなかったです。
本来は少年宮なのですからね。
開館時間とか分かりませんが、やっぱし子どもたちが来ない平日の午前中が無難かも。
ほな、好運常伴!
- 真@tokyoさん からの返信 2007/04/13 10:44:07
- RE: 大理石大厦入場の件
- イスカンダル亜力山さん
情報ありがとうございます。
時間帯を上手く調整し、首尾よく行きますよ。
どうもありがとうございました。
-
- 井上@打浦橋@上海さん 2007/03/29 07:47:19
- 入場料払えば正式に見学出来るんかなぁ・・・
- イスカンダル亜力山さん、どうも。
大理石大厦の中、よく見学できましたね。
上海歴史散歩で行ったのは2003年12月21日の日曜日でした。
この時は、勿論、主催者が前以て見学願いを出していたんでしょう。
すんなり入れました。
日曜日だったので、小学生がバレーを踊っていたり、
絵を描いてたり、少年宮ってのは、こういうことなのかと
納得できる状況だったんですが、
イスカンダルさんの時は、どうも、小学生の姿が見えませんので、
まだ、活動時間ではなかったんでしょう。
それにしても、よく入れました。
去年、うろついた時は、まず無理だろうと思って、
守衛に掛け合うこともしなかったんですが・・・。
入場料払えば、見学できると言うなら、もう一度、見学したいもんですね。
ですが、その入場料というには、
見学者に対して、もともと設定されてる、って感じのもんだったんでしょうか。
あるいは、たまたま、そのとき、守衛の機転で、
そうなってしまったもんなんでしょうか。
設定されてるもんでしたら、明日、ちぃママさんたちを連れて行こうかな、
などと思い始めてきした。
あの小便の便器、やはり気になりましたか。
私も、歴史散歩の時、シッカリ、メモしてしまいました。
当時はデジカメ、持ってなかったもんで。
SHANKS&CO.LTD.
PATENTEES
VICTORY POTTERRY
BARRHEAD
こうメモって、帰ってから、このSHANKS&CO.LTD.を
パソコンで調べましたが、とうとう判りませんでした。
しかし、あの便器・・・
度でかくて、格式が高くて、重厚観があり、古さが滲み出ており、
コレをはずして、どこかで売れば100万円の
骨董価値があるかもしれないですね。
いや、もっとかな・・・・
- イスカンダル亜力山大さん からの返信 2007/03/29 09:57:49
- RE: 入場料払えば正式に見学出来るんかなぁ・・・
-
井上さん、まいど!
カドーリー邸ですが、入場料20元でした。
20元であれだけのものを見られるのですから、お値打ち価格でしょう。
ちゃーんと領収証も切ってくれましたヨ。
ってか、要求しなくても、あちらさんが勝手にくれました。
ちょっと見てみますね!
有りました!
観光地によくある綺麗で派手な領収書ではありません。
ピンク色の薄っぺらいちいさい紙です。
2聯になってて、片方がカドーリー邸側、片方が入場客側。
真ん中にミシン目が入って、守衛がねこばばできない仕組みになっていますねえ。
なになに?
中国福利会少年宮
定額収据
貳拾元
No.0002834
通し番号も入ってます。
ン?
私で2834人目ですと!
ってことは、一般開放してまだ日が浅いのかもネ。
これはもう、行くっきゃないでしょ!
ほな、好運常伴!
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
5
24