2007/01/13 - 2007/01/13
22位(同エリア550件中)
旅猫さん
※2020.02.15 再編集(旅行記2冊を1冊にまとめ、写真と文章を見直し)の上、改めて公開しました。
東北の雪景色を見たいと思い、金曜夜の新潟行夜行快速『ムーンライトえちご』の指定券を買っていたのだが、諸般の事情により中止に。
仕方が無いので、土曜の朝早くに出て、静岡にでも行こうと画策。
しかし、起きてみればすでに陽は高く、またも予定変更。
とりあえず、高崎線に乗り高崎駅へと向かう。
途中で、足利にでも行こうかと思ったのだが、高崎駅に着いてみると、先に上越線の水上行が出るという。
見れば4人掛けの席が空いている。
これはと思い乗り込んでしまい、またも行き当たりばったりの旅となった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
PR
-
高崎駅を出て、榛名山が左手に見え来ると渋川駅に着く。
秋に訪れた伊香保、前の週に訪れた川原湯と草津へは、この渋川駅が分かれ道だ。
渋川駅の先で、吾妻線が左へと分かれて行った。
そして、すぐに橋を渡る。
流れる川は、坂東太郎・利根川だ。 -
渋川駅から35分ほどで、車窓左に諏訪峡が見えてきた。
この景色を見ると、水上へ来たなと感じる。
そして、12:06に水上駅に到着した。
いつの間にか、外は雪が強く降り出していた。水上駅 駅
-
列車を降りて、ホームの先を眺める。
この先に、上越国境がある。
水上は、越後へ向かう旅人が、列車を乗り換える駅。
好きな駅のひとつだ。 -
横殴りの雪が降る中、日帰りで入れる温泉の情報を得るため、駅の向かい側にある観光案内所へと向かった。
そして、たくさんの中から、うのせ温泉に決めた。
駅前からすぐに出る、谷川岳ロープウェイ行のバスに乗り、温泉を目指す。 -
バスを降りたのは、奥利根館前バス停。
谷川岳へ行くときには、必ずこの旅館の前を通っていたのだが、これまで一度も立ち寄ったことがなかった。
受付で立ち寄り湯を頼むと、タオルが付いてきた。
ロビーからは、宿の前を流れる利根川の綺麗な景色が眺められた。奥利根館 宿・ホテル
-
6階にある受付から、エレベーターで1階へと降りたところが大浴場だった。
とりあえず、内湯を横切り露天風呂へと向かう。
外に出ると、利根川に面してとても眺めが良い。
かなり雪が降っていたが、屋根が付いていたので、ゆっくり入れそうだ。
とは言え、風があったので、雪が吹き込んで来たのだが。 -
一段高くなった場所には、泡風呂と打たせ湯があった。
こちらには屋根がないので、浸かっていると頭に雪が積もってしまう。
しかも、すぐ近くを上越線の鉄橋が通っているので、列車が来ると丸見えだ。
とは言え、2時間に1本ほどしか通らないので、出会えれば運が良いのかもしれない。 -
それにしても、露天風呂から、こんなにも美しい雪景色が見られるとは思わなかった
入浴料が高いのも、これなら納得だ。 -
上越線の鉄橋がこんなに近いのに、よく露天風呂を造ったものだ。
しかも、この時は気が付かなかったのだが、この露天風呂は混浴だったのだ。
もちろん、女性専用の露天風呂は別にあるのだが。 -
下の露天風呂へ戻り、雪景色を眺めながら湯を楽しむ。
雪を纏って静かに流れる利根川だが、雪が少なかったのが残念だ。 -
雪見露天風呂を楽しんだ後、内湯で温まる。
趣の無い造りだったが、派手さがないので悪くはない。
先客が二人、露天風呂へと出て行ったので、今度は内風呂が貸切状態だ。
広い湯船を独り占めにするのは、贅沢である。
※奥利根館は、残念ながら閉館となっています。 -
温泉を堪能した後、旅館の前にあるバス停へ。
水上駅へと向かうバスは、ほぼ1時間に2本あるので、なかなか便利だ。
列車と路線バスで旅をする者にとって、1時間に最低1本あるとありがたい。
5分ほど遅れてやってきたバスに乗り、水上駅へと戻る。
奥利根館前から水上駅までは10分もかからない。
駅へ着いて時計を見ると、まだ13時半過ぎ。
まだ帰るには早すぎるので、とりあえず改札へ。
時刻表を見ると、13:44の長岡行がある。
これに乗って、上越国境を越えるのも面白そうだな。 -
ホームへ出ると、結構待っている人が多い。
上越国境沿いのスキー場へと向かう人もかなりいるようだ。
そして、入線してきた列車は5両編成。
ひとつ間違えれば2両編成の時もあるので、これはかなり長いほうだ。
列車は定時に発車し、上越国境へと向かう。
水上駅を出てしばらく走ると、左手に、先ほど雪見露天風呂を堪能した奥利根館が見えてきた。 -
湯檜曽駅の手前で、下り線は上越国境を貫く全長13,490mの新清水トンネルへと入る。
そのため、湯檜曽駅と次の土合駅はトンネルの中だ。
真っ暗なトンネルの中を走ること約15分、車窓が明るくなると、越後側に出た。
車窓は、まさに『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった』のとおり。
そして、魚野川を渡るとすぐに土樽駅に着いた。 -
列車は、大雪の中、雪煙を上げながら走って行く。
これも、冬の列車旅の醍醐味だ。
次の越後中里駅には、駅前にスキー場があり、ここで列車を降りる人も多かった。
そして、岩原スキー場前駅を過ぎれば、小説『雪国』の舞台である越後湯沢駅に到着だ。
降り立ったホームの隣では、金沢行の特急『はくたか』が出発を待っていた。越後湯沢駅 駅
-
先ずは腹ごしらえと思い外へ出たが、あまりの大雪に断念。
仕方が無いので、駅構内にあった『豊作』という食事処へ入る。
店頭では、地元のコシヒカリを使ったおにぎりを売っていた。
※2020年1月現在、『天地豊作』として営業中。外観、品書き等が変わっています。天地豊作 グルメ・レストラン
-
品書きを見ると、『八海山 泉麦酒』があった。
以前、新宿のとある居酒屋の催しで飲んだことがあり、美味しかったという記憶があったので、頼んでみることにした。
注文したのは、アルト。
香ばしさと、ほんのりとした苦味が調和した味わいだった。
ただ、前よりも、飲みやすいように感じた。 -
食事は、『越後もち豚ソースカツ丼』を頼んだ。
出てきたそれは、特産のコシヒカリに、キャベツととんかつが載っている。
そして、味噌汁とお新香も付いていた。
見た目は量が多そうだったが、食べてみると意外と重くはなかった。
味も程よく、さすがに越後もち豚は旨い。 -
料理で体も温まったので、外へ出てみることにする。
温泉街のある西口は何度も歩いたことがあったので、駅の東口へ行ってみることにした。
駅舎を出ると、観光客も多く開けた感じの西口に比べると、静かで落ち着いた感じだ。 -
駅前には、雪国らしく歩道に屋根のある商店街が続いていた。
人影も無く閑散としているのは、多くの地方都市と同じだ。
その商店街の一角に、江神温泉浴場という銭湯のような温泉施設があった。
気になったので、帰りに立ち寄ることにして、とりあえず先へと進む。 -
商店街を抜けると静かな住宅街となった。
歩いていると、趣のある木造の建物に出会った。
構えからは、宿だったのではないと感じる。
大雪に備えての木の囲いや、雪下ろしのための梯子が、雪国ならではだ。 -
歩いていると、白瀧酒造の立派な建物を見つけた。
だが、土休日は休みの上、試飲は人数制限などがあるようだ。
工場見学もできないらしい。
建物の前に、『谷地のわき水』という清水があった。
地下水だけあり、この寒さの中でも、それほど冷たくはなかった。 -
白瀧酒造の近くで、綺麗な雪景色に出会った。
個人の家の庭のようだったが、しっとりとした美しさがあった。 -
この辺りには、雪国らしい備えのある家が多かった。
ただ、今年は雪が少なく、まだ出番はないようだ。 -
雪はすべてを覆い隠す。
雪のない季節に見れば、何の変哲もない風景も、雪を纏えば情緒がある。 -
体が冷えてきたので、駅前商店街へと戻り、往きに見つけた温泉へ。
その温泉は、個人経営の温泉施設らしく、地元の人たちが銭湯感覚で利用しているようだ。
入浴料は400円で、入口には、長靴も入るように作られた木の下足箱があった。
浴室は変わった形をしていて、手前に5人くらいが入れる湯船があり、その奥に狭い洗い場が壁に沿って続いていた。
地元の人やスキー帰りの学生で混んでいたが、思ったよりものんびり出来た。江神温泉浴場 温泉
-
温泉で温まった後、雪が降り続く中を駅へと戻る。
次に出るのは、16:33発の臨時快速『シーハイル上越』号だった。
運良く指定席が残っていたので、この列車で帰ることにする。
この列車は、上越国境周辺のスキー場への客を運ぶために季節限定で運転されている列車だ。
始発は隣の石打駅で、上越線と高崎線を直接結び、地元の駅にも停まるので便利なのだ。
しかも特急型車両なので、そこそこ快適である。 -
越後湯沢駅を出ると、車窓には明かりが点り始めたスキー場が見えた。
列車は、清水トンネルで上越国境を通過。
土合駅を出てしばらく行くと、この区間最大の見所であるループへと入り、途中、右手車窓の眼下に、これから停まる湯檜曽駅が見えた。
高崎駅、熊谷駅と過ぎ、2時間半ほどで地元の駅に着いた。
外はすでに真っ暗で、雪が無い分、こちらのほうが寒い感じだ。
走り去る『シーハイル上越』を見送り、この旅を終えることにした。
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この旅行記へのコメント (14)
-
- イーハンさん 2007/09/14 11:48:06
- いつもご訪問いただきながら。
- よい旅をされていますね、今回ふと水上、土合、土樽の文字を見たとき、青春18切符のしゃれではではありませんが、丁度私もその年齢ごろに、あしげなく通った地名に、なつかく拝見しました40年ほど前でしょうか、谷川岳に毎週のようにいってました、上野発22時50分(?)新潟行き鈍行に乗り込み、あの土合の地下駅の階段を登ったことを・・・もちろん雪の日も雨の日も、今登ればおそらく天国に先に昇ってしまいますが(笑)、また楽しい旅行記を拝見に伺います。 イーハン
- 旅猫さん からの返信 2007/09/15 10:13:39
- RE: いつもご訪問いただきながら。
- イーハンさん、こんにちは!
書き込みありがとうございます。
毎週のように谷川岳ですか!
普通に山を登られていたわけではないですよね。
もしかして、ロッククライミングですか?
一ノ倉沢とか。
旅猫は、まだ土合駅の階段を経験していません。
いつか挑戦したいものです。
>上野発22時50分(?)新潟行き鈍行
旅心をくすぐる響です(笑)
旅猫
-
- けーしちょーさん 2007/02/01 22:26:34
- シーハイル??
- 旅猫さんの最寄り駅が一発でわかっちゃいましたー。
見覚えのある西口のネオンで!
高崎線沿線住民、けーしちょーです。
知りませんでした。
こんな特急?列車が走っていることを!
大好きな八海山のビールがあったことを!
ウチの最寄り駅は通過してるのかな。
ちょっと軽いショックを受けながら(爆)
楽しい旅行記デス。
- 旅猫さん からの返信 2007/02/02 01:47:08
- RE: シーハイル??
- けーしちょーさん、こんばんは!
書き込みありがとうございます!
>旅猫さんの最寄り駅が一発でわかっちゃいましたー。
あれま、ばれちゃいましたか(^^)
>高崎線沿線住民、けーしちょーです。
おー、高崎線沿線民でしたか!
今後ともヨロシクデス。
シーハイルは、スキーシーズンのみの臨時快速ですよ。
自由席もあるので、是非利用してみてください!
ちなみに、夏は「マリンブルーくじらなみ」として、日本海まで走ってます。
>ウチの最寄り駅は通過してるのかな。
どこですか?
高崎線の特急とほぼ同じ停車駅ですよ。
旅猫
- けーしちょーさん からの返信 2007/02/02 02:22:40
- RE: くじら!
- ええっと、熊谷〜鴻巣間のいづれも最寄駅??
そんなの、もよってない??(爆)
東京へ行く時は北鴻巣、新潟へ行くときは行田、って感じデス。
きゃあきゃあ、ゆってもうた!!
愛用していたデニーズが岩盤浴に。。
そんなことが思い出深い、けーしちょーです。
寒いの、めちゃくちゃ苦手なので、
夏の臨時特急を是非、利用したいと思います。
情報、ありがとうございました。
これからも、18きっぷでよい旅を(・∀・)/~~
- 旅猫さん からの返信 2007/02/02 12:03:24
- RE: RE: くじら!
- あはは、状況がよく分かりました(^^)
>夏の臨時特急を是非、利用したいと思います。
高崎線沿線から、座ったまま日本海を見に行けるので、とっても便利。
この夏、是非ご利用を!
けーしちょーさんも、良い旅を!
-
- nao0880さん 2007/01/29 12:32:36
- 雪国
- 旅猫さん、こんにちは。訪問ありがとうございます。
雪国もいいですね。そこに住む人たちはたいへんだと思いますが。
わたしは、ここ数年雪国と言える場所への旅はありません。
一時期は工事で約3ヶ月間、六ヶ所村に居たことがあります。
そのときは、温泉に行くのが楽しみの一つでした。
列車の旅も好きです。
2006年は、北京-上海12時間のZ列車の旅・北九州のソニック・かもめの旅。
どれも車内で駅弁とビールです。
お邪魔しました。
- 旅猫さん からの返信 2007/01/29 13:15:28
- RE: 雪国
- nao0880さん、こんにちは。
書き込みありがとうございます!
>一時期は工事で約3ヶ月間、六ヶ所村に居たことがあります。
六ヶ所村というと。。。あの関係でしょうかね。
野辺地や下北へは行ったことがありますが、六ヶ所村は訪れたことは無いです。
北京〜上海12時間の旅。
どんな風景が展開するのでしょう?
今まで乗った中で長いのは、東京〜熊本だとおもいます。
上野〜札幌16時間も乗り応えがありました(笑)
列車の旅は、お酒が友ですね(^^)
-
- 義臣さん 2007/01/22 16:48:12
- 湯沢温泉
- 私は湯沢温泉では「駒子の湯」が好きですね。
市営だと思いますが、
一度は休日に行ってガッカリしたこともあります。
- 旅猫さん からの返信 2007/01/23 00:53:32
- RE: 湯沢温泉
- >私は湯沢温泉では「駒子の湯」が好きですね。
そこを目指したのですが、大雪と時間の無さで撤退しました。。。
その代わり、江神温泉を見つけられて良かったですよ。
ここは、湯沢の定温泉にします。
-
- 義臣さん 2007/01/22 15:42:22
- 越後中里
- そうなんです、私も旅の途中予算が無くて鈍行での帰り道は
思いで多い越後中里までで、乗り換え時間を利用して、
町を歩きました。
うん十年前は夜行列車でスキーに此処の民宿でご厄介になりましたので。
まだ越後中里にスキー場が無くて。岩原スキー場へ行っていた頃。
- 旅猫さん からの返信 2007/01/23 00:46:49
- RE: 越後中里
- 義臣さん、こんばんは。
>まだ越後中里にスキー場が無くて。岩原スキー場へ行っていた頃。
今は、越後中里のほうが賑わっているようですね。
岩原スキー場前駅は、臨時乗降所のような感覚。
でも、ホームでは、雪掻きをする人の姿があり、思わず会釈したくなりました。
-
- Noririnさん 2007/01/21 17:45:54
- 八海山 泉ビール(=^0^=)
- 八海山 泉ビール美味しそうですね!越後もち豚も食べてみたい♪
この旅行記はそそられすぎです(*^0^*)
新潟は両親の実家があるため良く行くのですが、グルメな街とは以外な発見!もう少し暖かくなったら行ってみようかしら♪
- 旅猫さん からの返信 2007/01/21 21:35:43
- RE: 八海山 泉ビール(=^0^=)
- Noririnさん、こんばんは。
新潟と言えば越後ビールですが、この八海山泉ビールもなかなかです。
そうそう、越後もち豚と地ビールと言えば、私のこの旅行記は見ていただけましたか?
「ワイナリー訪問と村上散策1 〜カーヴ・ドッチ・ワイナリー〜」
この中で紹介した「薪小屋」は、お勧めのレストランです。
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