2006/10/11 - 2006/10/11
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まみさん
2006/10/11(水)第4日目:バラトンフュレド&ティハニ
ブダペスト・デーリ(南)駅7:05発の鉄道でバラトンフュレド着10時頃
バラトンフュレドの湖沿いを散策しながらホテルを探した後、すぐにバスでティハニへ
ティハニ:修道院、ピシュキ散策道〜山びこの丘、人形博物館、内湖(Belso-to)まで散策
ティハニはバラトン湖随一の景勝地かもしれないけれど、そのシンボルの修道院は、わりと、ふ・つ・う……かもね。
旅行下調べのときにティハニの修道院の写真を見つけて、確かにそう思いました。
よくあるバロックの修道院じゃん!
って。
確かにそうかもしれません。
今ある姿に建て直されたのは、ヨーロッパ中にバロック建築熱が吹き荒れていた18世紀(1741年)なので、創建1055年という伝統のわりには、建物は新しく、そう珍しいものではありません。
しかしっ!
あれはあそこにああいう風にあるから、いいんですねぇ。
私が見た修道院の写真は、まともに修道院しか写していなかったから、いけないんです。
ティハニは、バラトンフュレドからバスで30分。
バスはしばらく閑散とした湖畔沿いを走り、ちょっと開けたヨットハーバーのある停留所を過ぎた後、ぐるぐると山道を登り始めました。
木のせいで窓の外の見晴らしが悪くなっちゃったなぁ、と思ったら、ちょっと古そうな田舎の家々が見えてきたところで、バスは不意に停車しました。
いつのまにやらたった1人の乗客になっていた私を振り返るバスの運転手さん。
「ティハニ?」と聞いた私に頷き、窓の外の上の方を指しました。
そこには!
真っ青な空を背景に、高台の上から見下ろす白亜の修道院の優美な姿が。
あの最初の出会いの感動を忘れられません。
ティハニの修道院は、あそこにああいう風にあるから、いいんですねぇ。
最初の印象が良いと、その後も好印象を抱きやすくなります。
確かによくあるバロック修道院です。
でも、ちっとも、ふつうなんかじゃありませんでした。
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ティハニの修道院最寄りのバス停(郵便局前)前
バス通りのコシュート・ラヨシュ通りには、昔の漁師の家を使ったレストランやお土産屋が並んでいます。 -
パプリカぎっしりのパプリカのお店とティハニ修道院
確かにバロック修道院としてはよくある建物でしょう。
でも、この全体の雰囲気がいいんです。
これからあの修道院を見学しに行くんだ、と思うと、わくわくしてきました。 -
十字架とティハニ修道院
-
可愛い実と修道院
修道院が最初に建てられたのは、初代国王イシュトヴァーンから数えて4代目のアンドラーシュ1世のときです。
イシュトヴァーン1世に始まるアールバード王朝にはアンドラーシュという王様が3人いますが、ハンガリー史をひもとくと、略史レベルでは、1世はなかなか出て来ません。
アンドラーシュ2世は、十字軍に参加した王様としてよく登場します。
エルケル・フェレンツ作曲のオペラで私が10月15日の夜にブダペストの国立オペラ座で鑑賞する予定「バンク・バーン」に登場する王様でもあります。
また、彼の治世にハンガリーのマグナ・カルタである黄金憲章が発布され(1222年)、ハンガリーの大・中貴族の権利が強化された一方で、王権が制限され、実質的にハンガリーは貴族の共和制のような形になったそうです。
3人目のアンドラーシュ3世は、アールバード王朝の最後の王様です。彼でアールパード王朝は断絶し、チェコのプシェミスル家、バイエルンのヴィッテルスバッハ家、そして選挙王制となります。
しかし、旅行とはあまり関係ない話ですが、私が前に読んだファンタジー小説が、どうやら登場人物の名前をハンガリー史上の人物からとったらしく、その小説のアンドラーシュの方をどうしても思い出してしまいます。
ついでにいうと、イシュトヴァーンの幼名ヴァイクも、王妃ギゼラの名前も使われていました。
あのときは聞き慣れない名前に新鮮でしたが、旅行の下調べの一環でハンガリー史をおさらいしたとき、これらの名前に妙な親近感が沸いてしまいました。 -
ティハニの修道院は、外から眺めるのもいいですが、中はもっと感激しました。
ヨーロッパの教会や城の内装の中ではお気に入りのトップに来るドイツ・バロック
風!
(要するに、壮大でねじれを多用した劇的なバロック様式と、軽やかで細かい装飾のロココ様式の混在したバロック・ロココということですけれど)
私のミーハー心・乙女チック気分を満足させる、華麗でロマンチックな教会でした。
まずは目を引いたのは天井の装飾とフレスコ画。
この天井画は修道院が修復されたときに描かれたそうです(1889年)。 -
背後を振り返ると、ロココらしいとても華麗なオルガンがあります。
手すりも乙女チックです。 -
主祭壇
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祭壇の手すり
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壁の柱とろうそく
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説教台のバロックらしい装飾の上部
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柱の上部と天井の一部
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主祭壇と説教台を一緒に
豪華で手がこんでいるのに、全体的に爽やかで軽やかな印象を与えるところから、ドイツのヴィース教会やフュッセンの街中の教会を連想しました。
ドイツ・バロック風の城や教会は、お気に入りだけあっていくつも見てきています
が、何度見てもいいものです。
修道院内には先客の団体がいましたが、すぐにほぼ1人独占状態になりました。
バラトンフュレドに着いてから、一気にここまでやって来て休む間もなかったので、信者席で少しゆっくりしました。
修道院の中は外からの光が窓からさんさんと入り込むおかげで明るかったのですが、カメラを構えると、暗くて手ぶれ警報が出ました。
それでも構わず撮りまくりました。
撮った写真を液晶で拡大表示して、ぶれていないか、その都度、確認をして。
それにしても、今回初めてデジカメ持参で、教会内部の写真も明るく撮れるということで、ちゃんと自分の目で見る前に、写真に撮る方に夢中になってしまいました。
今までは、目に焼きつけておくしかなかったため、少しでも後から思い出すヒントになるよう、どんな印象を受けたかを言葉を探し、日記に書く努力をしたものです。
中に入ってすぐに、被写体をじっくり見ずに写真に夢中になったのは初めてです。
あまり良い傾向とは思えません。
カメラで記録できるというので、自分の目で見ることをさぼっているようなものです。
それで日記に感想を書きつつ連想したのが、ヴィース教会でした。 -
地下へ向います。
振り返って、1枚@
地下にはアンドラーシュ1世の墓がありました。
地下から博物館の展示が始まりました。
地下には、オリジナルの建物の像や破片、最古のハンガリー語が書かれているという修道院設立を記した文書の複製(オリジナルはパンノンハルマ修道院)、バラトン湖の遺跡や修道院の発掘調査結果などの展示がありましたが、あまり興味がなかったのでほぼ素通りしてしまいました。
ちなみに修道院の入場料は博物館込みで500フォーリントでした。
(2006年10月現在、1フォーリント=約0.6円) -
回廊の博物館へ向います。
中庭から見た修道院
回廊に入ってすぐに、ハプスブルグ最後の皇帝カール1世と皇后ツィタの寝室があったはずなのですが、その後ろに順路を示す張り紙があったため、その部屋は後で入るのかと勘違いしてしまいました。
そして順路は一方通行だったので、戻ることができませんでした。
というわけで見逃してしまいました。
惜しいことをしました。 -
修道院の博物館
ボロソス・ミクローシュ(Borosos Miklos)のギャラリー
常設展か企画展かは分かりませんが、なかなか素敵な彫刻やスケッチが展示されていました。
そのうちの1つ。
やさしいお顔が気に入りました。 -
修道院の博物館の窓から
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修道院を出て、花壇の前でもう1枚
-
バス停から見た修道院のアップ
最後にもう1枚@
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この旅行記へのコメント (2)
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- パパスさん 2006/12/03 06:19:43
- 綺麗!
- ティハニの修道院、青い空と白い修道院のコントラストが最高に綺麗ですね。そして修道院の内部も素敵です。
まみさんが言われる様にデジカメで写真を撮ると、自分の目に焼き付ける事をしなくなりますね。
そして被写体を探してしまう。
あぁ〜、嘆かわしい事です。
まぁ、年を取り何時かボケた時に思い出せるから良いかもですね。(笑)
パパスは既に進行ingです。(爆)
パパス。
- まみさん からの返信 2006/12/05 23:11:04
- RE: 綺麗!
- パパスさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
たくさんの書き込み、嬉しいです@
これも返信が遅くなってしまいました。
デジカメで記録できるからといって、自分の眼で見るのをさぼっちゃいけないですね。つい、写真を撮ることに夢中になってしまうけれど。
でもカメラ視線で街を眺めて、それを試すことができるのは楽しいです。
カメラ視線のおかげで、細部まで目を留めるようになったのもたしか。
両方のいいとこ取りをしなくちゃ@
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