2006/10/23 - 2006/10/23
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yukibxさん
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サント・フォアのタンパンの話を続ける。
縦3,6メートル、横6,7メートル。
「最後の審判」の中央にひときわ大きく
キリストがいて、見る人の目を捕らえる。キリストから見て左が地獄、右が天国。
天国が規律、整然、平和、愛、冥想を表現しているのとは対照的に、
地国は暴力、おののき、淫乱などが表現されている。
普通の人は、その両方をもっているんだ。
いづれにせよ、地獄にいくことになると、永遠に火の中で
苦しむのだ!気をつけたほうがいいかも。
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-
キリスト。
もともとは色づけされていた、というが、
よくよく見るとキリストの衣装のブルー
が残っている。
天国は空のブルー、地獄は火の赤で色づけされていた。 -
天国と地獄の境目!
睨め合いをしている。 -
天国と地獄、善と悪の境目はそんなに
厚くない。
でも地獄の人達がけっこう愛くるしい。 -
しっぽをだしている悪魔像です。
表情に愛嬌があって、縫いぐるみ人形
にしたら人気を呼ぶでしょうね。 -
それに比べ、賢い人達は天国へ。
不協和音も雑音もなく、整然としている。
見習わないと。。
中世の巡礼者は、タンパンのひとつひとつのシーンを
生き方を教えてくれる教科書のように、じっとながめていた
のだろう。 -
サント・フォアの裏側に廻る。
教会の正面だけでなく、建物の裏側も、
見ると面白い。
裏側には、なんと、苔に覆われた石のひつぎが
無頓着に置かれていた。
欧州では、最近まで石のひつぎはよく使われてきた
ということをしった。
中世の僧侶の遺体は
この中に入れられていたんだ。。
それにしても、コンクのような古い古い村の
の主役はなんといっても「時」そのものだと感じる。 -
頭の部分と身体の部分と分かれている。
長さは2メートルあるか、ないか。
一生を冥想して
すごした僧侶が、安らかに眠るひつぎだ。
それにしても、なぜ、ひつぎが教会裏に
並べられているんだろうか、と自問する。
心を打つ、忘れられない光景だ。 -
そして、ちいさな廻廊跡があった。10,11世紀には
巡礼が絶えないほど活気のあったサン・フォア大修道院
だが、その後、徐々に訪問者も少なくなり、廻廊も
放置状態となる。19世紀になって、修復作業がなされた
というものの、一部の廻廊と噴水しか残されていない。 -
廻廊には柱頭の彫刻がいくつかいい状態で残っていた。
実際に澄んでいた人をモデルにしたのか、
表情がおもしろかった。 -
金槌をもった手がなんともいえない。
-
廻廊を出た奥に宝物殿があって、サント・フォア(聖女フォア)
の金箔と宝石でおおわれた聖像がある。
866年にアジャンから、コンクの僧侶が盗み出したと、
いわれる聖像。10.11.12世紀にコンクに数え切れない巡礼者を
よんだ聖像だ。
しかし、現在、アジャン(AGEN)市は、聖像を返還するよう
求めていると知人が言っていたが、本当か?
コンクには、宝飾、金、銀でつくられた宝物が保存されている。
中世の金銀細工でもっとも豊かなコレクションを持っている。
過去の繁栄の名残りなんだろう。
フランス革命の時も、村人が必至に隠して、なんとか没収を逃れたとか、エピソードもいろいろある。
聖女フォアのこの金の像の御利益は、いろいろあって、盲目の人が目が見えるようになる、とか、監獄に入れられている囚人を解放してくれると言われていた。巡礼者が絶えないのもよくわかる。 -
教会の中には、こんな張り紙がしてあった。
これからコンクに行く方は、ぜひ、サントフォアで行われる
ミサに行かれて、語ってほしい。(残念ながら行けなかったので。。)
この張り紙によれば、誰でも、同席できるようだし、なにか
素晴らしいものじゃないか、と推測される。だって、ミサは
10世紀以来、きっと同じ儀式だと思うし、ミサに参加することは
10世紀の僧侶の生活を垣間見ることだと思うから。
ミサは毎日、朝7時半(月曜を除く)、8時 (日曜は 11時)、12時05分(日、月を除く)、18時30分(月曜日を除く) 20時30分、20時40分(巡礼者を祝福するためのミサ、オルガンその他の聖歌) -
大修道院の裏にこんな建物がある。何かしらと見てみると
修道院が経営している巡礼のホステル。
入り口に入って、問い合わせをしたかったが、お昼休みらしく
誰もいなかった。こぎれいな感じだった。
一人用部屋、シャワー付きだと23ユーロ、二人部屋だと28ユーロ。
夕食は7時で、11ユーロ、朝食は7時〜9時で、4ユーロ、シーツとタオルが一晩、ひとり3ユーロ。普通のホテルの半額くらい。 -
「私たちは、単にホテル業をやっているのではなく、私たちが
巡礼者として、サントフォア聖域につとめる者として
皆さんのバックアップをいただくためです。」
場合によっては僧侶のミサにも同席できる可能性もあるらしい。
いずれにせよ、問い合わせは:accueil-conques@mondaye.com
この次はここに泊まってみたいです。 -
過去のコンクの栄光は、今も世界中から巡礼者やツーリストを
よぶ。でも、過去だけでなく、村のひとびと約300人は、今の
時代に適応して暮らしているのも事実。
例えば、クラフト職人のアトリエが多数ある。
このセンスある標識で見られるように、皮革製品の職人、
アクセサリー制作、鍛冶屋、レース制作など。 -
そしてこんな標識もあった。
GRとはGrandes Randonneesの略で、いわばハイキングのルート
で、フランス全土共通。
ちなみに、GR65は、この辺を通るサンチアーゴ巡礼道。
この辺は、 ハイキングあるいはトレッキングの宝庫らしい。
(ハイキングとトレッキングの違いはなんなのでしょうか?) -
最後にサンチアーゴ巡礼道には、出発点によって、いくつかの
ルートがあるので、簡単な地図をアップします。
コンクがどこにあるか、だいたいわかると思います。 -
コンクを去る前に村を散策した。数世紀も存在しているような家々と
味あいのある道が絵画のよう。出会った村人も笑顔で
ボンジュールをしてくれたし!
一個づつ石を重ねていったのがわかるような家。この
道はどこまで行くのか?? -
家々の外壁は、傾斜してしまっている。
中はどんな感じなんだろう。 -
民家。家のゆがみ具体からして、相当古そうだけれど、
一階の窓枠がきれいに修復されていた。こういう家って、
外観は古くても、中は意外と現代風だったりする。
いまはやりの天井窓が見える。
石造りの家はいい。夏はすずしく、冬は暖かいから。 -
どこに行くかわからないけれど、歩かないではいられない。
すべて坂道だ。 -
この坂道はかなり急勾配。
-
途中、露草をみかける。
露草って日本独特の植物と思っていたのに
こんなところで出会うなんて! -
かくして、私はサント・フォア大修道院を背にして、村をでた。
左下のローズ葺きの屋根の上にかぶさるように、真っ赤に紅葉した
木が華やかだった。
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この旅行記へのコメント (5)
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- planetgingaさん 2007/07/15 15:57:43
- 中世のコンクを垣間見ることができました。
- yukibxさん今日は。久し振りにお邪魔します。
いつも初めて聞く知らない所ばかりですので、下調べをして勉強しておかないと書き込みが出来ません。(笑)
コンクとは巡礼路にある重要な山間の村だったのですね。
丁度メッカ、ラサのように聖地に通じる中継地点のような。
写真を見て趣のある石造りの教会、民家等から中世の村の様子が窺い知れます。
印象的なのは、石工、クラフト職人の作った看板、標識のセンスよさに感心させられます。
自宅及び事務所の玄関先を飾るのに何か一つ注文したい感じです。
これからもまた未知の場所に案内してください。
- yukibxさん からの返信 2007/07/16 06:18:19
- RE: 中世のコンクを垣間見ることができました。
- planetgingaさん
書き込みをありがとうございました。
コンクの旅行記を読んでくださって嬉しいです。
旅行は知らない土地を訪れて、知らなかった風景、料理、
習慣などに触れ、感動しますが、また、
時をくだって過去の世界に出会ったりすると、特に感動し
ます。
ヨーロッパは日本のように古い大陸なので、それこそ遠い
過去、例えば中世の空気が漂っている場所が多くあり、
心を打たれます。
それがヴェルサイユのような絢爛豪華な場所ではなくて、
ひっそりとした中世の村なんかに心を動かされてしまいます。
planetgingaさんは、今年の夏、どこかにいらっしゃる
予定がありますか?
いつものように、センスが抜群にいい旅行記、とても楽しみにしています。
yukibx
-
- おでぶねこさん 2006/12/10 10:15:27
- 一番美しい村。
- yukibxさん。こんにちは。
やはりコンクはすばらしい場所ですね。
サントフォア教会のタンパンも何度見ても
吸い込まれるよう。引き付けられますね。
何百年も前のこの作品のなんと生き生きとしている事か・・
本当にいつかまた再訪したい場所です。
石畳を踏みしめる足音がしそうな・・・コンク・・・を
ありがとうございました。
おでぶねこ
- yukibxさん からの返信 2006/12/11 08:24:08
- RE: 一番美しい村。
- こんにちわ、おでぶねこさん。
今日は、外出する時、手袋をしたい、と思いました。やっと冬になった
感じです。
今頃、コンクは、とっても寒いんでしょうね。今度こそ本当に誰もいないのでは
ないかしら?そんなコンクに舞い戻ってみたい、と思います。夏の暑い時より
冬の寒い中の方が、コンクにあっているような気もしますし。。
おでぶねこさんが懐かしい場所でもあるし、いつまでも心を豊かにしてくれる
場所でもあると感じていらっしゃること、わかる気がします。
ご存じとは思いますが、あの周辺に訪れてみたいロマネスク教会、また、小さいけれど
歴史ある村がいくつかあるので、今度はよってみたいと思います。
いつ行けるかどうかわかりませんが・・いかがですか?
楽しいクリスマスと晴れ晴れとしたお正月をお過ごしください。
yukibx
- おでぶねこさん からの返信 2006/12/11 20:18:37
- RE: 一番美しい村。
- yukibxさん。今晩は。
おでぶねこも誰も居ない冬のコンクの方が
コンクらしいような気がします。
深深とした寒い中、ストーブの上の
やかんのシュンシュンいう音を聞きながら
暖かいワインを飲む・・・。とてつもなく
贅沢な時間でしょうね。
小さなロマネスクの教会・・・歴史ある村・・・。
素敵ですね。。。溜息がでそうです。
是非、是非おでぶねこも行って見たいです!!!
・・・年末のご挨拶はもう少し先にしようと思います・・・。
おでぶねこ
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