2006/02/13 - 2010/04/11
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yukibxさん
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旅行って、名所や美術館を見て歩いたり、土地独特の料理を食べたりするのは勿論楽しいですが、その場所の歴史を少しだけ学んだり、今なにが住民の関心の的か、なんて知ると、いろいろなものが見えてきたり、旅行がもっと充実してくる。(といってもボケッとしている旅行も大好きな自分ではあるんですが。。)
先日、仏大統領が、今年2006年から5月10日を奴隷制度廃止記念日とし、これに向かってフランスでの奴隷売買についての研究機関をつくり、いろいろなイベントを通して、奴隷売買に関して、フランスがどんな行為をしてきたか、広くフランス人に伝えたい、という演説があった。
ボルドーは、ナント、ラロシェル、ルアーブル、マルセイユなどと共に、奴隷売買で栄えていた時期があった。ボルドーより北にあるナント市に次いで、重要な港でそのおかげで富を蓄積する。
ここでは、1672年から1826年の1世紀半の間、約500隻の奴隷船がボルドー港(ガロンヌ河沿岸)に来て、なんと、13万人の奴隷が西アフリカからボルドーを経由して、大西洋の仏領土、インド洋などに連れ去られた。
ボルドーに住んでいる私自身、長い間知らなかった。なぜなら、つい最近まで、ここの人達はあんまり大きな声でこのことを
話そうとしなかったから。
幸いにして、2005年の夏頃からやっと公にこの事実が認められ、ガロンヌ河ほとりにハイチ独立の父、もと奴隷で後に将軍になった、トウッサン・ルーベルチュール将軍の像が披露された。
彼は最終的にはナポレオンによって囚われ、フランスに連行され獄死してしまうが、後日、奴隷解放のシンボルとなり、ボルドー市では彼を奴隷制度廃止記念像として、彼を選ぶ。
ボルドー中心地にあるピエール橋を渡ってすぐ、右岸の新植物園(Le nouveau jardin botanique)の前にある。
この旅行記は2006年に書いたのですが、最近になってアキテーヌ美術館にゆき、奴隷売買についての展示を見てきた。撮影した数枚の写真をアップする。
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ガロンヌ河のほとりにある記念像
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記念像から見た対岸のボルドー市
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奴隷商の建物に飾られている黒人のマスク。
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ボルドーの中心地にアキテーヌ・ミュージアムがある。
Musee d'Aquitaine.考古学、歴史、民俗学関係の資料が見られる。説明もわかりやすく、モダンな展示で、優れたミュージアムだ。 -
私が再びこのテーマを取り上げるきっかけは、ジロンド県の月刊誌にこの彫刻の写真が掲載され、その記事とともにこの彫刻に心を打たれたからなのです。
そして、この彫刻がアキテーヌ地方ミュージアムで見られるときいて早速行った、というわけです。 -
目を伏せて、じっと哀しみと苦しみをこらえている奴隷。
使われている鎖は実際に19世紀に奴隷を拘束するために使われた。この作品は20世紀になってからのものだが、自由を完全に失った、人間以下、動物のように扱われている奴隷の悲しみが伝わってくる。 -
アフリカ、ジンバウエの奴隷市場で売りに出されている若者達。1860年位に撮影された。
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奴隷船の中。
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こんな風に荷物と同じ扱いを受けている奴隷達。store roomと書いてある。
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長旅を終えて、船が港に着く。そして、荷(奴隷)を降ろす。
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18世紀のボルドーは広いガロンヌ河ゆえに、貿易が盛んで繁栄を重ねる。奴隷売買によって、ボルドーは富を蓄積する。
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しかし、今日のガロンヌ河に船を見るのはまれだ。見られるのはガロンヌ河のぼりの小さな観光船か、あるいは、米国籍の巨大な豪華船が一年になんどか観光客を運んでくる。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 豚のしっぽさん 2010/10/11 12:13:48
- 感銘しました
- yukibxさん こんにちは^^
以前お邪魔した時は、私自身の旅行前でしたので
スペインの旅記しか拝見しておらず。。。
改めて遊びにきて・・・フランスに在住してらっしゃるんだ!と
そっか!
以前メール頂いたとき、真夜中だったので、、、
遅くに感謝と思い、失礼なお返事してしまったかも?ですね。
ところで
沢山の旅行記の中で、こちらが目にとまりました。
とても感銘しました!
若い時にウィーンから
Mauthausen Concentration Camp へ訪れた時の気持ちを思い出しました。
(マウトハウゼン強制収容所)
死体焼却炉・ガス室・拷問所などを目前にし
その場に立った異様な空気感・・・
ビデオで当時の様子や、インタビュー記事を聞いて
とても胸がしめつけられた事。
とても重たい内容、でもこういう事を
もっと書いていかないとだめだな!と感じました。
スペインに行く前にyukibxさんを発見?でき良かったな!
と思っていましたが・・・
改めて、この出会いに感謝しています
シッポ
- yukibxさん からの返信 2010/10/14 23:39:52
- RE: 感銘しました
- 豚のシッポさん、
メッセージ、ありがとうございます。
旅行記は、「ナチの巨大潜水艦基地」を読んでいただけたのでしょうか?
ナチに関してはもうひとつ、「ロワイヤン、美しい村タルモン、悲劇のフランクトン作戦」を書きましたが、後者の史実は、今でも考えると胸が痛みます。
欧州に住んでいると、やっぱり戦争の傷跡を見る機会が多く、とくにフランスのナチ占領地区はそれが顕著です。
アウシュビッツに関しては、本音をいいますと、私には行って見てくる勇気がないのです。。。でもいつか、足を運ぶかもしれませんが。。
豚のシッポさんの旅行記を通して、お人柄がわかるような気持がします。私こそ、今後ともよろしくお願いします。過去の旅行記も徐々に拝読させていただきます。たのしみ!です。
yukibx
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