2004/08/30 - 2004/09/21
282位(同エリア648件中)
極楽蝶さん
エディンバラからこの日は湖水地方に移動する。前の晩,ガイドブックを見ながら途中で寄るところを探していると,「ボーダーズ4大修道院巡り」小さな囲み記事を発見。簡単な紹介程度の記事で,詳しいことはまったく分からないが,興味を持ったら行って自分の目で確かめることが一番! 地図で場所を調べると,エディンバラから一番近いメルローズまで行けば,他の修道院は近いところにある。これだったら無理なく4つの修道院を廻り,さらに世界遺産に登録されている「ハドリアヌスの城壁」も見られそうだ。(ちなみに,ガイドブックには自転車でも廻れると書いてあるが,この4つの修道院を1日で見るのは結構頑張らないとダメだと思います。特に,スコットランドは天候が変わり易く,また風が強い日も多いので,そんなときは大変かも!?)
レンタカーで旅行をしていると,こんな計画の自由さ(今回はあまりにも事前の計画が甘かったが)がなんと言っても良い。勿論,行ってみてガッカリするかもしれないが,それはそれでまた楽しいもの。
4大修道院と言ってもどれも今では戦乱などの破壊により廃墟となってしまっています。ただし,現在では大切に保存され,丁寧に整えられているため,訪れてみて気持ちの良いところです。交通の便は決して良くありませんが,教会などに興味があれば一見の価値はあります。
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【メルローズ修道院】
メルローズ修道院(Melrose Abbey)はデイビッド1世の命令で1136年に設立された,シトー会の修道院です。また,この修道院にはスコットランド王で,またスコットランド独立の象徴であるロバート・ザ・ブルースの心臓が埋葬されていることでも有名です。
メルローズはエディンバラの南東に50キロぐらいのところにある小さな街です。車であれば1時間ぐらいで着きます。 -
【メルローズ修道院】
メルローズ修道院の石は淡いピンク色をしていています。この淡いピンク色が何ともいえず素敵です。緑の芝,青い空,そして淡いピンクの教会がとても印象的でした。 -
【メルローズ修道院】
この写真ではゴシック様式で造られた教会の特徴がよく分かります。例えば,飛び梁や側壁に開けられた大きな窓などです。全盛期はとても美しい教会であったことが安易に想像できます。 -
【メルローズ修道院】
南側の入口です。ここの石が一番鮮やかなピンク色でした。 -
【メルローズ修道院】
身廊部分 -
【メルローズ修道院】
残っている塔に登ることが出来ます(もしここが日本だったら絶対に「立ち入り禁止」となっていると思います)。塔の上からはメルローズの町を眺めることが出来ます。 -
【メルローズ修道院】
スコットランド独立の象徴的な人物ロバート・ザ・ブルース(1274年〜1329年)の心臓を埋めてある場所です。 -
【ドライバラ修道院】
ドライバラ修道院(Dryburgh Abbey)は1152年に設立されたプレモントレ会の修道院です。プレモントレ会とは,1120年に聖ノルベルトゥス(1080年頃〜1134年)がフランスのプレモントレに創立した聖アウグスティヌス戒律を守る修道会です。
ドライバラ修道院は森の中にあります。メルローズ修道院で出会った人から「ドライバラ修道院はとても綺麗な場所にあるのよ」と言われましたが,まったくそのとおりで,緑の森の中で静かにまどろんでいるような修道院です。 -
【ドライバラ修道院】
綺麗な円形アーチをした回廊への入口です。この修道院の石も淡いピンクです。 -
【ドライバラ修道院】
この写真の部分はドライバラ修道院の中でも最も保存状態の良いところです。ここには,スコットランドの詩人,小説作家として有名なウォルター・スコット卿(Sir Walter Scott,1771年〜1832年)が埋葬されています。
ウォルター・スコット卿はスコットランド,特にボーダーズ地方の自然や遺跡を愛し,彼の小説や詩のなかでロマンティックに謳いあげました。ちなみに,スコットランド銀行の発行する紙幣にはウォルター・スコット卿の肖像画が使われています。 -
【ドライバラ修道院】
この修道院でも残っている塔の上に上がることが出来ます。見える景色はこの修道院の遺構と森です。 -
【ドライバラ修道院】
写真の中央に残ったバラ窓が分かるでしょうか? ここにはどんなに美しいステンドグラスがはめ込まれていたのでしょうか? -
【ドライバラ修道院】
参事会会議場(The Chapter House)。
ここも良く保存されていますが,窓の下にある半円形が重なり合いながら連続していく部分に惹かれます。 -
【ドライバラ修道院】
オリジナルの彫刻の一部 -
【ケルソ修道院】
ケルソ修道院(Kelso Abbey)は1128年に設立されたフランスからやって来たティロン会(ベネディクト派)の修道院です。ティロン会は1106年頃にベネディクト会修道士ベルナルド・ドェ・ポンティウ(Bernard de Ponthieu,1046年〜1117年)によってフランスのシャルトル近郊のティロンの森に設立された修道会です。
ケルソ修道院は4大修道院の中では最も古く,また最も激しく破壊されてしまった修道院です。しかし,最盛期にはスコットランドで最も豊かで,かつ壮大な規模の修道院だったようです。この写真は,多分,教会の身廊と袖廊が交差する部分で,教会の最も高い部分のひとつであったと思われます。そして,ここの部分がケルソ修道院で現存する殆ど唯一の姿です。 -
【ケルソ修道院】
前の写真の入口を入るとこのような昔日の繁栄を想起させるような遺構があります。 -
【ケルソ修道院】
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【ケルソ修道院】
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【ケルソ修道院】
ケルソ修道院設立850年を記念して1978年に最盛期の姿に再現された回廊。ケルソ修道院はとても優れたロマネスク様式建築のひとつと云われていますが,この美しいアーチを見ると納得がいきます。 -
【ケルソ修道院】
再現された回廊はその石の肌までが過去の様式に従って造られたことが,昔日の姿を背景にしたこの写真から分かりますでしょうか? -
【ケルソ修道院】
再現された回廊の柱頭彫刻。とても美しいデザインです。 -
【ジェドバラ修道院】
ジェドバラ修道院(Jedburgh Abbey)はデイビッド1世の命令で1138年に設立された,アウグスティヌス会の修道院です。4つの修道院の中では最も保存状態が良く,ロマネスク様式とゴシック様式が融合した教会です。
ボーダーズ地方の4大修道院の中では,この修道院が最も保存状態が良いものです。回廊部分は破壊されていますが,教会の大部分が現存しています。 -
【ジェドバラ修道院】
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【ジェドバラ修道院】
綺麗な半円形のアーチを持つ入口(南側入口)。この入口は特に保存状態が良く,彫刻などもハッキリと模様が分かります。もしかしたら,再現されたものかも知れませんね?? -
【ジェドバラ修道院】
3層の身廊も見事に残っています。 -
【ジェドバラ修道院】
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【ジェドバラ修道院】
正面の入口(西側入口)。教会の大きさに比べてこの入口はちょっと狭いような気がします。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 迷子さん 2006/10/01 19:12:13
- まさしく!
- こんにちはどす。
またまた来月英&愛に出掛けることになったので、
参考にと英国旅行のページを見ていたら、正しく
ドンぴしゃり!
丁度、旅程がエジンバラ郊外のロスリン村から
南下してノーサンバーランドへ向かうので
ボーダーズ地方の4大修道院跡を見学しようかな?と
思っていた矢先どすたぁ〜。
メルローズのピンク係った廃墟も素敵どす。
この辺ではスコッッビューも行かれましたか?
迷子は車なんで(迷ったらどうしよう、、。)
何とか頑張って訪問して来るどすョ。
ホント、参考になりますた、ありがとうございます。
- 極楽蝶さん からの返信 2006/10/03 01:18:23
- RE: まさしく!
- 迷子のプロさま
こんにちは。書き込みありがとうございます。
極楽蝶です。
また,イギリスとアイルランドに行くのですか。良いですね。
気をつけて行ってきてください。あちらはもうめっきり秋の
気配でしょうね!
4つの修道院は近い距離にありますので,地図をちゃんと見
ていれば,道に迷うことはないと思います。それに,道も複
雑ではなかったと記憶しています。
ところで,スコッビューですか? 存じ上げません。ごめん
なさい。 でも,帰国したらここの旅行記,楽しみにしてい
ます。
それから,僕の旅行記にも書きましたが,スコットランドか
らイングランドに行くときは道に十分気をつけてください。
道が上下に大きくうなっています。道の先が見えないので怖
いです。これが連続します。
ご質問にまったく回答できず,ごめんなさい。
それでは,こらからもよろしくお願いします。
追伸:迷子のプロさんの旅行記を拝見させて頂いて,今回初
めて気付きましたが,迷子のプロさんは女性だったんですね!
何度か書き込みをして頂きましたが,これまで男性だと思っ
ていました。ごめんなさい。
だって,アイルランドやスコットランドの結構な田舎をドラ
イブで旅しようと云うのだから,勘違いしていました。
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