2004夏　アイルランド・スコットランド・イギリス湖水地方の旅３（アイルランド・ドロヘダ編）

2004/08/30 - 2004/09/21

　ドロヘダを訪れたのは，「地球の○○方」で聖ピーター・アイルランド教会のミイラのレリーフの墓石の話を読み，この本物を見てみたいと思ったから。ちょうどモナスターボイスやニューグレンジに行くついでにこの町によれるので，都合が良かった。
　ドロヘダはボイン川沿いの静かな町。町に近づくまでは道も空いていたが，街中にはいるとチョットだけ渋滞気味。日本の田舎の町中を通る旧道のような感じだった。また，町の大きさに比べて駐車場が多いと思ったが，主要な交通機関が車だからなのだろう。
　ところで，件の墓石。「地球の○○方」には「・・・ミイラはこの墓の持ち主とその妻・・・。・・・・生前いくらお金や権力があっても死んだら皆同じ・・・・」と説明してある。日本にもあるのだろうが，ヨーロッパを旅行していると，教会には聖人画と同じくらいドクロ像や骸骨，死神の絵など死にまつわるものがとても多い。今回もそんな興味が働いたのかもしれない。

エリア ドロヘダ(アイルランド)

聖ピーター・ローマカトリック教会（正面）

　ボイン川沿いの立体駐車場に車を止めて，ドロヘダ・タウンセンターというショッピングセンターを抜けると目の前にこの教会が見えた。ダブリンの教会もそうだったが，この教会も装飾が少なく，ズッシリとしている。でも，正面に見えるバラ窓は僕が見たアイルランドのどの教会のものより大きく綺麗だった。

聖ピーター・ローマカトリック教会（側面）

　この教会の正面は左側に高い塔があり，右側にはない。
　想像だが，この教会の入口は南を向いていたので（記憶が間違っていなければ），正面から見て右側（東側）は塔でなく，小さな教会堂のようにしたのかもしれない。

聖ピーター・ローマカトリック教会の身廊

　内部も装飾が少なく質素だが，濃い赤色の大理石の柱と薄いピンク色の漆喰が印象的だった。内陣部の絵やステンドグラスもこの教会にとてもよく似合っていた。

聖ピーター・ローマカトリック教会の主聖壇

　白い大理石に精密な彫刻が彫られた主聖壇。主聖壇にはライトが灯され，より白さが強調されていた。下部でライトに照らされている部分は最後の晩餐が彫られていた。

バラ窓とパイプオルガン（聖ピーター・ローマカトリック教会）

　この町に着いたときにも太陽が雲に隠れていたが，チョットだけ太陽が顔を出したときがあった。そのときはバラ窓に背を向けて主聖壇の方を向いていたが，目の前に光に照らされたバラ窓の陰が映ったので，振り向くとバラ窓が輝いていた。
　バラ窓の下にはパイプオルガンのパイプが配され，それが美しいバラ窓を隠さないように，その縁に沿ってパイプの高さが揃えられている。

聖ピーター・アイルランド教会

　こちらはアイルランド国教会の聖ピーター教会。カトリック教会と同じ聖人の名前を冠している上に，これまた無骨な作り。正面の真ん中に四角いずんぐりとした塔が一本立っているだけ。

聖ピーター・アイルランド教会

　墓地の方から教会を見るとさらにこの教会の質素さが分かる。正面に塔がなく，街中の他の家と一緒に建っていたら誰も教会とは気付かないと思うようなシンプルさ。

墓地の墓石（ピーター・アイルランド教会）

　これが見てみたかった墓石。墓石というから，どこにあるのだろうと墓地の墓石をひとつひとつ見ていたが見つからない。実はこの墓石，墓から取り除かれていて墓地の一番東の端の塀の所にその一部として立てられていた。

聖ローレンス門

　道にこの門だけがドンと居座っているような感じ。他に城壁などが残っていないため，余計にそう感じさせる。この門も取り壊してしまえば車が２台がゆっくりと通れる道が真っ直ぐに伸びるのに，その真ん中に敢えてこの門を置いているあたり，日本とはまったく考え方が違うようだ。
　この門のために，門を挟んで車が両方から来た場合には譲り合いながらここを通っていた。不便なようだが，歴史の方を便利さよりも優先させているのかな？

立体駐車場からみた町の景色

　ドロヘダの町はそんなに大きな町ではない。でも僕が車を止めた立体駐車場は４階か５階建ての大きな駐車場で，この駐車場にいっぱいの車が止まっていた。ここ以外にも，川向こうに大きな駐車場があったから驚き。僕が車を止めたのは，立体駐車場の屋上階。ここまで行かなければ，どこも空いていなかった（正午前）。でも，そのおかげで屋上からドロヘダの町を眺めることができた。
　画面左に見える高い塔が聖ピーター・ローマカトリック教会。真ん中から少し右に寄ったところに見える塔が聖ピーター・アイルランド教会。