カスティーリャ・レオン地方旅行記(ブログ) 一覧に戻る
9月25日<br /> 朝食を済ませ、チェックアウト。荷物を預かってもらって、身軽になってさあ行こう!気温は低く、ウールのショールを羽織った。中庭に降りてみる。回廊の床は、びっしりと敷き詰められた石畳で、磨り減っている。中庭を囲む建物は、昨夜のような幻想的な雰囲気は跡形も無くて、朝の光の中で、ただ古めかしくひどく現実的に見えた。我々を見下ろしているのは、マリア像と、おそらくサン・マルコスの像。回廊の隅には、石碑や石棺が置かれている。文字が磨り減って、ほとんど読めないのもあった。<br /><br /> 回廊の奥に、博物館があった。相当古そうなキリストの像が、厳重な監視装置つきのガラスケースの中からうつろな目を向けていた。「これは凄いよ・・」一目見て吸い寄せられた。「これは一番古いキリスト像で、素晴らしいものです」英語の説明に振り返ると、受付にいた男性。「まあ、これ、ルビー?」Aさんが、キラキラした石のはめ込んだ宝物を見上げると、「それはガラスです」素っ気無い声が答えた。<br /><br /> さらに奥の小部屋に入る。入り口にお兄さんがいて、また見学料を取られる。ここは家具調度品の展示室だった。「あっ、ねえこれ、サモラのパラドールにあったのと同じじゃない?」ホタテ貝の取っ手が2箇所ついた、アラブ風の細工の引き出しだった。「これは、こうやって開けるんだ」お兄さんが無造作に貝の取っ手を引っ張り、下のほうをいじるとカタンと引き出しが開いた。「へえー!」「箱根細工の箱みたい!」面白がる我々に、展示品を一つずつ説明してくれる。赤っぽい家具を指差して、「この表面に塗られたものは、オリエンタルから伝わりました。」「オリエンタル・・あっ、漆!」「そうか、じゃあサモラのパラドールの、赤いねじりん棒の付いた家具は・・」「漆塗りだったのね!」いちいち感激する我々に、お兄さんも嬉しそう。途中から入ってきたアメリカ人の二人連れには見向きもしない。<br /><br /> 見学を終えて、正面玄関から外に出て、後を振り仰いでびっくり。凄い!建物全体に彫刻が施されてあった。左右に広がる建物は、大きすぎてカメラに収まらないほど。<br /><br /> 町に向かって歩き出し、すぐにペットショップがあった。「うわ、蛇までいるわよ!」ウィンドウの側にいた鶏に向かって、Aさんが声をかける。「鳴いてごらん・・鳴いてごらん・・」「コケコッコー」ほんとに鳴いた。<br /> 彼女はストッキングが欲しいと、1軒の店に立ち寄る。一緒に中へ。「ストッキング欲しいんだけど」Aさんは2人の店員の女の子たちに日本語で言った。ディスプレイのを指差して、「この色の、あるかしら」出されたのは大きそうで、彼女は「あなたたちがはけばいいけど、私がはくとこーんなになるでしょ」と、胸まで引っ張り上げる仕草をすると、女の子たちは笑って、一番小さいのを出してきた。「あ、これ、こっちの人たちがはいている足カバーよ!」こちらではみんな素足に靴、でもちゃんとこのカバーを付けているのだ。買おう、買おう!一番小さいのでも、大きそう。大騒ぎをして店を出る。振り返ってみたOさん、「やだ、箱の蓋で顔隠して笑い転げている!」<br /><br /> 大聖堂を目指す。ところが・・、やっとたどり着いた大聖堂は、なんと工事中で入れない。そんな、はるばる来たというのに・・。入り口を覗くと、床に石や材木が積んであり、どうにもならなかった。悔しいやらがっかりするやらで、ただ正面の暗いステンドグラスのバラ窓を見上げるばかり。<br /><br /> レオンのもう一つの名所、中世の壁画が残るという教会のほうへ足を向けた。お店など覗きながら歩くので、かなり時間がかかっている。途中の小さな教会へ入って外に出ると、土砂降りの大雨になっていた。たまらず、軒下に飛び込んで雨宿り。一緒に雨を避けていた赤ちゃん連れの若いお母さんに、この近くでお勧めのレストランを聞いてみる。<br /><br /> 一番近そうなレストランの店先で、中を伺う。「高そうじゃない?」「でも、この雨だし、いいよ、入ろう」落ち着いた雰囲気の、なかなか良いレストランだった。お腹も空いているので、2000円くらいの定食コースを選ぶ。スープが来た。魚介類のトマト味スープで、アンコウにイカ、エビ、貝入りで美味しい!メインディッシュは牛肉のカツレツで、中に溶けたチーズが入っていて、ソースがかけられ、これもとても美味しかった。サン・マルコスの建物の絵が描いてある、自家製ワインの瓶もなかなか素敵。私だけデザートにプディングを頼んだら、あまりに大きくてびっくりしたが、美味しくてたちまち3人で平らげる。Aさんは、自家製ワインが気に入って、1本包んでもらった。<br /><br /> 大満足で店を出る。レストランの名前はインデペンデンシア。外は雨はいくらか小降りになっていたが止んでいなかった。タクシーが捕まらないので、諦めてパラドールまで歩くことにする。壁画の教会にも、これじゃ行けそうにない。お昼休みで4時ごろまでクローズされるってこと、忘れていた。足元をびしょびしょに濡らして、頑張って歩いた。<br /><br /> 預けていた荷物を受け取って、タクシーで駅に向かう。雨は上がり、お天気になっていた。でもかなり気温が下がって肌寒い。レオン駅のあまり広くない待合室の椅子は、ほとんどふさがっていた。マドリッド行きの列車は16時27分、まだ1時間ほどある。早めにプラットホームに出て待つことにする。鍬をかついだおじいさんがのんびり歩いていく。のどかな風景。<br /><br /> マドリッドに近づくと、空はまた雲に覆われて、遠くで雷鳴。テレビで天気予報をやっている。全国的に晴れ一時曇り、北部は雷。<br /> 9時過ぎ到着。マドリッドは光の洪水の大都会。まっすぐホテルへ。夕食は、軽く部屋で済ませる。明日は最後の日。何も買い物もしていないから、やっぱり一日ショッピングになりそう。<br /><br /><br /><br /><br />

初めてのパラドール巡り? レオン~マドリッド

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1991/09/18 - 1991/09/27

152位(同エリア200件中)

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5

アーマ

アーマさん

9月25日
 朝食を済ませ、チェックアウト。荷物を預かってもらって、身軽になってさあ行こう!気温は低く、ウールのショールを羽織った。中庭に降りてみる。回廊の床は、びっしりと敷き詰められた石畳で、磨り減っている。中庭を囲む建物は、昨夜のような幻想的な雰囲気は跡形も無くて、朝の光の中で、ただ古めかしくひどく現実的に見えた。我々を見下ろしているのは、マリア像と、おそらくサン・マルコスの像。回廊の隅には、石碑や石棺が置かれている。文字が磨り減って、ほとんど読めないのもあった。

 回廊の奥に、博物館があった。相当古そうなキリストの像が、厳重な監視装置つきのガラスケースの中からうつろな目を向けていた。「これは凄いよ・・」一目見て吸い寄せられた。「これは一番古いキリスト像で、素晴らしいものです」英語の説明に振り返ると、受付にいた男性。「まあ、これ、ルビー?」Aさんが、キラキラした石のはめ込んだ宝物を見上げると、「それはガラスです」素っ気無い声が答えた。

 さらに奥の小部屋に入る。入り口にお兄さんがいて、また見学料を取られる。ここは家具調度品の展示室だった。「あっ、ねえこれ、サモラのパラドールにあったのと同じじゃない?」ホタテ貝の取っ手が2箇所ついた、アラブ風の細工の引き出しだった。「これは、こうやって開けるんだ」お兄さんが無造作に貝の取っ手を引っ張り、下のほうをいじるとカタンと引き出しが開いた。「へえー!」「箱根細工の箱みたい!」面白がる我々に、展示品を一つずつ説明してくれる。赤っぽい家具を指差して、「この表面に塗られたものは、オリエンタルから伝わりました。」「オリエンタル・・あっ、漆!」「そうか、じゃあサモラのパラドールの、赤いねじりん棒の付いた家具は・・」「漆塗りだったのね!」いちいち感激する我々に、お兄さんも嬉しそう。途中から入ってきたアメリカ人の二人連れには見向きもしない。

 見学を終えて、正面玄関から外に出て、後を振り仰いでびっくり。凄い!建物全体に彫刻が施されてあった。左右に広がる建物は、大きすぎてカメラに収まらないほど。

 町に向かって歩き出し、すぐにペットショップがあった。「うわ、蛇までいるわよ!」ウィンドウの側にいた鶏に向かって、Aさんが声をかける。「鳴いてごらん・・鳴いてごらん・・」「コケコッコー」ほんとに鳴いた。
 彼女はストッキングが欲しいと、1軒の店に立ち寄る。一緒に中へ。「ストッキング欲しいんだけど」Aさんは2人の店員の女の子たちに日本語で言った。ディスプレイのを指差して、「この色の、あるかしら」出されたのは大きそうで、彼女は「あなたたちがはけばいいけど、私がはくとこーんなになるでしょ」と、胸まで引っ張り上げる仕草をすると、女の子たちは笑って、一番小さいのを出してきた。「あ、これ、こっちの人たちがはいている足カバーよ!」こちらではみんな素足に靴、でもちゃんとこのカバーを付けているのだ。買おう、買おう!一番小さいのでも、大きそう。大騒ぎをして店を出る。振り返ってみたOさん、「やだ、箱の蓋で顔隠して笑い転げている!」

 大聖堂を目指す。ところが・・、やっとたどり着いた大聖堂は、なんと工事中で入れない。そんな、はるばる来たというのに・・。入り口を覗くと、床に石や材木が積んであり、どうにもならなかった。悔しいやらがっかりするやらで、ただ正面の暗いステンドグラスのバラ窓を見上げるばかり。

 レオンのもう一つの名所、中世の壁画が残るという教会のほうへ足を向けた。お店など覗きながら歩くので、かなり時間がかかっている。途中の小さな教会へ入って外に出ると、土砂降りの大雨になっていた。たまらず、軒下に飛び込んで雨宿り。一緒に雨を避けていた赤ちゃん連れの若いお母さんに、この近くでお勧めのレストランを聞いてみる。

 一番近そうなレストランの店先で、中を伺う。「高そうじゃない?」「でも、この雨だし、いいよ、入ろう」落ち着いた雰囲気の、なかなか良いレストランだった。お腹も空いているので、2000円くらいの定食コースを選ぶ。スープが来た。魚介類のトマト味スープで、アンコウにイカ、エビ、貝入りで美味しい!メインディッシュは牛肉のカツレツで、中に溶けたチーズが入っていて、ソースがかけられ、これもとても美味しかった。サン・マルコスの建物の絵が描いてある、自家製ワインの瓶もなかなか素敵。私だけデザートにプディングを頼んだら、あまりに大きくてびっくりしたが、美味しくてたちまち3人で平らげる。Aさんは、自家製ワインが気に入って、1本包んでもらった。

 大満足で店を出る。レストランの名前はインデペンデンシア。外は雨はいくらか小降りになっていたが止んでいなかった。タクシーが捕まらないので、諦めてパラドールまで歩くことにする。壁画の教会にも、これじゃ行けそうにない。お昼休みで4時ごろまでクローズされるってこと、忘れていた。足元をびしょびしょに濡らして、頑張って歩いた。

 預けていた荷物を受け取って、タクシーで駅に向かう。雨は上がり、お天気になっていた。でもかなり気温が下がって肌寒い。レオン駅のあまり広くない待合室の椅子は、ほとんどふさがっていた。マドリッド行きの列車は16時27分、まだ1時間ほどある。早めにプラットホームに出て待つことにする。鍬をかついだおじいさんがのんびり歩いていく。のどかな風景。

 マドリッドに近づくと、空はまた雲に覆われて、遠くで雷鳴。テレビで天気予報をやっている。全国的に晴れ一時曇り、北部は雷。
 9時過ぎ到着。マドリッドは光の洪水の大都会。まっすぐホテルへ。夕食は、軽く部屋で済ませる。明日は最後の日。何も買い物もしていないから、やっぱり一日ショッピングになりそう。




  • レオンのパラドール<br />

    レオンのパラドール

  • レオンのパラドール<br /> 聖人の像

    レオンのパラドール
     聖人の像

  • レオンのパラドール<br /> 建物の正面 

    レオンのパラドール
     建物の正面 

  • 夜はちょっと不気味な回廊の古い石碑や石棺

    夜はちょっと不気味な回廊の古い石碑や石棺

  • レオンの町

    レオンの町

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