カスティーリャ・レオン地方旅行記(ブログ) 一覧に戻る
      プロローグ<br /> 長い間待っていた旅立ちの日。初めての海外旅行のOさん、2度目のスペインはAさん、そして初めてのフリー旅行を企画した私。自分の行きたい所へ行く、そんな旅を実現させたいと、プラン作りを始めたのは、いつのことだったろう。限られた10日余りの日数の中、古城ホテルのパラドールを泊まり歩こうということで、今回のコースは決まった。<br /><br />9月18日<br />午後8時を少し過ぎた頃、飛行機は成田を飛び立った。ワインで乾杯。いい旅ができますように。アンカレッジで給油して、再び空の上。アンカレッジの大地はぬかるみのようで、その中をうねうねと蛇行する川。その川の上流のほうは、山々をU字に深々とえぐり、さらにさかのぼると、水の流れは山の間に詰まる白く光るものに変わった。氷河!<br /><br /> 再び闇となり、機内は歩き回る人もなく、みんな眠っていた。ふと目を覚ました私は、窓の覆いを上げてみた。星が光っているけど、何か違和感。ぼうっと上空にもやが・・。雲はあるとしてもはるか下だし、上に雲が出るはずはない。だんだんもやが放射状にまとまってきた。オーロラ?まさか。白いもやは、シルク・スクリーンのように広がって、裾の方が青白く輝き出したではないか!飛びあがって、寝ている仲間たちをたたき起こす。<br /> 3人で息をつめて窓にかじりつき、大自然の驚異を眺めた。淡い光の帯は、どんどん変化していく。カーテン状の、典型的なオーロラになった時は大感激だった!機内の人々は誰も起きない。もったいないなあ。やがてオーロラは再び白いもやとなって、小さく後方に消えていった。<br /><br />9月19日<br /> 午前8時少し前、マドリッド・バラハス空港着。朝の太陽が上がったところ。気温はかなり高く、暑くなりそうだ。タクシーではぼられないように、気を引き締めて行ったのに、やっぱりやられた。ホテルまで着いて、「高すぎる!」精一杯の抗議。「交通渋滞してたし、3人分の荷物積んでいるしねえ。」そう言う運転手にふてくされてお金を渡す。お釣りを見ると、いくらかまけてくれたようだ。<br /><br /> ホテルはグランビア通りにある、小さいけど4星で、ドアマンのおじさんがにこにこと荷物を運んでくれた。エレベーターを上がると、2階がフロント。緊張気味にチェックイン。まだ10時で、部屋には入れないとのこと。でも、あと1時間したらOKと言われ、ほっとしてソファーに沈み込んだ。どっと疲れが出る。最初からこれじゃあ、大変な旅になりそう・・。<br /><br /> 部屋に荷物を入れて、まずは明日からの移動のための、列車の予約を取らなきゃと、通りに出た。車が猛スピードで行き来していて、排気ガスで空気も悪い。なぜかガイドブックに載っていた場所にはレンフェ(国鉄)のオフィスはなくて、さんざん捜し、行きつ戻りつして、やっと見つける。我々の予定表を見せると、分かった、と若いお兄さんはコンピューターに向かった。ところが、支払い金額が思ったより多く、手持ちのお金では間に合わなかったので、3人大慌てで近くの銀行へ両替に走った。銀行は混んでいて、長い行列が出来ている。そんなこんなで、かなり時間がかかってしまい、ようやく戻ってみると、先に両替をできたOさんが、「払っておいたわよ〜」お金を持っていくと、お兄さん、見るからにほっとしたとか。<br /><br /> もう1時半。お昼のレストランは、私がチェックしていた「カサ・シリアコ」にタクシーで行ってみた。ここは、保存指定されているとかの古い老舗で、王宮も近いせいか、国王やその母君も来るらしく、写真が飾ってある。まずはビールで乾杯!「ついに来ましたね」<br /><br /> 友人たちはガスパチョ(冷たいトマト・スープ)、美味しい、美味しいを連発。私はカスティーリャ・スープ、しまった、ニンニク・スープのことだった!この暑いのに、ニンニクのスライスがたっぷり入ったやつで、ふうふう言いながら食べる。でも美味しい。次に来た料理は、マスのマリネ(体長30cm以上のが丸ごと一匹)大きさに度肝を抜かれたけど、実に美味しい。友人たちは、魚のフリッター(いわしをピンク色にしたような体長10cm余りの魚、レモンを振りかけて頭から丸ごと食べる)それとエンペラドールという名の魚のムニエル。給仕のおじさんが、いちいち「美味いか?」と聞く。「美味しい!」と答えると、満足げに頷いて行くのだ。ミックス・サラダを1皿、みんなでつついて、最後にエスプレッソ。<br /><br /> 大満足で苦しいお腹を抱えてタクシーでホテルに戻る。それぞれ自宅に報告の電話。「お昼を食べてきたところなの、美味しかった〜」<br /> しばし休息して、午後5時、3人で街に出る。「うわー、暑い!」気温30度。グランビアはすごい人出、目つきの悪い連中もそこここに見かける。デパートにて、時間を決めて解散。あちこち付近の店など見ているうち、もう8時をまわっていた。あまりお腹は空いていないけど、屋外のカフェテラスで軽く食べて休む。さあ、明日からいよいよパラドール巡りだ。<br /><br /><br /><br />

初めてのパラドール巡り ?

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1991/09/18 - 1991/09/27

183位(同エリア200件中)

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アーマ

アーマさん

      プロローグ
 長い間待っていた旅立ちの日。初めての海外旅行のOさん、2度目のスペインはAさん、そして初めてのフリー旅行を企画した私。自分の行きたい所へ行く、そんな旅を実現させたいと、プラン作りを始めたのは、いつのことだったろう。限られた10日余りの日数の中、古城ホテルのパラドールを泊まり歩こうということで、今回のコースは決まった。

9月18日
午後8時を少し過ぎた頃、飛行機は成田を飛び立った。ワインで乾杯。いい旅ができますように。アンカレッジで給油して、再び空の上。アンカレッジの大地はぬかるみのようで、その中をうねうねと蛇行する川。その川の上流のほうは、山々をU字に深々とえぐり、さらにさかのぼると、水の流れは山の間に詰まる白く光るものに変わった。氷河!

 再び闇となり、機内は歩き回る人もなく、みんな眠っていた。ふと目を覚ました私は、窓の覆いを上げてみた。星が光っているけど、何か違和感。ぼうっと上空にもやが・・。雲はあるとしてもはるか下だし、上に雲が出るはずはない。だんだんもやが放射状にまとまってきた。オーロラ?まさか。白いもやは、シルク・スクリーンのように広がって、裾の方が青白く輝き出したではないか!飛びあがって、寝ている仲間たちをたたき起こす。
 3人で息をつめて窓にかじりつき、大自然の驚異を眺めた。淡い光の帯は、どんどん変化していく。カーテン状の、典型的なオーロラになった時は大感激だった!機内の人々は誰も起きない。もったいないなあ。やがてオーロラは再び白いもやとなって、小さく後方に消えていった。

9月19日
 午前8時少し前、マドリッド・バラハス空港着。朝の太陽が上がったところ。気温はかなり高く、暑くなりそうだ。タクシーではぼられないように、気を引き締めて行ったのに、やっぱりやられた。ホテルまで着いて、「高すぎる!」精一杯の抗議。「交通渋滞してたし、3人分の荷物積んでいるしねえ。」そう言う運転手にふてくされてお金を渡す。お釣りを見ると、いくらかまけてくれたようだ。

 ホテルはグランビア通りにある、小さいけど4星で、ドアマンのおじさんがにこにこと荷物を運んでくれた。エレベーターを上がると、2階がフロント。緊張気味にチェックイン。まだ10時で、部屋には入れないとのこと。でも、あと1時間したらOKと言われ、ほっとしてソファーに沈み込んだ。どっと疲れが出る。最初からこれじゃあ、大変な旅になりそう・・。

 部屋に荷物を入れて、まずは明日からの移動のための、列車の予約を取らなきゃと、通りに出た。車が猛スピードで行き来していて、排気ガスで空気も悪い。なぜかガイドブックに載っていた場所にはレンフェ(国鉄)のオフィスはなくて、さんざん捜し、行きつ戻りつして、やっと見つける。我々の予定表を見せると、分かった、と若いお兄さんはコンピューターに向かった。ところが、支払い金額が思ったより多く、手持ちのお金では間に合わなかったので、3人大慌てで近くの銀行へ両替に走った。銀行は混んでいて、長い行列が出来ている。そんなこんなで、かなり時間がかかってしまい、ようやく戻ってみると、先に両替をできたOさんが、「払っておいたわよ〜」お金を持っていくと、お兄さん、見るからにほっとしたとか。

 もう1時半。お昼のレストランは、私がチェックしていた「カサ・シリアコ」にタクシーで行ってみた。ここは、保存指定されているとかの古い老舗で、王宮も近いせいか、国王やその母君も来るらしく、写真が飾ってある。まずはビールで乾杯!「ついに来ましたね」

 友人たちはガスパチョ(冷たいトマト・スープ)、美味しい、美味しいを連発。私はカスティーリャ・スープ、しまった、ニンニク・スープのことだった!この暑いのに、ニンニクのスライスがたっぷり入ったやつで、ふうふう言いながら食べる。でも美味しい。次に来た料理は、マスのマリネ(体長30cm以上のが丸ごと一匹)大きさに度肝を抜かれたけど、実に美味しい。友人たちは、魚のフリッター(いわしをピンク色にしたような体長10cm余りの魚、レモンを振りかけて頭から丸ごと食べる)それとエンペラドールという名の魚のムニエル。給仕のおじさんが、いちいち「美味いか?」と聞く。「美味しい!」と答えると、満足げに頷いて行くのだ。ミックス・サラダを1皿、みんなでつついて、最後にエスプレッソ。

 大満足で苦しいお腹を抱えてタクシーでホテルに戻る。それぞれ自宅に報告の電話。「お昼を食べてきたところなの、美味しかった〜」
 しばし休息して、午後5時、3人で街に出る。「うわー、暑い!」気温30度。グランビアはすごい人出、目つきの悪い連中もそこここに見かける。デパートにて、時間を決めて解散。あちこち付近の店など見ているうち、もう8時をまわっていた。あまりお腹は空いていないけど、屋外のカフェテラスで軽く食べて休む。さあ、明日からいよいよパラドール巡りだ。



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