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オスロ→ベルゲン<br /><br />7月11日(火)<br /><br />駅のロッカーに荷物を預け、ムンク美術館を見る。昨日、ナショナルギャラリーでムンクを見たので、パスしてもよいかと思ったが、午前の列車の指定券が取れなかったので、予定を変更してムンク美術館に行ったのだが、これは一見に値する。ムンクにぜひ見ていけといわれたようだ。これは幸運だった。<br /><br />ムンクにこんな作品があるとは知らなかった。晩年は明るくて未来に向かって光がある。とてもいい。寄ってよかった。<br /><br />ここにもツアー客が押し寄せている。でも興味はなさそう。ツアコンさんが、見学時間は30分と叫んでいる。美術館なんてねぇ、という声も聞える。好きな人には30分は短すぎるし、興味のない人にはこれでも長い時間だろう。グリークの音楽が静かに流れている。そうだ、ベルゲンにはグリークの家もある。<br /><br />トイレで後ろから「Japanese?」と声をかけられた。とっさに「Yes.」と言って振り返ると、相手は日本人。「やだー」と言って笑いあう。<br /><br />カフェでお茶を飲んでいると、このご夫妻がかるく会釈して出て行った。しばらくして外に出ると、ご夫妻がまだ外に立っている。<br />「タクシーが見つからなくて」と。<br />「どこまでいらっしゃるのですか?オスロ駅でよければ、私たちは地下鉄で行きますから、ご一緒しましょう。地下鉄で2つ目がオスロ駅ですよ」<br />そこでいっしょに地下鉄に乗った。<br /><br />ご主人の甥がスウェーデン女性と結婚し、子どもが生まれて、その子の洗礼式に立ち会うために、お兄さんご夫妻といっしょにスウェーデンのマルメに来ている。ついでだからノルウェイまで足をのばしているんだと話した。私たちはこれからベルゲンへ行くというと、彼らは明日行くと言った。ベルゲンでまた会いましょうね、と言って別れた。<br /><br />3時43分のベルゲン行きに乗る。1車線なので、遅いようだ。<br />午後の便だからか、車両はあちらこちらに空席はある。<br />車両の前にコーヒーと紅茶を入れたポットが置かれていて、セルフサービスで飲むことが出来る。<br /><br />1等車の次のワゴンは子供連れ車両。車両の半分ぐらいを子供の遊び場に作ってある。はしごをあがり、トンネルのようなものを通ると、二段ベッドの上にいけるようになっている。子供たちは歓声をあげて遊びまわっている。後の半分に障害者が車椅子で乗れるコンパートメントになった車両がついている。子どもの遊び場からはドアがあり、鍵がかかるようになっている。のぞくと一部屋が使われていた。<br /><br />いやはやこれには驚いた。さすが福祉国家の一員だ。経済効果だけを考えて車両編成している日本とは大違いだ。日本では新幹線で、あきてむずかる子どもをつれて、親達は小さくなって乗っている。一方、動き回る子ども達に、他の大人の乗客たちは迷惑している。ちょっとの配慮でうまくいくのに。その点、日本はまだまだまずしい。<br /><br />あたりの山々に雪が見え始めた。その量が増え、そのうち湖も凍ったまま。木々はなくなり、潅木や苔類しか見られなくなった。岩に白い苔がびっしりとついている。トナカイの食べる苔はこんなものなのだろうか。これは海抜1300メートル以上の高地を走る路線。緯度が高いからだろう、まるで5月のスイス・ベルニナ鉄道の感じだ。<br /><br />ようやくベルゲンに近づく。10時近いのにまだ日は沈んでいない。青空すら見える。駅前でタクシーを拾い、ラジソン ロイヤルに来る。港近くのホテル。2階の部屋。まずは風呂でゆっくりと疲れを取る。<br /><br />

北欧記9

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2000/07/04 - 1999/07/19

451位(同エリア542件中)

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buchijoyce

buchijoyceさん

オスロ→ベルゲン

7月11日(火)

駅のロッカーに荷物を預け、ムンク美術館を見る。昨日、ナショナルギャラリーでムンクを見たので、パスしてもよいかと思ったが、午前の列車の指定券が取れなかったので、予定を変更してムンク美術館に行ったのだが、これは一見に値する。ムンクにぜひ見ていけといわれたようだ。これは幸運だった。

ムンクにこんな作品があるとは知らなかった。晩年は明るくて未来に向かって光がある。とてもいい。寄ってよかった。

ここにもツアー客が押し寄せている。でも興味はなさそう。ツアコンさんが、見学時間は30分と叫んでいる。美術館なんてねぇ、という声も聞える。好きな人には30分は短すぎるし、興味のない人にはこれでも長い時間だろう。グリークの音楽が静かに流れている。そうだ、ベルゲンにはグリークの家もある。

トイレで後ろから「Japanese?」と声をかけられた。とっさに「Yes.」と言って振り返ると、相手は日本人。「やだー」と言って笑いあう。

カフェでお茶を飲んでいると、このご夫妻がかるく会釈して出て行った。しばらくして外に出ると、ご夫妻がまだ外に立っている。
「タクシーが見つからなくて」と。
「どこまでいらっしゃるのですか?オスロ駅でよければ、私たちは地下鉄で行きますから、ご一緒しましょう。地下鉄で2つ目がオスロ駅ですよ」
そこでいっしょに地下鉄に乗った。

ご主人の甥がスウェーデン女性と結婚し、子どもが生まれて、その子の洗礼式に立ち会うために、お兄さんご夫妻といっしょにスウェーデンのマルメに来ている。ついでだからノルウェイまで足をのばしているんだと話した。私たちはこれからベルゲンへ行くというと、彼らは明日行くと言った。ベルゲンでまた会いましょうね、と言って別れた。

3時43分のベルゲン行きに乗る。1車線なので、遅いようだ。
午後の便だからか、車両はあちらこちらに空席はある。
車両の前にコーヒーと紅茶を入れたポットが置かれていて、セルフサービスで飲むことが出来る。

1等車の次のワゴンは子供連れ車両。車両の半分ぐらいを子供の遊び場に作ってある。はしごをあがり、トンネルのようなものを通ると、二段ベッドの上にいけるようになっている。子供たちは歓声をあげて遊びまわっている。後の半分に障害者が車椅子で乗れるコンパートメントになった車両がついている。子どもの遊び場からはドアがあり、鍵がかかるようになっている。のぞくと一部屋が使われていた。

いやはやこれには驚いた。さすが福祉国家の一員だ。経済効果だけを考えて車両編成している日本とは大違いだ。日本では新幹線で、あきてむずかる子どもをつれて、親達は小さくなって乗っている。一方、動き回る子ども達に、他の大人の乗客たちは迷惑している。ちょっとの配慮でうまくいくのに。その点、日本はまだまだまずしい。

あたりの山々に雪が見え始めた。その量が増え、そのうち湖も凍ったまま。木々はなくなり、潅木や苔類しか見られなくなった。岩に白い苔がびっしりとついている。トナカイの食べる苔はこんなものなのだろうか。これは海抜1300メートル以上の高地を走る路線。緯度が高いからだろう、まるで5月のスイス・ベルニナ鉄道の感じだ。

ようやくベルゲンに近づく。10時近いのにまだ日は沈んでいない。青空すら見える。駅前でタクシーを拾い、ラジソン ロイヤルに来る。港近くのホテル。2階の部屋。まずは風呂でゆっくりと疲れを取る。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • 花やんさん 2006/07/07 18:19:43
    懐かしく思い出しました。
    私もツァーでしたが両方の美術館を巡りました。
    ムンクの叫びは盗難前で両美術館で見られましので、今考えるとラッキーだったと思います。
    美術品はやはり余裕を持って鑑賞せねばなりませんね、時間に追いかけられる鑑賞では帰ってから写した写真で見たり、ハイビジョンの美術館番組で見て思い出して感慨にふけるのでははかないですからね。

    buchijoyce

    buchijoyceさん からの返信 2006/07/08 00:28:39
    RE: 懐かしく思い出しました。
    こんばんは
    ムンク、あんまり好きではなかったんですが、ムンク美術館へ行ってから
    イメージ変わりました。

    花やんさんはシルクロードへ行かれたんですね。
    いいですね。楽しませていただいています。
    私は中国内のシルクロードは行ったことがないんですよ。
    憧れてはいるんですが。

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