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石垣島→与那国島<br /><br />11月10日<br />起床7時。7時半、支度をして食事に行く。そこで1FにOAコーナーがあることに気がついた。一足先に下におり、ちょっとのぞきに行く。<br />9時空港へ向かう。荷物を預けようとしてPapasanが荷物を持っていないことに気がつく。荷物といってもバッグひとつなのだが、それでもパソコンもフィルムが入っている。あわててとりに戻る。なんと部屋に忘れていた。タクシーに待っていてもらい、受け取って再び空港へ。<br />「ふ〜ん、早発ちするのはこういうためなんだ」とさんざんからかう。<br /><br />10;30 与那国島行き。晴れていたので、西表、鳩間、宮古ときれいな島々を眼下に見ることが出来た。与那国島まで25分、ほんのひとっとびだ。空港にホンダのレンタカーがシビックを用意して待っていてくれた。<br /><br />与那国は方言でドナンという。周囲27.49km。面積28.88平方キロ。<br />人口1,854人(H17)。与那国島は与那国町である。<br /><br />与那国は暑い。日差しも強い。サングラスをかけた。<br />まずはアヤミハビル館へ行く。宇良部岳の途中にある町営の展示館である。生きているヨナクニサンを見たかったのだが、ヨナクニサンは5月から10月までしか見ることは出来ないとのことだった。<br />ヨナクニサンは世界最大の蛾だ。いまは保護条例で採集が禁止されているが、以前は売買の対象として乱獲され、その数を減らしてしまった。沖縄県の天然記念物に指定され、保護増殖事業が行われているとのことだ。<br />ビデオが上映されるので、それでヨナクニサンの一生を見ることができる。<br />格子に編まれた網にぶら下がっているさなぎの抜け殻だけは見ることができた。それでも大きい。ヨナクニサンは現地ではアヤミハビルという。「アヤミ」とは「模様のある」、「ハビル」は「蝶、蛾」の意味だ。蝶の標本はたくさんあった。生きているものはトカゲ、ナナフシ、カメ、ヘビ(ヨナクニシューダ)、魚、リュウキュウコノハズク、などがいた。<br /><br />ひとまず祖納(そない)まで戻って食事をすることにした。与那国はカジキマグロや車えびで有名である。と海の幸を食べさせてもらえるところを探したが、あいにく多くが定休日。ツイてない。そこで食堂に入って長命草そばを食べる。長命草ってイタリアンパセリみたいな草だ。でもそばに打ち込んでしまうと色だけは鮮やかだが、香りも味も感じられない。そばに刺身もついていた。<br /><br />東崎(あがりざき)につく。展望台の下には与那国馬が草をはんでいる。やせている。野生馬なんだろうか。遠くに島影が見える。「台湾じゃない?」<br />「台湾は方角が違うよ」「西表かぁ」「そんな簡単に台湾が見えるはずないよね」<br />「台風が近づいているとき台湾が見えるんだって」「じゃぁ、見えない方がいいかなぁ」。車で磯までいける。上から透けて見える磯の色が実に美しい。<br />近く与那国マラソンが予定されていて、あちこちに何キロ地点という立て札が見られた。<br />道なりに「さんにヌだい」展望台へ行く。偽木で作られた遊歩道を下ると、まず目に飛び込んで来るのは軍艦岩だ。さらに進むと断崖の下は岩の千畳敷。<br />海をバックにコンサートや薪能ができそうだ。<br />続いて立神石展望台、海の色が実に美しい。立神石は与那国島のシンボル的存在だ。なるほど、巨石がぬっと海中から突き出ている。しかし午後の光は逆行になってしまって岩は黒く見えるだけ。ちょっと残念。<br /><br />比川浜で花塩を買った。与那国で作られているこの花塩のことは知っていた。<br />「黒潮」と「花塩」と言う二つの銘柄がある。しかし一粒口に含むやその差は歴然。同じ海水を使った塩なのにこんなにまで味が違うとは。花塩には甘みさえ感じられる。花塩を買った。花塩は350g 1600円。<br /><br />海岸線をまわると久部良に着いた。目についたのは今日泊まる、よしまる荘。民宿に荷物を預け、久部良バリを見に行った。久部良バリという標識はあるが、どこだかわからない。左手に行くと、最後の夕日が見える丘についた。でもここはバリではない。今度は右手を捜す。バリとは岩の割れ目のことで、以前、新聞で写真と文を読んだことがある。ここには悲しい女たちの歴史がある。<br /><br />八重山諸島は1637年に導入された過酷な人頭税に苦しめられていた。与那国も例外ではなかった。人頭税とは文字通り人に税をかけたのである。15歳から50歳まで、男にはランクをつけ取り立てた。15歳から50歳までの女には上布(織物)を提供させた。それも検査が厳しく上等のものでなければならなかった。家族が多ければ多いだけ税金も多くなる。さらに労働力の提供など、過酷な税であった。そもそも人頭税は1609年薩摩の島津藩が琉球を併合したことから始まる。年貢に苦しんだ琉球は1637年から宮古・八重山に特別に人頭税(当時は頭懸と言った)を課したのだった。人頭税が廃止されるのはなんと1903年、八重山の島々には人頭税廃止の記念碑がある。<br /><br />およそ200年前のことだ。人減らしのため妊婦たちが集められ、この3mほどの岩の裂け目、久部良バリを飛び越えさせられた。必死に飛び越えたようとした妊婦たちの多くは転落して息絶えた、運良く飛び超えられたとしても流産の憂き目にあったのであった。<br /><br />同じようにいまはサトウキビ畑になっている人舛田(トゥングダ)にも人減らしの悲惨な歴史がある。久部良バリと同じ頃、200年前ごろ、すべての島人を突然招集し、時間内にこの田に入れなかった者は惨殺されたというのだ。<br /><br />そのまま島の伝統工芸館へ行った。与那国の織物は500年ぐらいの伝統がある。ちょうど講堂で講演がおこなわれていて、作業をを見ることは出来なかった。売店で苧麻(ちょま)の花織の小品を買ったが、この花織りも昔は役人だけしか着ることができなかった。<br /><br />ゆきさんちでお茶を飲む。古い家をそのまま吹き抜けにしたムードあるつくり。とても落ち着く。島の店ではその店独自のデザインしたTシャツを売っている。民宿はハンマーヘッド(シュモクザメ)のデザインだった。<br /><br />西崎に行く。日本の最西端というわけだ。視界の270度以上が海だ。海、海、海といった感じだ。この海の向こうはどこだろう。<br /><br />虫網でなにか捕っている男の人たちを見かけた。蝶はたくさんいる。蝶を捕っているのかな。ここで捕ってもいいのかな。<br /><br />部屋は海側ではなかったが、食堂から海が見える。夕日は食堂から眺めるとしよう。与那国は一般の観光客よりダイビングや釣りのメッカのようだ。若い人たちが多い。ダイビング用だからか、トイレとシャワーが一緒だった。こういうと当たり前に聞こえるが、シャワーとトイレの区切りがなく一体なのである。<br />初めての経験だ。<br /><br />明日の朝8時に、海底遺跡にジャックス・ドルフィン号で行きたいと申し込んであったが、就航するかどうか風によるとのことで、島についてから電話をしてほしいと言われていた。連絡をすると、朝にならないとわからないという返事。そこで残念だがあきらめた。南風が強いと船は出せないようだ。海底遺跡はテレビでも取り上げられていたから、実物を見たいとは思っていたのだが。<br /><br />海底遺跡:<br />http://www.ocvb.or.jp/html/yonaguni/main.html<br /><br />ここには洗濯機も乾燥機も備え付けられていたので、洗濯をした。便利だなぁ。<br /><br /><br />

南の島へ3

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2005/11/08 - 2005/11/15

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buchijoyce

buchijoyceさん

石垣島→与那国島

11月10日
起床7時。7時半、支度をして食事に行く。そこで1FにOAコーナーがあることに気がついた。一足先に下におり、ちょっとのぞきに行く。
9時空港へ向かう。荷物を預けようとしてPapasanが荷物を持っていないことに気がつく。荷物といってもバッグひとつなのだが、それでもパソコンもフィルムが入っている。あわててとりに戻る。なんと部屋に忘れていた。タクシーに待っていてもらい、受け取って再び空港へ。
「ふ〜ん、早発ちするのはこういうためなんだ」とさんざんからかう。

10;30 与那国島行き。晴れていたので、西表、鳩間、宮古ときれいな島々を眼下に見ることが出来た。与那国島まで25分、ほんのひとっとびだ。空港にホンダのレンタカーがシビックを用意して待っていてくれた。

与那国は方言でドナンという。周囲27.49km。面積28.88平方キロ。
人口1,854人(H17)。与那国島は与那国町である。

与那国は暑い。日差しも強い。サングラスをかけた。
まずはアヤミハビル館へ行く。宇良部岳の途中にある町営の展示館である。生きているヨナクニサンを見たかったのだが、ヨナクニサンは5月から10月までしか見ることは出来ないとのことだった。
ヨナクニサンは世界最大の蛾だ。いまは保護条例で採集が禁止されているが、以前は売買の対象として乱獲され、その数を減らしてしまった。沖縄県の天然記念物に指定され、保護増殖事業が行われているとのことだ。
ビデオが上映されるので、それでヨナクニサンの一生を見ることができる。
格子に編まれた網にぶら下がっているさなぎの抜け殻だけは見ることができた。それでも大きい。ヨナクニサンは現地ではアヤミハビルという。「アヤミ」とは「模様のある」、「ハビル」は「蝶、蛾」の意味だ。蝶の標本はたくさんあった。生きているものはトカゲ、ナナフシ、カメ、ヘビ(ヨナクニシューダ)、魚、リュウキュウコノハズク、などがいた。

ひとまず祖納(そない)まで戻って食事をすることにした。与那国はカジキマグロや車えびで有名である。と海の幸を食べさせてもらえるところを探したが、あいにく多くが定休日。ツイてない。そこで食堂に入って長命草そばを食べる。長命草ってイタリアンパセリみたいな草だ。でもそばに打ち込んでしまうと色だけは鮮やかだが、香りも味も感じられない。そばに刺身もついていた。

東崎(あがりざき)につく。展望台の下には与那国馬が草をはんでいる。やせている。野生馬なんだろうか。遠くに島影が見える。「台湾じゃない?」
「台湾は方角が違うよ」「西表かぁ」「そんな簡単に台湾が見えるはずないよね」
「台風が近づいているとき台湾が見えるんだって」「じゃぁ、見えない方がいいかなぁ」。車で磯までいける。上から透けて見える磯の色が実に美しい。
近く与那国マラソンが予定されていて、あちこちに何キロ地点という立て札が見られた。
道なりに「さんにヌだい」展望台へ行く。偽木で作られた遊歩道を下ると、まず目に飛び込んで来るのは軍艦岩だ。さらに進むと断崖の下は岩の千畳敷。
海をバックにコンサートや薪能ができそうだ。
続いて立神石展望台、海の色が実に美しい。立神石は与那国島のシンボル的存在だ。なるほど、巨石がぬっと海中から突き出ている。しかし午後の光は逆行になってしまって岩は黒く見えるだけ。ちょっと残念。

比川浜で花塩を買った。与那国で作られているこの花塩のことは知っていた。
「黒潮」と「花塩」と言う二つの銘柄がある。しかし一粒口に含むやその差は歴然。同じ海水を使った塩なのにこんなにまで味が違うとは。花塩には甘みさえ感じられる。花塩を買った。花塩は350g 1600円。

海岸線をまわると久部良に着いた。目についたのは今日泊まる、よしまる荘。民宿に荷物を預け、久部良バリを見に行った。久部良バリという標識はあるが、どこだかわからない。左手に行くと、最後の夕日が見える丘についた。でもここはバリではない。今度は右手を捜す。バリとは岩の割れ目のことで、以前、新聞で写真と文を読んだことがある。ここには悲しい女たちの歴史がある。

八重山諸島は1637年に導入された過酷な人頭税に苦しめられていた。与那国も例外ではなかった。人頭税とは文字通り人に税をかけたのである。15歳から50歳まで、男にはランクをつけ取り立てた。15歳から50歳までの女には上布(織物)を提供させた。それも検査が厳しく上等のものでなければならなかった。家族が多ければ多いだけ税金も多くなる。さらに労働力の提供など、過酷な税であった。そもそも人頭税は1609年薩摩の島津藩が琉球を併合したことから始まる。年貢に苦しんだ琉球は1637年から宮古・八重山に特別に人頭税(当時は頭懸と言った)を課したのだった。人頭税が廃止されるのはなんと1903年、八重山の島々には人頭税廃止の記念碑がある。

およそ200年前のことだ。人減らしのため妊婦たちが集められ、この3mほどの岩の裂け目、久部良バリを飛び越えさせられた。必死に飛び越えたようとした妊婦たちの多くは転落して息絶えた、運良く飛び超えられたとしても流産の憂き目にあったのであった。

同じようにいまはサトウキビ畑になっている人舛田(トゥングダ)にも人減らしの悲惨な歴史がある。久部良バリと同じ頃、200年前ごろ、すべての島人を突然招集し、時間内にこの田に入れなかった者は惨殺されたというのだ。

そのまま島の伝統工芸館へ行った。与那国の織物は500年ぐらいの伝統がある。ちょうど講堂で講演がおこなわれていて、作業をを見ることは出来なかった。売店で苧麻(ちょま)の花織の小品を買ったが、この花織りも昔は役人だけしか着ることができなかった。

ゆきさんちでお茶を飲む。古い家をそのまま吹き抜けにしたムードあるつくり。とても落ち着く。島の店ではその店独自のデザインしたTシャツを売っている。民宿はハンマーヘッド(シュモクザメ)のデザインだった。

西崎に行く。日本の最西端というわけだ。視界の270度以上が海だ。海、海、海といった感じだ。この海の向こうはどこだろう。

虫網でなにか捕っている男の人たちを見かけた。蝶はたくさんいる。蝶を捕っているのかな。ここで捕ってもいいのかな。

部屋は海側ではなかったが、食堂から海が見える。夕日は食堂から眺めるとしよう。与那国は一般の観光客よりダイビングや釣りのメッカのようだ。若い人たちが多い。ダイビング用だからか、トイレとシャワーが一緒だった。こういうと当たり前に聞こえるが、シャワーとトイレの区切りがなく一体なのである。
初めての経験だ。

明日の朝8時に、海底遺跡にジャックス・ドルフィン号で行きたいと申し込んであったが、就航するかどうか風によるとのことで、島についてから電話をしてほしいと言われていた。連絡をすると、朝にならないとわからないという返事。そこで残念だがあきらめた。南風が強いと船は出せないようだ。海底遺跡はテレビでも取り上げられていたから、実物を見たいとは思っていたのだが。

海底遺跡:
http://www.ocvb.or.jp/html/yonaguni/main.html

ここには洗濯機も乾燥機も備え付けられていたので、洗濯をした。便利だなぁ。


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