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西表島→石垣島<br /><br />11月12日 雨<br /><br />夜窓を開けっ放しで寝ていたら雨の音。あわてて洗濯物を入れ、窓を閉める。<br /><br />タイミングが悪く、港に着くと9時20分の仲間川遊覧船が出て行くところだった。次は12時50分、水中観測船の「うみえーる」も14時までない。それまでドライブをして、時間をつぶすことにする。<br /><br />今度は反対方向の道路の終点、南風見田の浜(はえみだのはま)へ行く。「忘勿石」を見るためである。この石にも悲劇の歴史がある。<br /><br />太平洋戦争中、波照間島にいた日本軍が、波照間島人を全員、西表島の南風見田に強制疎開させた。当時の西表島はマラリヤ汚染地域であった。労働と栄養失調とマラリア。八重山の多くの島民がここで犠牲になった。いまは遊園地になっている由布島にマラリヤ蚊をさけて夜だけ避難したという。その結果、波照間島では帰島しても98%がマラリヤにかかり、3人に1人が犠牲になった。敗戦とともに帰島がかない、この地を去るとき、波照間の国民学校の校長先生がこのことを忘れないように波照間の方角の見える石に刻んだのが「忘勿石」である。<br /><br />実はこの歴史の悲劇はまだ終わってはいないのだ。戦後40年経って、波照間の島人たちはこの事実をもとに国に補償をもとめて立ち上がった。しかし国の厚い壁に阻まれ、補償は妥協に終わったが、そのかわり祈念館にマラリヤ被害の歴史を残すことになった。ところが展示内容は歴史の事実を改ざんしたものだった。島人たちはその改ざんを改めるように求めて訴え、いまなお裁判は継続中である。<br /><br />私がこの事実を知ったのはテレビのドキュメントでだった。はじめての八重山旅行の竹富島で島の高齢者からマラリヤの悲惨な話を聞いて帰ったちょうどその時であった。このドキュメントを見てから、サトウキビ畑の波照間に行って見たいと思っていた。<br />戦後60年、国内のことすら解決していない。ましてやよその国においておや・・だ。<br /><br />道路の終点から南風見田の浜までは細い、それでも舗装された道が海岸まで続いている。蝶がやたらと舞っている。南風見田の浜はリーフの内側にあるきれいな砂浜だ。誰もいない海。引き潮だ。波は打ち寄せず、ただただ後退していく。雨だから白い砂が湿っていて歩くのはラクだった。景色としては晴れた方が美しいだろうが、いや晴れていたら暑くてやりきれないだろう。<br /><br />サキシマスオウの群生地に行く。ここも天然記念物に指定されている。雨にぬれた幹は凄味すらある。<br />近くの川でマングローブを眺めている。引き潮なので、シオマネキやミナミトビハゼが忙しく動いているのが見える。<br /><br />港に戻って、うみえ〜るの待合室で食事をする。西表そばと書いてあるので、それを注文すると、隣にいたおじさんが「西表そばなんてない、八重山そばだ」と言った。そのおじさん、パナリまで出してやってもいい、私が食べたがっていたノコギリガザミもある、と言ってくれたが、もう時間がない。午前中だったらなぁ、時間をつぶしていたのに。<br /><br />12時50分発の遊覧船に乗って、仲間川をさかのぼる。雨が降っているので船内にいる。<br />大きなサキシマスオウの近くで遊覧船はストップ。木道が作られ、歩きやすくなっている。遊歩道の目的は観光客のためよりは、植物の保護にあるのだろう。とにかくこのサキシマスオウは観光の目玉で、大勢の観光客が訪れる。以前来たときは根元に絶え間なく観光客がたち、記念写真を撮っていて、全体の写真を撮ることができなかった。そういう意味でも木道は役立っている。<br /><br />うみえ〜るに乗る。お客は10人ぐらいしかいない。第三セクターで運営しているそうだ。船は走ってパナリ(新城島・あらぐすくしま)近くの国立海底公園に着くと、キャビンが水中に沈んで海底が見える仕組みになっている。これはおもしろい。底を見るのではなく、横から見ることになる。珊瑚、熱帯魚がたくさん見える。一生懸命見ていたら、いささか頭が痛くなってしまった。<br /><br />うみえ〜るから戻って船で石垣に向かう。今日から離島桟橋近くのイーストチャイナシーに連泊する。部屋は12階。船の度入りがよく見える。目の前には竹富島、その向こうに西表島・・・景色はいい。<br /><br />荷物を置いて、アーケード街をぶらつく。公設市場にゴーヤのピクルスがあった。試食すると味はレストランの方が美味しかったが、ゴーヤ仲間たちに披露するため何個も買った。タクシーで地元のネタを使っているすし屋れて行ってもらった。シャコガイの貝柱が美味しかった。「マグロは何があるの?」って聞くと「マグロ」と答える。「本マグロ?メジ?カジキ?」と聞いても「マグロ」「???」マグロを握ってもらったら、赤身だった。マグロは関東の方がいいねぇ。<br />

南の島へ5

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2005/11/08 - 2005/11/15

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buchijoyce

buchijoyceさん

西表島→石垣島

11月12日 雨

夜窓を開けっ放しで寝ていたら雨の音。あわてて洗濯物を入れ、窓を閉める。

タイミングが悪く、港に着くと9時20分の仲間川遊覧船が出て行くところだった。次は12時50分、水中観測船の「うみえーる」も14時までない。それまでドライブをして、時間をつぶすことにする。

今度は反対方向の道路の終点、南風見田の浜(はえみだのはま)へ行く。「忘勿石」を見るためである。この石にも悲劇の歴史がある。

太平洋戦争中、波照間島にいた日本軍が、波照間島人を全員、西表島の南風見田に強制疎開させた。当時の西表島はマラリヤ汚染地域であった。労働と栄養失調とマラリア。八重山の多くの島民がここで犠牲になった。いまは遊園地になっている由布島にマラリヤ蚊をさけて夜だけ避難したという。その結果、波照間島では帰島しても98%がマラリヤにかかり、3人に1人が犠牲になった。敗戦とともに帰島がかない、この地を去るとき、波照間の国民学校の校長先生がこのことを忘れないように波照間の方角の見える石に刻んだのが「忘勿石」である。

実はこの歴史の悲劇はまだ終わってはいないのだ。戦後40年経って、波照間の島人たちはこの事実をもとに国に補償をもとめて立ち上がった。しかし国の厚い壁に阻まれ、補償は妥協に終わったが、そのかわり祈念館にマラリヤ被害の歴史を残すことになった。ところが展示内容は歴史の事実を改ざんしたものだった。島人たちはその改ざんを改めるように求めて訴え、いまなお裁判は継続中である。

私がこの事実を知ったのはテレビのドキュメントでだった。はじめての八重山旅行の竹富島で島の高齢者からマラリヤの悲惨な話を聞いて帰ったちょうどその時であった。このドキュメントを見てから、サトウキビ畑の波照間に行って見たいと思っていた。
戦後60年、国内のことすら解決していない。ましてやよその国においておや・・だ。

道路の終点から南風見田の浜までは細い、それでも舗装された道が海岸まで続いている。蝶がやたらと舞っている。南風見田の浜はリーフの内側にあるきれいな砂浜だ。誰もいない海。引き潮だ。波は打ち寄せず、ただただ後退していく。雨だから白い砂が湿っていて歩くのはラクだった。景色としては晴れた方が美しいだろうが、いや晴れていたら暑くてやりきれないだろう。

サキシマスオウの群生地に行く。ここも天然記念物に指定されている。雨にぬれた幹は凄味すらある。
近くの川でマングローブを眺めている。引き潮なので、シオマネキやミナミトビハゼが忙しく動いているのが見える。

港に戻って、うみえ〜るの待合室で食事をする。西表そばと書いてあるので、それを注文すると、隣にいたおじさんが「西表そばなんてない、八重山そばだ」と言った。そのおじさん、パナリまで出してやってもいい、私が食べたがっていたノコギリガザミもある、と言ってくれたが、もう時間がない。午前中だったらなぁ、時間をつぶしていたのに。

12時50分発の遊覧船に乗って、仲間川をさかのぼる。雨が降っているので船内にいる。
大きなサキシマスオウの近くで遊覧船はストップ。木道が作られ、歩きやすくなっている。遊歩道の目的は観光客のためよりは、植物の保護にあるのだろう。とにかくこのサキシマスオウは観光の目玉で、大勢の観光客が訪れる。以前来たときは根元に絶え間なく観光客がたち、記念写真を撮っていて、全体の写真を撮ることができなかった。そういう意味でも木道は役立っている。

うみえ〜るに乗る。お客は10人ぐらいしかいない。第三セクターで運営しているそうだ。船は走ってパナリ(新城島・あらぐすくしま)近くの国立海底公園に着くと、キャビンが水中に沈んで海底が見える仕組みになっている。これはおもしろい。底を見るのではなく、横から見ることになる。珊瑚、熱帯魚がたくさん見える。一生懸命見ていたら、いささか頭が痛くなってしまった。

うみえ〜るから戻って船で石垣に向かう。今日から離島桟橋近くのイーストチャイナシーに連泊する。部屋は12階。船の度入りがよく見える。目の前には竹富島、その向こうに西表島・・・景色はいい。

荷物を置いて、アーケード街をぶらつく。公設市場にゴーヤのピクルスがあった。試食すると味はレストランの方が美味しかったが、ゴーヤ仲間たちに披露するため何個も買った。タクシーで地元のネタを使っているすし屋れて行ってもらった。シャコガイの貝柱が美味しかった。「マグロは何があるの?」って聞くと「マグロ」と答える。「本マグロ?メジ?カジキ?」と聞いても「マグロ」「???」マグロを握ってもらったら、赤身だった。マグロは関東の方がいいねぇ。

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  • サキシマスオウ

    サキシマスオウ

  • サキシマスオウ

    サキシマスオウ

  • サキシマスオウの群生地

    サキシマスオウの群生地

  • マングローブ

    マングローブ

  • 南風見田の浜

    南風見田の浜

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