マサイマラ国立保護区周辺旅行記(ブログ) 一覧に戻る
マサイマラ<br /><br />7月7日(水)<br /><br />5時起床。ほんとに毎日早起きだ。自然と目がさめるから健康だ。<br /><br />今朝がたもイノシシのようななきごえがテラスのすぐそばから聞こえた。カーテンを開け、懐中電灯で照らしてみたが、何も見えない。しばらくするとまた声がする。また起き出して外を見るが、やはり何も見えない。明日はテラスに出てみたいが、着こまないと寒そう。<br /><br />鳥の声が聞こえ始める。5時半、ベッドから抜け出し、着替えをはじめる。6時25分、車のそばに行く。もう車は集結している。モーニングゲームドライブはこれが最後だ。<br /><br />広い広いマサイマラ、一面枯葉色に覆われて、所々に木がぽつんぽつんとある。ちょっと見には広大なゴルフ場のような感じだ。<br /><br />ブチハイエナの群れ、9匹いる。1匹がなにやらくわえて走っている。それをとろうと数匹が追いかけている。これは遊びだろう。さしずめハイエナのサッカーだ。ハイエナははいつも尻尾をまるめて、いじけた姿で歩いている。でも嬉々として遊んでいるときはちゃんと尾っぽがあがっている。犬の仲間だねぇ。<br />1匹のハイエナの首に首輪がついている。たぶんそこから無線が発信されているのだろう。側面に「ハイエナ リサーチ」とかかれた研究者の車がすかざす傍によって行く。ハイエナの何を調べているのかなぁ。おもしろそうだ。<br /><br />おや、小高い地点の叢に、サファリカーが集結している。何かいるらしい。ライオンだ。オスにメス3頭。寝ぼけ眼でこちらを見ている。やがてメスが1匹立ちあがって、ブッシュにもぐっていった。それを追うようにオスが立ちあがり、ブッシュのそばでお尻をあげた。「マーキングだよ」と言うと果たしておしっこをかけた。ライオンはまさに大きなネコだ。<br /><br />「シマウマって家畜に出来ないの?」<br />「できない」<br />「野生動物だから規制されてるの?」<br />「シマウマは背中が弱い」<br />「あぁ、重いものを背負えないんだ。じゃぁ肉は食べないの?」<br />「・・・・・」<br />「あのお尻むっちりしていておいしそうだけどなぁ」<br />段々質問が悪くなる。<br /><br />木の上に1羽ハゲワシがいる。と見る間に地面に舞い降りた。<br />なにをするのかと見ていると、草をむしり始めた。巣作りのためらしい。草を引きちぎり引きちぎり、落ちた草も拾ってまとめてくわえ、さっきの木の上に持っていった。木の枝下にはハタオリドリの巣がいっぱい。ハタオリドリにとっては、ハゲワシは外敵から守ってくれる強い味方なのかもしれない。<br /><br />Hさんがトイレに行きたいと言いだした。そこからロッジまですっとばしても20分。<br />「外に出ていいなら青空トイレでもいいんだけど」<br />「そうだよねぇ、みんな慣れてるものね」(註・ウズベキスタンで経験済み)<br />「草むらにしゃがんでいたら他のサファリカーが珍獣発見だとよってくるよ」<br />「それよりさ、戻ってみたら帽子と靴だけになってるかもよ」<br />なんてまわりは勝手なことを言っている。本人は冷や汗ものなのに。<br />思えばしらずのうちに車はいつも遠くまで来ていることになる。<br />トイレに飛び込んだHさん、間に合った。でも、お腹をこわしたという。食べすぎだと思うけど、下痢止めをあげた。これで二人目。<br /><br />朝食。心配をよそにHさん、もりもり食べている。この調子なら大丈夫だ。もっともこれはもうお笑いだが、下痢止めを2錠のところ3錠飲んだら下痢は止まったが、便秘になってしまった、というオチがつく。「(便秘症の)Nさんに下剤をもらったら〜」<br /><br />午前中、私はテラスで野鳥の様子を見ている。ブルブル(ヒヨドリの仲間)がいる。ロビンもいる。向こうの木の上にはユーラシアツバメ、ハゲコウも飛んでいる。紅スズメのようなフィンチのつがいもいる。<br />三光鳥に似た、尾の長い鳥が前の大きな木に群がっている。尻尾はオレンジ色だ。本で調べるとparadise flycatcherとある。<br /><br />すこし暑くなったので、テラスのガラス戸をあけたまま机に向かっていると、なにやら後でばさばさという音。振り返るとサバンナモンキーがHさんのベッドの上にあったお茶のビンを袋から出している。「こら!」と怒鳴ると、いそいでポリ袋だけ持って出ていった。ポリ袋はポリ袋、どっかに捨てられたらゴミになる。もっともお茶のビンにしてもなんにも入っていないのだが。<br /><br />昼食に行ってパンやクッキーをもらってきた。サルが出てきたので、すこしやった。あとはテラスから地面にまいておいた。<br />カケスみたいななきごえの鳥が拾いにきた。<br /><br />4時からゲームサファリ。<br />ダンカンさんに「部屋に泥棒が入った」というと、「サルでしょう」と笑った。「サルはいつも泥棒です」<br /><br />ワシを何種類も見た。私の鳥好きが分かったので、ダンカンさんが鳥も教えてくれる。ソーセージツリーなんてへちまのオバケみたいな実がたれさがっている木も教えてもらった。<br /><br />ライオンを見ての帰り、同じ旅行社の車に会った。客は年配の日本人一行。ドライバーはダンカンさんの親友だそうだ。<br />私も窓を開け、「ジャンボ。シンバ、シンバ、サワサーワ」とシンバ(ライオン)がいたことを教える。ダンカンさんが笑いながら「この人たちは日本人じゃない。ケニア人だよ」と英語で冗談を言っている。乗っている日本人たちに「ジャンボ」と声をかけてもむすっとしている。あげくにこちらを見ながら「一番面白いのは人間ウォッチングだ」なんて日本語でぬかしている。<br />えっ、私たちのこと、ほんとに日本人じゃないと思ったの?まさかねぇ!<br /><br />ライオン、象、そして圧巻はチーター。チーターはスワヒリ語でドゥマという。ガゼルをしとめて、まだほうりっぱなしで息をついているチーターをごくごくまじかで見る。お気に入りのチーターに何回もあえて、ほんと、うれしい。<br /><br />ホテルの近くまで戻って、サバンナに沈む夕日を沈むまで眺めていた。きれいな夕日。それぞれにそれぞれの思いを込めて、サファリ最後の夕日を静かに眺めていた。<br /><br />ロッジに帰ると、従業員たちにやたらと、<br />「レオ クミョーナ シンバ ナ ドゥマ ナ サンドゥーナ。」<br />(今日、ライオンとチーターと夕日を見た)としゃべりまくった。ちゃんと通じた。<br /><br />夕食のとき、すっかりおなじみになったボーイのジュリアスに<br />「なんでここにはウガリがないの?私はウガリが好きなんだけど」というと、「ちょっと待って」と裏から一切れウガリを持ってきてくれた。きっと従業員用だったのだろう。そして<br />「ニナ ペンダ ウガリ.(I like Ugari.)」と教えてくれた。さらに「ペンダ」はlikeもloveも含むと。<br />「じゃぁ、youはなんていうの?」<br />「ウウェ。」<br />「ニナ ペンダ ウウェ。でいいの?」<br />「OK.」<br />「サワサーワ(OK)ね。」<br />目的語に名詞を入れ替えればいいんだから、これは使える。<br /><br />売店で買い物をしていると、「ジャンボ」とダンカンさんが声をかけた。ちょうどいい。「ニナ ペンダ ダンカン。サワサーワ?」ダンカンさんは大笑い。そうだよね。オバサンたちに言われたって、うれしくないよね。<br /><br />

ジャンボ ハバリ8

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2004/07/01 - 2004/07/13

449位(同エリア466件中)

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buchijoyce

buchijoyceさん

マサイマラ

7月7日(水)

5時起床。ほんとに毎日早起きだ。自然と目がさめるから健康だ。

今朝がたもイノシシのようななきごえがテラスのすぐそばから聞こえた。カーテンを開け、懐中電灯で照らしてみたが、何も見えない。しばらくするとまた声がする。また起き出して外を見るが、やはり何も見えない。明日はテラスに出てみたいが、着こまないと寒そう。

鳥の声が聞こえ始める。5時半、ベッドから抜け出し、着替えをはじめる。6時25分、車のそばに行く。もう車は集結している。モーニングゲームドライブはこれが最後だ。

広い広いマサイマラ、一面枯葉色に覆われて、所々に木がぽつんぽつんとある。ちょっと見には広大なゴルフ場のような感じだ。

ブチハイエナの群れ、9匹いる。1匹がなにやらくわえて走っている。それをとろうと数匹が追いかけている。これは遊びだろう。さしずめハイエナのサッカーだ。ハイエナははいつも尻尾をまるめて、いじけた姿で歩いている。でも嬉々として遊んでいるときはちゃんと尾っぽがあがっている。犬の仲間だねぇ。
1匹のハイエナの首に首輪がついている。たぶんそこから無線が発信されているのだろう。側面に「ハイエナ リサーチ」とかかれた研究者の車がすかざす傍によって行く。ハイエナの何を調べているのかなぁ。おもしろそうだ。

おや、小高い地点の叢に、サファリカーが集結している。何かいるらしい。ライオンだ。オスにメス3頭。寝ぼけ眼でこちらを見ている。やがてメスが1匹立ちあがって、ブッシュにもぐっていった。それを追うようにオスが立ちあがり、ブッシュのそばでお尻をあげた。「マーキングだよ」と言うと果たしておしっこをかけた。ライオンはまさに大きなネコだ。

「シマウマって家畜に出来ないの?」
「できない」
「野生動物だから規制されてるの?」
「シマウマは背中が弱い」
「あぁ、重いものを背負えないんだ。じゃぁ肉は食べないの?」
「・・・・・」
「あのお尻むっちりしていておいしそうだけどなぁ」
段々質問が悪くなる。

木の上に1羽ハゲワシがいる。と見る間に地面に舞い降りた。
なにをするのかと見ていると、草をむしり始めた。巣作りのためらしい。草を引きちぎり引きちぎり、落ちた草も拾ってまとめてくわえ、さっきの木の上に持っていった。木の枝下にはハタオリドリの巣がいっぱい。ハタオリドリにとっては、ハゲワシは外敵から守ってくれる強い味方なのかもしれない。

Hさんがトイレに行きたいと言いだした。そこからロッジまですっとばしても20分。
「外に出ていいなら青空トイレでもいいんだけど」
「そうだよねぇ、みんな慣れてるものね」(註・ウズベキスタンで経験済み)
「草むらにしゃがんでいたら他のサファリカーが珍獣発見だとよってくるよ」
「それよりさ、戻ってみたら帽子と靴だけになってるかもよ」
なんてまわりは勝手なことを言っている。本人は冷や汗ものなのに。
思えばしらずのうちに車はいつも遠くまで来ていることになる。
トイレに飛び込んだHさん、間に合った。でも、お腹をこわしたという。食べすぎだと思うけど、下痢止めをあげた。これで二人目。

朝食。心配をよそにHさん、もりもり食べている。この調子なら大丈夫だ。もっともこれはもうお笑いだが、下痢止めを2錠のところ3錠飲んだら下痢は止まったが、便秘になってしまった、というオチがつく。「(便秘症の)Nさんに下剤をもらったら〜」

午前中、私はテラスで野鳥の様子を見ている。ブルブル(ヒヨドリの仲間)がいる。ロビンもいる。向こうの木の上にはユーラシアツバメ、ハゲコウも飛んでいる。紅スズメのようなフィンチのつがいもいる。
三光鳥に似た、尾の長い鳥が前の大きな木に群がっている。尻尾はオレンジ色だ。本で調べるとparadise flycatcherとある。

すこし暑くなったので、テラスのガラス戸をあけたまま机に向かっていると、なにやら後でばさばさという音。振り返るとサバンナモンキーがHさんのベッドの上にあったお茶のビンを袋から出している。「こら!」と怒鳴ると、いそいでポリ袋だけ持って出ていった。ポリ袋はポリ袋、どっかに捨てられたらゴミになる。もっともお茶のビンにしてもなんにも入っていないのだが。

昼食に行ってパンやクッキーをもらってきた。サルが出てきたので、すこしやった。あとはテラスから地面にまいておいた。
カケスみたいななきごえの鳥が拾いにきた。

4時からゲームサファリ。
ダンカンさんに「部屋に泥棒が入った」というと、「サルでしょう」と笑った。「サルはいつも泥棒です」

ワシを何種類も見た。私の鳥好きが分かったので、ダンカンさんが鳥も教えてくれる。ソーセージツリーなんてへちまのオバケみたいな実がたれさがっている木も教えてもらった。

ライオンを見ての帰り、同じ旅行社の車に会った。客は年配の日本人一行。ドライバーはダンカンさんの親友だそうだ。
私も窓を開け、「ジャンボ。シンバ、シンバ、サワサーワ」とシンバ(ライオン)がいたことを教える。ダンカンさんが笑いながら「この人たちは日本人じゃない。ケニア人だよ」と英語で冗談を言っている。乗っている日本人たちに「ジャンボ」と声をかけてもむすっとしている。あげくにこちらを見ながら「一番面白いのは人間ウォッチングだ」なんて日本語でぬかしている。
えっ、私たちのこと、ほんとに日本人じゃないと思ったの?まさかねぇ!

ライオン、象、そして圧巻はチーター。チーターはスワヒリ語でドゥマという。ガゼルをしとめて、まだほうりっぱなしで息をついているチーターをごくごくまじかで見る。お気に入りのチーターに何回もあえて、ほんと、うれしい。

ホテルの近くまで戻って、サバンナに沈む夕日を沈むまで眺めていた。きれいな夕日。それぞれにそれぞれの思いを込めて、サファリ最後の夕日を静かに眺めていた。

ロッジに帰ると、従業員たちにやたらと、
「レオ クミョーナ シンバ ナ ドゥマ ナ サンドゥーナ。」
(今日、ライオンとチーターと夕日を見た)としゃべりまくった。ちゃんと通じた。

夕食のとき、すっかりおなじみになったボーイのジュリアスに
「なんでここにはウガリがないの?私はウガリが好きなんだけど」というと、「ちょっと待って」と裏から一切れウガリを持ってきてくれた。きっと従業員用だったのだろう。そして
「ニナ ペンダ ウガリ.(I like Ugari.)」と教えてくれた。さらに「ペンダ」はlikeもloveも含むと。
「じゃぁ、youはなんていうの?」
「ウウェ。」
「ニナ ペンダ ウウェ。でいいの?」
「OK.」
「サワサーワ(OK)ね。」
目的語に名詞を入れ替えればいいんだから、これは使える。

売店で買い物をしていると、「ジャンボ」とダンカンさんが声をかけた。ちょうどいい。「ニナ ペンダ ダンカン。サワサーワ?」ダンカンさんは大笑い。そうだよね。オバサンたちに言われたって、うれしくないよね。

  • チーターがしとめたガゼル

    チーターがしとめたガゼル

  • ハゲワシの木

    ハゲワシの木

  • 翼を広げたハゲワシ

    翼を広げたハゲワシ

  • イボイノシシ

    イボイノシシ

  • サンセット

    サンセット

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