2006/06/08 - 2006/06/20
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captainさん
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トルコ軍楽隊が好きだった。もの悲しいオリエンタルな調べと派手な打楽器の奇妙なコントラストに常に懐かしさを感じていた。なぜかは解らない。
モンゴル帝国以来の、久々のアジア人による大帝国の建設。それはまさに、前述の軍楽隊を擁するオスマントルコ軍によってなされた。キリスト教圏から交通、貿易の要衝を奪い去るアジア系トルコ民族の勃興と、後にウィーンまで包囲してしまうその軍事力の驚異が「コンスタンチノープルの征服」に象徴される。
後に近代合理主義、ルネサンスへと繋がるビザンチン帝国の終焉。ゲルマン人の侵入によるローマ帝国分断以降続いた、暗黒時代と中世、キリスト教が真の意味で人々を支配した時代の終わり。「俺たち、政教分離しないともうダメかも」と思っていたことが決定的になった日。「こりゃ神に縋っても、もうダメだわ。しゃんとせんといかんな」とヨーロッパ人達が確信した日。それが1453年5月29日の「コンスタンチノープルの陥落」
大きな歴史の転換を目撃した都市イスタンブールへお邪魔します。あと周辺も。
塩野七生著「コンスタンチノープルの陥落」を当地テオドシウス城壁で読むことを主目標に据え、約10日間のトルコ見物。
イスタンブール パムッカレ エフェス サフランボル ハットゥサ カッパドキアにお邪魔したドキドキ個人旅行。
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旅の準備
というわけで、愛知万博で耳にこべりついてしまった「ドンドルマのテーマ http://www.tugba.co.jp/don_top.html 」を口ずさみながらトルコ旅行準備。
航空券の手配を起点として、計画を練る。
1,宿泊予約
客引きの強引さは伝え聞いていたので、高度情報社会の利を活かし、宿泊先はだいたいメールで予約を入れる。
2,交通予約
国内航空編(トルコ航空東京支社価格)
トルコ国内の移動に一度飛行機を使うことにしたので、トルコ航空のHPにアクセスするも、オンライン予約がうまくいかない。
仕方なく東京のトルコ航空支社に電話で問い合わせ、内容を伝えると「日本からの手配は高くなりますよ。」と言われ、2倍ぐらいを提示されたことに少し落ち込む。とりあえず丁重にお断り申し上げ、他のトルコ国内の航空会社のHPを検索するがトルコ語表示の嵐に断念する。ベタに「地球の歩き方」を熟読していると、トルコ航空の正規代理店「ARGEUS TRAVEL」がカッパドキアにあるらしい。早速コンタクト。空港までのシャトルバスを含め一人123USDで成立。
少し高くなったが、「トルコ航空東京支社価格」よりはかなり安く済んだので小躍り。
国鉄編(観光産業は手数料でまわっている。)
トルコ国内交通はバスが要らしいが、夜通しバスに乗る苦痛を想像し、青ざめる。8時間もバスに!なんて苦行だOMG!
トルコに関するHPを漁っているとナイスな寝台列車の情報が。
在りし日のオリエント急行の勇姿を思い浮かべると同時に、アガサクリスティの「オリエント急行殺人事件」の始発駅はイスタンブールのシルケジ駅だったことを思い出し興奮。
早速予約にとりかかるが、トルコ国鉄TCDDのオンライン予約はトルコ語表記。翻訳ページとの往復でストレスを溜めた後、得た情報は、
「オンライン予約には、トルコ政府が発行する国民IDが必要です」っぽいので、オンライン予約を諦める。国際電話で試みるも、英語がまったく通じず断念。
日本の旅行代理店を当たるが、航空券とセットでなきゃダメとか、
色々理由を付けて断られる。航空券を買ったH.I.Sにも断られる。
次にトルコ国内の旅行代理店を当たるが、ほとんどに断られる。
なぜだ!国営だから手数料もらえんのか!いろいろありますわな。
現地代理店の1社(http://www.tur-ista.com)から回答があったが、到着日に乗る予定のためチケットを渡す時間が無いということで断られる。しかしこの回答文には「その日に駅で予約して乗れるに違いない!空港から駅まで直接行って、頑張ればギリで間に合うぜ!」というメッセージと行き方が丁寧に書き添えられてあり、「GOOD LUCK!」で結ばれていた。この旅行社にはなんの利益も無いはずなのに、この親切な回答。なんてナイスガイだ!
嬉しくなって、念のため予備の日程を組み、当日飛び込み現地予約という、その一点に全てを賭ける。
3,荷物
できるだけ減らすことを心がける。
A.スーツケースを運ぶ移動を想像して泣きそうになり、リュックに決める。ヒップバックとの組み合わせで、トラベルマンが完成。
B.精一杯のオシャレシャツとオシャレパンツとオシャレソックス4日分を用意。お気に入りのディーゼルデニム一本。スポタカの可愛いコギャルに薦められるままに水着を購入。(クアラルンプールでのトランジットで購入すればヨカッタかも。オシャレかつ安い)
C.胃腸の弱さには定評があるため抗生物質を含むモノと、標準的なモノの下痢止めを2種類用意。
D.また、塩野七生著「コンスタンチノープルの陥落」新潮文庫刊を、ブックカバーに入れる。これを忘れてはシャレにならないので、持ち物リストの先頭に挙げた上、数度の確認を行う。
E.i-podプレイリストの編集も怠ってはならない。
トルコの朝、昼、夜の三種類を用意し、その全てにオスマントルコ軍楽隊を配置する。結果似たような内容になり、作業に虚無感を覚える。
F.デジタルカメラはCFカードで約700M弱を用意した上、ミニ三脚を用意。(結果、700Mでは少ないことを痛感。)
G,インスタントの日本食などは軟弱者の持ち物と判断したが、龍角散のど飴はきっちり忍ばせる。
H,日光の強さを伝え聞き、オシャレハットとオシャレグラスを装備に組み込む。(想像以上の日光にやられる。スタイルとして持っていったが、実用面での有用さに驚いた。)
I,旅人っぽくコンパス(方位磁石)もデニムのベルトホルダーに付けたカラビナに組み込む。(これもいわば飾りだったが、地図を参照する際、非常に役立った)
J.LED仕様の強力ペンライトを用意。(停電に備えたが、地下都市ツアー等では、ガイドの説明の後も自力で暗い場所を観察できた)
K.女性は、顔パックセットを持っていくとイイかも知れない。気候は乾燥しているし、移動時間を有効活用している気になれるかもしれない。
などなどを詰め込む。
4,予習
a,ディスカバリーチャンネル放映の「Globe trecker イスタンブール編」を数度鑑賞し、予習をしておく。
b,アメリカ映画「トプカピ」を鑑賞し、30年ほど前のイスタンブールロケで感心した後、内容のあまりのくだらなさに唖然とする。
c,「ロシアより愛を込めて」を鑑賞し、ロシア人のボンドガールにドッキドキするとともに、ショーンコネリーの男前加減に改めて敬服する。前半に出てくる地下宮殿、アヤソフィア大聖堂、グランバザールをチェック。途中出てくるジプシーの可愛娘ちゃん2人の格闘戦にちょっと引く。
d,「オリエント急行殺人事件」で、夜行列車の雰囲気に酔う。
揺れには酔わない。 -
Day 1-1(トラム、ゼイティンブルヌ駅)
クアラルンプールでのトランジットを経て、イスタンブールに到着。
14:40の到着時刻に対し、空港から、アジアサイドにあるハイダルパシャ駅への移動、17:35発ハイダルパシャ発の「パムッカレエクスプレス」のチケット購入と乗車というスケジュールを立てたため、急ぎ気味で動く。むりやり機内持ち込みにした大きな荷物を、着陸後のシートベルト着用サイン解除前に早々と取り出し、マレーシア航空アテンダントに「Excuse me sir!?(まだだろうが!ツインタワーから吊すぞ!)」と怒られる。ごめんなさい。アジアンビューティー。こういうことはやめましょう。
1週間ほど前に火事で焼けたアタテュルク空港は、そんなダメージも垣間見せず。ダッシュで入国審査を終え、親切な旅行社の無償アドバイスに従いシミュレートしていた通り、ATMでYTLを手に入れた後メトロ、トラムと乗り継ぐ。 -
Day1-2(テオドシウス城壁)
トラムから町並みを凝視し、早速テンションが上がる。軌道電車のわりに意外と運転が荒い。急ブレーキがかかるなど、車中で揉まれる。トプカピ駅付近で、今回の旅の目的地であるテオドシウス城壁を発見。嗚呼。通り過ぎる。ちょっと待ってろテオドシウス。アヤソフィアなどを横目に見ながら通過。地形を掴むため地図を広げようとするも、「混雑する車中で新聞を広げる通勤電車のおっさんの姿」を心に描き自制。
メトロ1.1YTL
トラム1.1YTL -
Day1-3(エミノニュ桟橋付近)
トラム、エミノニュ駅で下車し、エミノニュ広場から桟橋に走る!
でかいモスク(Yeni Camii)にびびる。YeniはおそらくNewに相当するトルコ語であろうと思われるが、1663年の建造。どこがNewだ! -
Day1-4(海上ドルムシュからガラタ塔を臨む)
エミノニュ桟橋からハイダルパシャ駅行きのフェリー(海上ドルムシュ)に乗り込む。船内販売のおっさんにチャイを頼んだ時、ガラタ塔を発見し感動のあまり叫ぶ。大都市イスタンブールでも東洋人は少し奇特らしく、衆目を全身に感じる。あ、奇声か。フェリーはガラタ橋をくぐるが、釣り人の針がひっかからないか少し不安になる。
金角湾封鎖の際は、ガラタ塔からトプカピ宮殿付近までを鎖でつないだそうだが、えらく長い鎖だっただろうなー。と歴史ロマン。
フェリー 1YTL
チャイ 1YTL -
Day1-5(ハイダルパシャ駅)
船はハイダルパシャ駅に近づく。この写真の時点で16:55
14:40空港着から2時間15分が経過している。
ここで17:35発の「パムッカレエクスプレス」の乗車券購入を果たさなければならない。10時間の夜行バスに座り続ける苦行か「世界の車窓から」ごっこにいそしむ優雅な寝台列車の旅か、一日目の成否をこの歴史的建造物でもある駅舎が握っているのだ。国鉄にはバス会社のようなうるさい客引きはいないが、と同時にお役所仕事の窓口係に英語の通じる可能性は少ない。しかも金曜の夜で予約が埋まっている可能性も高い。この旅最初の難関を目の前にし、とりあえず一枚撮る。イエイ! -
Day1-6(パムッカレエクスプレス)
船を降りてすぐにハイダルパシャ駅に入る。
入ったところがチケット窓口の待合い所になっていて、ベンチがならんでいる。「さて、あの窓口かな?」と考えていると、すぐに「お困りかな?」というビジネスマン風の男性に声をかけられる。
聞き取りやすい丁寧な英語と静かで落ち着いたトーンだ。「寝台列車の予約はどうするのかな?」「まず受け付け札を取って、自分の札番号が呼ばれるのを待つんだ。でも窓口の人は、きっと外国語が解らないと思う。次は僕の番だけど、一緒においで。手助けになれると思うよ。」客引きの発する雰囲気は無く、理知的な空気を持つ彼は窓口まで行くと(おそらく)トルコ語で窓口係に、いろいろと伝えはじめる。「17:35発のパムッカレエクスプレス。行き先はデニズリで間違いないね?」「個室寝台で良いかね?」「一人49YTLということだけど、大丈夫かね?」と窓口とのやりとり一つ一つを、こちらにも伝えてくれる。「クレジットカードは使えるかな?」と聞くと「もちろんさ」と窓口係をきちっと指さした。これは何気ないやり取りだったが、大きなことだ。つまり彼は、この日本人観光客のクレジットカードや金銭には触れない、ということで金銭のやりとりに私は介在しない。というメッセージでもある。彼は、客引きで溢れるこの街に来る観光客が、もしかすると無償の親切心に疑念を抱くかもしれないということまで考えてくれたのだと思う。
しかも彼は、我々のキップの購入が済んだ後で自分のキップを買い、「この列車だよ。良い旅を。」と言い残し、前方の車両に去っていった。日本でも有数な観光地、京都に住む私はここまでできるだろうか。手助けをし、相手の不安を読み、さりげない態度で安心を与え、なおかつスマートに去る。彼のおかげで、トルコ旅行一日目の難関を突破し、夜行列車に乗り込むことができた。
パムッカレエクスプレス 個室寝台列車 49YTL
彼のホスピタリティは決して、金で買うことは出来ないだろう。
CMか! -
Day1-7(ハイダルパシャ駅 売店)
車掌と思われる人物にチケットを見せると、列車に乗るよう促され、さらに個室寝台まで案内される。個室には大きめの座席と洗面台、冷蔵庫が備えられており、庫内にはミネラルウォーターとフルーツジュース、スナック類などが入っている。発車までは15分ほどあるので、荷物を置いたあと売店で初のドネルケバブや予備のミネラルウォーターを購入。売店の二人組の兄ちゃんが「ジャポン!ジャポン!」とノリノリ。別の個室寝台には、日本人と思われる方が2人おられ、車窓からでかいカメラで撮影を堪能されていた。
ドネルケバブ 3YTL
ミネラルウォーター 2L 1YTL -
Day1-8(食堂車でのビールとパン)
列車に戻り、時間通りに発車する。
夕日に染まるイスタンブールアジアサイドを抜ける車窓に見とれる。海岸沿いを走り出すと夕日に輝くマルマラ海が視界に飛び込む。あまりの美しさにカメラに納めることも忘れ、しばし呆然。
2時間ほどダラダラすごしていると、なにやらハンドベルを鳴らしながら先ほどの車掌とは違う人物が「Restrant!Restrant!」と言いながら通路を歩いてくる。「なんですか?」と訊ねると、片言の英語で「Restraunt is ready now yes yes」と教えてくれる。
食堂車は2両ほど前方にある。早速夕食に出かける。
東洋人の利用者はよほど珍しいのか、ドアを開けた途端に視線が集まるが、軽く会釈しつつ席につく。
先ほどのハンドベルの人物がメニューを運んでくれる。
メニューには英語表記があり、キョフテ(トルコハンバーグ)や軽い前菜を見つけ、身振り手振りでなんとかオーダー。グリルものはしっかり食堂車内で調理しているらしく、多少煙たい。想像以上に美味しい。
8時半を過ぎているのに、景色はまだ夕暮れ時な雰囲気。車窓を眺めながら、食べ過ぎる。
部屋に戻り、自らベッドをセットし、就寝。驚くべきことに洗面所にはCタイプコンセントが備えられていて、いろいろ充電。車体の揺れが心地よく、ガッツリ寝こける。
こうして一日目が終わる。
夕食 一人15YTL
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