1987/05/30 - 1987/06/05
776位(同エリア813件中)
アーマさん
6月5日
いよいよ最後の日となってしまった。午前中はトレド観光。バスが郊外に出ると、再びオリーブの木々が点在する丘となる。道端にちらっと赤い花が見えた。スペインに群生する、15センチくらいの可愛い花、アマポーラとの最初の出会い。
やがてトレドが見えてきた。丘の上に、乾いた土色の建物がひしめきあって建っている。城門を潜って町へ入ると、さすがに観光客でいっぱい。狭い路地が曲がりくねって、うっかりすると迷子になりそう。不意に大きなゴシック様式のカテドラルが現れる。内部も広大で、聖人ごとの礼拝室が並んでいる。有名なトランスパレンテと呼ばれる彫刻群は、中央祭壇の裏にあって、天井からの光が降り注ぎ、まるで天国へつながっているかのよう。
サント・トメ教会で、グレコの絵、「オルガス伯の埋葬」を見る。絵に描かれた人物について、ガイド氏がかたっぱしから説明、これは結構面白かった。
お土産ショッピングの後、バスはトレドを後に、再びマドリッド目指して走る。「少しお休みください。」景色も同じだし、少し眠って、午後のフリータイムに備えよう。
昼食はマドリッドのレストランで、パエリャを頂く。見たことも無いような大鍋を抱えたウェイターが、出来たてのパエリャをみんなに見せて回った。ワインやサングリアもじゃんじゃん運ばれてきて、すっかり満足。
午後、途中でバスを降り、仲間たちとセラーの通りを歩く。ここは高級ブティックが立ち並び、店の警護もしっかりしているようで、いちいち鍵を開けてもらって中に入る。ちょっと面倒ではあったけど。しばらくして、タクシーでプエルタ・デル・ソルに向かった。広場を中心に、道路が放射状に伸びている。土産物屋もたくさん並んでいるけど、扇だのフラメンコ人形だのがショーウィンドウに詰め込まれていて、さすがに見飽きた感じ。
手袋屋を見つけた。広い店内には、たくさんの引き出しのついた家具。茶色のが欲しいと言うと、にこにことおばさんがいくつか取り出してきた。手に取ろうとすると、小型のクッションの上に肘を乗せるよう、ジェスチャーで示す。「ああ、こうね。」「si, si!」ちゃんとはめてくれるのだ。革をぎゅうぎゅう引っ張って伸ばして、やっと手が中に入った。すごい、なんて柔らかな革!冬が待ち遠しい。
ホテルにて、最後の夜を、みんなで食べて飲んで、楽しく過ごし、やがて名残惜しげに席を立つ。部屋に戻ると、外から音楽が流れてきた。窓を開けてみると、道端にはカフェテラスがあって、賑わっている。そう、今日は週末だった。荷物の整理をして、お風呂に入って、また覗いてみると、さらに人が増えていた。楽しげな音楽につられて、通りがかりの人まで加わって、踊りだした。その様子を友人と無言のままいつまでも眺めていた。
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