![6月4日<br /> 9時前の特急に乗るため、いつもより早いモーニングコール。コルドバ駅はすぐ近くだった。カメラ片手に、あちこち向きを変えているとき、気がついた。いつもそこにへんなおじさんが立っている。「やだ、へんな人写っちゃう。」と、向きを変えると、でっかい目でじーっとこっちを見ながら、そっちへ移動。要するに、写りたがり屋。<br /><br /> タルゴ特急に乗り込む。窓一杯に展開する景色を楽しんだ。しばらくして、ビュッフェに行ってみようと、友人と席を立った。無愛想な男がやっている、と他の仲間が言う。ビュッフェはカウンターだけの、あまり広くないところで、口ひげをたくわえた男が一人、コーヒーをいれたり、パンを切ったりしている。ジュワッと圧力をかけられて泡だった濃いエスプレッソ、一口すすって、「ん、美味しい!」頷きあう。ほんとに、それまで飲んだうちで最高の味だった。髭のおじさん、嬉しそうな顔。<br /><br /> 風車が見えた。なだらかな丘の上に、ぽつんと白く見えるのは、確かに風車。ちょっと経って、また見えた。今度は4基も。羽根も壊れている様子。ラ・マンチャの大地は赤っぽい。<br /><br /> 4時間30分後、列車はマドリッド、アトーチャ駅に滑り込んだ。アンダルシアとは違って、空気もひんやり、みんな慌ててジャケットを取り出す。バスに乗り込んだ。<br /><br /> マドリッドは大都会、この町を知るには何日もかかりそう。バスに乗り込んだ今日のガイドの日本人の若い男は、なんだか感じが悪く、冗談を言っても全く受けず、車内はしらけたまま。お昼は日本食。あまり恋しいわけでもなかったけれど、食べてみたら美味しくて、みんな平らげた。<br /><br /> プラド別館のゲルニカを見学。入り口でボデイチェック、そして絵は防弾ガラスの中。プラド本館での見学時間は2時間。自由に見たかったので、ツァー一行と別れて、エル・グレコ、ベラスケスの部屋、と鑑賞する。素晴らしかった。<br /><br /> バスが次に連れて行ったのは、スペイン広場。ドン・キホーテとサンチョ・パンサの像に挨拶。広場の向こうに王宮が見えている。その後、土産店にてショッピング。待ち構えていた店員たちにぴったりとマークされて、店内をうろうろ。<br /><br /> ホテルは、郊外の5ツ星、広々としたロビー、部屋もまあまあ。フロントで両替をする。覚えたてのスペイン語で切り出したら、ぺらぺらっと答えが帰ってきて、想定しておいたどの文型でもなくて、しばし無言・・。すると、顔を上げた彼は、「ユア・ルームナンバー、プリーズ」やはりまだ無理だったか。<br /><br />](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/05/62/650x_10056288.jpg?updated_at=1141688288)
1987/05/30 - 1987/06/05
505位(同エリア528件中)
アーマさん
6月4日
9時前の特急に乗るため、いつもより早いモーニングコール。コルドバ駅はすぐ近くだった。カメラ片手に、あちこち向きを変えているとき、気がついた。いつもそこにへんなおじさんが立っている。「やだ、へんな人写っちゃう。」と、向きを変えると、でっかい目でじーっとこっちを見ながら、そっちへ移動。要するに、写りたがり屋。
タルゴ特急に乗り込む。窓一杯に展開する景色を楽しんだ。しばらくして、ビュッフェに行ってみようと、友人と席を立った。無愛想な男がやっている、と他の仲間が言う。ビュッフェはカウンターだけの、あまり広くないところで、口ひげをたくわえた男が一人、コーヒーをいれたり、パンを切ったりしている。ジュワッと圧力をかけられて泡だった濃いエスプレッソ、一口すすって、「ん、美味しい!」頷きあう。ほんとに、それまで飲んだうちで最高の味だった。髭のおじさん、嬉しそうな顔。
風車が見えた。なだらかな丘の上に、ぽつんと白く見えるのは、確かに風車。ちょっと経って、また見えた。今度は4基も。羽根も壊れている様子。ラ・マンチャの大地は赤っぽい。
4時間30分後、列車はマドリッド、アトーチャ駅に滑り込んだ。アンダルシアとは違って、空気もひんやり、みんな慌ててジャケットを取り出す。バスに乗り込んだ。
マドリッドは大都会、この町を知るには何日もかかりそう。バスに乗り込んだ今日のガイドの日本人の若い男は、なんだか感じが悪く、冗談を言っても全く受けず、車内はしらけたまま。お昼は日本食。あまり恋しいわけでもなかったけれど、食べてみたら美味しくて、みんな平らげた。
プラド別館のゲルニカを見学。入り口でボデイチェック、そして絵は防弾ガラスの中。プラド本館での見学時間は2時間。自由に見たかったので、ツァー一行と別れて、エル・グレコ、ベラスケスの部屋、と鑑賞する。素晴らしかった。
バスが次に連れて行ったのは、スペイン広場。ドン・キホーテとサンチョ・パンサの像に挨拶。広場の向こうに王宮が見えている。その後、土産店にてショッピング。待ち構えていた店員たちにぴったりとマークされて、店内をうろうろ。
ホテルは、郊外の5ツ星、広々としたロビー、部屋もまあまあ。フロントで両替をする。覚えたてのスペイン語で切り出したら、ぺらぺらっと答えが帰ってきて、想定しておいたどの文型でもなくて、しばし無言・・。すると、顔を上げた彼は、「ユア・ルームナンバー、プリーズ」やはりまだ無理だったか。
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