パリのアールヌーヴォー(改訂版)

2006/02 - 2006/02

19世紀末に登場したアールヌーヴォー。曲線の組み合わせが特徴ですね。絵画ならアルフォンス･ミュシャあたりが思い浮かぶと思います。｢装飾過多｣が飽きられたのか、様式としては僅か10年程度で終焉を迎えたようですが、今もパリのアチコチで見ることが出来ます。狭い街とは言え、一気には廻れませんので、ヒマを見つけて拾っていこうと思います。
この写真はメトロ12番線アベス駅の入り口。アールヌーヴォー建築の代表者はエクトール･ギマールですが、これは彼が万博のときに作ったもの。オルセー美術館内にも｢ギマールコレクション｣があります。興味はあるけど、こんなにアチコチ見てるヒマないよという方はオルセー見学をお奨めします。

エリア パリ(フランス)

まずはパリ16区の高級住宅街パッシー地区から始めましょう。これがカステル･ベランジェのエントランス。アールヌーヴォーでググって見るとかなりの確率でヒットする代表的なものです。

カステル･ベランジェの全景。自然界には定規で引いたような直線はなく、曲線の集合という考え方は、ガウディに通じるものがあるように思えます。鉄とガラスを多用した点も共通項？

ギマールのサイン

メザラ館

これはアールヌーヴォーとは関係ありませんが、たまたま見かけたヴィラ･ジョルジュ･サンド。恋多き女流作家にしてフェミニスト、男装の麗人ジョルジュ･サンド。勿論場所はジョルジュ･サンド通りにあります。パリの道は殆んど人の名前ですから、サンドの名前があっても不思議はないんですが、建物にも人の名前を付けちゃうというのは、あまり見ません。

Villa Flore

ギマール館。ワタクシの撮影技術が低い、撮影時刻の光線の具合が悪い等々、美しくない理由は沢山ありますが、この建物ホントに撮りづらいですワ。

全く関係ないかも知れませんが(勿論ギマールじゃありません)、明るい雰囲気の建物だったので載せておきます。

フランソワ･ミレ通り11番地。

上の建物にある装飾、いかにもアールヌーヴォーといったデザインの鋳鉄製手すり。

建物ばかりでしたので、今度はメトロの入り口。こちらは｢庇なし｣の普通タイプ。これはパレ･ロワイヤル･ルーブル美術館駅。うしろに今(2006年3月)、特集しているアングルの看板が見えてます。

表紙と同じタイプのメトロ入り口。こちらはブローニュの森の端っこに位置する２番線ポルト･ドーフィーヌ駅。｢庇付き｣タイプは表紙のアベス駅とここのみが、そのままの形で残っているだけ。DIVAという洒落たフランス映画があるのですが、主人公が泊まるトコないから…となじみの街娼に鍵を借りる場面がここです。

メトロ１番線、サン･ポール駅の直ぐ近く、マレ地区にあるシナゴーグ。星のマーク(ダヴィデの星でしたっけ？)が見えますよね。マレ地区にはユダヤ人が多くシナゴーグが幾つもありますが、これはギマールの作品。

再び16区に戻ってきました。メトロ･ジャスマン駅近く、4, suquare Jasminにある建物。白くて小さな建物、これもギマールのサインがはっきり見えてます。

こちらも同様ジャスマン駅近く、詩人のアンリ･ハイネ(フランス語ゆえアンリになってますが、ワタクシ達日本人にはハインリッヒ･ハイネですよね)の名前が付いている通りの18番地。

サン･ジャン･ド･モンマルトル教会。コレもアールヌーヴォー。表紙に使ったアベス駅の目の前にあります。ご覧の通りレンガ造りに見えますが、パリ初の鉄筋コンクリート造りの教会だそうです。

折角モンマルトルまで来たので、ここからオマケ。これはアメリにも登場した八百屋さん

ルノワールの作品で有名なダンスホールであったムーラン･ド･ラ･ギャレット

こちらはラデの風車と言われるモノ。｢ムーラン･ド･ラ･ギャレット｣というレストランになってます。

有名な｢壁抜け男｣も直ぐ近くです。

で、｢二つの風車｣カフェでございます。アメリの舞台となったカフェですね。ところで、皆様｢アメリ｣ってスキですか？ワタクシの経験ではスキというのは｢若者｣に限られているような気がするのですが…。

この旅行記へのコメント （6）

• wiz さん 2006/05/09 22:38:27

  はじめまして！

  oscar002さん、はじめまして！
  
  16区のアール･ヌーヴォー建築とマレ地区に興味があるのでこの旅行記ありがたいです♪いまだパリに行ったことがないもので･･･、次はパリやブリュッセルかそれともバルセロナか･･･と考えていますがいつになるか分かりません。。。しばらくはoscar002さんの旅行記や想像で楽しみたいと思います！
  
  また寄らせていただくと思いますがよろしくお願いいたします。

  oscar002さん からの返信 2006/05/10 05:49:41

  RE: はじめまして！

  voodooさん、カキコ有難うございました。
  
  旅行記拝見いたしました。
  
  やっぱり｢青の洞窟｣はいつも見られるんじゃないのですね。
  会社のスタッフの親御さんは二度トライしてダメだったそうです。
  
  ワタクシもよっぽどツアーに参加しようかと直前まで悩んでいたのですが、
  ３泊４日じゃローマだけでいっぱいなので諦めました。
  
  次回は是非トライしたいです！あと近郊のティヴォリも。
  
  ではまた。

  wiz さん からの返信 2006/05/10 11:55:24

  RE: 私も直前で申し込んだんですよ！

  oscar002さんも最近ローマ行かれたんですね！
  私も「青の洞窟」は天気なども見計らって直前に申し込んだんです。
  だけど天気云々ではないんだと今回よ〜く分かりました(^_^;)
  私も4月にイタリアを駆け足縦断してラヴェンナやシエナ、あとはリグリア海沿い等まだまだ見たいところがありましたが1週間程度では無理ですね〜私もローマで時間がなくなるのでほんとに悩みましたが、カプリ島に行ったのは旅程の最終日北から順に美術館や教会等いっぱい見た後だったのできれいな海を見れただけでも晴れやかに気持ち良かったです♪

• 真@tokyoさん 2006/05/08 12:43:15

  ギマール　アールヌーボー　ジョルジュ・サンド

  oscar002さん
  真＠tokyoです。
  しつこくカキコいたします。
  よろしく。
  
  パリはわずか1週間(それでも私には長期旅行)でしたので、アールデコに絞って市内を廻りましたが、16区ではヌーボーを捨てるわけに行かず結局無理して両方欲張ってしまいました。その代わり観光は一切無しでした。
  
  oscarさんの説明を読んで当時(2年前)が鮮明に思い出されます。
  通りの名前に人名が多く親しみがもてますね。ラ・フォンテーン、ハイネ、モーツァルト等、ジョルジュ・サンド通りは、なぜか壁に貼られていた通り名のプレートを撮影していましたよ。
  こんな表示が出ています。仏語全く分かりません。
  翻訳していただけますか？
  「RUE GEORGE SAND 1804-1876 Aurore Dupin Dite...Ecrivan」
  
  パリのアールヌーボーは、やはりギマールです。
  建築、地下鉄入り口などに数多くの作品を残し、市民に親しまれているのは建築家冥利につきますね。
  　
  これからもパリの街並みを載せてください。
  
  よろしくお願いします。
  

  oscar002さん からの返信 2006/05/08 22:02:37

  ジョルジュ・サンド

  
  「RUE GEORGE SAND 1804-1876 Aurore Dupin Dite...Ecrivan」
  
  翻訳というより、そのままだと思います。
  
  ジョルジュサンド通り　オーロール･デュパン別名(ジョルジュ･サンド)作家
  
  という感じですかね。
  
  ワタクシ、パリに住んでますがフランス語は殆どわかりませんので、
  フランス語に関する質問は冷汗モン(^^;)であります。

  真@tokyoさん からの返信 2006/05/09 21:21:18

  RE: ジョルジュ・サンド　通りのプレート

  oscar002さん
  さきほど操作ミスで途中の返信が出てしまいました。失礼しました。
  
  訂正版を再送します。
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  通り名プレートの説明ありがとうございます。
  なるほど、人名には解説付ですね。
  
  そう言われてプレートの写真を見ると、（辞書が無いので推測ですが）
  「Mozart： Compositeup Autrichien」 ←作曲家　オーストリア人なら｢s」が入りそうだが。
  「Benjamin Franklin ：Physicien」(米の物理学者-政治家とは表示していない)
  「Du Docteur Blanche ：Medecin･･･」(医者らしい)
  ここまでは、多分あたっているだろうが、さて次は
  「Vctor Schoelcher ：‥･Abolissant Lesclavege」(黒人　レスキュー隊→奴隷解放論者)
  最後のはモンパルナス墓地の西側通りです。
  
  通りのプレートでも遊びができますね。
  
  次回から、丁寧に街を散歩してみます。
  
  どうも