魚＠ICTUS（イクトゥス）の旅～ルルド?　12/27～

2005/12/26 - 2006/01/03

　聖女ベルナデットで有名なルルドに到着です。
今回我らはパリから国内線でポーまで行きバスで40分程かけてルルドにいきました。
バスを運転してくれたおじいさんの名はジュスタンさんといい、ベルナデットの弟の名前と一緒だそうです。
（尚、TGVで行く方法もあれば（前はこの方法）、トゥールーズからバスで3時間、もしくは夕方に一本ルルド行きの国内線に乗る方法もあるようです。）

さて、ルルド。
ラテン語でQUE SOY ERA IMMACULADA COUNCEPCIOU、無原罪の御宿（おんやどり）カソリックではマリア信仰もあり、マリアは人間誰しも持って生まれてくる原罪を人間ながらにして持っていない女性と位置づけられているようです。
無原罪の聖母と親しまれている所以です。

最初にベルナデットのお話を。（＾＾）
ベルナデットは、粉引きの貧しい娘として生まれました。
彼女にはお母さんが二人います。一人は生みの母。彼女が赤ちゃんの頃、台所で大火傷を胸に負いお乳を飲ませてあげる事ができなくなってしまいました。
もう一人は出産した赤ちゃんを亡くしたお母さん。ベルナデットは後者のお母さんからお乳を貰いながら、彼女は小教区の教会に10ヶ月預けられていました。

　時代は産業革命華やかなりし頃。粉引きの仕事はもう時代遅れでした。14歳のベルナデットは口減らしのため羊飼いの奉公にでます。
その時に、とある洞窟で聖母マリアの出現を受ける事になったのです。
美しい白い服を着た女性。彼女は自らをQUE SOY ERA IMMACULADA COUNCEPCIOUと名乗りました。

これがラテン語だったなど、教育のない貧しいベルナデットにはわかるはずもなく、伝書鳩の如く教会に駆け込み神父に覚えた言葉を告げました。

　神父ビックリ！！

「それって、無原罪の御宿！つまりマリア様じゃあないかいな！大変なこっちゃ！」
「えええ！？神父様、それ本当ですの？私なんて教育もなく貧しいただいの羊飼いなのに～～～っ！
確かに私は毎日のようにマリア様にお祈りしていたわ。
でも、こんな私に現れるなんて！うひゃ～、びっくりよ。」
「じゃ、ベルナデット、そのマリア様が君に泉の場所を教えてくれたって事かい？」
「そうですわ。神父様。あの白い衣の貴婦人が泉の場所を教えて下さったのですわ」
「おおお。」
　実はその数年前、カソリックの総本山ヴァチカンで、マリアを無原罪の聖母と格付けていました。

　数回にわたり無原罪の御宿と名乗る女性は現れました。
だからといって、生活が楽になるどころかますます苦しくなってゆく一方で、ついに一家は知人の紹介で元刑務所だった暗いジメジメした家カショーに移り住むことになります。
引越しは机１つ、椅子２つ、ベッド２つ、たったそれだけ。

　カショーはあまりに不健康な環境のため刑務所すら引き払ったところです。
今は可愛らしい時代服をきたガイド娘さんがいて、説明を（フランス語（＾＾；））し、修学旅行！？の多くの小中学生達が互いにマナーを守って狭いカショーの家で展示物を見たり話をきいてメモをとっていました。
　その家に、ベルナデットがよく祈ったというマリア像が展示してあります。
正面からみると、優しいお顔、下から覗き込むと暗い（ス・・・スミマセン）お顔でした。

　その後ベルナデットはヌヴェールの地で修道生活に入ります。
誰しも、彼女を知っていますが、最初の自己紹介で
「私は取るに足らない者です」といったそうです。

職業シスターとしてみると、彼女は事務処理能力があり、今でいう”使える人材”で、病人の介護などあらゆる心配りをもって病人をケアをしたといいます。
　そのベルナデットも多くの持病のため35歳で他界します。
彼女の遺体が全く腐敗していなかったのは、皆さんよくご存知のエピソードですね。（＾＾）
ご遺体はルルドになく、会えなかったのが残念です。
　そんな”奇跡”があったルルドに、奇跡があったという証拠、格式の高いバジリカという称号を受けた教会が建てられました。
　もっと気候が素晴らしい時期など、年間600万の信者さんが今もルルドの水を求めて参拝されます。

エリア ルルド(フランス)

ルルドの正面玄関から。
（横からも入れます）

遠くにバジリカが見えます。

バジリカまで長い道のりながら、清々しい風景です。

バジリカ正面

ルルドのお水と聖母マリア出現の洞窟は、この右側の横手にあります。

ルルドの風景。

冬はとても寒いですが、牛や馬を放牧している家もありました。天気が良いとピレネー山脈が見えます♪

ベルナデットがいた羊飼いの小屋。

左手にある、小さな小さな小屋です。

　ルルドの泉から車で15分〜20分くらいの場所にある

ベルナデッタが通った小教区の教会

教会の中には、小さな羊飼い少女ベルナデットがいました。街にはあちこち馬小屋（イエス生誕）がありました。

ベルナデットがこよなく愛したマリア像。

（カショーの家に展示）

アップにすると・・・

この旅行記へのコメント （4）

• コクリコさん 2006/01/27 15:15:20

  ルルド

  ホホデミさん、こんにちは。
  今頃最初ページから今回の旅行記を読んでいます。
  途中からだったり、バチカンを読んだり順番通りに読まなかったもので(^^;
  )。
  ちゃんと最初にICTUSの意味や観光地のレポは省略して聖地のみの旅行記にした、カトリック系の学校出身云々と書いてありましたね。
  慌て者ですから聖地巡礼の旅かと最初は思っていました。
  ベルナデットちゃんの逸話は少しは知っていたのですが、分かりやすく説明してくださってありがとうございました。自分も旅行記を書くようになったのでホホデミさんの文章力や語彙の多さを尊敬します。
  
  私は１０数年前、トゥールーズから列車でポーに向かう途中、ルルドの駅を通過しました。その時夫とルルドで下車しようか、やはり当初の予定通りポーにしようかと悩んだ結果ポーにしましたが、今思えばルルドに行けば良かったと思います。お天気悪かったのでポーからピレネーが見えなかったのですもの。ホホデミさんの旅行記を拝見したらルルドの方がずっと良かったです。車窓から見えた塔はバジリカだったのかしら？
  
  数年後、やはりフランスのブールジュのカテドラルを見学した時、カテドラルの中のシャペルのひとつにベルナデットちゃんの像が祭られていました。その時の嬉しさはなかったです(なぜ嬉しかったのかわかないのですが嬉しくて)。
  
  修道女の方たちも同じツアーだつたのですね。お母さまとの旅のスタート幸先が良さそうです(バチカンは読んでしまったけど)。

  ホホデミさん からの返信 2006/01/29 22:29:46

  RE: ルルド

  コクリコさんへ
  
  長い書き込みありがとうございます。嬉しかったです。(*^_^*)
  
  小生の旅行記はテキストが長く、自分自身も気にしているのですが、聞いた話、体験したことをどーしても書き留めておきたいので、ずずずーっと長くなってしまいます。(爆）
  
  コクリコさんはポーにいかれたのですね。トゥールーズからだと３時間くらいかかりましたでしょ？
  あそこはあの時期晴れることは稀ですよね。寒いし、曇りだし。
  時々、気まぐれにお日様が顔をみせてくれて、その時だけピレネー山脈が美しく見えます。（感動〜♪）
  
  車窓から見えたのは、バジリカでしょう。
  お水も美味しいですし、機会がありましたら是非立ち寄って見てくださいね？
  冬は閑散期なので、開いているホテルが限られていますが、私の泊まったホテルは近かったです。
  ホテルARCADE★★★で、部屋はそんなに広くはありませんし、換気扇もタイマーですし、シャワーのみですがテレビがあったので（当たり前ですよね）許容範囲でした。食事は折り紙付♪美味しいです。
  
  ベルナデットちゃんは、写真で見る限りちょっとフキゲン？そうなお顔ですが、頬がふっくらして可愛らしいですね。
  ヌヴェールに行けば生ベルナデットちゃんに会えるそうですが、遺体が腐敗していないってすごい〜。
  ブールジュにも像が安置してある、ということは国民的な聖女なんでしょうか。

• さすらいおじさんさん 2006/01/09 22:32:30

  詳しいご説明で奇跡の経緯がよくわかります

  ホホデミさん
  
  ルルドの奇跡はメキシコのグアダルーペで奇跡のマントを見たときに３大奇跡のひとつとして説明を受け、それ以来関心を持っていました。
  詳しいご説明で奇跡の経緯がよくわかります。
  ただ、凡人の私には、いつも本当？　と思ってしまいますが、どの宗教にも奇跡はあり、凡人に見えない世界があるのでしょう。

  ホホデミさん からの返信 2006/01/09 22:54:16

  RE: 詳しいご説明で奇跡の経緯がよくわかります

  さすらいおじさんへ
  
  　ルルドの奇跡は私にはありませんでした。（大笑）
  しかし、オンシーズンの時はたくさん参拝されるそうです。
  私自身、ルルドの水は科学的にアルカリイオン水ではないか、と思っているところがあります。
  
  もしかしたら、世界を旅することって、その土地の生活と密着している宗教文化にも触れることかも知れませんね。短期間体験とでも申しましょうか。（笑）
  
  奇跡を信じるか、あったか否か私には難しいことはわかりませんが、ただただレポートさせていただくのみです。o(^^)o♪
  
  ご出発まであとわずか。直前に遊びにいかせて下さいね。