1961年8月4日（木）続<br /><br />雨のミューレンから、麓のラウターブルンネンまで降りたら、すっかり青空だった。<br />山の気候は、変わり易いとともに、局地的なのだ。<br /><br />ここで乗り換え、インターラーケンからやってきた、クライネ･シャイデック行きの電車に乗る。<br />時間帯のせいか、電車は空席が多かった。<br /><br />電車はゆっくりミューレンの対岸の坂を上り、山が近くに迫ってきて、ラウターブルンネン谷の展望が開ける。<br />今日の午後から明日の朝にかけて、ユングフラウ山塊をゆっくり見ようと、ヴェンゲンに下車する。<br /><br />電車から降りたのは、私一人だった。<br />落着いたここのたたずまいがすっかり気に入った私は、早速駅の案内所に立ち寄り、ホテルを物色する。<br />駅前の案内所は親切で、ホテルのカタログを見せながら、好みを訊いてくれる。<br /><br />私の要望したのは、展望がよく、静かで家庭的なホテル。<br />それならばと推してくれたのは、「ユングフラウブリック」だった。<br /><br />たどり着いたスイス第一夜の宿は、民家を少し大きくした感じで、部屋数は10室を越えないだろう。<br />見て欲しいと案内された部屋には、私の背丈ほどの犬が寝ていて、私を見るとムックリ立ち上がる。<br />コテージ風の部屋は広く、清潔で、窓の正面にはユングフラウがドンと構えている。<br /><br />すっかり気に入った私は、この部屋に決めた。<br />宿代は安く、ドゥミパンション（一泊２食付）で、11.8スイスフラン（当時1,100円）。<br /><br />旅装を解くのももどかしく、付近に広がる牧場を散歩する。<br />

スイス 367 ヴェンゲン　ユングフラウとの対面

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1972/08/04 - 1972/08/04

57位(同エリア60件中)

#ハイキング・登山

片瀬貴文さん

1961年8月4日（木）続

雨のミューレンから、麓のラウターブルンネンまで降りたら、すっかり青空だった。
山の気候は、変わり易いとともに、局地的なのだ。

ここで乗り換え、インターラーケンからやってきた、クライネ･シャイデック行きの電車に乗る。
時間帯のせいか、電車は空席が多かった。

電車はゆっくりミューレンの対岸の坂を上り、山が近くに迫ってきて、ラウターブルンネン谷の展望が開ける。
今日の午後から明日の朝にかけて、ユングフラウ山塊をゆっくり見ようと、ヴェンゲンに下車する。

電車から降りたのは、私一人だった。
落着いたここのたたずまいがすっかり気に入った私は、早速駅の案内所に立ち寄り、ホテルを物色する。
駅前の案内所は親切で、ホテルのカタログを見せながら、好みを訊いてくれる。

私の要望したのは、展望がよく、静かで家庭的なホテル。
それならばと推してくれたのは、「ユングフラウブリック」だった。

たどり着いたスイス第一夜の宿は、民家を少し大きくした感じで、部屋数は10室を越えないだろう。
見て欲しいと案内された部屋には、私の背丈ほどの犬が寝ていて、私を見るとムックリ立ち上がる。
コテージ風の部屋は広く、清潔で、窓の正面にはユングフラウがドンと構えている。

すっかり気に入った私は、この部屋に決めた。
宿代は安く、ドゥミパンション（一泊２食付）で、11.8スイスフラン（当時1,100円）。

旅装を解くのももどかしく、付近に広がる牧場を散歩する。