1972/08/04 - 1972/08/04
174位(同エリア184件中)
片瀬貴文さん
1961年8月4日(木)
パリから夜行に乗ってインターラーケンに到着、ここでユングフラウ方面行きのかわいい電車に乗り換える。
電車はほぼ満席だが、私以外白人ばかり。
みなこれからの旅に期待を高めながら、浮き浮きと明るい顔をしている。
賑やかながらも、車内に節度や一体感が醸し出されていて、このような大衆の落ち着きは、最近の日本には見られないかも知れない。
戦前の田舎の列車には、見られたように思われる。
遠くに、白銀に輝く山々を木の間越しに垣間見ながら、電車はゆっくり谷を登り山に近づいてゆく。
やがて谷が開けて、ラウテルブルンネン。
ミューレン行きは乗換えと、書いてある。
突然思いついて、ケーブルカーに乗り換え、ミューレンに登ることにする。
あの白い山塊を、谷を隔てて一望したいと、考え付いたからだ。
この谷は、氷河が削り取って出来たもので、両岸が急な崖になっている。
水に削り取られた谷はV字型の断面だが、この谷はU字型をしている。
その急な崖に、天上から舞い降りる白竜のような、シュタウプバッハ(滝)が遠望される。
ゲーテやワーズワースが感動して、詩を残した滝だ。
ゲーテ(1749-1832)は、1775年、1779年、1797年とスイスを三回旅行し、各地の記録を残している。
イギリスの詩人ワーズワース(1770-1850)は、ルソーの文章を読んで、学生時代からアルプスに憧れる。
そして1790年、友人とスイスアルプス探訪の旅を実現。
ジュネーヴからスタートした長い旅の感動を、美しい詩に残した。
その後家族を連れてスイスを再訪、ラウターブルンネンの滝の美しさに感銘をうけている。
彼の作品はアルプスの美しさを広く英国人に伝え、その後にはじまるアルピニズムブームに大きく貢献する。
崖の上から落ちる70以上の滝があることから、谷は、ラウテル(音が大きい)ブルンネン(泉)と名付けられた。
その代表が、シュタウプバッハなのだ。
やがてラウテルブルンネンの村の風景が眼下に開け、ユングフラウ山塊の大きなマスが、対岸にのしかかるように広がってくる。
その圧倒的な大きさに、息が詰まる思いだ。
(ラウテルブルンネンには2000年代に入って再訪し、3泊する)
(http://4travel.jp/traveler/katase/参照)
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