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2005年8月19日<br />デリゾール近辺には意外と見所が多い。ドゥラ・エウロポスやマリなどの遺跡群がここからバスで1〜2時間くらいのところにある。今日はとりあえず、ドゥラ・エウロポスを見に行くことにした。<br /><br />バスターミナルへ行く途中、ミニバスが近くを通ったので、「サルヒーエ」と言ったら、手招きをしたので、飛び乗った。地元ではサルヒーエとして知られているらしい。1時間半ほどで「ここだ」と言われて、降ろされた。見ると、遠くに遺跡らしいものが目に見える。ここから遺跡まで歩いて20分くらいと言われた。砂漠の中を歩く。午前9時を回っていないのに、かなり暑い。それでも昼に比べたらかなり涼しい方だ。途中に家が一軒あったが、他には何もない。そこに誰か住んでいるのかどうかも分からないほど閑散としている。舗装された道路から近道をする為に砂漠の中に入っていく。目的地が見えるので、ここでちょうど半分くらいの距離だ。<br /><br />ドゥラ・エウロポスは壁に囲まれていて、その中央辺りに塔が建っている。左端から右端を見ると、ゆうに1キロ以上はある。その壁の中に遺跡群が隠されているのだ。右手の方は渓谷ができている。大雨の時にユーフラテス川へ流れていく土砂流でできたのだろう。中に入ってみると、前方には遺跡群があった。保存状態はあまり良さそうでなかったが、ところどころに説明書きがされていた。さらに進んでいくと、いきなりユーフラテス川が見えてきた。少し坂を下って、川が見渡せるところに見事な城跡が残っていた。<br /><br />既に先客がいて、白人カップルと現地ガイドとすれ違う。城跡の上の方を目指すと、子供2人が駆け寄ってくる。「Hello、Hello」と言ってきて、跡を追ってくる。なかなか私をひとりにしてくれない。私はいきなり駆け足で城跡の上にある岩山に突進していく。ここから見渡すユーフラテス川はかなり迫力がある。子供たちもちゃんと諦めずに上まで登ってきた。こんなところをよく登ってきたなと感心したら、なぜか心が打ち解けて、一緒にユーフラテス川を眺める。<br /><br />下の方を見ると、家があって、家畜があちこちにいる。「あそこは君の家か?」と訪ねてみたが、答えが曖昧だった。「チャイが飲みたいな」と子供たちに言うと、あの家に連れて行ってあげると言ってきた。今度は急な岩山を子供たちと駆け下りていく。「こっちだ。こっちだ」と私が反対の道を通りそうになると言ってきて、先導してくれる。川沿いの家に着くと、子供たちが土間に坐っている。とてもかわいい姿だったので、写真を撮る。しばらくすると、裏手から作業着を着たお父さんのような人が現われた。もうひとりの連れと一緒だ。作業着がオイルで黒ずんでいたので、何かの修理をしていたのだろう。何か食べていくかと聞かれたが、遠慮した。<br /><br />ユーフラテス川に触れて、景色を堪能していたら、子供たちがトラクターの荷台に乗り始めた。どこかにいくのかな?と私も一緒に乗った。連れてきた子供たちも一緒に乗った。お父さんの連れのひとりがトラクターの運転台に乗って、出発。ゆっくりとユーフラテス川を眺めながら、崖道を登っていく。しばらくすると、運転手が君はここで降りなさいみたいな事を言う。どうやらこのトラクターは他の村に行くらしい。私はそこで降りて、遺跡の方に向かって歩いていった。<br /><br />今度は遺跡の右側にあった渓谷の中を歩いてみる。よくこんな砂漠の真中にこのようなものができたなと感心しながら歩いてみる。しかし、遺跡から少し離れていったので、幹線道路で降ろしてもらったところとは違うところに出た。そこには人がいて、そのあたりで車が停まる。どうやらチェックポストのようだ。ここだったら、帰りのバスもすぐに停まってくれるだろうと思って、行ってみると、パスポートを見せるように言われた。しまった。パスポートはホテルにおいてきてしまった。係官に事情を話すと、分かってくれて、一安心。その時に一台のミニバスが停まり、私にどこに行くと聞いてきた。デリゾールだと答えると、ここではまずつかまらないから、これに乗りなさいと勧めてくる。私もそうだったらと乗り込む。<br /><br />どこか途中の町で降ろしてくれるのかと思ったら、なかなか降ろしてくれない。1時間くらい走ったような気がする。それもデリゾールとは反対方向に。運転手に聞くと、終点(つまり、出発点)まで行かないと満席になってしまうから、バスにはなかなか途中乗車できないのだと説明してくれる。終点はアブ・カマールという町で、なんとここはイラクとの国境の町だったのだ。これはやばいかなと恐る恐る降りたら、このミニバスに乗って、デリゾールまで行きなさいとここまでの運賃を請求しないで、親切に連れて行ってくれた。<br /><br />しかし、バスで待っていると、移民官がやって来て、パスポートを再び要求してきた。ないと分かったら、一緒に来なさいと言われて、署まで連行される。色々と質問されて、何でシリアに来たとか、どうやって来たのか質問された。これは参ったなと思ったが、運良く泊まっているホテルの名刺が出てきたので、そこに電話をかけて、私が泊まっているのかどうか確認して、しばらくしたら釈放?された。まさか、こんなイラクとの国境の町に来るなんて、想像もしなかった。パスポートはちゃんといつも身につけていないと。だから、ドゥラ・エウロポスのあたりにチェックポストがあったのですね。<br /><br />ちなみに運転手によると、アブ・カマールからイラク国境までは2キロあり、国境辺りになるとかなりの数のアメリカ兵士が銃を構えて、へヴィーなガードしている模様。運転手も近づきたくないと言っていました。<br />

アンマンからアンマンへ7カ国をゆく#6(シリア?、ドゥラ・エウロポス)

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2005/08/14 - 2005/09/16

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ホットマン2世

ホットマン2世さん

2005年8月19日
デリゾール近辺には意外と見所が多い。ドゥラ・エウロポスやマリなどの遺跡群がここからバスで1〜2時間くらいのところにある。今日はとりあえず、ドゥラ・エウロポスを見に行くことにした。

バスターミナルへ行く途中、ミニバスが近くを通ったので、「サルヒーエ」と言ったら、手招きをしたので、飛び乗った。地元ではサルヒーエとして知られているらしい。1時間半ほどで「ここだ」と言われて、降ろされた。見ると、遠くに遺跡らしいものが目に見える。ここから遺跡まで歩いて20分くらいと言われた。砂漠の中を歩く。午前9時を回っていないのに、かなり暑い。それでも昼に比べたらかなり涼しい方だ。途中に家が一軒あったが、他には何もない。そこに誰か住んでいるのかどうかも分からないほど閑散としている。舗装された道路から近道をする為に砂漠の中に入っていく。目的地が見えるので、ここでちょうど半分くらいの距離だ。

ドゥラ・エウロポスは壁に囲まれていて、その中央辺りに塔が建っている。左端から右端を見ると、ゆうに1キロ以上はある。その壁の中に遺跡群が隠されているのだ。右手の方は渓谷ができている。大雨の時にユーフラテス川へ流れていく土砂流でできたのだろう。中に入ってみると、前方には遺跡群があった。保存状態はあまり良さそうでなかったが、ところどころに説明書きがされていた。さらに進んでいくと、いきなりユーフラテス川が見えてきた。少し坂を下って、川が見渡せるところに見事な城跡が残っていた。

既に先客がいて、白人カップルと現地ガイドとすれ違う。城跡の上の方を目指すと、子供2人が駆け寄ってくる。「Hello、Hello」と言ってきて、跡を追ってくる。なかなか私をひとりにしてくれない。私はいきなり駆け足で城跡の上にある岩山に突進していく。ここから見渡すユーフラテス川はかなり迫力がある。子供たちもちゃんと諦めずに上まで登ってきた。こんなところをよく登ってきたなと感心したら、なぜか心が打ち解けて、一緒にユーフラテス川を眺める。

下の方を見ると、家があって、家畜があちこちにいる。「あそこは君の家か?」と訪ねてみたが、答えが曖昧だった。「チャイが飲みたいな」と子供たちに言うと、あの家に連れて行ってあげると言ってきた。今度は急な岩山を子供たちと駆け下りていく。「こっちだ。こっちだ」と私が反対の道を通りそうになると言ってきて、先導してくれる。川沿いの家に着くと、子供たちが土間に坐っている。とてもかわいい姿だったので、写真を撮る。しばらくすると、裏手から作業着を着たお父さんのような人が現われた。もうひとりの連れと一緒だ。作業着がオイルで黒ずんでいたので、何かの修理をしていたのだろう。何か食べていくかと聞かれたが、遠慮した。

ユーフラテス川に触れて、景色を堪能していたら、子供たちがトラクターの荷台に乗り始めた。どこかにいくのかな?と私も一緒に乗った。連れてきた子供たちも一緒に乗った。お父さんの連れのひとりがトラクターの運転台に乗って、出発。ゆっくりとユーフラテス川を眺めながら、崖道を登っていく。しばらくすると、運転手が君はここで降りなさいみたいな事を言う。どうやらこのトラクターは他の村に行くらしい。私はそこで降りて、遺跡の方に向かって歩いていった。

今度は遺跡の右側にあった渓谷の中を歩いてみる。よくこんな砂漠の真中にこのようなものができたなと感心しながら歩いてみる。しかし、遺跡から少し離れていったので、幹線道路で降ろしてもらったところとは違うところに出た。そこには人がいて、そのあたりで車が停まる。どうやらチェックポストのようだ。ここだったら、帰りのバスもすぐに停まってくれるだろうと思って、行ってみると、パスポートを見せるように言われた。しまった。パスポートはホテルにおいてきてしまった。係官に事情を話すと、分かってくれて、一安心。その時に一台のミニバスが停まり、私にどこに行くと聞いてきた。デリゾールだと答えると、ここではまずつかまらないから、これに乗りなさいと勧めてくる。私もそうだったらと乗り込む。

どこか途中の町で降ろしてくれるのかと思ったら、なかなか降ろしてくれない。1時間くらい走ったような気がする。それもデリゾールとは反対方向に。運転手に聞くと、終点(つまり、出発点)まで行かないと満席になってしまうから、バスにはなかなか途中乗車できないのだと説明してくれる。終点はアブ・カマールという町で、なんとここはイラクとの国境の町だったのだ。これはやばいかなと恐る恐る降りたら、このミニバスに乗って、デリゾールまで行きなさいとここまでの運賃を請求しないで、親切に連れて行ってくれた。

しかし、バスで待っていると、移民官がやって来て、パスポートを再び要求してきた。ないと分かったら、一緒に来なさいと言われて、署まで連行される。色々と質問されて、何でシリアに来たとか、どうやって来たのか質問された。これは参ったなと思ったが、運良く泊まっているホテルの名刺が出てきたので、そこに電話をかけて、私が泊まっているのかどうか確認して、しばらくしたら釈放?された。まさか、こんなイラクとの国境の町に来るなんて、想像もしなかった。パスポートはちゃんといつも身につけていないと。だから、ドゥラ・エウロポスのあたりにチェックポストがあったのですね。

ちなみに運転手によると、アブ・カマールからイラク国境までは2キロあり、国境辺りになるとかなりの数のアメリカ兵士が銃を構えて、へヴィーなガードしている模様。運転手も近づきたくないと言っていました。

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  • こんなところでバスから降ろされてしまいました

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  • どんどん砂漠の道を歩いていくと、斜め右方向にこんな渓谷が見えてきました

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  • 何という地形の変化! 渓谷が終わって、緑が見えてきて、その向こう側にはユーフラテス川が・・・

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  • 砂漠とユーフラテス川との間に位置するお城なんて想像できますか?

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  • 城跡から見下ろすユーフラテス川

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  • 家の前の土間でお人形さんのように静かに坐っている女の子たち

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  • トラクターに乗っても、お人形さんのようですね。

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  • アブ・カマールの町。ここからまっすぐ行けば、イラク国境です。危ない、危ない・・・

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