1961年7月1日（土）続<br /><br />今日の昼ごろ香港からトルコのイスタンブールに着き、観光バスに飛び乗った。<br />3時間の観光だったが、この国の輝かしい歴史、ここに住む人たちのしっかりした誇りに感動した。<br /><br />しかしオスマントルコ帝国の栄光から現在に至る流れを知らないかぎり、この国を理解したとは言えない。<br />トルコは露土戦争で、長くロシアと戦った。<br />第一次戦争1768年開始から、第六次戦争1878終了まで100年間を超える戦争だった。<br /><br />17世紀以降オスマントルコ帝国が衰退するに従って，ヨーロッパ諸列強がその領土を狙い、しきりに介入するようになる。<br />中でもバルカン半島への進出と、不凍港を求め黒海から地中海へ出る海峡の確保を狙うロシアが最も活発で、ロシアとトルコの間に戦争が頻発する。<br /><br />ロシアは常にトルコを圧迫し続けたが、結果としてイギリス、フランスなどの干渉により、決定的な勝利は得られない。<br />しかし黒海から地中海に通ずる海路を確保し、バルカン半島に対するトルコの支配力を弱め、ロシアの勢力拡大に成功する。<br />そしてトルコは、ロシアだけでなく、ヨーロッパ諸国の強い影響下に置かれることになる。<br /><br />トルコがロシアとの戦いを終えた直後、今から114年前、熊野灘でのトルコ船遭難事件（1890年）が発生する。<br />トルコの木造軍艦エルトゥールル号は、親善訪日の帰路、和歌山県沖の熊野灘で台風に遭い沈没。<br />乗員600余名中、500余名が死亡する。<br /><br />この事故は、ヨーロッパ諸国の圧力に苦しんでいたトルコ人に一抹の光をもたらせ、親日観を高揚した。<br />そのいきさつは、次に書くことにする。<br />

パリ日記 232 熊野灘トルコ軍艦遭難事件

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1971/02 - 1971/02

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#美術館・博物館

ソフィさん

1961年7月1日（土）続

今日の昼ごろ香港からトルコのイスタンブールに着き、観光バスに飛び乗った。
3時間の観光だったが、この国の輝かしい歴史、ここに住む人たちのしっかりした誇りに感動した。

しかしオスマントルコ帝国の栄光から現在に至る流れを知らないかぎり、この国を理解したとは言えない。
トルコは露土戦争で、長くロシアと戦った。
第一次戦争1768年開始から、第六次戦争1878終了まで100年間を超える戦争だった。

17世紀以降オスマントルコ帝国が衰退するに従って，ヨーロッパ諸列強がその領土を狙い、しきりに介入するようになる。
中でもバルカン半島への進出と、不凍港を求め黒海から地中海へ出る海峡の確保を狙うロシアが最も活発で、ロシアとトルコの間に戦争が頻発する。

ロシアは常にトルコを圧迫し続けたが、結果としてイギリス、フランスなどの干渉により、決定的な勝利は得られない。
しかし黒海から地中海に通ずる海路を確保し、バルカン半島に対するトルコの支配力を弱め、ロシアの勢力拡大に成功する。
そしてトルコは、ロシアだけでなく、ヨーロッパ諸国の強い影響下に置かれることになる。

トルコがロシアとの戦いを終えた直後、今から114年前、熊野灘でのトルコ船遭難事件（1890年）が発生する。
トルコの木造軍艦エルトゥールル号は、親善訪日の帰路、和歌山県沖の熊野灘で台風に遭い沈没。
乗員600余名中、500余名が死亡する。

この事故は、ヨーロッパ諸国の圧力に苦しんでいたトルコ人に一抹の光をもたらせ、親日観を高揚した。
そのいきさつは、次に書くことにする。