1970/08 - 1970/08
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片瀬貴文さん
振り返ってみると、私の海外生活は、社会不穏がつきものだった。
1961−1962年の最初の滞在では、先ずベルリン封鎖(ベルリンの壁構築 1961)。
この時は核の脅威さえ身近に感じた。
次いでアルジェリア独立騒動(1954−1962)。
パリの街角では毎日のようにプラスチック爆弾が炸裂し、死傷者が報じられた。
しかし、最近のテロとは違い、負傷者は出てもめったに死者は出なかった。
後年のザイール(アフリカ)生活(1975-1977)でも、アンゴラ戦争(1975-2002)、二度のシャバ戦争(1977/1978)、エボラ熱集団発生と、不穏続きだった。
これらの戦争は、首都キンシャサに暮らす限りあまり身近に感じることはなく、むしろマスコミの報道のため、外国から注目される。
日本からは赴任がストップし、たまたま旅行中だったポルトガルでは、危険地帯への旅行はお勧めできませんと、忠告を受ける始末だった。
これらは不運ではあるが、貴重な体験でもある。
おかげで、平和な生活の有り難さが身にしみて実感出来る。
内戦と聞いても、多少雰囲気が掴めるようになる。
次第に慣らされ鈍感になって度胸がつき、戦争に出くわしても「ああまたか」程度で済まされるようになる。
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